ワールド・スキャン 2026年冬季オリンピックと持続可能性をめぐる虚偽

この欄では、時事問題を検証し、新たなアプローチと永続的な解決策を緊急に必要とする問題を浮き彫りにする。世界は今、真実と事実こそが、法を遵守する、公正で慈悲深い社会が正しく機能するために必要不可欠であることを認識している。

2026年冬季オリンピックと持続可能性をめぐる虚偽
ポーリン・ウェルチ

 栄光や富への渇望、あるいは卓越性への追求を満たすため、あるいは耐え難いほど過酷な現実から目をそらすために、私たちのグローバルな消費主義文化が何をしようとしているかを象徴するものとして、ミラノからコルティナ・ダンペッツォに至るイタリア北部各地で開催された冬季オリンピックほど、ふさわしい例はないだろう。
 どれだけの人が、アスリートたちがその競技で最高の選手になろうと全身全霊を注ぐ姿を座って見守り、彼らの成功や悔しさを自分のことのように感じていたのだろうか。おそらく、多くの選手たちの間で交わされた温かい応援や祝福も、私たちにとって喜びだったのではないだろうか。しかし、刻一刻と温暖化が進むこの世界で、あの大量の雪が一体どこから来たのか、と疑問に思った人はどれほどいただろうか。あるいは、その「雪」こそが、実は見た目とは異なるものだったのではないか、と。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、大会の持続可能性に関する方針を大々的に掲げている。しかし、ガーディアン紙の記事は、これを単なる幻想であると、あっさりと、そして極めて憂慮すべき形で論破している。その例をいくつか挙げてみよう。

 ● コルティナの平均積雪量は過去50年間で15センチメートル減少したため、スキー場に必要な1.5メートルの積雪を確保する唯一の方法は、四つの高地貯水池を建設し、年間の大半で干ばつに見舞われている河川から山へ汲み上げた水でそれらを満たすことだった。その水を人工雪にするためには、冷却処理が必要となる。さらに悪いことに、プロジェクトは予定より遅れ、当初合意していた量の3倍から5倍もの水を地元の河川から取水せざるを得なくなり、その結果、河川は干上がりに近い状態となり、魚が死に、汚染を引き起こした。水が枯渇しつつある資源であるこの世の中で、これはあまり理にかなっていない。
 ● 樹齢150年という貴重な森、ボスコ・ディ・ロンコは、新しいボブスレーコース建設のために完全に伐採され、その跡地には全長2キロメートルに及ぶ鉄とコンクリートの構造物が建てられた。地元の事業主の中には、コース建設によって新たなビジネスがもたらされることを重視し、森が失われたことを気にしていない者もいる。しかし、イタリアが過去に開催したオリンピックのために建設されたコースが、すでに長い間使われなくなっているという事実を認識していないようだ。
 ● IOCは、使用される会場の85%が既存の施設か仮設施設であると主張しているが、実際にはそのほとんどが今回の大会のために取り壊され、再建されたため、はるかに大きな土地を占有することになった。しかも、近隣に代替となる会場があったにもかかわらず、このような事態となったのである。
 ● これらの大会を真に持続可能なものにするため、IOCとの協力を要請された他の環境団体と同様に、世界自然保護基金(WWF)イタリア支部も、明確な取り組みが見られないとして交渉から離脱した。同団体はIOCの姿勢を「グリーンウォッシング」と批判し、「実質的な議論は行われなかった」と指摘した。
 ● 地球上で最も脆弱な生態系の一つでこうした事態が起きているにもかかわらず、イタリア政府は、プロジェクトの60%について環境アセスメントの実施を免除していた。

 作家であり活動家、元森林監視官であるルイジ・カサノヴァ氏は次のように述べた。「こうしたあらゆる状況において、イタリアの環境保護運動は代替案を提案してきたことを忘れてはならない。環境への負荷が少なく、費用も抑えられ、安全で、地域社会にも利益をもたらす案だ。オリンピックが環境や景観に与える影響の代償を払うのは、私たちに続く世代になるだろう」

読者質問欄

人類は強い力を持っています。人類はその力について全く分かっていません。適切に教育された大衆世論よりも強力なものはありません。マイトレーヤは、現在の商業主義を打倒し、分かち合いと正義の原則をもたらすために、そのような大衆世論の形成を頼りにしています。それを行うのは私たち自身です。他の誰も行ってくれないでしょう。あなた方はそれについて知っていますから、ボールを転がし始めることができます。それはひとりでには転がらないでしょう。私は自分が知っていることをあなた方に伝えていますが、それは一般には知られていません。私には情報を得て、それをあなた方に伝える方法や手段があります。あなた方が、それを知る必要がある人々にどんどん伝えていけば、将来において放射能や原子力発電所やその他のものが使用されるのを阻止する防壁を築くことになります。高レベルの放射能の危険は一つの要因にすぎません。私は最悪なものに言及しただけですが、原子力発電に関わるすべての要素が危険です。
(シェア・インターナショナル誌2009年3月号)

新しい文化がどのような形を取るかは、大体においてまだ漠然として実体のないままであるが、一つの要素はすでに大衆およびメディアの心に刻みついている。つまり民衆の声の増強とその声を聞こえさせようとする決意の増大である。これがわれわれの時代の最も重要な政治的出来事である。世界を通じて、各国の国民が自分たちの運命をコントロールしつつあり、自分たちの権利を要求しつつある。人間の神性に本来備わった特性である自由を求める裡からの呼びかけがあらゆる人種、信条の人々を団結させており、その声はますます高まりながら反響を起こし、また反響を呼んでいくだろう。圧政の最後の砦が崩壊し、人間が生得の権利を受け継ぐまで、それはこだまするだろう。これがすべての人間の待望する未来である。
(ベンジャミン・クレームの師、「民衆の声」より)

民衆の声

Q:“民衆の力”は常に存在してきました。それは何も新しいものではありません。『シェア・インターナショナル』誌はそのアイディアをあたかも新鮮で革命的なもののように提示しています。それはなぜですか。

