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編集部より

 周知のように、法の支配はどの文明の存続にとっても必要不可欠である。それは国際関係において決定的に重要である。世界が根本的な基準として定めてきたあらゆる国際的な条約や協定、道徳規範の尊重と順守は、万人のための正義を確実にし、信頼と平和を可能にする。

 この枠組みが崩れたり故意に反故にされたりするときに何が起こるかは、知られていないわけではない。歴史には、法の支配と基本的な道徳規範の崩壊の傷痕が散らばっている。すべての人の安全や生存、繁栄を確実なものとするために、私たちはそうした規範を拠り所として生き、行動する。しかし、私たちは比較的最近の歴史でさえも忘れてしまったのだろうか。「二度と繰り返さない」ことに皆が同意し、望んでいたのではないか。

 歴史に関する問題は、もちろん、それが記憶であり、主観的になりやすいということである。そのため、人類全体という集団の利益の代わりに、私たちは他者に対して行われる不正義には目をつぶる一方、自分たちは苦難の歴史を歩んできたからと言って、自らの復讐の権利を要求する。こうして、苦痛を与えたり傷を抱えたり、相互に非難し合ったりして、おぞましい苦しみの連鎖が続き、傍観者たちを残虐性の泥沼に引きずり込んでいくのである。

 私はホロコースト、あなたはナクバというように、犯罪や過ち、苦しみを同一視することに時間を費やすのは正気の沙汰とは思えない。交渉の出発点として、なぜ正義と賠償の平等を求めないのか。いつ、どのように終わるのか。世界は、罪悪感と復讐の間で揺れ動き続け、そうすることで、武器売却や地政学的利益、膨張と拡大を通じて、少数の億万長者にさらなる富をもたらす絶好の機会をつくり出していかなければならないのか。不必要なのだがよく植え付けられた罪悪感が、あまりにも長い間、私たちを人質に取ってきた。そのため、私たちには今日の悲惨な現実が見えなくなっている。

 世界が未来を持つためには、交渉が行われ、正気が優勢とならなければならない。これは、スーダン、イエメン、ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナの紛争など、地球上のあらゆる紛争地域に当てはまる。しかし、戦後賠償においては、これが決して対等な戦いではなかったことが認識されなければならない。現代政治の構造の中には誤った物語が根付いている。何十年もの間、土地を奪われたパレスチナ人にとって正義はなく、その結果、イスラエルには法に基づく安全保障が欠如しているという明白な真実が、世界の指導者たちによっていまだ認識されていない。指導者たちは道徳的な指針を失い、明らかに人間性も失ったように見える。このようなひどく不快で残虐な殺戮に加担せずに傍観することなど、どうしてできようか。私たちが目撃しているのは、明白なジェノサイド(集団殺害犯罪)であり、明らかな民族浄化であり、間違いなく戦争犯罪と人道に対する犯罪である。新しい公正な社会へと指導者たちを導くのは民衆であることを、私たちは知っている。数十万人が国を失い、数万人が命を失おうとしている。もし沈黙していれば、私たちは人間性を失うことになる。

 沈黙していることができるだろうか。一つの民族全体の生命や国だけでなく、私たち全員の人間性が危機に瀕しているときに、私たち民衆は何もしないでいられるだろうか。これは、私たちの本質──つまり人間性──への攻撃である。私たちの精神(マインド)と心(ハート)が危険にさらされている。歴史上のこの時期は、国際社会にとって決定的な転機ではないにせよ、試練の時である。この非人道的な時代に、停戦や正義、虐殺の終結を要求する勇気を見いだすことができないならば、私が考えるに、私たちはさらなる悲劇と、人間性を奪い取るこのフォース(勢力)とのさらに恐ろしい戦いに身を委ねなければならなくなる。中東だけの話ではない。すべての市民が、汚染されていない豊かな自然環境の中で、幸せで、健康的で、快適で、安全で、教養のある、創造的な生活を送っている国は、この地球上にはない。人々と地球を守るためには、より良い統治と政策が必要であることを、私たちは知っている。すべての人のための真の正義、新しい道徳規範、文明社会についてのより明確な定義が必要とされている。

 今月号には、ベンジャミン・クレームの師による多くの記事や、ベンジャミン・クレーム自身による、難しいが今の世の中にふさわしい質問に対する回答が含まれている。また、もし真摯に受け止めれば、私たちの魂を救うことができるような情報を明らかにする記事や統計も掲載されている。こうした情報は、私たちが交渉や、真実と和解、賠償、巨大な集団的努力の過程を開始するのを助けるだろう。それは、正気さと地球の未来に向けて、再構築し、再定義し、人々を方向転換させるための努力である。

