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今月号の内容概説

 シェア・インターナショナル誌の2025年最初の号(日本語版は1月号と2月号に分けて発行)は、忘れ去られたかもしれない珠玉の知恵を思い起こさせながら、安心と新たな洞察をもたらすのに十分な情報とインスピレーションを提供することを願っている。選ばれた記事は、古代の知恵を私たちの困難な時代に関連づけている。
 今月号のベンジャミン・クレームの師の記事では、協力の必要性が強調されている。「協力はグループの努力のすべての成功への鍵を握り、聖なる善意の顕れである。協力なしには、長続きするものは何も達成されない。というのは、協力は多種多様の見解の統合をもたらすからである」

 災厄から、人間の優しさと勇気の行為は花開く。ガザの瓦礫の中から、「共通の課題を通した平和」への共同の努力は生まれる。これ以降のページにも、前向きな行動、無私の連帯と善意の行為についての報告が満載されている。10代の若者が世界新記録を樹立した── 一体感と共感から生まれた努力である。貧困とは無縁でないメキシコシティ市長は慈悲の拠点をつくり、そのアイディアは勢いを増している。ある献身的な医師は、傷ついた精神と心をホメオパシーがどのように癒すかについて説明している。活動家たちと決意を固めた市民たちは正義と和合のために協力している──「イスラエルとパレスチナの和平と正義のために共に立ち上がる(第一部)」を参照。気候変動と現状改革に取り組むタイムリーな報告や記事も多数ある。例えば、「環境活動家が非難を浴びている」「水、生命の源(第二部)──分かち合いの必要性」などである。

 「転換期にある世界」と題された選集は、いのちの循環的な性質を強調し、システムや文明の興亡を扱っている。一つの文明が崩壊すると、新しい文明が押し寄せ、次の時代を形成する。ベンジャミン・クレームと彼の師は、偉大な「原因と結果の法則」についてさらなる洞察を提供している。ベンジャミン・クレームは主要な記事で生や死、輪廻転生について説明する一方、師である覚者は別の記事で「再生誕の法則」を扱っている。生や死、再生誕、カルマの本質について説明したり理解したりしたい人にとって、本号(日本語版では2月号)は明快さと安心感を与えてくれる素晴らしいハンドブックとなるだろう。

 平和と和合の促進および実践に自らの生涯と功績を捧げたジミー・カーター氏への最後の賛辞を省略することはできない。シェア・インターナショナル誌は、学生時代に学校の課題でカーター大統領にさまざまな質問をしたオランダ人青年から手紙の転載許可を得た。彼は幸運にも、2017年に元大統領からの手書きの返事を受け取ることができた。当時、カーター大統領は93歳だった。手書きの返事が書き込まれた手紙の一部をご覧いただきたい。元大統領が時間をつくって直接返事をするとは、なんと驚くべきことだろう! 人々と世界に奉仕することに生涯を捧げた指導者がいたとすれば、それはジミー・カーター氏である。彼はまた、ほとんどの人よりもはるかに広いスケールで和合の概念を理解していた。他の惑星の生命について尋ねられたとき、彼はこう答えた。「私の見方では、恐れるものは何もありません。そこに生命が存在するとしても、私たちは皆、同じマスタープラン(基本計画)の一部です。神の手は、私たち両方を抱きしめるほど十分に大きいのです」。そして1977年、ボイジャー宇宙船に取り付けられた2枚のゴールデンレコードに彼のメッセージが記録された。ボイジャー宇宙船は今も、太陽によってつくられた太陽圏の外側の宇宙の端を観測している。このレコードは、当時の地球の生活をタイムカプセルに収めたもので、地球の人々や文化、自然を地球外生命体に伝えるために設計された。カーター大統領の録音メッセージでは次のことが語られている。「われわれは、あなた方へと時代を継承できるように、われわれの時代を生き延びようとしています。われわれはいつの日にか、現在直面している課題を解消し、銀河文明の一員となることを期待します。このレコードではわれわれの希望、われわれの決意、われわれの善意が、広大で畏怖すべき宇宙に向かって示されています」

 ベンジャミン・クレームの師は「協力」という記事で、困難な時代において次のような安心感を与えている。「協力は和合のもう一つの言葉である。和合と協力がすべての人間にとっての未来への跳躍台であり、達成への保証である。人類の裡に偉大なる力の貯蔵池が未開拓のまま横たわっており、協力の魔術によって解き放たれるのを待つ」
 シェア・インターナショナル誌の裏表紙にはいつも、鋭く、賢明で、示唆に富んだ名言が掲載されている。この最後の言葉はベンジャミン・クレームの師の記事からの引用であり、覚者は次のように助言している。「愛と歓びを実践し、絶望の扉を永久にしっかりと閉じなさい。これをなしなさい、そうすればあなたは想像以上に人類を助けるだろう」(「生きる歓び」より)

今月号の内容概説

おそらく多くの読者は、2024年の扉が閉まることにほっとするだろう。しかし、少なくとも可能性の面においては、2024年は私たちに多くのことを教えてくれた。実際、非常に多くの教訓があったため、新たな現実とその将来への影響について熟考し、折り合いをつける時間が必要である。

 ベンジャミン・クレームの師による二つの記事は現在でも、私たちが置かれている状況と今後の状況への見通しを提供している。2012年の記事「パイシス(双魚宮)からアクエリアス(宝瓶宮)へ」において、覚者は大いに必要とされる希望と励ましを提供している。人類の心(マインド)の状態について、次のように保証している。「アクエリアス(宝瓶宮)の輝かしい光が彼らの心(ハート)に入りつつあり、正義と自由を求める叫びは容易に彼らの唇に持ち上がる。分かち合いを通して、この同じ正義が人間を暗闇の中から抜け出させて、彼らの運命づけられた目標へと前進させるだろう。そのようになるだろう」。「将来の一対の柱」(2013年9月号)では、1%の超富裕層と世界のそれ以外の人々との間の継続的な闘争について述べ、反対運動が始まり、膨れ上がっていることを指摘している。「これからは、世界の“立役者たち”すなわち富と権力の男たちは彼らの策略と計画に対する抵抗がますます増大するのを発見するだろう」。今日の世界において両派間の溝は深く、憤りが高まっているにもかかわらず、それは人類にとって良い兆しである。覚者はこう説明している。「分かち合いの原則は人間の苦難に対する素晴らしい答えである。公正な分かち合いは、この世界をあっという間に変容させるだろう。他にたくさんの方法が試みられてきたが、失敗に終わった。人間の計画の中に、分かち合いが位置を見つけられなかったのは不思議ではないか」