A:歴史的に、フランスやロシアや中国の革命のような巨大な革命運動を除いては、今日『シェア・インターナショナル』誌が提示しているような“民衆の声”は本当に沈黙させられていました。歴史を通じて、“民衆”は、支配のための武器を持った征服者によって行われた数々の侵略、略奪、残虐行為を目撃し、しばしばその被害に遭ってきました。今日、新しい現象が起こっています。至るところの民衆が集合的な力を感じ、一つの人類のメンバーとしての権利によって、自由で公正な世界を彼らのものとして要求しています。これは、私の考えでは、全く新しいことであり、いかなる政府も対抗できない強力で統合された声を持つ世界世論として顕現するでしょう。覚者方の一人はこう言われました。「民衆の声は智恵の声である」
(シェア・インターナショナル誌2005年3月号)

Q:新しいエネルギーを一般民衆は感じるのに、なぜ政治家は感じないのですか。彼らもまた民衆の一人なのに。

A:政治家も感じますが、彼らはそれほどいい人々ではありません! 政治家は権力に関心があります。彼らは権力を扱いたがっています。権力はエネルギーであり、他のすべてのエネルギーと同じように賢明にも愚かにも用いることができます。権力を愚かに用いる政治家はさまざまな危機を引き起こします。彼らの時は終わりつつあります。
 将来の最も重要で強力な機構は、真に教育され、霊的な志向を持ち、認識を持つ世界世論です。真に地球を受け継ぐのは民衆です。
マイトレーヤは政治家のためにも到来しますが、特に民衆のために到来します。政治家は非常に利己的で、強力で、貪欲なので、自分で自分の面倒を見ることができます。たいていの場合、彼らはそうします。
(シェア・インターナショナル誌2005年12月号)

Q:反戦運動を新しい状況に適応させるにはどうすることができますか。

A:人類が平和を要求する必要があります。マイトレーヤによれば、平和への道は一つしかありません。人類は一つであり、したがって食糧、科学技術、教育、健康管理はすべての人に属するものなので、もっと公平に再分配されなければならない、という原則を受け入れることです。私たちは一つの世界を創造しなければなりません。つまり、一つの人類が一つの世界に住む必要があるのです。現在、私たちは二つの世界に住んでいます―― 一つは、金持ち、大金持ちの人々のための世界、もう一つは残りの人々、つまり貧乏で、悲惨で、文字通り餓死しそうな飢えた人々の世界です。
 マイトレーヤは、あなた方が絶えず行進し、デモを行うことを必要としています。2月15日の行進では、世界中で行進した1,250万のうち、ロンドンではおよそ200万人が参加しました。マイトレーヤはその行進に参加され、それを、私たちが自分たちの力で何とかしたいと思っていることの証だと受け取られました。彼はご自分の外的仕事を始めようと決心しておられますが、われわれ人類がデモを行い、分かち合いを要求しなければなりません。それのみが正義と平和をつくりあげる唯一の道なのです。
 政府は人類が要求するまでは応えようとはしないでしょう。それが起こるのは、人類全体を教育し、集中し、啓発するマイトレーヤの鼓舞によってそうなるのです。地球上のいかなる国であれ、世界全体の巨大な世論を避けたり、抵抗したりすることはできません。世界の変容をもたらすのはそれです。私たちが、それを行わなければなりません。私たちにできる最善のことは何でしょうか? 機会のあるごとに行進をすることであるのは確かです。繰り返し、繰り返し、いつまでも、いつまでもやめることなくそうすることです。イラク戦争を阻止するためだけでなく、平和のために、正義のために、世界の資源を分かち合うためにそうするのです。皆さんは要求の焦点を移さなければなりません。要求、分かち合いを通しての正義への要求は、人類から出てこなければなりません。世界の諸政府がそれを目にするとき、彼らは動揺するでしょう。なぜなら、どの国でも人々の力が増大していくのを知ることになるからです。それが彼らを怯えさせるのです。
 彼らはあらゆる手だてで制限を加えようとするでしょう。しかし人々は自らを組織することを学んだのです。でも、それは常に継続しなければなりません。イラクから分かち合いへ、そして平和への唯一の道として正義の確立へ――そのことが、この現実に基づいて大きく、広くなる必要があるのです。
(シェア・インターナショナル誌2003年5月号)

 ここ数世紀においては、革命という大きな変容の行動の中でのみ、民衆の声が行動の中心となり、その時代に刻印を残した。
 今日再び、民衆の声が聞き届けられるべき時が来た。今日再び、至るところにいる人々の正義、自由、平和への要求が、無謀な権力を振りまわす者たちの耳に届き、それらが認知されることが不可欠である。
(「民衆のパワーの盛り上がり」──覚者より)

Q:現在権力を持つ人々はイリュージョンに満ちているようです。私たちのような普通の市民がどうやって変化を起こす手助けができますか。

A:グループに加わって、「民衆の声」をつくり上げるために働きなさい。他のすべての人の声にあなたの声を付け加えなさい――魅惑的な権力や錯覚の智恵の地位にない普通の市民の声に。どこであれ、デモ行進に参加してあなたの力を加えなさい。「民衆の声」という概念をつくり上げなさい――それはやがて最も強力な力となり、マイトレーヤのアイディアによって教育され、マイトレーヤによって焦点化され、人類のさまざまな問題に現実的なやり方でアプローチできるようになるでしょう。これが最も強力な力をつり上げるでしょう。教育され、集中された世界の世論――その力には地上のどんな国も対抗することはできません。無数の声にあなたの声を加えなさい。
 2003年2月15日、世界中で1,250万人の人々がイラク戦争に反対し、正義と自由に関するテーマのために行進しました。そのうち200万人近い人々(180万人)はロンドンで行進し、その中にはマイトレーヤもいました。彼はその行進に参加する価値があると思われ、世界中のデモ行進に加わりました。あなたの声を聞かせなさい。あなたが信じるもののために語りなさい。すべての人のための正義と自由を信じるのなら、そう言いなさい。記事を書き、新聞社に送りなさい。大昔からのグラマー、イリュージョン、抑圧の束縛から人類を解放するためのあなたの貢献として、このことについてあなたの意見を述べることで貢献しなさい。
(シェア・インターナショナル誌2004年2月号)

