読者質問欄

回答 ベンジャミン・クレーム

新しい時代の教育

以下の質問と回答は、1996年のジョージ・カトリンによるベンジャミン・クレームへのインタビューから抜粋されたものである。

Q 「新しい時代の教育」とは何かということから始めましょう。あなたにとって「教育」という言葉は何を意味しますか。

A 私にとって教育とは、前世から受け継ぎ、発達の特定の段階で生まれてきた男性や女性、子供を、その潜在能力を最大限に発揮することへと備えさせる活動のあらゆる側面です。個人は、魂の表現、知性、身体的装備に関して、また、その人生で何に恵まれているにせよ、特定の潜在能力を持って生まれてきます。したがって、私にとって教育とは、与えられた人生においてその人の可能性を最大限に引き出すことに向けて、男性や女性、子供を物質界、情緒界、メンタル界、霊的界層において適応させることです。

Q あなたは教育をかなり広範囲に捉えていますが、親は教育者だということになりますか。それは本当でしょうか。

A すべての子供が親の真似をするという意味では、すべての親は良くも悪くも教育者です。親の態度が悪ければ、それは悪い教育です。親が愛情と忍耐をもって子供を包み込み、どの分野であってもその表現力を高めようとするなら、もちろん、子供の教育において役割を、必要不可欠な役割を果たしていることになります。しかし、もちろん、私たちは皆、自分の親から受け継いだものを子供たちに演じており、もしそれが穴だらけであれば、それを私たちが受け継いでいくのです。私たちは汚物を伝え、後でそれを外部化します。それは教育ですが、悪い教育です。

Q 正規の学校についてはどうですか。職場のような場所には教育の可能性があると考えられますか。

A もちろんです。実際、私は将来の教育において、より正式な学校の状況や外部の職場、そしてコミュニティー全般で、より大きくより緊密な関係が起こると考えています。教育の一環として、かなり若い年齢の子供たちを本格的なコミュニティー活動に参加させ、最初から自分たちを家族よりも広く、家族とは異なるコミュニティーの一員であると認識させる必要性が高まっていると考えています。それは学校に取って代わるものではなく、学校が実現できるものを強化するものです。
 教育へのどのような新しいアプローチにおいても基本的に必要とされることは、魂の生命を事実として理解し、認識することであると思います。私たちは転生する魂であり、物質界で進化する魂です。魂の次元は完璧です。しかし、転生において、魂は、物質界で意のままに表現できるようになるために、魂の特質をますます完全に顕示することのできる乗り物──つまり物質界の男性や女性──を創り上げるところまで進化します。
 残念なことに、これまでほとんどの国の教育は非常に国家主義的でした。人々は自分の国の歴史を、通常は非常に偏った形で教えられてきました。その国に関するすべてのことは「善」であり、他の国のしたことは「悪」でした。これは、発達途上にある子供に非常に有害で誤った世界のビジョンを与えています。したがって、教育とは、まず第一に、子供に自分が家族の一員であることを示さなければなりません。そうすることで、宝瓶宮の統合するエネルギーが世界意識を生み出すために使用されます。私たちは大小の一つの国に一人で生きているのではなく、今日の67億人が共有する世界に生きているということ、私たちが関係しなければならない友人や隣人がたくさんいるということ、そして何よりも子供には、これが地上での生活の基本的な立場であることを教えられるべきです。それは一つのグループ、一つの家族という考え方です。家庭に入ってくる資源を家族が共有するのと同じように、人類家族も神聖な摂理によって与えられた資源を分かち合う必要があります。

