人類、結び付ける王国――選集

Humanity, the linking kingdom ── a compilation

「自然界の王国──人類の役割」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻と第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 われわれは、この惑星の生命(いのち)の全体と、──人類の仲間と、動物・植物・鉱物界と── 一体になることができるということを示さねばならないのです。この地球を搾取することをやめ、その資源の悪用をやめねばなりません。動・植物界の搾取やそれらの生命の悪用をやめ、一つの世界、一つの人類、一つの生命(いのち)であることを示さねばならない。これが人間の運命です。
 人間の役割は、動・植・鉱物界、その霊的エネルギーの伝導者として働くことであり、そうすることによって、神の共働者となるのです。これが人間の真の約束です。もし人間が霊的生活を宗教生活にだけ委ねているのでは、この約束を果たせません。人間が真の霊性を生活のすべての面にあらわすときに初めて、それを行うことができるのです。
(『世界教師と覚者方の降臨』)

 社会の再建が、分裂を最小限にとどめながら、徐々に行われるだろう。分かち合いと愛に基づいた社会を願う人間の希望は、徐々にかなえられるだろう。新しい時代は、各人にそれぞれの正当な場を保証するだろう。……
 ……社会形態はすべての創造物との相互関連性についての人間の感覚を反映し、すべての王国(動、植、鉱物界)との正しい関係の確立につながるだろう。再び、人はすべての生命の尊さを認知し、その生命を害から守るために必要な手段を取るだろう。すべてのグループの間の創造的な交流が盛んになるだろう、そしてそれが人間の──そして神の──潜在力についての認知を確実に促すだろう。
(『覚者は語る』─社会生活への新しいアプローチ─より)

 世界が分かち合いと正義と平和を通してますます和合していくにつれて、人間の構成の特質や地球上における人生の目標が認識されるようになり、ますます多くの人々がもっと知りたいという欲求にかられるでしょう──自分が誰かについて、人生の目的について、そして自分の進化の段階について。人々は進化について話すでしょう。それが地球上における最も重要な要素となるでしょう。人類の意識の進化、そして自然界におけるすべての王国の発展が、至るところにいる男女の思考と目的を支配するでしょう。
(『光の勢力は集合する』)

 わたしは、新しい姿で、人間に、彼らの前にある選択の対象を提示し、未来の可能性を描写し、神の法を明かす。そのようなわたしを、もうすぐあなたがたは見るだろう。我が友よ、神の法は、あなたがたの生活を包むものである。神の計画なしには、人は無に等しい。これをいつも心に留めて、均衡を保ちなさい。人間の偉大さと、すべての者との一体感と、そして人間の聖なる目的を、常に心に留めておきなさい。しかしながら、人間は一人では何もできないのである。これを悟り、真(まこと)の道を抱きしめなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』第119信より)

 人間は自分たちが住むこの惑星に対する責任を自覚せねばならない。人間は、強くはあるがしかし敏感な有機体の世話人なのであり、それを害から守らなければならない。これを行っていると主張できる者は今日ほとんどいない。それどころか、人間は自然界の豊かな寛大さを濫用し、その上を土足で踏み荒らす。多くの者がこの問題に目覚めつつあることは本当だが、それがすべての者の関心事として理解されて、世界的規模で取り組まれるようになるまで、方向を転換させる上での進歩はほとんどないだろう。
 もし人間がこの差し迫った困難を無視すれば、それが人類にとってどれほど危険かを、マイトレーヤが心に留めていることは確かである。マイトレーヤはすべての人間がこの惑星の復興のために働くことを促されるだろう。そしてより簡素な、より幸せな人生への道を指し示されるだろう。
(『覚者は語る』─偉大なる母─より)

 マイトレーヤの教えの基礎は正しい関係です──人と人、人と神との間、人とその環境、惑星との間の正しい関係です。人間と自然と神は一つであり、惑星(とその中のすべての王国)の適切な保護は全体の福利のために欠くことができないことを、我々は理解するようになるでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第1巻』)

 人類は神の王国と人間より下位の王国を結ぶ王国であり、そのような王国として大きな責任を抱える。なぜなら、いつの日か人類王国自体が、下位の王国の進化の過程の幕を開け、コントロールするようになることが計画されているのだから。これは多くの者が考えるように遠い未来のことではない。なぜなら、人間はいま意識の大いなる拡大の瀬戸際にあり、それが達成されるとき、想像しがたいほどの力(パワー)と知識が人間の手のうちに提供されるだろう。……
 ……動物王国の中に、人間のエネルギー的刺激を通して、深遠な変化が起こるだろう。知性の要素が急速に成長し、人間のマインドの影響のもとに、二つの王国の間に新しい協力が可能になるだろう。多くのいにしえの形態は、彼らの目的を果たし終えて、死に絶えるだろう。しかし、人間によって鼓舞され、導かれて、思考に対する新しい感覚と反応が動物の中に顕(あらわ)れるだろう。それが動物と人間の間の新しい関係の樹立につながる──神の大計画に沿って進行するもう一つのことである。
(『覚者は語る』─結び付ける王国─より)

 人類は意識の大変革を経験する時点に近づきつつあり、お互い同士の関係、宇宙や自然との関係、そして私たちが普通「神」と呼んでいるものとの関係を全く新しいやり方で認識し始めています。宇宙のあらゆるものは互いに関連し合っている、とマイトレーヤは言われます。つながっていない部分はありません。だから私たちが自分自身に対してすることは自然に対してもすることであり、自然に対してすることは、神の反映としての私たち自身にしていることなのです。私たちは神と呼ぶ全的意識の一部分、反映なのです。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 人類は自己(真我)に目覚め、人間の真の目的に気付く門口に立つ。目的とは、すなわちこの惑星に入って来るエネルギーの区分室として働き、またこれらのエネルギーを最も科学的な方法で、自然界の下層王国(動・植・鉱物界)へ伝導する働きである。これをなすことによって、人間は、われわれが神と呼ぶすべての顕されたものの源である、あの大いなる実在の共働者となっていく。
(『世界教師と覚者方の降臨』)

 私たちの価値観を変えねばなりません。生活の優先順位は第一に地球惑星を太陽系内の生存に適した存在として存続させることにあります。それゆえ、環境が根本的な関心事の一つとならねばなりません。自然と人類、そしてすべての生命の間に相互関係があるということを私たちは認識するようになるでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)