Q:イスラエルのような国の製品をボイコットすることは本当に効果的ですか。ボイコットによってその国の貧しい国民が常に被害を受けることはないのですか。

A:それは国によります。ボイコットは国際社会が不法な慣行を承認しないことを示すための方法です。それはかなり単刀直入なやり方であり、ボイコットの種類によっては、その国の豊かな人、貧しい人、またはすべての市民に影響を与えます。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)

Q:2010年6月、イスラエル軍は約700人の元パレスチナ活動家の乗っている船に乗り込みました。約9名の活動家が殺され、多くが逮捕され、残りは追放されました。(1)これはイスラエル政府が、あなたが「非道なエネルギー」と呼ぶ、第二次世界大戦で敗北した反キリストのエネルギーの残余物に影響を受けているために行われた邪悪な行為ですか。(2)これは、あなたの情報によれば、イスラエルの政府と軍の多くの人々は過去生においてドイツ軍の将校であり、ナチのイデオロギーの支持者だったという事実にもよるのですか。(3)あるコメンテーターによれば、イスラエルは、海上で船に乗り込む代わりに、船を着岸させて人々を逮捕することもできたはずだといいます。イスラエルは、イスラエルを軽視するなというメッセージを送るために敵意に満ちた行為を選んだのですか。

A:(1)はい。イスラエル政府が(ペンタゴンと連携して)中東の緊張を維持し、世界全体の緊張とストレスを高めるための決定をした背後にはそれがあります。(2)はい。(3)はい。
(シェア・インターナショナル誌2010年8月号)

2026年3月号目次

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
結び付ける王国

今月号の内容概説

視点
イランによる米国への包括的和平提案
ジェフリー・D・サックス、 シビル・ファレス

イランのアッバス・アラグチ外相の演説

霊的ハイアラキー
アート・ユリアーンス

フリーエネルギーをめぐる闘い 第二部
ダグ・グリフィン

未来の科学とテクノロジー 選集

世界情勢
チョウが植物の声を聞くとき 他

自然の精やデーヴァと協力して働く 第一部
シェア・ギルモア

0.01%を排除する方法
第二部 超富裕層の支配を終わらせる
ルーク・ギオリー

ワールド スキャン

資本主義体制の中で多極化世界は実現可能か
リチャード・ウルフ教授との対談 第3回
フェリシティ・エリオット

読者質問欄

ジェシー・ジャクソン師の遺産

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
‘野蛮な時代” の終わり

結び付ける王国

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類が自分たちを本来の姿として、すなわち顕現しているロゴスの表現体にある一つのエネルギーセンターとして、見るようになる日が急速に近づいている。その日が明けると、人類の意味と目的に対するまったく新しい姿勢もまた、彼らの裡に目覚めるだろう。長い歴史の中で初めて人類は己の潜在能力に気づき、それまで活用されなかった智恵と力(パワー)の資質を実現し、表現するための努力を意識的に行うだろう。

 人類は神の王国と人間より下位の王国を結ぶ王国であり、そのような王国として大きな責任を抱える。なぜなら、いつの日か人類王国自体が、下位の王国の進化の過程の幕を開け、コントロールするようになることが計画されているのだから。これは多くの者が考えるように遠い未来のことではない。なぜなら、人間はいま意識の大いなる拡大の瀬戸際にあり、それが達成されるとき、想像しがたいほどの力(パワー)と知識が人間の手のうちに提供されるだろう。

 この知識と力(パワー)を達成するにあたって、最初のステップはすべての生命の一体性の認識でなければならない。これは人間の未来のすべての進歩にとっての基本である。無数の形態を通して顕現されている唯一なる大生命(いのち)のみが存在するということを、人間がまったく議論の余地なく知るようになるとき、彼らは、すべての創造のより大いなる福利のために、その大生命(いのち)を組織し、分配するものとしての彼らの任務に気づきはじめるだろう。このようにして人間はいまだ想像しがたい方法で自然の資源を開発し、古い形態に新しいいのちを与え、唯一なる大生命(いのち)のより良き表現のために新しい形態を創造するだろう。

 動物王国の中に、人間のエネルギー的刺激を通して、深遠な変化が起こるだろう。知性の要素が急速に成長し、人間のマインドの影響のもとに、二つの王国の間に新しい協力が可能になるだろう。多くのいにしえの形態は、彼らの目的を果たし終えて、死に絶えるだろう。しかし、人間によって鼓舞され、導かれて、思考に対する新しい感覚と反応が動物の中に顕れるだろう。それが動物と人間の間の新しい関係の樹立につながる──神の大計画に沿って進行するもう一つのことである。

 人間が神々として、大計画への奉仕の中で彼らの神聖なる力(パワー)を実演する新しい時代が開ける。したがって、すべての真の奉仕の恩恵を刈り取るだろう──より大きな責任とよりよく奉仕する機会である。これらの力(パワー)がすべてのための福利に使われて、意義ある人生の新しい一章が人間に開かれるだろう。そして己の神性の発見の旅路において、啓示から啓示へと次々に導かれていくことに気づくだろう。そのようになるだろう。そのようにして、人間は生来備わった霊的特性、奉仕への能力、大計画に対する感性を、実際に顕すだろう。
マイトレーヤと覚者たちの一団は、その道を先導する用意が整っている。彼らは人間の可能性をよく知っている。彼らは人間として、はるか以前にその可能性を完全に実現してきたのである。彼らは道案内をするためにやって来る。そして彼らの経験を人類種族のために喜んで供する。彼らを陣頭にいただく人類が失敗するはずはない。


(シェア・インターナショナル誌1987年10月号)

視点 イランによる米国への包括的和平提案

ジェフリー・D・サックス、シビル・ファレス

 ジェフリー・サックス教授とシビル・ファレス氏は2026年2月9日、米国がイランから差し出されたオリーブの枝(和平提案)を受け取るだろうか、と問いかけた。今、シェア・インターナショナル誌3月号が発行されようとしているこの時、悲しいことに、全世界がその問いに対する致命的な答えを知っている。