 ベンジャミン・クレームの師は「人類の歴史的選択」という記事でこう書いておられる。「人間が歴史的選択をするときは到来した。間もなく人類は極めて重大な決断を、すべての男、女、子供の未来を、まさに地球上の生きものすべての未来を決める決断をしなければならないことに気づくであろう──惑星地球において途切れることなく、限りなく発展する創造性か、あるいは、われわれの住処(ルビ:すみか)であるこの惑星上の人間および人間以下のすべての生命の恐ろしい滅亡かの間の選択である。……

 分かち合いと正義のみが平和をもたらすだろう、とわれわれは言う。すべての人間が、心(ハート)の中で、平和を願う。われわれの勧告は本当に単純である、しかしこれまで、人類にとってそれを把握することは困難であった。人間は神聖なる自由意志を持ち、彼らの運命の支配者である。分かち合いと正義の道を取りなさい、とわれわれは勧告する。それは『同胞団』の衣であり、それなしには、人は十分な人間とは言えない」(シェア・インターナショナル誌2013年3月号)

 私たちはマイトレーヤからのいつもの祝福から、強さと慰めを得ることができる。それは12月25日のクリスマスの日、どの国にいるにせよ、現地時間の午後3時に始まる。マイトレーヤと覚者たちは人類と共に立っておられる。どんなにちっぽけに見えるにせよ、私たちは自分たちの役割を果たさなければならない。

今月号の内容概説

 世界情勢における最近の恐ろしい展開は大きな試練であることを国際社会は知っている──それは私たちの人間性への挑戦である。宗派主義を乗り越え、すべての者を抱擁し、そうすることで「人類という褒美に目を離さないようにする」能力が試されている。
 事実に向き合い、真実を認識しなければならない。このような悲惨な状況における課題は、事実をはっきりとさせることである。大見出しやうわさが入り乱れ、「ジェノサイド」「民族浄化」「戦争犯罪」「アパルトヘイト」といった言葉が拡散している。未来に目を向け、南アフリカにおけるアパルトヘイトの苦々しい後遺症を克服するのを助けるため、マイトレーヤは「真実和解委員会」の設立を鼓舞された。その委員会においては、どれほど苦痛であっても、真実と過失に向き合わなければならなかった。
 私たちは選択することを求められている。もちろん、どちらに味方するかを選ぶのではなく、正義を、いのちと同胞愛を、許しを、復讐への願望の放棄を選ぶことを求められている。すべての思いや衝動、行動が今や、かつてないほど重きをなす──私たちの集合的な未来は私たちの選択にかかっているからである。プロパガンダによって煽られ、金銭的にもうけたり権力を保持したりしたいと考える人々によって操られているため、分断と憎悪が幅を利かせてきた。政治と金融の両方における国家主義、過激主義、ファシズムが、「われわれ対彼ら」という分離主義の概念を生み出してきた。そのような態度は捨て去られねばならない。私たちが一つの惑星上の一つの人類として自分たち自身を知るような世界において、そうした態度に居場所はないからである。各国の大統領や首相は盲目で無知であるように思える。彼らの領土的な利己主義と政治的なパワーゲーム(駆け引き)は災厄に拍車をかけるだけである──彼らがこの災厄を食い止めることはできないかもしれない。もっと多くの国々がこの非常に危険な状況に巻き込まれるのを防ぐために、あらゆる努力がなされなければならない。
 覚者方の洞察を提供するための努力の一環として、同じくらい説得力のある何十というテキストの中から、ベンジャミン・クレームの師である覚者の三つの記事を選んだ。「マイトレーヤの教え」という選集は今、まさに切実に必要とされている。
 このような切迫した情勢の中にあっても、記事の幅広さに関してはバランスを保とうと努めた。「われわれの惑星を救え(SOP)」の欄に掲載された報告に見られるように、環境と地球の健康に関しては引き続き早急な対応が必要である。ジェフリー・サックス氏は国連に対して、今こそ役割を果たすよう呼びかけるとともに、「民族浄化」に言及している(「国連を通してイスラエルとパレスチナを救う」参照)。一方、シェア・ギルモア氏は「人工知能:良い面、悪い面、危険な面」でAIの最良の点や最悪の点を明らかにしている。今年のノーベル平和賞受賞者であるイラン人の人権擁護者、ナルゲス・モハマディ氏の勇気と決意には称賛と驚嘆の念を禁じ得ない。
 民衆の声はますます大きくなっており、解決策を求め、正義と平和を要求している。イラン・パペ氏のような率直な物言いをする批評家も数名選ばれている。パペ氏は歴史家であり、パレスチナとイスエラルを苦しめる血なまぐさい歴史と不正義について記した多くの本の著者である。ベンジャミン・クレームは読者質問欄において、知恵の覚者との密接な関係によって情報を得ながら、「アンホーリー・ランド(神聖でない土地)」の事情についての見解を提供している。
 私たちは重大な選択に直面している。「人の、国家の、人類種族の歴史の中で、人間は、いのちのリアリティ(実相)に自分自身を向け直して、存在の目的とその目的がよりよく達成されるための手段を理解することを求める時が来るのである。
 ……間もなく、至るところにいる人間が彼らの選択の結果を深く考察することを要求されるだろう。彼らの決断に、この世界の未来がかかっている。
 今や非常に間もなく、マイトレーヤが諸国家に重大な選択を提示するだろう──現在の脅えた自己破壊的な様式を続けて、皆ことごとく消滅するか、あるいはマイトレーヤに従って、より簡素な、より健全な、より安全な生き方をするか、それは地球上のすべての人間のためのより幸せな未来を保証し、そして人を進化しつつある神の子としての運命(さだめ)に再び結び付けるだろう」(「人間の重大な選択」──覚者より、ベンジャミン・クレーム筆記)
 2003年11月、マイトレーヤはアムステルダムにあるシェア・ネザーランド・インフォメーションセンターをファミリアの姿で訪問された。彼はもちろん、自分自身をマイトレーヤとは名乗らなかったが、私たちは彼が誰であるかを知っていた──これは2回目の訪問であり、それより3週間前の最初の訪問の後、ベンジャミン・クレームの師によって、ある役割を演じているマイトレーヤであったと確認されていたからである。「……私たちが困難な時代に差しかかるのは本当です。私たちは奈落の底の淵まで行くでしょうが、落ちません。なんとか切り抜けて、淵から落ちたりはしません。……すべてのことはうまくいくでしょう。すべては良くなります。恐れることは何もありません。私は全く疑っていませんよ! ……いかなる疑いもありません」。情報通である賢い訪問者の役割を引き続き演じながら、彼はこう言った。「マイトレーヤがいかに強力であるかを忘れないように。人々はマイトレーヤがどんなに強力な方かを忘れるのです!」
【ベンジャミン・クレームの師は、その『訪問者』が実際にマイトレーヤであったことを確認した】
シェア・インターナショナル誌2004年1月号

