マイトレーヤの任務

シェア・インターナショナル誌は創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者から毎月記事を提供してもらった。それは、書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われるときにはいつでも掲載してよいようにである。覚者によって書かれた記事は常に関連性を保ち時間を超越している。2005年に書かれたこの記事を選んだのは、非常に鮮明に以下に記されているように、それが希望を強く呼び覚ますからである。「マイトレーヤは、彼に反応できる者たちすべての心(ハート)を開くだろう。そして人間を恐怖と分裂の過去に背を向けさせて、未来の栄光を迎える用意をさせるだろう」

マイトレーヤの任務

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 変化の勢いが世界中を通じて着実に増大しているのがますます明らかになっている。次々に出来事が起こり、新しいものが古いものに取って代わるその順序の論理を識別できるものはほとんどいない。あなた方の兄たちであるわたしたちはこの過程の必然性を認知する。そして、すべてが大計画のより完璧な表現に向かって動いているということを知るわたしたちは、それを満足して見守る。
 しかしながら、人間にとっては、彼らが自分たちの行動の結果を理解し、それに対処しようとするにつれて、それは最大限の努力を要求される困難な時期である。様々な出来事の理路が理解できずに、彼らが信頼をおく神(神性)を疑う。人間にとっては、彼らが盲目的に自分たちの意志を強く主張し、あるいは彼らの努力の結果から逃れようとするにつれて、いつもこのようであった。
 時代から時代へと移行するにつれて、そのような緊張とためらいの期間はいつも繰り返されてきた。各々の新しい時代は、新しい馴染みのないフォース(エネルギー)を世界にもたらし、それが徐々に人間にのしかかり、そして反応を呼び起こすのである。かくして今日もまた、人間が、新しい時代のエネルギーが要求する新しい方向をかすかに模索するにつれて、そのようである。ある人々はその方向を感じ取り、要求される行動について、彼らの同胞を教育しようとしている。しかしながら、多くの人間は変化を恐れ、もし“過激派”が彼らの思い通りに行動するならば、差し迫る混乱と破壊のみを見る。
 この分裂した世界に、キリストはやって来られた。彼の任務は、これらの本質的に異なるグループを和解させ、現在の混乱と騒動の中に秩序をもたらすことである。彼の任務が容易なものではないことは誰の目にも明らかであろう。様々なグループの間の溝は広く、深く固められていることも、等しくすべての者に明らかであろう。では彼は、古いそして怯えている者たちと、急速に発展している新しい者たちとの間の深い割れ目に橋を架けるために、どのようにして働かなければならないのか。また、現代の顕著な特徴である極度の物質主義を、彼はどのようにして押しとどめることができるのか。宗教団体の不寛容さに対処して、彼らが和合を体験するのを助けるにはどうすればよいのか。
 マイトレーヤは、人間の中にひとりの人間として御自身を紹介し、何も要求せず、誰の忠誠をも要求しないだろう。彼のアプローチはシンプルで直接であり、彼の挙動は穏やかで落ち着いているだろう。彼のマインドの明晰さは注目を引くだろう。彼の智恵は人間の恐怖を克服するだろう。彼の発言の誠実さは人間の心(ハート)を溶かし、憎悪と貪欲の重荷を取り除くだろう。かくして、人間は新しい神性の出現を体験するだろう。その内に人間を包含し、そこに距離も分離も見ないお方である。
 宇宙のパワーと愛の体現であり代行であるマイトレーヤは、彼に反応できる者たちすべての心(ハート)を開くだろう。そして人間を恐怖と分裂の過去に背を向けさせて、未来の栄光を迎える用意をさせるだろう。