今月号の内容概説

 世界は数カ月間、パンデミックへと突き進んできた。新しい基準と新たなスタートが必要であるにもかかわらず、世界の指導者たちは速やかに「通常への復帰」、「従来通りのビジネス」、「経済のキックスタート」を主張している。これらの言葉は商業主義に起源があるため、広告用語のように聞こえるのは偶然の一致ではない。本誌のほとんどすべてのページでは、人類が目覚めることの必要性が強調されている。それによって、地球上のすべての生命との新しい関係に踏み込み、この危機が、方向性を変えて、公正で正気で持続可能な世界を創造する素晴らしい機会を提供していることを理解するためである。覚者の記事は、「人間は誰も分離し孤立していないことを、知ってか知らずか、すべての人間は次々に展開される啓示の長い旅路の中で、見えざる糸で共につながっている」と語りかけ、助言し、思い出させる。
 今まで、人類はゆっくりと学ぶ者であり、マイトレーヤと覚者方が数十年にわたって人類自体を一つのものとして見るよう助言し、嘆願してきたにもかかわらず、困難な方法で物事を学ぶ必要があった。リン・ガードルストーンが「人類の目覚め」で書いているように、「このパンデミックは、『立ち止まって…… 今 ……あなたが築いた世界を見なさい……反道徳的な過剰さに囲まれた言うに言えない苦しみ……致命的な危機に瀕しているすべての生命体と惑星自体』と言っているのかもしれない」。WHOやWFPといった不可欠な国連機関は、この助言に対する世界の拒否の結果に日々対処している。
 経済学者であり作家であるグレアム・マクストン氏は、次のように述べている。「今回の危機は私たちが再考する時間を与えてくれ、その休止と考えるためのチャンスはとてつもない可能性を提示するでしょう。それは驚くべき機会です!」と。
 ほとんど知られていない弟子であるエリザベス・ワーノンは、何十年も前に次のように書いている。「地球にとって重要である物質的な諸問題は解決されなければならない。世界経済は、必要不可欠な食料と物品を確保し、代金を支払い、すべての国に割り当てなければならない。兄が弟に対して責任を負うのと同じように、富裕国はあまり有利でないもう一方の国々に対して責任を負っている。……」と。
 今月の選集では、自然界に対する人類の責任と相互依存性について何の疑いも残していない。
 環境活動家のバンダナ・シバは、すべての人々を行動へと呼び起こす。「コロナ危機の現在の時代において、地球と人類を守るため、地球民主主義と経済民主主義に基づいた、新しい経済をイメージし、つくり出しましょう。民主的な参加と連帯によって、三つの危機に取り組みましょう。そして仕事を保証し、声を上げることを保証する、未来の経済の形成に参加する行動を取りましょう」
 現在、私たちのリーダーたちは、おそらく自分自身の狼狽を隠すために、怒り狂ったり、空威張りをしたりする一方で、何百万もの人々が、「さて、いずこに行くのか」と心配そうに思案している。今日は根本的な変化の無限の可能性に満ちており、私たちのリーダーと私たち自身に「リセット」ボタンを押すことを要求する時である。