「マイトレーヤの計画は人類を活気づけ、人類の前に差し迫っている大きな危険に目覚めさせ、いかにして自滅を避けるかを人類に示すことです。それは、もし私たちが最初のステップを踏み出すならば、非常に単純である、と言われます。……
 何にもまして、人類は平和を確立する必要があります。平和がなければ、人類の未来はないでしょう。なぜなら私たちはこの世界を、生きとし生けるものすべてを破壊してしまうことができる核能力を持つからです。どのようにして平和を得るか。それが基本です。次々と国々を攻撃する最近のアメリカ政府やイギリス政府のやり方が、世界に平和をもたらすことは絶対ありません。世界のテロを終わらせることさえできないでしょう。世界そのものが変わるまでは、テロ行為は決してなくならないでしょう。
 世界に平和を創造し、テロ行為を終わらせる方法は一つしかありません。それは正しい(公正な)世界を創造することです」
(ベンジャミン・クレーム、『全人類のための世界教師』)

今月号の内容概説

 気候活動家たちは、ニューデリーで開催されたG20サミットを酷評している。グリーンピースはそれを「理解しがたい失敗」と評した。私たちは目の前で環境破壊が継続し拡大するのを許してきたが、G20サミットはそうした環境破壊に適切に対処するのに失敗したからだという。若い難民たちが(少なくとも「幸運」であれば)どんどん岸に上がり、亡命希望者の拘留センターに詰めかけ、川やジャングルを渡り、有刺鉄線や砂漠を苦労して通り抜け、私たちに支援と希望、安全を求めている(「G20の首脳たちは最近の 『理解しがたい失敗』で非難を受ける」「児童難民の数が過去最高に」を参照)。こうした記事は、貧困や不正義、気候危機の影響の証となっている。
 今月号の内容は環境問題に焦点を当て、気候に関連した行動や政策の「良い点」やそれほど悪くない点、悪い点について評価している。「死に反対するデモ行進」は、そのような危機の数々の事例に対処するための行動への呼びかけである。
 「マイトレーヤ、途方もないアバター」は、今後2カ月の号へと続く選集の第一部である。今回はアグニ・ヨガの2冊の本からの引用を伴っている。マイトレーヤからのメッセージ(2008年)において、彼は私たちに正義と平和を呼びかけ、世界にこれらが欠如していることが人類の行く手において主要な障害になっていると述べている。
 正義というテーマは、ベンジャミン・クレームの師による記事「『法』の条理」を貫いている。現在の諸々の変化は困難なものであるかもしれないが、最善の結果が得られるように起きており、「避けられないことであり、公正である」と、覚者は読者を安心させている。覚者は私たちに、出来事における自分の役割を受け入れ、非難に加担するのではなく、変化を歓迎するように励ましている。
 「臨死体験」の興味深い予想外の影響についての記事も掲載しているほか、エーテルについて探求し、新しい治療方法を検証している。最後の言葉、裏表紙にある引用文は、ジェフリー・サックス教授が述べたものである。サックス教授は、慈愛を、憐みを呼びかけ、私たちが一つの人類であり、ここが一つの世界であることを認識するよう呼びかけている。

