腐敗行為の終止――選集

The end of corruption── a compilation

腐敗というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻、第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

腐敗行為の終止

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
2005年4月

 ますます諸国家は、昔から続いてきた問題、すなわち腐敗行為を認知し始め、それを深刻に受け止めて対処し始めている。世界のある地域では、腐敗行為は何世紀ものあいだ生活様式になってきた。それはもちろん、多数の人々の犠牲の上に少数の者たちを利してきた。数え切れない長い間、腐り切った指導者や強力な政治家が、臣民や市民に賦課した税金の上に富を増やしてきた。現代では、西洋の大企業が大規模に“勘定をごまかしてきた”ことが発覚している一方、東側においては、すべての取引きが、誰かの手に“賄賂をつかませる”ことを必要とする習慣が当たり前になっている。
 腐敗行為は特定の民族や国家に特有であり、ある社会では、大統領や総理大臣から警察やスポーツに至るまで浸透している。最近の選挙が示したように、自由と民主主義を奉じているはずの国々においてさえも、選挙の腐敗は蔓延する。そのような腐敗した政府は失敗し、その国民を裏切り、そうすることで統治する権利を放棄するのである。
 そのような腐敗の直中で、信頼を生み出すことは可能だろうか。信頼なしには人間の未来はまさに荒涼たるものである。信頼なしには、より公正な資源の分かち合いはむなしい望みであろう。信頼なしには、われわれの惑星という家を維持するために必要とされる包括的な意思決定は決してできないだろう。神聖で有益な信頼なしには、人間は地球という惑星の管理人としての権利を喪失するだろう。
 そのようになるであろう。かくして人間は、即刻、社会のすべての層に、地球上の生活の隅から隅まですべてに染み込んでいる腐敗の腐食的影響に真剣に取り組むべきである。
 人間がこれをなすのを助けるために、マイトレーヤは様々な形で現れる腐敗行為の腐食的影響を人間に示そうと骨を折られるだろう。もし人間が本来の特質なる神になるためには、欺瞞とごまかしの古いやり方を放棄しなければならない。深刻な環境問題に取り組むために、人間は信頼のうちに共に働かねばならないことを、彼は説明されるだろう。信頼なしには、できることはほとんどないことをマイトレーヤは強調されるだろう。諸国家の指導者たちは彼ら自身があまりにも腐敗の中につかっているので、彼らは誰も信頼しない。
 人間が必要な信頼を生み出すためには選択は一つしかないことをマイトレーヤは示されるだろう。この豊かな地球の産物を世界中により公平に分かち合うことであり、そして豊かさの中で死んでいる何千万の人々の飢餓と貧困を永久に終わらせることである。                                     
 指導者たちはマイトレーヤのことばに耳を傾けるだろうか。多くの場合、おそらく最初は否であろう。しかし間もなく至るところにいる民衆が耳を傾け、マイトレーヤの助言の賢明さを知るだろう。彼らはマイトレーヤの賢明なことばに全面的に同意し、彼の大義を支持するだろう。世界の世論は自分たちの声と良き指導者を見いだすだろう。その力に対して、貪欲な独裁者や腐敗した政治家の妨害しようとする声は次第に消えていくだろう。そのようになるだろう、そしてこの世界の浄化と変容が始まるだろう。

政治と経済

 世界中で、特に若い人々の間に、変化を求める強い願望が表現されつつある。若い人々は新しい種類の世界を、彼らを、そして彼らの抱負を包含する新しい構造を欲する。これらの抱負は正義と分かち合いへの、そして意味ある仕事と適度に満ち足りた平和な世界で家族を養育する機会を求めるものである。あまりにも長い間、彼らは貧困と無名の中で衰え、彼らの人生の努力の中での発言権を拒否されてきた。
 今後は、世界の諸政府はこれまで無言の大衆であった人々のこれらの抱負を真剣に考慮しなければならないだろう。そして、それに応じて、政府の計画を変えなければならないだろう。……
 古い仕組みは崩壊しつつあり、いかなる政府もこの過程を止めることはできない。宝瓶宮(アクエリアス)の新しいエネルギーはますます強くなり、古い腐敗した退廃的な秩序をばらばらに壊している。若い人々、および心(ハート)の若い人々が、正義を求める新しい熱望の出現を最初に銘記するだろう。