 変更は絶えず起こるものである。フィリス・クレームの「個人的なメモ」は、変更があり得るという2016年のクレームの表明に関する彼女自身の説明で、こうした現実を裏付けている。
 ジェフリー・サックス教授による今月号の「視点」は、歴史的な法的決定の発表に応えて書かれた。「ネタニヤフ氏に対するICCの逮捕令状は米国の政策と共謀に対する告発でもある」。これは間違いなく、21世紀で最も重要な法的判断の一つであり、数十年にわたる政治的、軍事的操作の背後にある生々しい真実を暴露している。サックス教授はこう述べている。「結局のところ、これはイスラエル・ロビーがいかに米国を弱体化させ、中東を破滅させ、人道に対する一連の国際犯罪を引き起こしたかという物語なのである」。これがクリスマスのごちそうではないことは承知しているが、正義と真実を祝うものであり、一度認められれば、最終的には万人の平和につながる可能性がある。私たち人間が作り出した法律や条約は、原因と結果の法則の反映である。世界は法律を信じ、共同生活の実際の基盤として真実と事実を再び見いだすことができるようになる必要がある。サックス教授はまた、解決策も指摘している。「イスラエルとパレスチナの危機に対する明白な解決策は、二国家解決を実施し、実施プロセスの一環として過激派グループを非武装化することである」

 今月号では、二つの記事でジミー・カーター氏の生涯を称え、敬意を表している。エリッサ・グラーフは次のように書いている。「政治的大変動と不確実性のこの激動の時代に、多くの人は自分たちの指導者に注目している──貪欲な企業に屈したり、独裁的な権力をつかんだりするのではなく、人権を擁護し、世界の平和のために立ち上がる勇敢な政治家や女性たちである。一言で言えば、私たちが今必要としている指導者は、マイトレーヤの優先事項に同調する指導者である。 人類が直面している重大な問題を認識しており、自分の職を通して達成できる世界への奉仕を認識している人たち──私たちを分断することなく、団結させることができる指導者──である」。この100歳を超える人物へのエリッサ・グラーフによる賛辞に続いて、ジミー・カーター氏についてのクレームのコメントもご覧いただきたい。

 「米国の医療におけるホメオパシーの忘れられた歴史」についてのインタビューは、私たちの多くが経験する、医療への一般的なアプローチに欠けているものを正確に明らかにし、ホメオパシーがどのように作用するかについても説明している。「患者の意識が見過ごされている従来の医療とは全く異なります」
 世界中の若者(そして高齢者)と同様に、私たちは気候危機を懸念している。地球を救おうとする若者の努力に多くを負っている。「われわれの惑星を救え」の欄の報告や記事をご覧いただきたい。もし無限のフリーエネルギーがあり、それが要求されたり、私有化されたり、1%の人々のための営利事業にされたりすることがなければ、どんなに違った地球社会になるかを想像してみてほしい! ダグラス・グリフィンは、スティーブン・グリア博士の仕事と「フリーエネルギー」について報告している。

 カルロス・エイドリアン・ペレスによる「COP16後の環境保全を再考する」は、ラテンアメリカからの歓迎すべき声である。気候変動、不平等、不正義、解決策を結びつけ、マイトレーヤのアイディアを推し進めているからである。「生物多様性の喪失を加速させている地球規模の環境危機は、深刻な社会経済的不平等によって悪化している。しかし、環境悪化の影響を最も受けているのは、環境保護において重要な役割を果たすことができるコミュニティーであることが多い」
 私たちはガザ地区、その苦しみ、その子供たちを忘れたわけではない。核兵器の危険性も忘れたことはない。日本の団体、日本被団協が2024年のノーベル平和賞を受賞したことに祝意を表したい。その業績によって「核のタブー」が生み出されたからである。

 今月号は賢明な言葉に満ちている。リーダーやコミュニティー全体が、こうした言葉に耳を傾け、理解してくれたらいいのだが! 私たちが提示し、繰り返し述べている考えや原則──まさに根強いマントラ──が心に留められ、行動に移されるなら、何と新しく、美しい、正気な世界を創造することができるだろう! 分かち合いや正義、正しい人間関係という非常に明白な必要性に世界が目覚めるのに、どれだけ時間がかかるかという問題については、まだ結論が出ていない。しかし、マイトレーヤの言葉を借りれば、確かなことは、「すべては良くなるだろう」ということである。いつか、マイトレーヤはすべての人に知られるようになるだろう──いったん私たちが必要な変化を起こし、マイトレーヤの優先事項を私たち自身の優先事項とみなし、実行に移し始めるならば。それは、真実を愛し、平和を愛し、自らを「一つ」とみなす世界に向けての優先事項である。
今月号の裏表紙の引用文は、マイトレーヤが何年にもわたって12月に伝えてこられたメッセージから抜粋したものである。「わたしの教えはこれである──分かち合うことを学び、兄弟の手を握り、兄弟をあなた自身として知りなさい。この単純(シンプル)な真理を教えなさい、それは、神の法を教えることになるのである」(メッセージ第91信、1979年12月12日)

 私たちが何とかこれを実行することができたと仮定してみてください。
シェア・インターナショナル誌は、読者の皆さんにこうしたすべての祝福があることを願っている。どこにいても、クリスマスの日の午後3時(日本の場合は午後7時)にマイトレーヤからの祝福があることを覚えておいてください。

今月号の内容概説

 今月号の覚者の記事「和合の重要性」(2013年)を読むと、それが過去12カ月の間に書かれたものだと思うだろう。堕落、恐怖、ジェノサイド(集団殺害)の年の始まりである2023年10月からちょうど1年を迎えた。ベンジャミン・クレームの師はこう言われる。「『平和』は欠くことのできないものであるが、『正義』が支配するところにのみ達成され得る」……「政治的、経済的問題は、基本的に霊的な性質のものであるが、政治、経済の分野においてのみ解決することができる。和合が追求され、顕現されなければならない。さもなければ、現在の世界の状況によって強要される緊張が人間を最も危険な行動に追いやるだろう。この理由のために、マイトレーヤは和合を、すべての者の必要についての理解を呼びかける」
 今月号では、和合と正義という、緊急ではあるが長らく延び延びになっている必要性に焦点を当てた。また、マイトレーヤがなぜ政治と経済の分野で働くことを選ばれたのか、なぜこれらの分野がハイアラキーによって「霊的」とみなされるのかについてのベンジャミン・クレームと彼の師による説明にもスペースを割いた。
 「人類の一体性」という選集をご覧いただければ、簡潔で力強い疑問と表明が見つかる。「世界は一つであるのに、いかで二つの世界が存在し得ようか。法はすべての人間に対して同じであるのに、いかで分割があり得ようか。やがて人間は、大勢の人々の苦しみは総体の病であることを理解し、そして正義のみがその治療法であることを理解するだろう」(ベンジャミン・クレームの師、「正義は神聖なり」より)
 今月号は、政治、国際社会の正義、科学、自然の状態など、非常に多彩な内容となっている。また、いつものように、ベンジャミン・クレームの洞察は、読者の質問に対する彼の回答に浸透している。