 歴史には時折、紛争についての真実があまりにも明白に語られ、もはや無視することができなくなる瞬間が訪れる。2月7日にカタールのドーハでイランのアッバス・アラグチ外相が行った演説は、まさにそのような瞬間だったと言えるだろう。彼の重要かつ建設的な発言は米国による包括的交渉の呼びかけに応えるものであり、中東全域の平和に向けた健全な提案がなされた。
 マルコ・ルビオ米国務長官は先週、包括的交渉を呼びかけ、「イラン側が会談を希望すれば、われわれは応じる用意がある」と述べた。ルビオ長官は、核問題やイランの軍事力、地域における代理勢力への支援について協議することを提案した。表面的には、これは真剣で建設的な提案のように聞こえる。中東の安全保障上の危機は相互に関連しており、核問題を地域全体の動向から切り離した外交は長続きしそうにない。

 イランのアラグチ外相は2月7日、米国による包括的和平の提案に応えた。アルジャジーラ・フォーラムでの演説で、同外相は地域の不安定の根本原因に触れた――「パレスチナ問題は……西アジアおよび世界における明確な正義の問題である」と述べ、今後の道筋を示した。
 外相の発言は正しい。パレスチナ国家問題の解決が失敗に終わったことが、1948年以降のあらゆる主要な地域紛争の火種となってきた。アラブ・イスラエル戦争、反イスラエル武装勢力の台頭、地域の分断、繰り返される暴力の連鎖――これらすべては、イスラエル国家と並んでパレスチナ国家を樹立できなかったことに起因している。イスラエルがパレスチナを残忍な形で占領し続けた後、2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃し、それからイスラエルによるガザ住民へのジェノサイド(集団殺害)が行われた。ガザはこの紛争における最も壊滅的な局面を象徴している。

 アラグチ氏は演説で、イスラエルが「安全保障の旗印の下に推進」している拡張主義的な計画を非難した。また、イスラエル政府高官やベン・グヴィル国家安全保障相が繰り返し主張し、クネセト(イスラエル国会)がすでに決議を可決したヨルダン川西岸地区の併合についても警告した。
 アラグチ氏はさらに、イスラエルの戦略におけるもう一つの根本的側面、つまり、地域全体における恒久的な軍事的優位性の追求についても強調した。イスラエルの拡張主義的計画には、「近隣諸国を軍事的、技術的、経済的、社会的に弱体化させ、イスラエル政権が恒久的に優位に立つこと」が不可欠だと述べた。これはまさに、30年前にさかのぼるネタニヤフ首相の「クリーン・ブレイク」戦略である。米国は、2000年以降、イスラエルに1,000億ドルの軍事援助を行い、国連では度重なる拒否権発動による外交的庇護を行い、イスラエルによる国際人道法違反に対する責任追及措置を一貫して拒否するなど、イスラエルを熱心に支援してきた。

 イスラエルの不処罰は、地域の不安定化を招き、軍拡競争、代理戦争、復讐の連鎖を助長してきた。また、残された国際法秩序をもむしばんでいる。米国とイスラエルによる国際法の濫用は、欧州諸国の多くを沈黙させ、国連憲章を深刻に弱体化させ、国連を崩壊寸前に追い込んでいる。
 アラグチ氏は演説の結びで、米国に対して政治的解決と前進の道筋を示した。「安定への道筋は明らかだ。パレスチナのための正義の実現、犯罪に対する責任追及、占領とアパルトヘイトの終結、そして主権・平等・協力に基づく地域秩序の構築である。世界が平和を望むなら、侵略に報酬を与えることをやめなければならない。世界が安定を望むなら、拡張主義を助長することをやめなければならない」
 これは、ルビオ氏の包括的外交への呼びかけに対する、妥当かつ建設的な回答である。

 この枠組みは、この地域の紛争のあらゆる絡み合った側面に対処できる可能性がある。イスラエルによるパレスチナ領土の拡張と占領の終結と、1967年6月4日の境界線への復帰は、この地域における代理勢力への外部からの資金提供と武器供与を終わらせるだろう。イスラエル国家と並んでパレスチナ国家が樹立されれば、イスラエルのみならず近隣諸国の安全保障も強化される。イランとの新たな核合意は、イランの核活動を平和的な活動に厳しく制限し、米国とEUによる制裁の解除と相まって、地域の安定にとって極めて重要な柱となるだろう。イランは10年前にすでに、国連安全保障理事会決議2231で採択された「包括的共同行動計画(JCPOA)」において、このような核枠組みに合意していた。合意から離脱したのはイランではなく、トランプ氏の最初の任期中の米国であった。

 包括的平和は、国連憲章そのものを含む、現代の集団安全保障の原則の基盤を反映するものである。永続的な平和には、主権や、領土保全、すべての国家の平等な安全保障の保証に対する相互承認が必要である。
 地域の安全保障は、地域内のすべての国家の共有の責任であり、それぞれの国家は歴史的な義務に直面している。この包括的な和平提案は目新しいものではなく、イスラム協力機構(57のイスラム主流国)とアラブ連盟(22のアラブ諸国)によって数十年にわたり提唱されてきた。2002年のアラブ和平イニシアチブ以来、これらの国々はすべて、土地と平和の交換という枠組みを毎年承認してきた。米国の同盟国である主要なアラブ諸国とイスラム諸国はすべて、オマーンにおける米イラン間の最新の交渉を促進する上で重要な役割を果たしてきた。さらに、サウジアラビアは、パレスチナ国家の設立を条件としてのみ、イスラエルとの関係を正常化することを米国に明確に伝えている。

 米国は正念場を迎えている。米国は本当に平和を望んでいるのか、それとも、イスラエルの過激主義に追随したいのか。米国は何十年もの間、イスラエルの誤った目的に盲目的に従ってきた。国内の政治的圧力、強力なロビー活動網、戦略的な誤算、そしておそらくはエプスタイン文書に潜むわずかな脅迫(誰が知るだろうか)が相まって、米国の外交はイスラエルの地域的野望に従属してきた。
 米国がイスラエルに従属することは、米国の国益にかなわない。米国は度重なる地域戦争に巻き込まれ、米国の外交政策に対する国際社会の信頼を損ない、1945年以降、米国自身が構築に尽力した国際法秩序を弱体化させてきた。