今月号の内容概説「いのちのみが存在する」

 シェア・インターナショナル誌の今月号の目次を見ると、多種多様な記事が集められていることが分かる。「視点」では、140人の専門家によって要望や解決策が提示されている。ベンジャミン・クレームの師は、睡眠中に人類の意識的な認識を促すという、ほとんど知られていない覚者方の働き方について興味深い説明をしている。「臨死体験の後遺症」と題されたマクネア・エザード氏のインタビューの第一部は、新しい調査分野を開拓するものである。一方、教育についてのベンジャミン・クレームの回答と、「新しい時代の教育」という話題に関する選集は、人類が己の本性と実相(リアリティ)についての新しい定義を受け入れることに向けて、歩みを進めていく方法を浮き彫りにしている。
 気候危機についての報告では、各国政府がいかに対策を講じているか、あるいは、この緊急の地球規模の課題に対処するのに失敗しているかが明らかにされている。パレスチナ自治区とイランでは不正義と暴力が横行しており、両国で続く紛争を暴露する二つの記事が掲載されている。レイモンド・ショー氏は「相互確証生存」について書いており、マイトレーヤ、ベンジャミン・クレーム、JFK(ケネディ元米国大統領)、ジェフリー・サックスの声を一つにまとめている。
 フランスとベルギー、日本から届いた寄稿には、シェア・インターナショナル誌に焦点を当てた展示会の様子が記されている。これによって一般大衆は、分かち合いという考えや、諸国の間に信頼の状況を創造するという考えに気楽に触れることになる。こうした状況があれば、交渉や協力、和平努力が活発に行われるようになるだろう。
 私たち人類と私たちの惑星、地球は決定的に重要な時点にさしかかった。輝かしい未来を確実なものとするために多くのことがなされる必要がある。それをなすことは可能であり、やがてなされるであろう。ベンジャミン・クレームの師が「意識の連続性」で書いているように、覚者方によって提供されている刺激により、私たちは徐々に、あまり間違いを犯さなくなり、より優れた、広い見識に基づいた選択をするようになるだろう。「これは、情報が頭脳にまで浸透してくるのを待つ時間の浪費がなく、したがってより急速な進化を伴う。それはまた、情報のより正確な受信を保証し、より正しい行動と結果につながる。これが人類にとって前進への道である」。私たちは「いのちのみが存在する」ことを認識するようになるだろう。その結果、人類はゆっくりと、「神の子としての本当のアイデンティティー(正体)を完全に認識するなかで、知識と至福の内界の収穫を刈り取る」ことを始めるだろう。

東京での「シェア・インターナショナル誌展」

N.I. 、T.K.

 コロナパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、深まる米中対立など、世界が分断に向かう中、人々の意識も変化してきました。そのような中、私たちの活動も内容を再検討し、今まで試みていないシェア・インターナショナル誌そのものに焦点を当てた「シェア・インターナショナル誌展」を、2023年3月、7月に東京都武蔵野市で開催しました。
 同展の会場は、図書館併設の複合施設という場所柄、若い世代から高齢者まで幅広い年代の人が勉強したり本を読んだり、交流の場に使われています。1日に30~40人が訪れ、会場入り口に置いた電子掲示板の裏表紙画像に目を留め、多くの人がバックナンバーを持ち帰りました。若い人がパネルを見て回り、シェア・インターナショナルの記事を読み、静かに情報に触れる姿も何度か見かけられました。長い時間、座って資料を書き写していた高齢女性は「これは持ち出しできないと聞いたから書きとめているの。ハートが大事よ。ハートの形を展示したら?」と提案してきました。また、数時間丁寧に書籍なども見て、購読することを決めた人もいました。
 7月の開催時には、1982年の創刊号から3号までを日本語に翻訳して紹介しました。最初期の誌面には、どのような意図で世に出されたのかを窺える記事が多数掲載されています。その後40年経ち、世界でさまざまな問題の緊急性が高まる今、クレーム氏がもたらした情報を伝える意味とその価値に改めて気づかされる人々も多いのではないかと思います。
 このようにシェア・インターナショナル誌に特化した展示の取り組みはまだ始まったばかりなので、訴えかける力を持つ裏表紙写真などで展示を充実させ、この月刊誌を通して「新しい霊性の時代」についてより多くの人々に考える機会を提供していければいいと願っています。
 本展を見に来た購読者が次のような意見を寄せてくれました。
NK氏:「政治、経済、社会が本来霊的であるとはどういうことなのかについて、シェア・インターナショナル誌は40年以上にわたり多角的に提示し続けてくれていたが、この情報に今、ようやく世界が追いついてきているのではないかと私は思う」
KE氏:「緊急な対応が必要とされる今の世界状況を考えると、この情報を伝える価値は十分にあると信じます。今や人々は答えを求めており、調和と平和に基づいた新しい霊性の時代を心の奥底で渇望しているのではないでしょうか」