親愛なるアメリカへ

親愛なるアメリカへ
 私たちがあなたに手紙を書いているのは、あなたには世界の未来を確実にするか、あるいはあらゆる国籍を持つあなたの惑星の兄弟姉妹である私たち全員を、想像を絶する悲劇に陥れるかを決める力があるからです。あなたが投票に行くまで、もうあまり時間は残っていません。この11月に投票に行くとき、この時期は非常に重要なので、あなたは「歴史のコースを変える機会を得るだろう」と、ベンジャミン・クレームの師である覚者は「アメリカの選択」という記事の中で書いています。民主的権利を行使するという単純な行為により、「近未来の様式と機構が大きくかかっている」決定を下すことになるのはあなたの運命なのです。
自分がそれほど重要で強力な存在であることに気づいていたでしょうか。おそらくあなたは、軍隊や武器、戦争への意欲があるからこそ強力であると思っているでしょう。まさにそこが、あなたの最も弱いところです。軍産複合体、億万長者、特別利益団体が、あなたにタカ派で軍国主義的な条件付けをして、若者を犠牲にすることを厭わなくさせているのです。誰が得をすると思いますか。亡くなった英雄たちではないことは確かです。

 あなたが世界で重要な役割を果たしているのは、それぞれの国が独自の神聖な運命を持っているのと同じように、あなたには真の英雄となり、文字どおり私たち全員を救うという素晴らしい機会が与えられているからです。
 2004年、ベンジャミン・クレームの師は、あなたの対応の重大さと潜在的な偉大さを強調しながら、あなたにこう訴えました。
  「アメリカ合衆国の市民には重大な決定を下す時が迫っている。今年の11月の彼らの決定に何百万の、アメリカ一国ではなくその他の多くの国々の未来の幸福がかかっている。この決定は難しいことではないと、その選択は平和と正しい関係を大切にする者すべてにとって必ずや明白なことだと思えた」
 それから丸20年が経った今、この極めて重要な瞬間から、歴史的に壮麗な時代を創造する機会が再び与えられています。文字どおり、すべてを賭けることになります。あなたは勝つことが好きなことを自分で知っているでしょう。正しい選択をして、「あなたの神性へと足を踏み入れてください」。歴史においてこれまであなたがしてきたことでこれに匹敵するものはほとんどありません。この11月の選挙で賢明な選択をすることは、一つの機会であり義務です。それほど重要なのです。一票一票がどれほど重要で、種族(人類)の未来に直結しているかを説明することはほとんど不可能です。一票一票が重きをなします。今度の選挙の結果は、私たちの惑星とそこに存在するすべての生命がどのように繁栄するか、あるいは衰退するかを決定するでしょう。

 あなたは、自分が金持ちで、偉大な経済を発展させ、非常に競争心が強く、何をするにも勝つために行動するから、この天与の「決定票」を持っていると思いますか。世界唯一の覇権国として圧倒的な商業帝国を築いているからこそ、重要だという感覚を抱くのでしょうか。
 そうではありません。人生の多くのことに対して厳しい姿勢を貫くにもかかわらず、協力し、助け合い、隣人として親切でありたいという生来の願望があるからこそ、あなたは真の天命を授かっているのです。寛大な精神があったからこそ、マーシャル・プランを立ち上げ、苦しむ人々の援助のために駆けつけることができたのです。今でも何百万もの人々が戦争の影響に苦しみ、飢餓(ガザでは意図的に引き起こされた飢きん)に苦しみ、気候破壊に苦しみ、あなたの同盟国によって押し付けられた殺戮に苦しんでいます。気候破壊については、あなたの政府の政策(そして世界中の私たちの政府の政策)によって変えることができます。殺戮については、あなたの同盟国はあなたの理想主義を冷笑的に操作し、それがあまりに行き過ぎたために同盟国が支配権を握り、親愛なるアメリカよ、あなたがジェノサイド(集団殺害)を起こるままにし、言語に絶する残虐行為を見て見ぬふりをすることにつながっています。 
 1941 年に連合軍に加わることができたのは、あなたの理想主義と勇気があったからです。その理想主義的な良心に後押しされ、あなたは自国の指導者や他国の指導者に、正しいことをするようたびたび訴えてきました。ベンジャミン・クレームの師はあなたを次のように評しています。覚者は知っているはずです!
「アメリカは世界に提供できる多くの良いものを持つ偉大なる国である。アメリカは今、奉仕し、平和と正義の中に生き、そして調和と協力の中ですべての国々と一緒にこの世界をつくり直すために共に働くことを請い願うアメリカの魂に目覚めなければならない」

 ですから、親愛なるアメリカよ、外の世界の集団的な苦しみに目を向けてください。内にも目を向け、あなたの偉大な魂が、あなたに対して魂の促しに従って行動し、世界を助けるようにと呼びかけている澄んだ声を聞くことができるようにしてください。私たち、世界の他の国々は、あなたの最高の力を必要としています。
 ベンジャミン・クレームの師の声をさらに付け加えることにします。覚者は普遍的な正義を広く訴えています。「もちろん、アメリカのみが世界の不公平性、すなわちわれわれの直中にある基礎的な潰瘍、われわれの困難のすべての源に対して責任があるのではない。苦闘する貧しい者たちを全く斟酌せず、横柄な扱いをするすべての先進開発国とその責任を分かち持つ。アメリカはこの緊張、そしてテロ行為の主要な原因に目覚めなければならない。
 そこに西欧世界の過失がある。これらの“成功した”国々はその富と支配力を主に歴史に負うており、また世界経済を強引な“市場のフォース”を通して彼ら自身に有利なように操る彼らの能力に負うのである。世界の哀れな極貧の者たちは、今や自分たちの分け前を要求する。もしわれわれがこの単純な正義への当然の権利に対処し改善しなければ、世界に平和はないだろう。テロリズムは嵩じて、戦争に発展し、それは地球上の人間の未来を脅かすだろう。
 あなた方の兄たちであるわたしたちは、まさにこの世界の未来が脅威にさらされているのを傍らに立って眺めていることはできない。アメリカは世界に提供できる多くの良いものを持つ偉大なる国である。アメリカは今、奉仕し、平和と正義の中に生き、そして調和と協力の中ですべての国々と一緒にこの世界をつくり直すために共に働くことを請い願うアメリカの魂に目覚めなければならない。この選挙は人事における大きな転換点である」
(「アメリカの選択」、シェア・インターナショナル誌2004年11月号)