Q 世界教師マイトレーヤの到来は教育にどのような影響を与えるでしょうか。

A 私が考えるに、教育で根本的に必要とされることは、転生している魂としての神聖な潜在能力を人々に顕示させることです。こう考えているのは私だけではありません。
 世界の山々や砂漠での隠遁生活から日常世界に戻ってきた覚者方の活動が顕在化することは、人類に肉体的、精神的、感情的、心理的に多大な影響を与えるでしょう。私たちは魂が本当に存在することに気づくでしょう。彼らは魂の王国です。イエスのような人が毎日人々に話しかけるでしょう。彼はご存命で、過去7年間ローマに住んでいます。一方、覚者方の師であるマイトレーヤはご健在で、1977 年以来、世界中を自由に移動しながらもロンドンに住んでいます。
 もしこれらが事実であれば、霊的ハイアラキーの事実は魂の事実も証明することになるでしょう。人々は「あれは聖ヨハネだ」とか「あれは聖ペテロだ」と言いますが、実際はクート・フーミ覚者とモリヤ覚者です。輪廻転生が人生の事実であることが明らかになるでしょう。再生誕は私たちが進化するための基本的な手段です。何度も何度も転生を繰り返すうちに、私たちは徐々に進化し、最終的にはこの惑星が学校や学級として私たちに教えることがなくなり、その後私たちは覚者になります。より高度な惑星や太陽系などに進むこともできますし、多くの覚者方がそうしてきたように、後に残り、彼らのようになり、自分自身を統御し、物質的な次元から最も高い霊的な次元までのすべての次元を制御する方法を私たちに教えることもできます。これは、私たちが地球上に存在する理由についての人間の考え方を変えるでしょう。

魂、死と再生誕のプロセス

Q 『チベット死者の書』はどの程度正確ですか。

A 編纂されて以降の言語や表現の変更を考慮しても、その精度は驚くべきことに85~90%です。

Q この本で説明されているイメージは象徴的なものですか、それとも文字どおりに解釈すべきですか。

A 象徴的に説明されているものもあれば、まさしく文字どおりに受け取ってよいものもあります。

Q チベット死者の書に記述されているすべての段階を理解するにはどうすればよいですか。

A それらは、アストラル界の七つの界のそれぞれに関連する経験の、象徴的または文字どおりの説明です。死ぬと、人は(進化の時点とカルマに応じて)「バルド」つまりアストラル界で長いまたは短い「時間」を過ごします。

Q (1) 誰もがこれらの死の段階を経験しますか、それとも、 (2) 一部の人々はいくつかの段階を「スキップ」しますか。

 A (1) いいえ。 (2) はい。

(シェア・インターナショナル誌 1992 年9月号)

Q 『マイトレーヤの使命』第Ⅰ巻の中で、あなたは、アストラル界とメンタル界を通り越して意識を可能な限り高く持ち上げることができるように、意識的に死ぬことについて書いておられます(243頁)。意識的に死ぬために実際に準備する場合、今日(いや、それどころか、将来)どんなことができるでしょうか。講習、セミナー、本などがありますが、何を勧めて下さいますか。

A アリス・A・ベイリーを通してのジュワル・クール(D・K)覚者の書物(ルーシス出版)、『チベットの死者の書』、エリザベス・キューブラー・ロスの書物です。

(シェア・インターナショナル誌1997 年4月号)

Q 私たちが死んだとき、魂に何が起こるのですか。

A 肉体が死ぬとき(私たちは「死ぬ」と言いますが、死というようなものはありません)、肉体は朽ち、埋葬されるか、火葬されます(火葬の方が望ましいです)。肉体には三つの恒久原子が存在し、それは不動で、決して破壊されません。肉体、アストラル情緒体、メンタル体のそれぞれの体に一つずつ恒久原子があります。これらの三つの恒久原子が人生から人生への継続性を提供します。魂は旅をしています。新しい肉体の創造に関与するのは両親だけではなく、子宮の中の胎児を創造するのは魂であり、恒久原子を通して、新しい器の肉体、アストラル体、メンタル体が成長します。新しい器は恒久原子を通して古い器と関係しますが、それは全く新しい体です。以前のあなたのパーソナリティーはなくなります。同じ人間が転生したのではなく、何度も転生するのは魂です。
 あなたがハートを通して考えることができるのは、生きて魂と接触しているときだけです。あなたは頭脳で考えることはできます。あらゆることについて考えるのにハートを用いる必要はありません。あなたはあらゆる物事をメンタル体の仕組みで考えることができます。論理を使い、コンピューターを使い、答えに達するためにあらゆることをすることができます。そのようにしてハートなしに考えることはできますが、「大きな」事柄、大きな問題については、あなたのハートがあなたの言うことや考えることに影響すべきです。なぜならあなたは「道」の上におり、あなたのハートがこのことに関わっているからです。旅しているのは魂としてのあなたです。あなたは頭脳で考えるかハートで考えるかのいずれかです。私たちのレベルではその二つが混ざっています。

(シェア・インターナショナル誌2014年7月号)