今月号の内容概説

 この合併号[日本語版は7月号と8月号に分けて発行]には、六つの「真理の献酒」が見つかるだろう──知恵の覚者によって書かれた記事と、世界の第一人者の一人──ジェフリー・サックス氏──によって書かれた記事「JFKならウクライナの平和をどう追求するのか?」である。現在の危機に関するこの洞察は非常に貴重である。世界の指導者たちが彼の助言を受け止めてくれさえすればよいのだが。また、この合併号に掲載されているのは、一流の経済人類学者──ジェイソン・ヒッケル氏──の声(フィリス・クレーム氏による『より少ないことはより豊かである』の書評を参照)、先住民族の声、出身国での英雄的な蜂起〈ルビ:ほうき〉を描写するイラン人女性、シーダ・コーランギ氏の声、自国での大衆の抗議行動を分析するフランス人、ルーク・ギオリー氏の声、そして自らの生涯と活動を通して新しい世界の建設を呼びかけている同国人、シリル・ディオン氏の声である。
 さらに、ベティ・ストックバウワー氏(「先駆者たち」を参照)は、不朽の知恵の教え──私たちの進化を支援するために覚者方によって提供される、目に見えず認知されることもない援助と鼓舞──を学ぶ者の観点から、歴史を幅広く概観している。ポーリン・ウェルチ氏は信仰と金融を統合し、世界の諸宗教がいかに地球のために実際的な行動を駆り立てているかを描写している。アート・ユリアーンス氏は未来を見つめて「新しい世界宗教」について描写する一方、シェア・ギルモア氏は、太陽系内の他の惑星から来た兄弟姉妹たちとのコンタクト(接触)について報告する『神のUFO』を批評している。彼女の書評およびUAP(未確認航空現象)やUFO(未確認飛行物体)のさらなる報告や写真はすべて、急速に進展する興味深いニュースの流れ──他の惑星上の生命に関する事実の浮上──に完全に合致する。何百万もの人々が、「スペース・ブラザーズ(宇宙の兄弟たち)」による慈悲深い訪問や仕事や存在の目撃者となってきた。何百万もの人々が、宇宙の他のところにいる知的生命の存在を信じている。「体験者」やコンタクティー(接触者)、さらには数え切れないほど多くの目撃者が、目撃報告や時にはコンタクトの報告を携えて前面に出てきている。また、何百万もの人々が、政府が知っていることや60年以上にわたって秘密にしてきたことを「白状する」よう要求している。世界中の政府がこの問題を扱ってきた方法について、多くの人々が批判している。特に、自国民を怖がらせ、他の惑星からの訪問者を中傷しようとする軽率な試みの中で各国政府が広めた誤報や偽情報についての批判が高まっている。各国政府は不合理にも、他の惑星からの訪問者の存在を否定している。
 シェア・インターナショナル誌は、過去への洞察、現在についての理解、未来への希望を──すべてを同時に──提供している。

今月号の内容概説

「人類がこれほどまでに用意を整えたことはかつてなかった」

「前方には多くの困難が横たわる。しかし、われわれの完全勝利よりも確かなものはない」。マイトレーヤは(1976年の暮れか1977年の初めに)このような約束をされた。3ページのメッセージをご覧いただきたい。ベンジャミン・クレームの師は2014年にこう書かれた。「覚者たちの見解からすると、人類が、これほどまでに、将来がもたらすだろう新しい世界を迎える用意を整えたことはかつてなかった。これほどまでに、共通の福利のためのインスピレーションと用意の整うときに近かったことはかつてなかった」
 そうであるから今月号は、「共通の福利」のために、地球を保護し復興させるために働く人々についての、インスピレーションをかき立てる記事で満ちている。ゴールドマン環境賞の受賞者たちはまさしく、地球の一部を確実に保全しようという断固たる決意の模範である。シェア・ギルモア氏は「2023年に気候訴訟が急増する」の中でこう書いている。「市民とコミュニティーは、他の手段が妨害され、そして制限され、もしくはその課題には不適切であることが判明する中で、気候危機に関する正義と説明責任の問題解決のため、裁判所への訴訟を増加させている」
 バーニー・サンダース上院議員は明らかに、現在の政治、経済、社会システムに内在する不正義に憤慨している。サンダース氏は最近、最新刊『資本主義に怒るのは当然だ』に関する講演をオックスフォード・スチューデント・ユニオンで行った。今月号の視点の記事「貧困と飢餓が急増する中、アムネスティが世界規模の『普遍的な社会的保護』を要求する」は、そのような不正義についてさらに深く考察し、「世界中の政府に対し、医療、育児、年金、障害者手当などを必要とするすべての人が利用できるように、普遍的な社会的保護の実施」を求めるという、この人権団体の要請を際立たせている。
 フィリス・クレーム氏は、時代錯誤の華麗さと深刻な貧しさとを対比し、イギリスの現状について重苦しい見方をしている。すべての優れた記事と同様に、多くの疑問が提起されている。
 全体にまたがる重要な疑問は、緊急の変更を実施するのになぜそれほど時間がかかるのか、という疑問である。この疑問に対する答えはある程度、「腐敗」という話題に関する今月号の選集に示されている。また、ベンジャミン・クレームは読者質問欄で自己満足と腐敗を扱っている。
 敏感で理想主義的な人たちにとって、この時代は現在のところ非常に困難であるかもしれない。私たちは毎日、選択に直面しており、生活のあらゆる様相について各人が選択をしなければならない。しかし幸いなことに、ベンジャミン・クレームの師は、厳しいけれども安心感を与えてくれる真相(リアリティ)についてまざまざと知らせてくださっている。「今日われわれが目撃しているのは、まさに『裂開の剣』の働きである。マイトレーヤの愛のエネルギーはすべての者を刺激する──正義と分かち合いを愛し、そのために働く者も、世界に不和と分離を引き起こす者も同様に刺激する。このようにして、『裂開の剣』によって産み出される明確な対比を通して、人々は将来についての本当の選択を──すべての人間、貧しく飢えたる者たち、そしてマネーの男たちや世界の平和の破壊者たち、の未来のための選択を──することができる。われわれ一人ひとりがこの分割のどちらの側に真実を見いだすのかを選択しなければならない」