 包括的和平は、進路を修正する稀有な機会を米国に提供する。国際法に基づく包括的な地域和平について交渉することで、米国は真の外交を取り戻し、イスラエルとパレスチナを含むすべての当事者に利益をもたらす安定した地域安全保障体制の構築に貢献することができる。
 中東は、終わりのない戦争と包括的和平の岐路に立っている。平和の枠組みは存在する。何よりもまず必要とされるのは、パレスチナ国家の樹立、イスラエルおよび地域全体の安全保障の保証、10年前に国連で採択された基本合意を回復する平和的な核合意、経済制裁の解除、国際法の公平な執行、そして軍事力に代わる安全保障協力に基づく外交的枠組みである。世界は包括的な枠組みを支持し、この歴史的な機会を捉えて地域平和を実現すべきである。

(Common Dreams)

自然の精やデーヴァと協力して働く

第一部


シェア・ギルモア

 「自然の精」や「デーヴァ(天使)」という概念そのものを嘲笑する者もいる。私たちの物質主義的な文化では、目に見え、測定できるものだけが現実だと信じるよう教え込まれているからである。古代の人々は直感的に自然界の重要性を理解し、万物の相互のつながりを認識していた。しかし、自然資源を搾取し支配することを可能にする道具が発明されたことで、私たちは、生存のために依存している力との直接的な協働的関係を失ってしまった。私たちは今、こうした分離主義的なアプローチによって生み出された多くの危機を経験し、自然との関係を再評価し始めている。

 世界中のさまざまな場所で、グループや個人が、自然の営みを圧倒するのではなく、協働することがどれほど有益であるかを経験的に学び直している。エーテル視力を活用して自然の精やデーヴァを見ることが──あるいは意識をエネルギー的に彼らと融合させることさえ──できることに気づきつつある人々もいる。秘教を学ぶ者たちは、これと並行する霊的な視点を提供しており、現代科学でさえ、思っていたよりもはるかに広大な宇宙に私たちが生きていることを確認している。科学と霊性は一つにまとまりつつある。

 科学的には、量子力学と量子物理学が、宇宙は振動のみで構成され、完全に相互につながり合っていることを証明した。唯一の現実とみなされている物体は、実際には、単により高密度の周波数の振動にすぎない。後述する『フィンドホーン・ガーデン』と『神々の王国』に記録された体験によれば、こうしたより正確な宇宙論において、デーヴァは高い振動域に存在し、ほとんどの人には見えず、それぞれの植物種の原型的パターンを保持する役割を果たしている。巨木であれ一本の草であれ、デーヴァは個々の植物を物質界における高密度の形態へと導くためにエネルギーを方向づける。

 このようなより広い視点から見れば、自然の精やエレメンタル(精霊)は、デーヴァからのエネルギーを伝達し、それぞれの植物や顕現体の原型的パターンに従って「エーテル体」を創造する。
 このようなエーテル体は私たちのエーテル体に類似しており、キルリアン写真ではオーラとして確認できる。 
 私たちはほとんど気づいていないが、自然界のデーヴァは地球の内部構造の根幹を成しており、環境の働きや反応において大きな役割を果たしている。….

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。この大量の記録から、現在の危機に関連した回答の選集を掲載したい。

Q マイトレーヤの優先事項の一つは中東紛争の解決策を見いだすことであり、それは彼が実際に公になるまで解決しないだろうとあなたは言われました。それは、中東の異なった信条の人々(イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒)が、世界教師としてのマイトレーヤに反応して、彼が万民のためにやって来たということを認め、彼らの分離主義がその反応から変化し始めるからでしょうか。

A すべての宗教の伝統固執主義者はおそらく、マイトレーヤを最後まで認めず、応じようとしないでしょう。しかし、やがては認め、応じるでしょう。
 パレスチナ・イスラエル問題は、中東問題の中心にありますが、マイトレーヤの行動を通してのみ解決されるでしょう。しかし、マイトレーヤでさえ解決策を押しつけることはできず、助言できるだけです。しかし、彼が世界の数えきれない人々から受け入れられ、霊的教師や指導者として尊敬されていることが、最も狂信的なイスラエルのユダヤ人とパレスチナのイスラム教徒が共存の必要性を受け入れるのを容易にするでしょう。それはパレスチナ人に正義が与えられたときにのみ起こり得るでしょう。完全に正義が行われたときにのみ、イスラム教徒にとって解決策が受け入れられるものとなり、渋々ながらイスラエル人にも受け入れられるものとなるでしょう。彼らは徐々に共存することを学び、正義の状態の中でのみ共存することができるでしょう。さもなければ、必然的に両者の間は永続する戦争となるでしょう。

 中東問題が解決しない限り、世界に平和が存在することは決してなく、平和が存在しなければ、人類の未来は非常に危ういことを私たちは知っています。イスラム教徒はイマム・マーディを待望し、ユダヤ教徒はメシアを待っています。多くの人々はマイトレーヤをそのような存在として認知するでしょう。このことが、彼らのお互いに対する立場を和らげると確信します。
 しかし重要なことは、パレスチナ人に正義が与えられなければならないということです。ヨルダン川西岸地区はパレスチナ人の祖国としてヨルダンの故フセイン国王から与えられたものであり、それが意味するのは、西岸地区全体であり、これまでパレスチナ人に与えられてきたような一部のことではありません。主にレバノンに留まっている470万人の難民を祖国に帰還させる必要があり、エルサレム――イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒にとって非常に重要な都市――の地位は、これら三つのグループすべてにとって開かれた中心的な都市に変わる必要があります。この和解をもたらすにはマイトレーヤの出現が必要だと思いますが、そうなるでしょう。
(シェア・インターナショナル誌2007年8月号)

Q それには時間的な期限があるのでしょうか。

A 時間的な期限は私たちがつくるものです。その地域の人々の意志の問題です。彼らが期限を設けます。彼らが変化を望み、紛争解決を受け入れ、公正な和平を可能にするならば、それは非常に短期間に起こるでしょう。それは双方の狂信的なグループの抵抗にかかっています。しかし世界全体が変わるとき、これらの小さな地域も、それがいかに重要な場所であろうと、平和的解決をもたらす変化に抵抗することはどんどん難しくなるでしょう。
 やがてすべての人々が平和な世界を欲するでしょう。気の狂った戦争屋だけが戦争を欲し、彼らのビジネスや特定のグループの利益のためにそれを望むでしょう。しかし、全体としての人類が平和の絶対的な必要性を知るとき、戦争そのものの終わりが達成されるでしょう。これらの事実を教えることがマイトレーヤの仕事です。それは人々がすでに知っていることを効果的に伝えるという問題です。すべての人が平和の必要を知っていますが、いまだに戦争が起こります。それは人々が、戦争を利用することでバランスを回復できると思っているからです。
(シェア・インターナショナル誌2007年8月号)