 ベンジャミン・クレームの師は、当時[2004年]の米政権の「テロとの戦い」への対応について書き、表向きはテロと戦うための米政府の政策と行動の悲しい不条理についてこう説明している。
  「“テロ戦争”を戦うということは幻影と戦うことであり、無益で、高価な、そして危険な演習である。……このアメリカ政権は、その傲慢さと無知ゆえに、盲目的にその罠に落ちてしまった。災難を受けるのはアメリカの国民であり、アメリカの犠牲者であり、全体としての世界である。テロに対処する方法は、そしてわれわれの直中にあるこの腫瘍を永久に終わらせる方法はただ一つしかない――その原因を探すことである。
 テロリズム(テロ行為)の原因はもちろん幾つかあるが、とりわけ重要なのは、世界資源の不均衡な分配である。これが国家間に危険な溝をつくり、人々を自分たちの夢を実現するためにテロの手段に追いやる。彼らは死にもの狂いの人間であり、失うものを何も持たない者たちである。彼らが願い求める正義のために、当然のことだが彼らが自分たち自身の権利と見なす正義のために、もし必要ならば死ぬ覚悟のあるそのような死にもの狂いの人間の、膨大な、まだ活用されていない大群が存在する。
 どんな“テロ戦争”もそのような軍隊を打ち負かすことはできない。いかなる傲慢な身構えも彼らを西欧世界の要塞から追い出すことはできない。
 いかに強かろうが、一国でテロリズムを打ち負かすことはできない。それはこの世界を醜くしている不正義から生まれるものである。
 人間が分かち合うことを学ぶときにのみテロリズムの終末をみるだろう。分かち合いを通してのみ、正義と自由の目標は実現され得る。偉大なる祝福されたアメリカ合衆国の市民であるあなた方に対するわたしたちの懇請は、あなた方が投票するとき、注意深く考えなさい、そしてあなた方の本来の特性である心(ハート)から行動しなさい」
(シェア・インターナショナル誌2004年10月号)

署名済み
苦しむ地球のすべての国にいるあなたの兄弟姉妹たちより

緊急 ── 力強い行動が必要

 本誌の多くの読者は、たとえ理論上であっても、覚者方が予見したアメリカ合衆国の未来を知っており、合衆国の運命がこの惑星の未来のための神の計画の一部であることを知っている。

 そのため、そうした読者がどのような反応を示すかは完全に理解可能である。世界人口の大部分が人類のことを恥じ、悲しんでいる。無頓着で注意散漫な人々は意に介さないだろう。洗脳された人々、思想を注ぎ込まれた人々、魂を売った人々は拍手喝采を送る。物事がよく見える人々はできる限りのことをするが、しばしば口封じをされ、抗議行動は解散させられ、「大いなる不名誉」の一部となってしまった政府によって違法と判断される。私たちの集団的なカルマの記録に汚点を残すような出来事を、歴史は許すだろうか、それとも忘れるだろうか。

 世界の多くの地域における飢餓や大規模な貧困に目をつぶっていただけでも、十分にひどいことであった。政府が国際人道法や海洋法を無視し、絶望に打ちひしがれた移民たちに港や国境を閉ざしたことも、忌まわしいことであった。私たちは民間人の虐殺や子供たちの殺戮、一つの国とその国民の破壊を目の当たりにしており、事態はさらに悪化した。人道に対する気違いじみた犯罪、ジェノサイド(集団殺害)、民族浄化を目にしており、日に日に耐え難くなってきている。

 すでにそうした恐怖の重荷を背負っていたのであるが、今やまた屈辱を味わっている。人道に対する罪を犯したとみなされている過激主義者の政権の残忍な指導者が、アメリカの民主主義の中心に招き入れられたからである。政府の中枢にいただけでは十分に破壊的ではないが、彼は議会に対して嘘をついた。そして、人民の議院でのスタンディングオベーションという褒美をもらった。

 平均的なアメリカ市民にとって議会とは何か。「合衆国憲法第1条は、議会として知られる立法府を設立した。議会は、すべてのアメリカ人の日常生活に影響を与える法律を制定し、人民の声として奉仕することを意図している。その責務には、政府の機能や計画への資金提供、立法過程に関する情報を提供するための公聴会の開催、行政府の監督などが含まれる」(visitthecapitol.gov)

 あの出来事により、正義に対して、真実に対して、人民の声とその代表者たちの権威に対して、どのような害が及ぼされたのか。その光景はイスラエルに、虐殺を続け、この地域で戦争の舞台を拡大するための白紙委任状──米国の全面的な許可と後ろ盾──を与えた。このような狂気の結果がどうなるかは、推測することしかできない。ネタニヤフ首相がより広範な戦争を、可能であればイランとの戦争を望み、必要としているのは明らかである。戦争が長引けばイスラエルの現職首相の実刑判決が遅れるからといって、自分自身に「刑務所から出られる免罪符」を与えるのは、他人の生死に対する何と利己的で冷笑的なアプローチであろうか。例えば米国のような他の国で、大統領候補が高官職に就くことで実刑判決を回避できるのと同じである。

 これは民主主義の汚点である。アメリカ市民はどうなるのだろうか。アメリカの税金で賄われた爆弾が国民全体の命を奪うとき、どのような選択肢があるだろうか。蛮行を容認することは、米国と国際社会にとって代償を伴うことになるに違いない。

 マイトレーヤのエネルギーは、建設的なものと破壊的なものとの間の選択を明確にするために働いていることを私たちは知っている──創造的で平和な社会につながる、前向きで協力的な目標へと世界を前進させるものと、その反対のものとの間の選択である。そのような選択を迫られたうえで、犯罪者として裁かれるかもしれない男が、議会から世界に向けて演説することが許されたのだろうか。アメリカ国民を代表して決定を下す権力の座にある人々が、善の選択か、その反対の選択かを迫られた瞬間がここにあった。今後数カ月、選挙民はどのような選択を迫られるだろうか。

 アメリカ合衆国の初期のモットーは、「エ・プルリブス・ウヌム(多数から一つへ)」であった。その後、モットーは、「われわれは神を信ずる」となった。合衆国の秘教的なモットーは、「私は道を照らす」である。
 この目標を達成するためには、すべての国民が必要となるだろう。「プルリブス(多数)」とは、多州を指すだけでなく、多文化、多民族が混ざり合ったものを指すとも解釈することができる。それが合衆国の強みであり、運命である──すべての人がそれを受け入れさえすれば。彼らは、新しい文明と新しい人間のための、いわば、基本的な構成要素となるだろう──それは直観的な種族であり、人々は協力や調和、相乗効果という普遍的な法則に従って生き、分かち合いが当たり前になるだろう。

アメリカの運命

「世界はアメリカの魂の出現を待つ。それはかなり以前に、マーシャルプランというあの美を誕生させた。また世界は、マイトレーヤが人類に道を示すために出現されるのを待つ。マイトレーヤの教えがアメリカ合衆国の理想主義的魂を目覚めさせ、喚起させるだろう。そしてアメリカの最良の市民たちを、彼らがいつも心(ハート)に抱いてきた光に向けさせるだろう。彼らは世界中の兄弟姉妹たちと協調して、マイトレーヤに鼓舞されて、一致して、待っている世界に正義を、したがって平和をもたらすだろう」

(ベンジャミン・クレームの師、「待っている世界」、
シェア・インターナショナル誌2003年5月号)