今月号の内容概説

 不朽の知恵の教えを提示する機会が、シェア・インターナショナル誌5月号により再び提供されている。ベンジャミン・クレームの師によって書かれた記事「人類の選択」が掲載されている。また、新たな仏陀、マイトレーヤの到来を予言したゴータマ仏陀の次のような言葉が紹介されている。「聖なる者、至高の啓発されし者、行動における知恵を備え、宇宙を包含し……」。さらに、1976年に伝えられたマイトレーヤからの未発表のメッセージも掲載されている。これら三つのものは、読む者たちの心をとろけさせ、「共通の善」のために行動するよう燃え立たせるかもしれない。共通の善は、今月号の他のいくつかの記事で繰り返し登場するテーマである。世界は、解決策が必要とされる諸問題に立ち向かっている──これは本質的に、同じくらい霊的な努力であり、ジェフリー・サックス氏のような人々が引き受けている任務である。サックス氏の記事「米国の新しい外交政策の必要性」は、他国を犠牲にして自国を「偉大」にするよりも、多極的な世界を創ることを呼びかけている。トム・ハートマン氏は「人類の商品化はピークに達しているのだろうか?」と問いかけ、コモンズ(共有財)──「私たち民衆」──に向けた移行の重要性を強調している。これは、すべての人が入手すべき物品やサービスの商品化・商業化に対抗するものである。

 水と食糧以上の基本的な必要、共通の善はあるだろうか。シェア・ギルモア氏は「国連が世界の水と気候に関して主導する」ことについて報告し、ポーリン・ウェルチ氏は国連世界食糧計画(WFP)を退任する予定のデイビッド・ビーズリー事務局長へのインタビューの抜粋を提示している。これは間近に迫った飢餓と飢饉について警告するものである。巨大石油会社に関する暴露は、そうした会社の貪欲と、地球の健康に対する「認識ある過失」を引き続き明らかにしている。「シェル石油は、ずっと前から地球規模の気候への影響を知っていた」を参照していただきたい。

 一年におけるこの重要な時期を際立たせるために、仏陀に関する文献や、第五仏陀としてのマイトレーヤについての仏陀の描写に焦点を当てることにした。ジュワル・クール覚者はウエサクに注目するよう促している。この古の聖なる時期における奉仕の重要性を非常に力強く指摘している。「5月の満月つまりウエサク祭のときにハイアラキーのためにどれだけ大きな犠牲を払っても大きすぎるということはない。そのときに特に可能になる霊的なイルミネーションを得るためにどれだけ高い代価を払っても高すぎるということはない」(アリス・ベイリー『新時代の弟子道シリーズ5』)

 今月号を貫いているのは共通の善というテーマと、選択をすることの重要性というテーマである。私たちは決断の時期におり、新しい摂理へと今にも踏み出そうとしている。ベンジャミン・クレームの師が表現しているように、新しい摂理は「その新しさと壮大さにおいて想像できない」ものである。覚者はまた、選択をするよう読者に求めている。「では読者の皆さんはどのような選択をするだろうか。あなたの人生(のサイコロ)をどのように投げるだろうか。マイトレーヤと共に立ち、正義と自由への彼の呼びかけに応えるだろうか。分かち合いと愛によってつくり直された世界を選ぶだろうか。あなたの神性を知り、そしてあなたの同胞の神性を知るようになるだろうか。星々につながるあなたの道はあなたの前にある現実だろうか。この決断、すなわちあなたの魂の選択は、あなたを歓びで満たすだろうか。そして『愛そのものの本源』へあなたを連れていくだろうか」