(『覚者は語る 第2巻』──若い人々の抱負──より)

……私たちは真なる人間になり、分かち合い、そして例外なくすべての人間が可能性を、言葉の最も深遠な意味での霊的可能性を引き出す権利を持てる条件をつくり、物質界、アストラル界、メンタル界、霊的界層において彼らの人生をより良くする準備ができているか。人間が転生してきたまず最初の目的を顕現し、実際に生きることです。私たちがこれを行うのを妨げているのは、主に堕落した政治、経済、社会の構造のせいです。それには心(ハート)の変化が必要です──そしてそれは今起こっていると思います。さもなければ、マイトレーヤはここにおられないでしょう。……

(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

腐敗や混乱は政治家によってつくられたものであり、覚者方は、それらすべてを終わらせて、政治家は国民の下僕であり、主人ではないことを認識させるためにやって来た。

(『いのちの法則』)

国民との接触

 政治家は国民に対して法律を制定するだけで何もしないままでいることはできない。より良い統治とは、現実の人間との本当の接触を含まなければならない。国民の必要に注意が払われなければならない。そのときにのみ、彼らは自己尊重という意味で教育され、それが自己認識につながる。個人の価値は保護されなければならない。現在のところ、リーダーと国民との間のコミュニケーションのメカニズムは非常に少ない。しかしながら、現場での接触は必要である。もし政治家が本当の必要に対処するならば、腐敗は減少し、牢獄の人口も減るだろう。

(『いのちの法則』)

 マイトレーヤは誰にも分かち合うことを強いることはありませんが、彼は、正義をつくる合理的な経済制度を生み出す唯一の方法として分かち合いの必要性を語るでしょう。現在の経済制度を挫折させているのは、その不正義です。それは終わろうとしています。なぜなら、それを生み出した時代が終わったからです。それは少数の人々にとっては良く、多くの人々にとっては非常に害となる、腐敗し、衰退し、結晶化した形態です。もちろん、それが良いと思われる少数の人々にとっても害になっています。それは世界を毒し、分割し、脅威となっています。そのため、それは消えなければならないのです。

(『多様性の中の和合』)

 世界中で今日初めて、個々の人間が、自分たちの国がいかに統治されるか、自分たちの運命がいかに形づけられるかに関して、発言権を得ることを要求しはじめている。古い習慣に疑問が出され、昔ながらの汚職腐敗に対してますます非寛容になっているのがあらゆる側に見られる。
 当然ながら、大衆のこの健全な反応は、いかなる国家においても権力の中心には好まれない。それは彼らの特権と威信の独占を脅かすものであるから。しかしながら、過去の不正義を後にして、新しい世界が創り出されており、何者も変化の高潮に長い間抵抗することはできない。

(『覚者は語る 第1巻』──正義の時代──より)

 経済についての話を嫌う多くのいわゆる霊的グループがあります。彼らにとって政治とは汚い言葉です。なぜなら、多くの政治家が堕落しているからです。人類は実際、大きな霊的危機を通過しつつありますが、その危機は政治と経済の分野に集中されており、これらの分野でのみ解決することができます。もしそれを解決できなければ、私たちはこの惑星上のすべての生命を破壊するでしょう。世界の資源を分かち合うことは霊的な決断であり、一つの国家に民主主義を創造することは道徳的、霊的な決断です。私たちは道徳を宗教的信仰から分離し、それが本来属するところ──霊性そのもの──に据えることが必要です。

(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

司法制度

 政治の腐敗やスキャンダルを覆い、真理を隠すメディアの時代は、もう日数が限られている。これからは、メディアはオープンになり、政治や司法制度の腐敗や混乱を写し出していくだろう。司法は憲法から独立することはできない。それは憲法の一部であり、適切にそれに応えていかなければならない。
 「もし自分が幸せになりたければ、あなたの隣人が幸せであるようにしなさい。あなたが金持ちで隣人が貧乏ならば、隣人と分かち合いなさい」

(『いのちの法則』)