待っている間

 世界が待っている間、そして2024年11月の米国での選挙を注視しながら、以下の挑戦的な文章を読むのも悪くはないだろう。第二次世界大戦が激化し、自由な人類の未来が脅かされる中、ジュワル・クール覚者が『ハイラーキーの出現』の中で、当時中立国であったアメリカ合衆国に連合軍への参加を促すために書いたものである。この文章の中には、覚者の次の言葉がある。平和のために祈りを捧げた後に、善の勢力があなたの代わりに戦い、神が仕事をしてくれるのを辛抱強く待つのですか。

「今日の世界危機」1940年6月30日

 「今日、死の勢力が跋扈しているが、それは自由の死、言論の自由の死、行動の自由の死、真理と高位の霊的な価値観の死である。……悪と人間の苦しみに直面してもなお消極的な姿勢をとるよう説き、何の危険も伴わない平和主義を容認する人々に対して、私は次のように言いたい。あなたは一体何をもってして、今日地球を闊歩している侵略の勢力、裏切りと悪と破壊の勢力と戦うつもりなのですかと。この戦いにどのような武器を持ち込むのですか。猛攻撃を食い止め、嵐を静めるために、どこから手をつけるのですか。平和のために祈りを捧げた後に、善の勢力があなたの代わりに戦い、神が仕事をしてくれるのを辛抱強く待つのですか。あなたの祈りや願いは、正しく力強い行動を伴わないならば役には立たないと私は告げる。象徴的に言って、あなたの祈りや懇願は神の玉座に届くかもしれないが、そのとき次のような返事が返ってくる。もしあなたが立ち上がり、自分が望むもののために戦うならば、光の勢力はあなたの腕を強め、あなたに有利なように潮流を変えるであろうと。もし善意の人々が、自分の理想主義に安んじて、自分の希望が正当であることを証明したり、望ましい理想の実現に尽力したりするために、実際的なことを全く行わないならば、誰が好戦的な利己主義の前進を食い止めるというのですか」

(ジュワル・クール覚者、『ハイラーキーの出現(上)』、AABライブラリー)

 アメリカの神聖な運命を考えると、世界の方向性と私たちが共有する運命は、物事を明確に見る善意の人々の手に委ねられていると言っても過言ではないようである。
 ジュワル・クール覚者は上記で「力強い行動」の必要性に言及している。行動していないことを嘆くだけならば、言葉は空虚である。古代からの、まだ打ち負かされていない悪が私たちの時代に再び表面に現れており、明晰に考えることや、声を上げ、適切な合法的行動を取ることが求められている。そのこと自体が希望の源である。
 怒りと憎しみからの束の間の休息を与えてくれたのは、パリ・オリンピックであった。その雰囲気は幸せで、協力的で、相互尊重の模範に満ちているようであった。フィナーレでは、善良さを分かち合う世界への明白な切望を感じさせる、示唆に富むシンボルが用意されていた。
 砂漠に降る恵みの雨のようであった──英国からの最近のニュースについてはそう感じられた。極右の人種差別主義者による暴行が何日間も続いたのを受けて、あらゆる年齢、民族、信仰を背景に持つ何千人もの英国人が決然として、国内の各都市で反ファシストの抗議デモに参加した。その善意と人間味あふれる声は、私たちの日中や不穏な夜を埋め尽くすジェノサイドと苦しみの光景とは全く対照的で、喜ばしいものであった。人種差別、ファシズム、憎悪に立ち向かうために、このような抗議行動は今後も続くだろうか。これは、団結した行動の中にこそ希望があることを改めて示す、「力強い行動」であった。私たち民衆こそが、私たちの地域社会、国家、そして未来への希望の源である。

編集部より/今月号の内容概説

本誌

 本誌シェア・インターナショナルの協働者(コーワーカー)たちは、「シェア・インターナショナル誌というのは何についての雑誌ですか」とよく聞かれる。
 その質問に答える方法はたくさんある。1982年、本誌が創刊される直前、私たちは次のように書いた。「シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向──政治的と霊的──を統合する。主な目的は、新しい時代の世界教師マイトレーヤと知恵の覚者方が今、私たちの中におり、徐々に公の舞台へと出現しつつあるという事実を知らせることである。同時に、現在、世界的規模で起こっている政治的、社会的、経済的、霊的な変化の底に横たわる統合を示し、この世界をより正しい、慈悲深い線に沿って再建するための実際的な行動を刺激することを意図する」

 本誌は、いのちについての雑誌である。おこがましい主張だと言う人もいるだろう。定期購読者なら、歴史のさびついた扉の鍵が開けられるのを目にし、頻度は低いものの、ほとんどの人が知らない文明、例えばアトランティス文明へと思いをはせることになったことを思い出すだろう。さらに重要なのは、アトランティスのような不可思議な世界が最終的に失敗し、容赦ないカルマの波間に沈んだのはなぜかを説明するため、古代の記録文書(アーカイブ)が開かれることである。貪欲、はなはだしい物質主義、分離主義が、アトランティスを終焉に導いた──今日、まさにこの教訓を心に刻みつけなければならない。第一次世界大戦と第二次世界大戦の淵源は、そうした初期の暗黒時代にまでさかのぼることができる──もう一つの教訓である。言い換えれば、この出版物は教育的で啓発的であり、現代とその先の時代のための指針を提供するものである。

 本誌のページをめくれば、人類が一つの存在であるだけでなく、地球上のすべての生命と絡み合っており、自然界に対する責任を負っているということを知ることができる。そして、これはスリルを感じさせることであるが、私たちの惑星は太陽系という太陽の家族の一員であり、その太陽系は偉大な生命そのものである、ということが書かれている。さらに、人を謙虚にさせるような事実として、太陽系内の他の惑星には、私たちの幸せだけを願い、カルマの法則の制限内で私たちを私たち自身から救うために奉仕しようとする、知性を持った善良な友人や助力者たちが存在している。
 本誌は、未来についての雑誌であり、私たち全員が切望する世界をどのように創造することができるかについて書かれている。「私たち全員」とは、新しいあり方や生き方を切望するすべての人々のことである。こうしたページは、未来への鍵を握っている。というのは、私たちはマイトレーヤの知恵と教え、道を示す者としての覚者の言葉、そして覚者と緊密に連携して働いた高位の弟子の言葉を読むことができるという幸運に浴しているからである。これ以上の助言や援助を望むことができるだろうか。

