今月号の内容概説

 年末はしばしば、じっくりと考える時期である。また、私たちが今年に関して祝ったり悔やんだりすることをもとに、次の12カ月の目標を設定し始める時期かもしれない。私たちの目標が、ベンジャミン・クレームの師の記事「暗闇の終わり」で提示されたアイディアのいくつかに沿っているなら、徐々に「正気を取り戻し」、「政治家や他の人々の中に良心の目覚め」があることを期待できるかもしれない。そのように理性を取り戻すことが是非とも必要であることが、今月号の視点の記事(「一人の億万長者は……」)で強調されている。大勢の人々とこの惑星の健康を犠牲にして消費し蓄積する少数者の日常生活が、信じられないくらい異質であると論じられている。これはまさに、社会的不正義の度合いを測るもう一つの方法である。あらゆる機構を直ちに徹底的に変革することをもはや先延ばしすることはできない。第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)の活動家たちが明らかにしたように、私たちは自分自身の貪欲と、この惑星の豊かな資源の誤用の犠牲者である。

 世界中の活動家が化石燃料産業と、この惑星のいっそうの破壊を支持する政治家を批判してきた。ヴァネッサ・ナカテさんはこう述べている。「あなたたちが石炭、石油、ガスの種を撒いている一方で、最前線にある地域社会は、大惨事、荒廃、破滅という実を刈り取っているのです」と。主要メディアはようやくのこと、気候危機を深刻に捉えているようであり、これは大きな転機である。ほとんどすべての大陸の国々の30を超える主要メディアが、化石燃料関係の巨大企業に対して超過利潤への課税をするよう11月15日の社説で各国政府に呼びかけた。貧困国が気候変動による壊滅的な影響に直面し、世界中の人々が自宅を暖め家族を養うのに苦闘する一方で、そうした企業は何十億ドルも儲けてきたからである。

 現在のエネルギー危機と化石燃料への依存を解決することのできる無限の「フリーエネルギー」に関する先駆的な研究が、ある若い科学者へのインタビュー記事「豊富なエネルギー」で検討されている。これは(数名を挙げるとヴィルヘルム・ライヒやテスラを含めて何百人もの人々によって取り組まれ、ジーン・マニングによって書かれてきた)研究のさらなる突破口であり、それによって私たちの生活と自然界との関係が変革されることが待たれる。

 「未来への青写真」の第一部は、私たちの手の届くところにある未来のビジョンを提示している。そのような未来の文明がいかに現実的であり可能であるかを強調するために、「時代の徴」という選集を掲載することにした。この選集では、マイトレーヤと覚者方によって提供される美や導き、慰めに焦点が当てられている。秘教徒のアート・ユリアーンスは、私たちの神聖なる潜在的可能性という概念を次のように提示している。

 「これまでのところ、霊的王国は主に内的な主観的世界に──つまり覚者方や完成した人間や天使がいるハイアラキー的な界層──にその座を占めてきた。しかし、地上にある魂を吹き込まれたすべての人間は、魂の王国の年少メンバーでもあり、そのため、この王国を人間が努力を行う世界によりしっかりと固定する役割を担っている。人々の間には常に神の王国の前哨部隊がおり、ハイアラキーを物質界につなぐ役割を果たし、愛ある理解、善意、奉仕の流れのための経路として働き、人間の霊的進化に対して責任を負う人々がいた。これらの人々はあらゆる国に存在し、『キリスト意識』を吹き込まれた人々だった──この意識がどのような名前で知られていたかはともかくとして。

 このような魂を吹き込まれた人々は、現在、天上の領域と人間の世界をつなぐ重要な『魂の橋』を構成している。この橋はすでにしっかりと架けられ、日々、新しいメンバーたちによって拡張され、強化されている」

 2023年には何が私たちを待ち構えているのか、と世界はきっと考えているだろう。今月号に集められたすべてのものは人類の手の届くところにある。「20年にわたる労苦の成果が実り始めている。マイトレーヤの慈悲心に富むエネルギーがその魔法のような働きをしており、新しい精神が力を強めつつある」