 あらゆる制度が何らかの程度腐敗しているように、今日の法制度は腐敗しており、それは必然的に変化するでしょう。その結果、より大きな均衡が生まれるでしょう。今日、非常な金持ちのために一つの法律があり、それとは別に非常に貧困な人々のためにまた別の法律があります。毎日の新聞やテレビの報道を見ればそれは明らかです。ですから、この仕組みを変えるために何かがなされなければなりません。すべての国に、それをどのような名前で呼ぼうが、カースト制度が組み込まれており、影響力と権力と金を持つ人々と、これらのものを何も持たない人々に対して、法律は不平等に行使されています。マイトレーヤと覚者方の影響力はフェア・プレーと正義の感覚をもたらすでしょう。経済と政治のレベルで正義が行われるようになれば、それは必然的に社会のあらゆる分野に浸透し、法制度もその中に含まれるでしょう。

(『大いなる接近』)

 このような自己満足的な思考風潮の中に浸かると、彼らは本質的に真の己から切り離されてしまい、単調な日課、つまり明けても暮れても決まりきった同じことをする生活の中に落ち込んでしまう。人生は動きである。しかし自己満足に陥った人々は、実際、止まった状態にいる。であるから、マインドは新しい体験を求め、それはしばしば腐敗や倒錯のさまざまな形態につながる。それによって社会全体が破壊され得る。

(『いのちの法則』)

 長い間、腐敗と誤った統治の泥沼にはまりこんでいた国々が、いま世界中に浸透している新しいエネルギーの浄化の火をくぐり抜けている。その数はますます増えている。この変換と再生の過程を逃れることができるものは何もない。すべての領域にほとばしり入る「いのち」の火に抵抗できるものは何もない。
 変化への準備として内的な緊張の集積がなければならない。古いエネルギーと勢力(フォース)が新しいエネルギーに道を譲るにつれて、そのような緊張がこの惑星全体に生じている。最近の出来事は、民衆の真の必要が過去の圧政者や腐敗に対して優勢を得ていく世界的な過程への序曲にすぎない。爆弾車や恐怖は支配しないだろう。人々は自由と正義の香りをかいだ。彼らの意志を挫くことは誰にもできない。

(『覚者は語る 第1巻』──新しいいのち──より)

宗教

 この地上における悪の勢力の最大の勝利は、世界中の教会や宗教団体が霊性の概念を独占するのをわれわれが許してきたことである、とジュワル・クール覚者は書いております──つまり、宗教なるものは何であれ、霊的、精神的であり、その他はすべて霊性とは関係なく、いくら腐敗していてもかまわない。ですから、腐敗した政治や経済機構が、腐敗した社会機構、そして腐敗した宗教制度が存在するのです。寺院や教会は、他に比べればそうでもないかもしれませんが、しかし腐敗しています。私たちは霊性についての概念を拡大しなければなりません。そして霊的基礎にたつ政治、経済機構をつくらなければなりません。つまりそれは分かち合いと公正です。これらが霊的な様相です。マイトレーヤは言われます。「分かち合いは聖なることである。……あなたが分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に神を認知する」

(『マイトレーヤの使命  第2巻』)

新しい文明

 新しい文明は過去の土台の上に築かれるのだが、当然のことながら、古きものの多くが現状のままでは腐敗して役に立たず、一掃されなければならない。見る目を持つ者にとっては、新しい徴候はすでに明らかである。今日どこへ目を向けても、新しい風景が姿を現しており、新しいアイディアが心を引き付け、新しい機構が仮の形を取りはじめている。流動する世界は変容しており、変化に伴う成長の苦しみをすべての者が感じている。

(『覚者は語る 第1巻』──優先順位の立て直し──より)

 今日、世界中どこを見回しても、変化が起こっている。上部から下部まで、古き腐った秩序の綾はほころびている。これを見て大いに満足している。

(『いのちの水を運ぶ者』第130信より)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

マイトレーヤと覚者方が、社会正義に関係する政治的な問題や事柄にいかに密接に関与し焦点を当てているかを明らかにするために、われわれのアーカイブからささやかな手紙の選集を掲載する。

目覚めようとしている!