Q もしもあなたの師やキリストが今日国連安全保障理事会と世界の指導者たちに直接語りかけることができるとすれば、中東で、またイスラム世界全体との、真の永続的な友好関係を固めるために何を助言されるでしょうか。

A 必要不可欠な資源を世界中で分かち合うことで、正義と自由を創造することです。分かち合いは不可避であり、そのことを理解し実行するのが早ければ早いほど、すべての人々にとっての平和と安全も早く達成されるでしょう。これは中東にとっても、世界全体にとってもそうです。
(シェア・インターナショナル誌2002年12月号)

Q パレスチナとイスラエルの両者に、平和と寛容に達するための交渉に応じなければならないと確信させるためには何が必要でしょうか。

A 彼らが交渉しなければならないと言うのは簡単ですが、双方の隔(へだたり)は非常に大きく、彼らが共存していくためにはマイトレーヤの存在が必要であると私は確信しています。交渉による平和は公正で持続するものでなければなりません。これまでのところ、パレスチナは公正で正義にかなった解決策を提示されていません。イスラエルもまた本質的な違いのある事項について交渉に応じていません。
 かつて南アフリカをアパルトヘイトの廃止に追い込んだような世界的な禁輸措置が、イスラエルを交渉テーブルにつかせるための最も効果的な方法だと思います。
(シェア・インターナショナル誌2009年1月号)

Q (1)マイトレーヤは、ガザの封鎖が世界の注目を集めているイスラエルとパレスチナの状況について質問を受けましたか。そうだとすれば、(2)彼の答えは一般的にどのようなものでしたか。

A (1)はい。(2)マイトレーヤはパレスチナの悲劇的な現状を嘆き、彼の見解をはっきりと述べました。彼はアメリカに対し、イスラエル政府の残酷な行為を支援するのではなく、この非人道的な封鎖を終わらせ、和平交渉を始めるためにイスラエルに対する影響力を用いるべきだと述べられました。
(シェア・インターナショナル誌2010年8月号)

Q 見さかいのないいじめっ子(アメリカ)をどうやって止めたらよいでしょうか。

A 国連の他のメンバーがいじめっ子に対抗して立ち上がり、釈明を求めることによってです。可能なあらゆる外交的圧力、とりわけ経済、金融の圧力を利用することです。例えば、アメリカ製品の世界的なボイコット、アメリカへのローン(アメリカ国債の買い入れという形で行われている)の引き揚げと大規模なドル備蓄の売り、アメリカとの貿易を他の国々に振り替えることなどによってです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q 中東で最も危険な国はどこですか

A イスラエルです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q 国連の幾つかの側面を再編する必要があるのではないでしょうか。例えば、状況が暴力的に爆発する前に、摩擦と緊張を引き起こしている問題を示し、分析し、解決策を提示する早期警告型の監査制度の永続的な確立のような。より賢明で経験豊かな元国家元首や外交官や交渉者や特定の地域の専門家、司法知識のある人々などが国連でグループをつくり、予防的な問題収束グループを形成できるでしょうか。問題をかき立てる先制攻撃グループではなく。

A はい。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q (あなたが著書の中で述べられたような)私たちの直面する問題解決のための青写真を持ったイニシエートたちはすでに地位を占め、その青写真を展開していると私は希望します。私たちは彼らを今必要としています。

A 世界は彼らを今受け入れる用意があるでしょうか? 私はそうは思いません。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q 世界は今こそ前進して、第二次大戦の恐怖を忘れることなく、それを全面的に認めながらも、国際社会に対する罪悪感から自由になるべきではないでしょうか。世界は感情的な脅しに弱く、そのためにイスラエルの不正な要求に盲目になっているというのは正しいでしょうか。このことが、イスラエルとアラブ世界に対して世界が取っている明らかなダブル・スタンダード(二枚舌)の基礎になっているのではないでしょうか。アラブ世界はこの二枚舌に怒り、不満を持っています。これがテロリズムの基盤になっているのではないでしょうか。

A はい、それがおおむね真実であることに同意します。
(シェア・インターナショナル誌2003年6月号)

Q 法令や祈り以外に、アメリカとイスラエルがイランと戦争するのを防ぎ、平和をもたらすために私たちに何ができますか。

A このような愚行に反対する声を上げなさい。デモをしなさい。行進しなさい。議会の議員たちに手紙を書きなさい。
(シェア・インターナショナル誌2008年10月号)

Q 1967年の6日間戦争の間にイスラエルが行った行為が‘邪悪’の性質を持つものだとしたら、彼らがパレスチナ人、特にガザ地区の人々に対して行っている行為に関しても同じエネルギーが働いているのですか。

A はい。
(シェア・インターナショナル誌2009年1月号)

Q 公正な和平協定を可能にするために、ヨルダン川西岸地区(および東エルサレム)の違法なユダヤ人入植地は明け渡されるべきでしょうか。

A はい。
(シェア・インターナショナル誌2011年8月号)

Q 短期的にはマイトレーヤは疑いなくイスラエルとパレスチナの間の平和のための領土協定を示唆なさるでしょう。しかし、長期的には、イスラエルという国家は公的に存在することをやめ、再びパレスチナの一部として区分がなくなるのでしょうか。

A いいえ、イスラエルが存在しなくなるとは思いません。そうなるにはあまりに時間が経ち過ぎています。しかし二つの国家は隣国として、地域の資源を共に分かち合いながら共存するでしょう。
(シェア・インターナショナル誌2010年11月号)

Q 新しい世界秩序におけるイスラエルの役割は何ですか。

A 新しい世界秩序におけるイスラエルの役割は、跪いて、パレスチナでの行為に対する許しを請うことです。それからパレスチナの土地を分割して、イスラエルとパレスチナという二つのしっかりとした発展力のある国家を生み出すという現実に取り組むことです。イスラエルの未来は、悔い改めてイスラエル国民の天性の善意を復活させ、パレスチナの土地にイスラエル政府が生み出した邪悪を克服することです。
(シェア・インターナショナル誌2010年11月号)