奉仕の歓びという贈り物

 師である覚者と世界教師マイトレーヤから受け取った情報を一般大衆に提示するよう求められる数年前、ベンジャミン・クレームは師の監督の下、厳しい訓練に数年を費やした。この訓練の一つの側面は、テレパシーの能力と信頼性を高めることであった。大事なのは、世界教師の言葉と師である覚者の言葉を大衆に伝える任務を負った者として、ベンジャミン・クレームは完全に正確でなければならないということだった。不正確さや明瞭さの欠如、混乱、曖昧さは許されなかった──それは決定的に重要であったため、すべての言葉とすべての微妙なところが最大限の正確さをもって伝えられた。
 その情報は、シェア・インターナショナル誌のためにベンジャミン・クレームの師によって毎月書かれる記事という形を取った。そのため、この月刊誌自体が、マイトレーヤ御自身によって率いられたハイアラキーの覚者方の外的顕現という過程における重要な手段となった。

 さらなる教えと情報が140信のメッセージという形でベンジャミン・クレームを通してマイトレーヤによって与えられた。マイトレーヤはその中で、導きや知恵、励ましを提供された。クレームはこう書いている。「これらのコミュニケーションを通じて、救世主(キリスト)マイトレーヤは、社会変革の方向を暗示される。どのようにしてマイトレーヤを認知することができるか、そのヒントを与え、聴衆に御自身の存在の事実を広く伝えるよう要請する。また、分かち合いたいという願望や、人類と御自身に奉仕したいという願望も呼び起こされる。……これらのメッセージを集中した思いで声に出して唱えると、必ずといってよいほど、キリストのエネルギー、如来の心(ハート)の反応を呼び起こすのである。それは、表面的には単純で、心(ハート)から心(ハート)へ送られるのだが、しかしあらゆる次元において働きかけがなされる。メッセージの真なる意味が心に伝わるよう一つ一つ瞑想しながら読む必要がある」(『いのちの水を運ぶ者』1999年[英語初版は1980年発行])

 一般的に知られていないことは、自分がテレパシーで聞いていることを即座に再生する能力を実演し磨くために、クレームがロンドンの自宅での伝導瞑想の後、受け取ったメッセージを声に出して言うよう師によって依頼されたということである。そのように要請されたときのために、テープレコーダーがいつでも使えるように用意された。このようにして、クレームの師とマイトレーヤの両方からの数多くのメッセージが、初期のテープレコーダーで録音され、それから書き起こされ、正確を期すためにクレームの師と一緒にチェックされた。

 次のメッセージは、マイトレーヤが1977年に現代世界にお入りになるために古の山地の隠遁所を去る前の1976年に与えられた。
 このメッセージは直接的で率直(シンプル)な語り口で伝えられており、今月号用に選ばれたクレームの師の記事「人類の選択」にある問いかけや訴えかけに何となく似ていることに読者は気づかれるかもしれない。

キリスト・マイトレーヤからのメッセージ

簡素(シンプル)でありなさい。平静でありなさい。
この愛の贈り物を受け取りなさい。
あなたの心(ハートとマインド)を開き、愛の光線を受け取りなさい。
この愛を受け入れ、この愛を輝かしなさい。
あなた自身を愛として知りなさい。
わたしの贈り物を受け入れなさい。
わたしの存在を肯定しなさい。
わたしの民を褒めたたえなさい。

わたしは間もなくあなたがたの中に入る──あなたがたはこのことを真理として知っている。
行って、教えなさい。
簡素(シンプル)でありなさい、用意を整えなさい、目覚めていなさい、
間に合うようにしなさい、わたしの民となりなさい、
そうして、わたしの帰還を知りなさい。
恐れるでない、わたしの愛に抵抗できるものは何もないのであるから。
わたしの愛が人の心(ハート)に花開くのを妨げることのできるものは何もない。

このことを知りなさい。
そして行動し、語り、わたしの道を明らかにしなさい。
わたしの民として、あなたがたは責任を負っている。
わたしがただちに戻るということ、わたしとわたしの兄弟たち、弟子たちがすぐにあなたがたの中に入るということを、他の人々に告げる責任を負っているのである。
そうして、あなたがたは神を知るであろう。

わたしの到来を知らせ、わたしの心(ハート)を満足させなさい。
わたしの到来を知らせ、あなたの兄弟たちに仕えなさい。
わたしの到来を知らせ、奉仕の歓びという贈り物を受け取りなさい。
わたしの祝福を受け取りなさい。

唯一なる神の光と愛と力とが、あなたがたの心(ハートとマインド)の裡に、いま在るように。

この光と愛と力とが、あなたがたの裡に今もそして永遠に宿る真理として顕れるように。神と共に行きなさい、我が親愛なる子供たちよ。

(ロンドン、1976年12月20日)