編集長殿

 先週土曜の2003年2月15日に、私たちはロンドンのハイドパークでの反戦集会に出かけました。ジェシー・ジャクソン師が演説を始めましたが、最初はジャクソン師の演説はそれほど心を引くものではありませんでした。しかしその後、突然、その演説が別のエネルギーと語調を帯びたように思えました。この時、演説者に目をくぎ付けにしている一人の黒人が私たちの隣に立っているのに気付きました。
 その後、若い歌手のミス・ダイナマイトさんが「愛」と「平和」について語り始めました。「それに、正義だ!」と、私たちの隣にいた男性が腕を振り上げて言いました。その男性は「そのとおりだ、お嬢さん、いいこと言うね」など、言われていることすべてについてコメントを差しはさみました。
 この男性の物腰には、マイトレーヤか覚者ではないかと思わせるような何かがありました。男性はとても陽気で、葉巻をくわえ(しかし吸うことはありませんでした)、小さなウイスキーのボトルを持っていました(アルコールの臭いは全くしませんでした)。私たちはカメラを持った取材班がいるのに気付き、その男性にインタビューしてはどうかと提案しました。
 彼はマイトレーヤか覚者の一人でしたか。

ダニー・パラシェチャク、デービッド・ジョンストン
ロンドン

【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がマイトレーヤであったことを確認した。ビデオには、インタビューの終わりに彼と一緒に歩いて帰る若い黒人男性も写っており、二人が元気いっぱいこぶしをぶつけ合っている様子も撮られていた。ベンジャミン・クレームの師は、この二番目の男性は覚者の一人の弟子であることを確認した】

 ロンドン反戦デモ行進での演説が終わって群衆が三々五々帰ろうとしていたとき、取材班は、ダニー・パラシェチャクとデービッド・ジョンストンが描写した「陽気な」アフリカ系カリブ人男性を含めて、現場にいた人々にインタビューを行った。その2分半のインタビューの内容を以下に掲載する。

アフリカ系カリブ人:「目覚めようとしている! 目覚めようとしている! 世界は人類のものだよ、兄弟」
インタビュアー:「まさにそのとおりだね、おじさん」
アフリカ系カリブ人:「そう、辺りを見ればそのとおりさ! 嬉しいねー! 私が参加するようになって長いからね──よくCND(核武装反対運動)などに参加していたのさ。でも、こんなのが見られるなんて素晴らしい限りだよ。その上にだ、この状況全体を目覚めさせたのはわれわれのような年を取った世代だが、それが目覚めようとしているのさ! 特に息子や孫のような若い世代が後に続いてくるのが見られて嬉しいね。今日は兄弟姉妹たちが真理を語り、嘘を、嘘を、暴き出すのを聞くことができて誇りに思うよ。これは素晴らしいことだ。若い世代全体が、黒人も白人もみんなこの場所に集まってきている。こういうのを見るのが大好きなのさ。100万ポンドに代えても見逃したくないね。それに、ここにいる私の幼い兄弟たちみんな、私の幼い兄弟姉妹たちみんなが、遠いところからはるばるやってきているのだよ! 嬉しいよ、本当に嬉しいよ! われわれは目覚めようとしているのさ! われわれは眠っているとでも連中は思っていたのか!」
インタビュアー:「ちょうど眠たい目をこすっているところかなぁ……」
アフリカ系カリブ人:「そう、そう! (笑いながら)兄弟よ、目覚めないか! 信じていろよ。褒美から目を離さないようにしろよ。その褒美は人類そのものさ! 人類はわれわれみんなのものだからね。バートランド・ラッセルが言うように『君たちの人間性を心にとどめ、そしてその他のことを忘れよ』だよ。そうしなければ、前にあるのは暗闇だけだ。でも、新しい世代の君たちは、新しい秩序の夜明けを見たのさ。その秩序は人類のものだ──ジョージ・ブッシュのものでもなく、トニー・ブレアのものでもない。こうしたいわゆる『神々』の一人のもので・ヘないのだ──こうした『新しい神々』のことは知っているよね──今やそれは君たちすべてのものだよ! 私は70歳を越えているがね、その私が言うのだよ、信念を持ち続けろよ、兄弟!」

(インタビュアー:M.R.マッキューン、
カメラ: アンバー・マクルーア)
(シェア・インターナショナル誌2003年4月号)