Q 無害とは他を傷つけることだけではなく、もっと多くのことを意味していると思います。無害の最良の使い方の実例を挙げていただけますか。

A それは、戦争をしたくてもしないことを意味します。国家元首を打倒しないことです、それが国民によって民主的に選ばれた指導者であるならばことさらです。チリのアエンデ大統領はCIAによって倒されました。そういうことをすべきではありません。それが有害ということです。度を越して、力を過信し、何でも好きなことをやる権利があると思っている政府がそういうことをします。彼らは勢力圏に共産主義やその他のけしからんことが存在しないことを望んでおり、周囲全体を支配しようとします。あらゆる強国は同じことをやっています。周辺地域を彼らにとって安全感の持てるものにしたいのです。周辺国の経済をコントロールしています。アメリカは、カナダ、メキシコ、ブラジル、他の南アメリカ諸国をそのように見ています。社会主義的な傾向を持つ指導者が現れたら、アメリカ政府は速やかにCIAを送り込み、公には行う用意がない汚い仕事をやらせます。世界中で政府レベルでそういうことが行われています。彼らは多かれ少なかれファシストです。
 無害の最良の利用は、その反対のことをすることです。絆を結び、資源を分かち合い、外交関係を築き、他の国々と協力して働くことです。
(シェア・インターナショナル誌2006年3月号)

Q 2004年3月20日に世界的な平和デモ行進が行われます。イラク戦争が始まった一周年の日に、「嘘の一年:2003年3月20日から2004年3月20日まで」に対する抗議として行われるものです。戦争が終わった今、これを行うことに意味があるとお考えですか。

A はい、大いに意味があります。自国の政府に対して、気の進まない民衆の名において不法な戦争を行わせないことを示す世界の民衆が多ければ多いほど、この恥ずべき状況を早く終わらせることができます。政府は、彼らの仕事は民衆の必要に仕えることであり、他の政府に戦争を仕掛けることではないことを理解しなければなりません。
(シェア・インターナショナル誌2004年4月号)

Q イスラエルは、現在の倍の数の入植地を建設中です。東エルサレムの入植者のための野心的な拡張計画が承認されました。それは1967年のアラブ・イスラエル戦争によってイスラエルが奪った土地です。この進行中の危機と紛争に対して国際社会がなすべきことは何でしょうか。

A イスラエルの違反行為に対して60以上の国連決議がすでになされていますが、安全保障理事会におけるアメリカの拒否権に守られて、イスラエルは単にそれを無視しています。安全保障理事会は廃止される必要があります。それはとっくに無用のものとなっています。国際社会もまたアメリカの力の濫用に対して立ち上がらなければなりません。
(シェア・インターナショナル誌2008年7月号)

Q イランが核兵器を開発するつもりはないという言葉を、国際社会に信じてもらうにはどうすればいいでしょうか。さらなる制裁によって脅かされ、イランは特にアメリカからの強まる圧力を味わっています。

A 国連の査察団をイランに招待し、チェックして確認してもらうことができます(他の方法もあるでしょう)。
(シェア・インターナショナル誌2008年7月号)

2026年2月号目次

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
光の時代

世界を変える人間の好奇心のカ
パレスチナ出身のノーベル化学賞受賞者
ノーベル賞晩餐会におけるオマール・M・ヤギ氏のスピーチ 2025年12月10日

プレスティア・アラカド著
『ガザの目─レジリエンスの日記』
メーガン・シェラーによる書評

フリーエネルギーをめぐる闘い第一部
ダグ・グリフィン

時代の徴
忘れられない体験
M・マクドナルド・ベイン博士による講話

2025年BBC リース講演
「道徳的革命」
評論 フィリス・クレーム

米国市民を対象とした超常現象に関する調査の結果
ポーリン・ウェルチ

世界情勢
新しい時代のための新たな技術開発

亡くなった愛する人々からの電話 第一部
カラム・クーパー氏へのインタビュー
ジェイソン・フランシス

読者質問欄

光の時代

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 各世紀に、同時代の人々をはるかに抜きん出る者が何人か出現する。彼らの天賦の才は顕され、天性は輝きわたり、すべての者がこれを見、そして賞賛する。そのような人々は、人間が、己自身について、そしてその可能性についての認識を増大させていく方向につながる仕事を成し遂げた偉大な発明者であり、画家であり、作家、音楽家、科学者である。

 近年において彼らの注目は、科学と人間の知識の拡大に向けられてきた。これが、今までは達成の望みさえかなわなかったほどのスケールで、人間のマインド(識心)を目覚めさせる道を整えたのである。人間は今日、これまでの達成をすべて影の中に投じてしまうような新しい啓示と発見の瀬戸際に立つ。

 この来るべき時代は「光の時代」として知られるだろう。そしてあらゆる意味と顕現を含めた「光」が人間の起源となるだろう。見る目のある者にとって、人間が「光の部屋」に通じる扉を叩き始めている徴はすでに見えている。人間が、新しい洞察とテクノロジー(科学工業技術)が意味するものに取り組むにつれて、古くからの闇と無知は消え去っていく。間もなく、「光の科学」が、「聖なる科学」が、人間の驚嘆した凝視の中に明かされるだろう。そうして人間の進化の旅路における一つの重要な目標が達成されるだろう。

 現在まで、ほんの少数の専門家のみがこの「光の科学」に接近することができたのだが、この恩恵をすべての者の利益のために使えるようにするためのステップがすでに取られている。エネルギーおよび光についてのすべての人間の必要は、簡単にかつ安全に満たされるだろう。太陽そのものがこの目的のために利用される。「マイトレーヤの旗印」のもとに愛において団結し、人間は星々への新しい通路を創り出すだろう。人間が自然の神秘を探究するにつれて、自然はその秘密を明け渡し、すべての底に横たわる秩序だった美を明かすだろう。

 このようにして、新しい、より簡素な生活が、マイトレーヤと彼の「弟子たち」(覚者たち)の導きのもとに始まるだろう。人間は喜んで過去の分割を放棄し、生きとし生けるものすべてと新しい調和の中に入るだろう。

