同胞愛(ブラザーフッド)

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者はほとんど40年近くにわたって、毎月記事を提供してこられた。クレームの師は2010年に、「今人類が行う決断が、大体において、この惑星の未来のすべてを決定するだろう」と書いた。そうした決断は今、かつてないほど差し迫っているが、それは同胞愛を受け入れることに基づかなければならない。同胞愛を宝としなさい、同胞愛を大事にしなさい、と私たちは助言されている。同胞愛は障壁を溶かし、変容をもたらす。同胞愛は神聖なものだからである。

同胞愛(ブラザーフッド)

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 疑いもなく、今は人類にとって非常に重要な時である。今人類が行う決断が、大体において、この惑星の未来のすべてを決定するだろう。将来の世代は、今日の人間の非常に多くが世界の病に対する懸念をあまりにもあっさりと振り払うことを不思議に思うだろう──莫大な余剰食糧に恵まれた世界の中で、それを欠くために何千万の人々が飢え、そして死ぬ状況、さらに多くの人間が絶えずひもじく、栄養失調である状況。多くの人々はこれが本当であることを知っているのだが、それについて何もしない。どうしてこれが可能なのか? 彼らの行動を妨げるのは何か?
 この非行動の土台にあるのは自己満足感である。それが世界にある悪のすべての根源である。自己満足感は、人々を引き離し、『同胞愛』の開花を阻む分離という罪悪の中にその根を持つ。
 人間はもうすぐこの真理に気づくか、あるいは死滅しなければならない。『同胞愛』はアイディア(観念)であり、そしてわれわれの惑星のいのちの事実である。すべての行動の基盤として同胞愛のリアリティ(現実)なしには、人間のすべての努力は無に帰するだろう。
 人間が同胞愛を人生の本質的な特質として受け入れるとき、われわれの日常生活のあらゆる面がより良い方向に変わるだろう。同胞愛が顕現されるたびに、人間同士の間につくられ、誤解と不信につながる障壁が溶かされる。同胞愛は喪失や不幸の痛みを和らげる。それは育て、はぐくまれるべき貴重な贈物である。同胞愛を宝としなさい。それは心(ハート)の中の最もすぐれた部屋への入り口の鍵である。あなた方の兄たちであるわたしたちは、同胞愛をわたしたちの最高の特質として大事にし、そしてそのリアリティを維持し、強化することに努める。人間もまた同胞愛の有益な真理を把握するとき、その特性が表す美を認識するだろう。そして神聖そのものの美の何がしかをつかみ取るだろう。人間が神聖であると同様に同胞愛は神聖である。それ以外ではあり得ない。
 人間はまさに深淵なる真理の体験、彼ら自身の本質的『存在(Being)』についての認識を体験しようとしている。大多数の人々にとって、それは遠い過去の中に長い間失われていた(心の)状態に生まれ変わるような体験としてやって来るだろう。各人が、それぞれの方法で、あがなわれ、新たに再生し、浄化され、清められるのを感じるだろう。『同胞愛』の歓びと美が、彼らの『存在』を震わせるだろう。そして各人が己自身をあの美と愛の一部として見るだろう。
(シェア・インターナショナル誌、2010年6月号)