 本誌の表紙から、読者は自分の魂への呼びかけと、奉仕したいという、高位我とのより緊密な関係へと移行したいという、自分の志向への励ましを聞くことができる。それは、直観を呼び起こそうとする霊(スピリット)の声である。直観は、霊的なエネルギーとインスピレーションを吸収する体験に心を開いている人々に内在する、最高で最良のものである。こうしたエネルギーとインスピレーションは、人を道に沿ってさらに前進させることができる。
 私たちは覚者方の言葉をひそかに知っている。覚者方が存在しているという事実だけでも、世界と──私たちが理解し得る限りの──大計画のための奉仕へと邁進するのに十分な希望の礎となる。覚者のような存在がおられ、神の大計画があり、大生命には意味と目的があるということを知るだけでも、希望や愛、私たちがその一部である大生命に対する畏敬の念の源となる。導きがあれば、正しい選択をすることはより容易になる──その導きを心に留めるなら。

 生命への畏敬の念が、今日の世界から広く失われていることは議論の余地がない。私たちの世界は「変になっている」からである。私たちは混沌とした状態にある。私たちは、もしくは権力の座にある者たちは、危機からさらに大きな危機へと、地域紛争から国家紛争へと、国家的な緊張から国際的な緊張へと、そして危険な戦争挑発、軍国主義、政治工作へとなだれ込み、より深刻な危機を引き起こしかねない。
 太陽系の家族──他の惑星に住む「兄弟姉妹たち」──が愕然として地球を見つめ、地球とその子供たちを救うために太陽ロゴスに祈っている姿を想像するのは、それほど突飛なことではない。地球の子供たちは盲目的で、道を踏み外してしまい、間違った選択をすることに固執しているように見えるからである。毎日のように虐殺され、数百万人規模で家を追われ、食べ物があるのに飢え、疎外され、屈辱を受け、私たちの冷淡な無関心や手をこまねいているばかりの不作為によって薬物や絶望に追いやられている人々にとって、確かに地上には地獄がつくり出されている。権力者の行動に個人として賛成であろうと反対であろうと、日々の集団的な決断によって、私たちは故郷の惑星のいのちを脅かし、自分たち自身と太陽系のための大計画を混乱させている。間違った選択によって、人類自身が機会の窓を閉ざそうとしている。私たちには自由意志があり、間違った選択をし続ける権利があるが、そうすることで選択肢を制限している。分離的で、暴力的で、否定的な決断をするたびに、聖なる介入の「窓」を狭めているのだ。

 マイトレーヤと覚者方は、奉仕するように呼びかけられたと感じるなら、奉仕の喜びを受け入れるよう、そうすることができる人すべてに促している。声を上げ、正義や平和、分かち合いを要求するよう、そうすることができる人すべてに勧めている。統合と寛容を目指すよう、解決策を見いだすために志を同じくする人々と協力する機会を探すよう、世界を救い、過ちを正すことを始めるよう、人々を励ましている。本誌は、必要とされるインスピレーションを提供することができる。また、助けたいというハートの切望や、偉大なる方の言葉を引用すれば、「同じ日が二度と繰り返されることなく、誰も窮乏することのない」未来を創造したいという切望を刺激することができる。そうした未来においては、意味と目的が認識されることによって人生は神聖なものとなる。そして、すべての人が自分自身を潜在的な神であると知り、その神性を表現するために生きることになる。 

今月号の内容概説

 この合併号[日本語版は7月号と8月号に分けて発行]では、このような考えとねらいを念頭に置き、地球の健康と私たちの管理義務に焦点を当てるとともに、戦争と人為的な紛争の背後にある闇の力について警告することにした。デーヴァ(天使)とエレメンタル(精霊)の神秘的な世界も明らかにしている。ベンジャミン・クレームが提供した回答は、私たちが自然界のすべての王国と相互につながり合っており、そうした王国に影響を及ぼしているという考えを是認している──現在の世界的な異常気象がその証拠である。イエス覚者はアポロニウスとして生き続けたが、これは輪廻転生の事実を証明している。ベンジャミン・クレームの師は、この惑星を救うことを選択し、「平和の歓び、正義(公正)の繁栄、そして分かち合いの至福を得るため」、私たちの自由意志を賢明に使うよう助言している。

今月号の内容概説

 この号に載っていないことについて述べたい。私は、東エルサレムに本部を置く国連難民救済事業機関(UNRWA〈アンルワ〉)で働く職員にインタビューを申し込んでいた。彼はインタビューに同意し、私たちは日時を調整しているところだった。連絡なし。何日も経過した。シェア・インターナショナル誌の本号の締め切りが迫っていた。私は──主要メディアからの情報ではない──ニュースを知っていたので、明らかに何かがひどく悪い状況になっていることを悟った。携帯電話で撮影した動画の断片をオンラインで見つけた。UNRWA敷地内への放火攻撃の様子が映っていた。その敷地には、UNRWAの救援トラックのために必要な燃料タンクがある。イスラエルの消防車が敷地内に到着するのが異常に遅かったため、援助機関のスタッフが自分たちで火を消そうと奮闘している間、入植者たちは「国連を焼き払え!」と叫びながらスタッフに石を投げつけた。この短い動画では、UNRWAの施設を攻撃する過激派の群衆から、ヒステリックで興奮した笑い声が聞こえてくる。

 数日後、驚くほど控えめな簡潔な説明を受けた。「残念ながら、放火事件などで忙しくなってしまいました」
 新しいインタビューが今後の号に掲載される予定である。
 今月号では、他の号と同様に、世界の動向や出来事について考察し、良いこと、驚くほど良いこと、良くないこと(解決や変革が急務となっている問題)を浮き彫りにしている。

 すべて読んでください! ニュースと事実に基づく報道の欠如、言論の自由に対する検閲、民主主義と民主的権利の否定、正義と、正義や平等の否定などが取り上げられている。リーダーシップの不在についての報告や記事も紹介している。高齢の指導者たちがジェノサイド(集団殺害)を黙認する一方、学生たちは「アダルツ・イン・ザ・ルーム(分別ある大人)」として先頭に立ち、平和のため、戦争犯罪への反対のために抗議している。

 地球の窮状に注目している記事がある。それに続いて、土壌──私たちがその上を歩き、当たり前のことと思いがちな大地──の役割について詳細で興味深い考察が加えられている。『世界の起源』についての書評の第三部を参照していただきたい。

 ジェフリー・サックス教授は、リクード党の「パレスチナ政策」と、イスラエルとアメリカの国益との関係の影響について鋭い分析を行っている。「リクードの戦略は、イスラエルの安全保障に関して完全に米国に依存している。米国は、イスラエルの大規模な戦争犯罪に驚愕して団結を強め、完全に反抗的なイスラエルに二国家解決策を課すことに賛成する国際社会における唯一の阻止勢力となっているからである。それにしても、米国の経済、金融、商業、外交、軍事といった中核的利益は、国際システム内でイスラエルと共に孤立することとは相容れない」

