一歩一歩

ベンジャミン・クレームの師である覚者は、シェア・インターナショナル誌の創刊以来、毎月記事を提供してくださった。それは、書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われるときにはいつでも掲載してよいようにである。実際これらの記事の多くは、それらが最初に掲載された時よりも今の方がより関連性があるように思われる。以下の記事は、2007年10月に最初に掲載された。

一歩一歩

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 あなた方の長兄であるわたしたちは、すべての人間が、知ってか知らずか、没頭しているところの進化の過程について、折に触れて、彼らに理解させようと試みる。この目的のために、特定の時期に、人間の心(マインド)を拡大させて、彼らの旅路を軽くする知識を与えるのに有用だと判断される教えを、弟子たちに、部分的にあるいはその全体を、伝達するのである。
 今後もこの教え方は続けられるが、他方、マイトレーヤと彼のグループ(の覚者たち)は、一般大衆とますます直接に関わっていくだろう。このようにして、人類は、多かれ少なかれ秘教的な特質を持つ進化の過程についての教えと、一瞬一瞬の彼らの人生の環境との間のつながりをより明確に知り、より完全に評価するだろう。人生の意味と目的について、そして彼らを支配する偉大な法について、より深い理解がこのようにして確立されるだろう。かくして、全体としての人類による前進への大きな歩みが期待される。
 弟子たちやイニシエートたちにとって、その教えは通常の方法で進められるだろう――すなわち睡眠中の時間に、あるいは特定の弟子たちを通して伝達され、出版された教えを通して伝えられる。それ以外に、覚者たちが公に働くようになるので、ますます多くの教えが直接に伝えられるだろう。これはもちろん学びの過程を速めるだろう、そして弟子たちにとってはその旅路はかなり短縮されるだろう。さらに、覚者たちの臨在は、弟子たちと世界の“一般の”人間との間に今日存在する大きな隔たりを除去する助けとなるだろう。多かれ少なかれ、すべての人間が、いろいろなレベルで、意識的に発見の旅路をたどり、人生の重要性についてますます認識していくようになるだろう。そのようになるだろう。今のところ、わたしたちが使う教えの提供の方法をどのように変えていくかについて、まだ青写真しか存在しないが、徐々にこの青写真は生きた形態に変わっていくだろう。それからすべてのものが恩恵を受け、成長するだろう。
 人間が彼らの世界をつくり直し、正しい人間関係を確立するために取るステップの一つ一つが、彼らを完成に導く旅路における前進のステップであることを、マイトレーヤは人間に示されるだろう。そして弟子たちにとっての内的なステップは、いまだイニシエーションの過程に従事していない人間の外的なステップによって調和されなければならないことを、すべてが相互に関連しており、統合された全体であることを、示されるだろう。一歩一歩、人は各々のペースで自分の行路を歩む。一歩一歩、人は無知から知識へ、不正義から正義へ、隷属から自由へと動く。
 そのような努力の中で、進歩は遅々として、あり得ないように見える時があるだろう。しかし人間は自信と信頼を増し、そして「一歩一歩」の方法を学ぶだろう。人間の天賦の神聖は、今は物質主義と商業主義の中に見失われているが、マイトレーヤと彼のグループの教えの下で新たに開花するだろう。人間は、彼のすべての必要の創造的源として自分自身を知るようになるだろう。