混乱の終わり

──覚者より
  ベンジャミン・クレーム筆記

 明晰な知識の目で世界を見るとき、認識しながら凝視する目には、ほとんどの観察者の見方とは全く異なった見方が顕れる。大多数にとって、これは戦争、洪水、悪疫のはびこる混乱の世界である。恐怖が何百万という人々の心(ハート)を支配する。確かに、今日の世界にはこれらの破局すべてが見られる──そしてその結果として多くの者がひどく苦しむ。しかし、恐怖と苦しみの背後には、物事はより良い方向に変わるだろう、この期間は一時的であり、長く続かないだろうという希望感が増大しつつある。かくして、混乱が最もひどい地域、苦難が最も厳しい地域、それらに耐えるのが最も困難な地域の多くにおいてそうである。
 そのすべての背後で、際限のない愚かな破壊の背後で、この世界は暗闇の、夢だらけの睡眠から醒めつつあり、極端に困難で精神的に衝撃の大きい状態から目覚めつつある。新しい強力なエネルギーが人類をかつてないほどに行動へと駆り立てており、そして、そのような状況においていつもそうであるように、最初の反応は入り交じったものである──混乱した破壊的な反応の後には新しいより高位のリズムが訪れて、それが徐々に全体を支配する。
 外的な形態や出来事の限界を超えた「いのち」を見るわたしたちは、この困難な時期はほとんどそのコースを走り切っており、多くの者が請い願う安定と平静がもう間もなく手の届くところにあることを、そして調和がその長い暗い夜の眠りから爽やかに元気を取り戻して目覚めつつあることを、確かな事実として知っている。
 かくして、今や世界はキリストの再臨に対して用意が整っている。かくして、今や人間は、キリストが提供しなければならないところのものに対して用意が整っている。
 キリストが以前に、彼の弟子イエスを通して来られたとき、人間は彼の教えに応えるのが不安であった。今日、何世紀もの苦難と教育と経験を通して、人間は彼の教訓を理解し、それを実践する用意がある。教訓を垂れる者として彼はやって来る。 救い主ではなく大教師として、彼はご自分の使命を全うされる。
 もうすぐ、世界が待望する御方は出現して、ご自身をすべての者の視野の中に現されるだろう。もうすぐ、人間は自分たちの高位我との対話に専念して、生き延びるか、死滅するかについての彼らの選択を行うだろう。かくして、この時の偉大なるドラマは演じられつつある。
 人間はそれを知らないが、終わりは初めから知られている。理性と真理の最終的な勝利は保証されている。
 マイトレーヤは、貪欲のカジノ(賭場)である株式市場の崩壊を合図として使うだろう。その時、彼は公に世界の舞台に入って来られ、正義と自由、分かち合いと良識を訴えるだろう。
 人間は彼ら自身を、彼らの優先事項を、彼らの志向と価値観をよく吟味するがよい。なぜなら彼らがやがて成さなければならない選択に、この世界の未来が、人類の福利が、そして神の大計画における彼らの当面の役割が依存しているのであるから。
 見守るわたしたち、あなた方の兄たちは、あなた方の正しい決定と未来の栄光を確信と喜びをもって待つ。

(シェア・インターナショナル誌2000年5月号)