 ベンジャミン・クレームは、治癒、医療、カルマ、病気についての質問に答えている。アート・ユリアーンスは、医療と治療の将来について書いている。ベートーヴェンの交響曲第9番についての記事もある。合唱付きの最終楽章は、調和や協力、精神の癒しへの人類の憧れを物語っている。
 ベンジャミン・クレームの師が「理性への呼びかけ」という記事で発した呼びかけと警告を否定することはできない。ベートーヴェンとシラーもまた、時を超えて私たちに呼びかけている。
 ベートーヴェンの輝かしい希望に満ちた音楽は、シラーの詩「歓喜の歌」と組み合わさり、人間精神を回復させ、平和への憧れを呼び起こしている。「抱き合おう、諸人よ!」と。

今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師である覚者は、蔓延する腐敗とその解決策について熟考するよう読者に求めることで、基調を打ち出している。その解決策とは、信頼に基づく世界資源の公平な分配である。それなしには、世界の未来は寒々としたものになるだろう。ジェフリー・サックス氏とナオミ・クライン氏の声は、私たちの難題の概略を描き、現在の諸々の危険を指摘している。心理学の発展を振り返ると共に、グレイザー監督の映画『関心領域』の批評記事では、権威主義社会で人々の心と魂に何が起こるかを検証し、ファシズムの心理学について考察している。死の瞬間の脳活動に関する研究は、自然界における共生の不思議についての調査と同様に、新たな洞察を提供している。イスラエル人とパレスチナ人に居場所を提供する「共有社会のためのセンター」の事務局長へのインタビューは、生活のあらゆる分野における共生の必要性を改めて強調している。この危機と腐敗の時代において、勇気と真理はかつてないほど重要であり、12歳のパレスチナ人の少年はその両方を見事に体現している。ベンジャミン・クレームの知恵と洞察は、質疑応答のページを埋め、教訓と方向転換をもたらす不可避な未来を私たちに垣間見せてくれる。

今月号の内容概説

 シェア・インターナショナル誌のいつものプリズム──ベンジャミン・クレームの情報、彼の師である覚者の著作、ジュワル・クール覚者の著作に基づいた独自の背景──を通して、私たちは世界およびニュースの見出しを見てきた。悲しいことに、今日の見出しと覚者方が提供する助言との間には隔たりがあることに気づく。今月号の記事は、その隔たりをどのように埋め、より健全で公正な未来への道をどのように築くことができるかを示唆している。また、何が変わる必要があるかを浮き彫りにしている──法の支配の尊重を復活させることや、人道に対する犯罪を未然に防ぐためにあらゆる法的手段を用いること、暴力や侵略、戦争を回避するための措置を講じることである。

 ジェフリー・サックス氏は、国際人道法の極めて重要な役割を強調し、国際司法裁判所の歴史的意義とガザ地区での戦争に関する調査結果について述べている。ベンジャミン・クレームとジュワル・クール覚者の両者は、現実的で実現可能な未来について述べ、それを達成する方法を詳述している。ラーズ・グラーフ氏は、常識と協力に基づく実行可能な未来について彼自身のビジョンを付け加えている。ナオミ・クライン氏は、イスラエルの戦争犯罪を批判することへのためらいを克服し、ボイコット(不買運動)や制裁といった手段の使用を奨励している。「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の2023年版の報告書は、心地よく読めるものではない。

 ベンジャミン・クレームの師は、私たち人類の欠点や弱点を指摘する一方で、変化や改革、賢明な助言を喜んで受け入れることといった、あらゆる希望を提供している。覚者はいつものように、諸問題に取り組み、歴史の流れを変えるために共に行動を起こすことの重要性を確認している。「人間の行動におけるこの最も歓迎すべき変化の最初の徴は、現在戦争を糾弾し、正義と平和を求めてデモ行進する何百万人の人々の中に見ることができる」

 覚者は、選択する必要性に強調を置いている──未来のために、万人の利益のために、地球の未来のために、選択をする必要性である。「人間の落ち着きのない奮闘のすべての底に、今日彼らを襲っている多大な問題の解決にはすべての者が責任を分かち合わなければならないという認識の目覚めがある。問題と同様に、その責任も世界的であり、分割不可能であり、そして協力とエゴ(自我)の否定を通してのみ、それらに適切に対処し克服することができるという認識の目覚めがある」

 覚者方からの助言と世界の行動全般との間に大きな隔たりがあるだけでなく、有権者と政治家たちとの間の隔たりと完全な断絶が拡大しているように見える。指導者たちは、大金や大汚職、主流メディアによって保証された非現実性と不可触性に満ちた、防音の泡の中で生きているように見える。この主流メディアもまた、同じ大きな既得権益によって陰で糸を引かれている。彼らは明らかに市民の側に立っていない──市民はきっと、何ができるだろうかと自問しているに違いない。

 何百何千万もの人々が、妥当な未来を選択する権利を行使するこの選挙の年にあたって、次のことが望まれる。「投票箱やデモ行進を通して、彼らの声を聞こえさせ、平和への要求を知らしめている。この時点から、後戻りはない。民衆は彼らの力を感知しつつあり、彼らが欲する平和を彼ら自身がつくりあげていかなければならないことを、そして自由と共に正義が支配するときのみ、うれしい平和が保障されるだろうということを理解し始めている」

編集部より

「あなたの兄弟を愛しなさい。彼らの窮乏に心を留めなさい。あなたが豊かに持つものを与えなさい、そして世界に喜びを復興しなさい」
「あなたは兄弟同胞の番兵である」
「兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度として・・・」
「人類は一つである」
「皆は一人のために、一人は皆のために」
「私たちが共に力を合わせれば、もっとずっと多くのことができます。これが相乗効果です!」
 新しいものではない。なじみのないものでもない。このページ以外にこの号には掲載されていないが、責任の分かち合いと一体性という概念は、シェア・インターナショナル誌が支持し、直接的または間接的に伝えようとするものすべてを包み込んでいる。こうした声明は、マイトレーヤによってメッセージの中で、ベンジャミン・クレームの師である覚者によって、ジュワル・クール覚者によって、マイトレーヤか覚者の一人のスポークスマンによって伝えられたものである。
 人類がこうした教訓に従って生き、行動すべき時があるとすれば、それは今である。正義と平和が世界の隅々で確立された現実となるようにするには、一致団結して、連帯して行動を起こす必要がある。あらゆる危機、人類の道徳的指針に挑みかかるような難題(ジレンマ)に対処するには、大勢になれば途方もない力を持つ普通の人々が団結し、理性と同情の声を届けなければならない。自由と平等に機会が訪れるような適切な条件を創り出すためには、「私たち」──つまり「民衆の力」──が必要である。未来が私たちのものになるかどうかは、「民衆の力」次第である。そうした集団的な行動の中にこそ、明るい未来を可能にする希望がある。人類と私たちの未来のために、平和構築の基盤となる分かち合いと正義のために、行動するという意識的な選択の中にこそ希望がある。マイトレーヤと覚者方はここにいて、同胞愛に向けたあらゆる努力を鼓舞し、活気づけ、支援しておられることを知ることにこそ希望がある。
 南アフリカは今年5月、1994年に最初の民主的な選挙が実施されてから30周年を迎える。これは、アパルトヘイトとの闘いに加担したかどで投獄されたネルソン・マンデラ氏が釈放されてから4年後のことであった。マンデラ氏は、正義を求めるパレスチナ人の闘いを「現代における最大の道徳的課題」と表現した。南アフリカの人々は、恐ろしい残虐な行為や非人道的な行為に耐えることがどういうことであるかを知っている。「真実和解委員会」のおかげで、南アフリカの人々は被害者意識と復讐の必要性から解放された。ハーグにある国連の国際司法裁判所にイスラエルを提訴したのが南アフリカであることは、他者の苦しみへの同情と共感の勝利である。南アフリカの訴状は、法の支配を高く掲げている。
 次の記事「決断の時」は、ベンジャミン・クレームの師によって書かれ、2002年5月にシェア・インターナショナル誌に掲載された。2001年9月11日のトラウマと、それに対する軍事行動を扱ったものだが、今日との類似性を見いだし、教訓を学ぶことができる。「これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない」