 永いあいだ、人間はこの調和への鍵をあこがれ求めて、空しく探しまわった。彼らの最高の志向と努力はいつも無駄に終わった。今、初めて、一体性についての認識が目覚めはじめ、分かち合いとより正しい安全な線に沿って生活を立て直す必要性が、人間の心(マインド)に印象を刻みはじめている。

 新しい時代、「光の時代」は、われわれの頭上にある。そしてこの来るべき時に、人間は、彼らの祖先が持ち得なかった、あるいは無視したインスピレーション(鼓舞)と導きを見つけるだろう。今やついに、人間とハイアラキーの覚者たちは、兄弟同胞愛と信頼という共通の絆で結ばれて、一緒に働き、前進するだろう。わたしたちの示す模範によって、人間は鼓舞され、超人間的な努力で達成をなし遂げ、光がすべての者の心(ハートとマインド)にもたらされるだろう。
そのようになるだろう。そのようにして、創造の偉大なる秘密は明かされるだろう。そのようにして人間は創造者となり、自分自身の運命の調整者となり、「神のような存在」となり、「人間」の名にふさわしい存在となるだろう。


(シェア・インターナショナル誌1989年9月号)

世界を変える人間の好奇心の力

──パレスチナ出身のノーベル化学賞受賞者
ノーベル賞晩餐会におけるオマール・M・ヤギ氏のスピーチ

2025年12月10日

 ヨルダンでパレスチナ難民の両親の下に生まれた化学者、オマール・M・ヤギ氏は、金属有機構造体に関する研究で昨年10月にノーベル賞を共同受賞した。ヤギ氏は自身の発見を次のように要約している。「私たちが作った構造体には、内部に空洞や開口部がありました。それらは空間を取り囲んでいます。そしてこの空間の中に、空気中の二酸化炭素や水を閉じ込めて飲料水を作ったり、水素をクリーンエネルギーに変換したりすることができます」
 ヤギ氏は、家計を支えるため、父親の肉屋で働きながら育った。「私はとても粗末な家で育ちました。……小さな部屋に12人ほどが住み、飼っていた牛たちと部屋を共有していました」。彼はかつて、少なくとも100人の研究者によって引用されるような論文を発表することを夢見ていたと語っている。

陛下、殿下、閣下、敬愛する受賞者の皆様、
ご列席の皆様、
 共同受賞者の北川進氏、リチャード・ロブソン氏、そして私自身の3人を代表し、この特別な栄誉を賜りましたことについて、スウェーデン王立科学アカデミーおよびノーベル財団に感謝申し上げます。

 今夜、私たちは偉業だけでなく、可能性──つまり人間の好奇心が世界を再構築する力──をも称えます。金属有機構造体(MOF)の開発は、シンプルでありながらも大胆なアイディアから始まりました。それは、原子レベルの精度で材料を設計し、強固で目的を持った結合を形成することで、驚くべき機能を解き放つことができるというアイディアです。                                     
 このアイディアから新たな可能性が生まれました。砂漠の空気から純水を抽出する力、大気中の二酸化炭素を直接回収する力です。これらはほんの始まりにすぎません。無数の構造と用途を持つMOFは、有望性から実用的なツールへと急速に進化しており、数え切れないほどの人々の生活を変えようとしています。
 私の旅は、実験室から遠く離れた場所で始まりました。私はヨルダンのアンマンで、10人の子供を持つ難民家族の中で育ちました。水道も電気もなく、生計を支える家畜と生活を共にしていました。苦難は至るところにありました。成功の見込みはほとんどありませんでした。ただ、自然が驚くべき方法で姿を現し、私たちを助けてくれるという可能性はありました。
 転機は10歳の時、学校の図書館で分子の絵を見つけた時でした。その美しさと神秘性に心を奪われ、それが生物・無生物を問わず、あらゆるものの構成要素であることを知った時、化学への情熱に火がつきました。私は永久に化学に魅了されました。化学は私の逃避先であり、進むべき道となりました。
 幼少期のもう一つの経験も、私に大きな影響を与えました。砂漠では、政府から水が1週間か2週間に一度しか届かなかったのです。近所中で「水が来るぞ」という声が囁かれ、水の流れが止まってしまう前に、見つけた容器に水を汲もうと必死に駆け回ったことを覚えています。
 何年も経ってから、MOFが水を吸収し放出する仕組みを研究するうちに、一見普通の行動に思えるものの中に革命的な何かがあることに気づきました。このMOFが砂漠の空気から水を吸い上げ、きれいな飲料水に変えることができるのを目の当たりにしたのです。それは私の子供時代のリズムを彷彿とさせましたが、同時に、かつて私たちが耐え忍んできた苦難そのものに対する解決策を提示していました。もし私がそれを経験していなければ、このデータのパターンに気づけただろうか、と私はよく考えます。

 しかし、MOFのより深い教訓は、そのメタファー(暗喩)の中にあります。MOFの強さは、分子間の絆に由来します──私たちの未来が、国や世代を超えて築く絆にかかっているのと同じように。MOF科学は現在、100カ国以上で実践されており、世界中の若者、特に発展途上国の若者たちに刺激を与えています。
 ここに、私たちの最大の希望があります。つまり、物質を再構築できる科学と、それを前進させようと熱望する世代です。私はリーダーたちに行動を促します。科学者は特権を求めているのではなく、可能性を求めています。科学者の好奇心を支え、障壁を取り除き、学問の自由を守ってください。世界中の才能を受け入れてください。
 気候変動に関しては、行動を共にする時がすでに到来しています。科学はここにあります。今、必要なのは勇気です。課題の巨大さに見合った勇気です。そうした勇気があれば、次世代に対して炭素回収技術だけでなく、彼らが抱く希望にふさわしい地球を贈ることができるでしょう。
 化学を実践するために化学者である必要はなく、発見が誰にでも開かれているような未来を想像しています。AIの進歩はこれを可能にするかもしれません。それは、化学が進歩の科学であるだけでなく、希望の科学となるような未来です。かつて私が経験したような限界に直面する子供が一人もいない未来、より安定し、より豊かで、より公正な世界へと向かって子供が成長していけるような未来です。
 ありがとうございました。

(https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/2025/yaghi/speech/; aljazeera.com)

オマール・M・ヤギ氏
(Photograph: Christopher Michel, Wikimedia Commons)

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。