ベンジャミン・クレームの師である覚者は、シェ ア・インターナショナル誌の創刊以来、毎月記事 を提供してくださった。それは、世界の状況に応 じて適切と思われるときにはいつでも掲載してよいようにである。実際この記事は、それが最初に 掲載された1983年12月の時よりも今の方がより 関連性があるように思われる。
光あらしめん
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
各世紀を経るごとに、人間はその目標に、完璧 なる「神の光」の示顕(じげん) に、さらに近づいていく。 このようにして人間は本来あるべき姿──生きた 神々──となっていく。各々の転生がその登山道 に一つのステップを切り開く。そのような体験ご とに、人はその乗り舟(器 うつわ )にわずかずつ光を加え ていき、それによって体 (たい)[*] の波動を微妙に変える。 このようにして、人間のすべての体 (たい) が光の波動で 振動するようになるとき、その仕事は完了し、旅路は終わる。すなわち人間の視点から見れば、その旅路は終わるのである。それを成し遂げた者の 視点から見れば、旅路は始まったばかりである。
このようにして各々の男女が人間から神へと変 容を遂げる。物質の限界のすべてを備えたさなぎ から、完全に自由になった「覚者(マスター)」が 現れ出て、神の光を輝かせる。この光は広大な宇宙を横切って持続する。すべての次元と界を通し てその特性を表し、それ自身を表現する様々な形 態によってのみ条件づけられる。これらの形態が、 物質の世界に意識がある者に対して、その「光」 に近づく手段を与える。しかし、本質的に光は無形であり、その存在を維持するのに構造を必要と しない。
われわれ一人ひとりの裡(うち) 深くに、そのような光 が宿っており、輝き出る機会を待っている。各人 の裡にすべてのコスモス(完全体系)の可能性が光 っている。また、各人の裡に、その光を輝き出さ せようとする意志もあり、このようにして神の特性 は顕わされる。その光とその意志とは魂に固有の ものであり、魂との整列ができるときその結果と してその活動が始まる。だから魂との整列を確立 するようにして、神の目的を実践しなさい。自らの裡を探究し、すべての知識と愛の源を見つけなさい。魂の光を世に顕 あらわ し、奉仕する者の列に加わりなさい。
世界はもっと光を受け入れる用意ができている。 至るところにいる人間は、己自身についての、そ して神についての新しい知識に渇(かわ)いている。人類 の用意ができているゆえに、新しい「光の時代」 の幕開けをするために、覚者たちは自分たち自身 を準備してきた。進歩への無限の機会が人類に与 えられるだろう。自然のエネルギー(フォース)に 精通する扉を開く様々な発見に、人間は驚嘆する だろう。このようにして、人間に明らかにされる神 秘と美に、彼らは仰天するだろう。神の事実と、 その神聖と人間との関係を、しかと知るだろう。 そして喜んで神の大計画に協力するだろう。
宝瓶宮 ほうへいきゅう (アクエリアス)の時代の入口にあって、 これらすべてが人類を待っている。それは、神の 大計画が再び栄え、人間がついにはその運命を意 識的に受け入れることになる時代である。
今日、人は分裂と緊張で満ちた世界を見わたす とき、このことを疑うだろう。問題はあまりにも複 雑であり、分裂はあまりにも大きいように見える。 しかしまさにその時に、最も危急の瞬間に、大教 師は来られ、新しい「光」をもたらそうとしてお られる。そのようなお方が今、あなた方の中に在 あ り、舞台脇で奉仕への招待を辛抱強く待っておら れる。
この方のもたらす「光」を放ち、すべてを神聖 の中に包みなさい。彼の教えを奉じ、困窮する者 すべてに救いをもたらしなさい。彼の光を顕して、 この世界を新たに創造しなさい。
〔*〕体 たい =パーソナリティー、メンタル体、アストラル体、肉体