決断の時
 「世界は深刻な危機の状態にあり、それは主に、昨年9月11日のテロ攻撃に対するアメリカの大統領の対応によって生じた。アフガニスタンにおける戦争と最近のイスラエルの残虐行為の急増はつながっており、イラクに対して企てられている攻撃も同様である。それぞれに基本的なのは古い怨恨の清算である。そのような子供じみた行為は、世界の福利を脅かす出来事に対しての恥ずべき無責任な対処方法である。覚者たちはテロリズムに対する宥和政策を提唱しないが、しかしアフガニスタンと中東における対応の仕方はわたしたちの好みではない。それはテロの原因──貧困、フラストレーション、屈辱、絶望感──を全く考慮に入れず、単に暴力と残虐を永続させるだけである。自己憐憫と傷ついた誇りの中で道に迷い、アメリカは智恵と慎重さと均衡感をも失った。
 その間に、イスラエルは自爆行為に悩まされて、『テロに対する戦い』という言い訳を利用して、いつもの如く過剰反応する。アラファト氏に対する恥知らずな迫害と屈辱的な行為に対して、イスラエルの指導者と軍隊が誇るべきものは何もない。イスラエルの国民は、他の誰よりも、抑圧された人々の苦悩を理解すべきである。
 これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない。彼らがその富を『普遍的な善』のために分かち合うとき、テロの終息を見るだろう。そして彼らは夜、もっとぐっすりと眠れるだろう。少数者の利益のために世界を支配しようとする権力の男たちは、不当に得て振り回すその権力に酔っている。
 より賢明な声が、多くの観点から傾聴に値する声が世界に必要とされることは、ますます明らかである。その声、マイトレーヤの声は、復讐と憎悪の叫びを超えて、間もなく聞こえるだろう。間もなく世界は、われわれの直中にある彼の臨在に目覚め、そして大いなる選択が人類に提供されるだろう。かくして、これは人類の大きなテストの時である。かくしてこれは、決断の時、先例のない時である。
 人間がこのことを理解するとき、彼らはマイトレーヤの旗印のもとに集い、正義と自由を求める彼らの要求を知らしめるだろう。彼らは喜んで分かち合い、そして奉仕する意志を示すだろう。そしてそのようにして世界をつくり直すだろう。
 そのようになるだろう。そのようにして、人間は彼らの昔の誓願を新たにし、神への彼らの足跡をたどり直すだろう」(シェア・インターナショナル誌2002年5月号)

 ジュワル・クール覚者は第二次世界大戦の最中、『ハイラーキーの出現(上)』(AABライブラリー刊)の中で、潜在的な可能性や、必要とされる取り組み、未来の形態について、「新しい世界秩序に向けてのステップ」という節で概略を描いている。「新しい世界秩序は、積極的な責任感に基づいて築かれるであろう。『皆は一人のために、一人は皆のために』がルールになるであろう。国家間でこうした態度を培っていかなければならない。それはまだ存在しない」(249~251頁)
 悲劇的なことには、私たちが毎日目撃しているように(もしメディアが真実を伝えており十分に勇敢であるなら)、このような態度は依然として、政治家たちの頭からは程遠いところにある。ベンジャミン・クレームの師が以下の文章で言及している「責任の分かち合い」の感覚はどこにあるだろうか。

重要な機会
 「・・・わたしたちは人間の中に、責任の分かち合いについての新しい意識を確立することを求める。一致協力した行動の味を、彼らの中に目覚めさせることを求める。わたしたちはこの二つが顕現できるような条件をつくるように努め、そのようにして変化に導く。すべてがエネルギーである。エネルギーのみが存在する。人類という中心(センター)におけるこれらの高度のエネルギーの影響を通して、世界に新しい雰囲気を生み出すことを求める。信頼の条件をつくるために、わたしたちを助けてほしい。そして世界に新たな希望をもたらそう。愛と信頼の種を蒔き、それが希望と喜びとして花開くのを見守りなさい。
 兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかよく判断して、何をすべきかを見つけなさい。すべての犠牲的行為に対して、今あなたの支持を誓い、そこにあなたのできることを貢献しなさい。この時を、与える時となしなさい。あなたの奉仕しようとする意志に十分な表現を与えなさい。奉仕するとき、あなたは光に向かって働き、あなたの目的により正しく整合することを知りなさい。
 あなたの位置をわたしたちと共に置き、人間の夢を実現させなさい。あなたの位置をわたしたちと共に置き、わたしたちの助けと刺激とを確信しなさい。あなたの位置をわたしたちの側に占め、とうてい不可能と思われたような行為をなしなさい。・・・」
(「重要な機会」より、シェア・インターナショナル誌1984年3月号)

 この合併号(日本語版は1月号と2月号に分けて発行)では、記事や報告、インタビュー、書評の中で次のようなアイディアを前面に押し出している。変革を推進する民衆の力、より優れた指導者の必要性、地球規模の問題に対する常識的なアプローチ、偏狭な民族主義や人種差別主義の危険性、全体主義、ファシズムの厄介な拡大、そして、より良い世界へと指導者たちを導くために集団で活動しようとする民衆の決意をまさに分断し弱体化させるために、悪辣で権威主義的な同人集団がどのように権力を維持し利用しているのか、といったアイディアである。シェア・インターナショナル誌は、自然界のために行動を起こす緊急の必要性を常に念頭に置いているが、従来の科学よりも一歩踏み込み、科学に受け入れられようとしている次の大発見を明らかにする。その大発見は、健康に役立ち、新たな癒しの方法と、私たち自身や私たちを取り巻く環境を体験する新しい方法をもたらすものである。
 覚者方に関してはいつもそうであるように、強制は一切ない。私たちは自由に選ぶことができるが、覚者は次のように励まし、導いている。「兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかをよく判断して、何をすべきかを見つけなさい」
(シェア・インターナショナル誌1984年3月号)