今月号の内容概説

 西洋ではさまざまな形で象徴化されている復活祭、復活を祝うあの特別な聖なる時は、読者が今月号を受け取る頃には目前にあるか、あるいは過ぎ去ったばかりだろう。毎年、春になると、さまざまな宇宙的エネルギーがその強さを増し、人類は再び希望を取り戻す──このように言えるのは、キリスト教の隠喩を使うと、世界は「物質主義の墓」から抜け出して、社会正義を現実のものとするために、システムを再編する新たな方法を復活させようと苦闘しているからである。復活祭の時期であるので、イエス覚者に関する記事が掲載されている。これはイエスの生涯についての聖書の見方というよりも、より秘教的な見方を紹介している。また、『主はアメリカを歩めり』第二部にあるように、イエスの後年の仕事にも焦点が当てられている。
 適切に行えているとしたら、本誌は毎月、一般的な考えよりもはるかに幅広い霊性(スピリチュアリティー)についての定義を裏づける多くの事例を提供しているはずである。このため、私たちの情報があらゆる分野の活動家にとって受け入れやすいものとなることは明らかである──このことは地球の保全についての記事や、そうした闘いにおいては誠実な政治と聡明なリーダーシップがいかに大事であるかを説明する報告に示されている。社会正義とは──万人のための最低賃金保障制度の確立のような──経済への新たなアプローチという形で実行に移される霊性のことである。「すべての人のためのベーシックインカム──霊的な法令」第二部が今月号に掲載されている。霊性についてのより包括的な理解のさらなる証拠が、ロベルト・アサジオリが開発した心理学への統合的アプローチの評価という形で見られるほか、霊的な知恵や警告、導きが、エンリケ・バリオス著『アミ 小さな宇宙人』の書評の中で天から私たちに降り注いでいる。パトリシア・ピッチョンは「今、私たちが直面している世界的な課題」という記事で、ヌリエル・ルービニの最新刊『メガスレット』について論じている。
 ベンジャミン・クレームの師である覚者は2014年に「ばくち的ジェスチャー」を書かれた。この記事は、現在の苦悩の原因となっている根本的な不安を描写する、覚者による別の短い記事(読者質問欄を参照していただきたい)と同様に、薄気味悪いほど現在の状況に当てはまる。
 ある日、生涯の最後の年に、ベンジャミン・クレームはファシズム(全体主義)について語り始めた。ファシズムが現在、私たちの生活の非常に多くの分野でいかに支配的になっているかについて語った。ファシズムはいつでも存在していたが、特に金融や経済、さらには政治の分野で、ファシズムのさまざまな形態が現代ほど蔓延した時代はなかったようである。
 クレームが言おうとしていたことは、商業主義が私たちの生活のあらゆる側面へと狡猾に忍び込み、無傷でいられるものはほとんどないということであった。金持ちがより裕福になり、いのちのあらゆる様相が収益活動へと投入され、いのちや惑星そのもの、世界の未来が彼らの貪欲の犠牲になっているだけでなく、あらゆるものが彼らの力への渇望を満足させるために行われている。何の力なのか。心(マインド)を支配する力、政策やイデオロギー、社会の傾向を左右する力、選挙の結果に影響を及ぼす力である。真理が攻撃を受けており、必要とされる物語を支えるために歪曲されている。クレームの師はそれについて(シェア・インターナショナル誌2002年11月号掲載の「権力のグラマー」の中で)こう述べている。「第一の優先事は、事実についての本当の知識である。しかしながら、これは見つけることが難しい。非常に多くの声が、さまざまに矛盾する情報を繰り返し唱え、または叫んでいる。あまりにも多くの意見が、あたかも事実であるかのように扱われており、尊重して耳を傾ける価値のあるもの、信じられるものはほとんどない」。もし真理が信用できないものであれば、意見がそれに取って代わり、世論の操作を容易にする。私たちの共通の価値観と基準はむしばまれ、ほとんどあるいは全く意味をなさなくなる。民主主義は、一般大衆を代弁すると主張する政治家によって「危険だ」と宣告される。皮肉なものだ、では片付けられない。大衆の抗議行動は違法とされ、言論の自由は奪われつつある。クレームの師の言う「マネーの男たち」、権力に飢えたメディア王と国際的な新興財閥は自由を恐れ、自分たちの富を用いて国を買収し、政治家を籠絡し、鉱物資源が豊かな地域の広大な土地を収奪し、農業や医療、武器、エネルギーなどの部門全体を意のままにしている。現在の経済ニュースが示唆しているように、おそらく別の経済的混乱の期間がもうすぐ彼らの権力を失墜させ、世界が緊急に必要とする「更正(リアセスメント)」を引き起こすかもしれない。
 マイトレーヤが抗議者たちを活気づけ、デモ行動に加わり、自由や正義、平等、平和を要求するために行進する人々を支持するのも不思議ではない。ベンジャミン・クレームの師が平和の歓びと分かち合いの至福のために一緒に働くよう呼びかけるのも不思議ではない──分かち合いは、商業主義という横暴に対抗することのできる健全な世界を築くための唯一の基盤だからである。