士気の向上

 私は2003年3月22日にロンドンのハイドパークでの反戦集会に気が進まないながらも出かけ、戦争が始まってしまった今ではあまり意味もないと思っていましたが、それでも私たちが参加してともに異議を唱えるべきだという、ベンジャミン・クレーム氏の師である覚者とマイトレーヤの勧めを心に留めていました。陽気な人々と交流し、友人たちやマイトレーヤとその教えに興味を示してくれる多くの人々に出会って嬉しかったのです。
 翌日、ノッティングヒルにある地元の食料品店にいた時、シルクハットに黒い眼鏡をかけたエキセントリックな黒人の男性が店に入ってきました。彼は戦争について話し始めたのですが、2月15日にハイドパークに(ファミリアとして)現れたマイトレーヤにそっくりな声で、トリニダード訛りがありました(本誌2003年4月号参照)。頭に包帯を巻いて泣いている子供の写真を指差しながら、彼は大きな声で「彼らは子供たちを殺している」「これは帝国主義だ」と断言し、彼の声はハイドパークの時のように響き渡りました(その時には非常に多くの子供たちの死亡や怪我のぞっとするようなニュースの完全な詳細は新聞には出ていなかったのです)。その間中、彼は私をまっすぐに見つめていました。私は彼の言葉よりむしろ彼の声の響きを聞きながら、ハイドパークの時の彼と外見は似ていませんでしたが、もしかしてマイトレーヤだろうかと考えていました。白状しますが、彼の熱烈さに少なからずへき易して、彼に応えようかどうかためらっていました。彼は突如出て行きました。私は新聞の代金を払って彼の後から急いで店を出ましたが、彼は消えていました。
 私が思ったのは、彼はマイトレーヤに違いなく、デモについての私の疑問に答えるために来られたのだということでした。

イディーナ・ル・ゲイ
英国、ロンドン

【ベンジャミン・クレームの師は、その『トリニダード人』がマイトレーヤであったことを確認した】

(シェア・インターナショナル誌2003年5月号)

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

質疑応答──米国テキサス州ダラスにおけるベンジャミン・クレーム講演会より(日付不明)

Q 今日の米国における主要な霊的問題は何ですか。

A 米国だけでなく、世界中の主要な霊的問題は、マイトレーヤが「悪の根源」と呼んでいるものです。お金のことだと思うかもしれません。関連はありますが、お金ではありません。それは自己満足です。マイトレーヤは、自己満足は大きな罪であると述べています。あなたがたや私の住んでいるような裕福な国が、何百万もの人々が餓死し、何百万もの人々が劣悪な環境で暮らし、病気などに侵されているのを見て次のように言えるのは、その自己満足のせいです。「そのことについて私たちにできることはあまりない。彼らはいまだローンの利息を支払わなければならない」
 自己満足は次のような態度を生み出します。「そこで何が起こっていても重要なことではない。黒人やアジア人やヒスパニックは私たちのようではない。彼らにはこれ以上良い人生を送る資格はない。市場の力がすべてを解決してくれるだろう」
 これは、市場原理が経済の基本的な基盤であるという、私たち自身の貪欲さ、利己主義の最も異常な合理化です。そうではありません。私たち全員が同じ時点から始めればそうなるでしょうが、そうではありません。巨大な国もあれば小規模な国もあり、莫大な資源を持っている国もあれば、ほとんど資源を持っていない国もあるときに、どのようにして市場原理が合理的であり、ある意味現実的であり、公正であることができるのでしょうか。市場原理はどのようにして本当の意味で公正に作用することができるのでしょうか。それは全く不当であり、自己満足だけがそれを許すのです。
 今日人類を悩ませているのは、大きな霊的問題です。それは政治と経済の分野に焦点を当てており、政治と経済の分野でのみ解決できます。私たちは2,000年もの間、宗教こそがすべてであると宗教団体から教えられてきました。神を知りたければ、宗教に参加し、宗教的な人間にならなければならない。キリスト、仏陀、クリシュナ、ムハンマド、あるいは誰かを信じなければならない。ただ信じるだけで何とか救われると信じなければならない、と。それはナンセンスです。救われない限りは、救われません。信じるだけでは救われ得ません。

Q 自己満足と腐敗の間には関連性がありますか。

A この国の主な問題は自己満足です──自己満足とは汚職であり、汚職そのものです。この国を上層部から下層部まで悩ませている経済腐敗と、その結果としての犯罪と麻薬がこの国を崩壊させています。これらに対して何ができるでしょうか。あなたは立ち上がって、私が話しているように話すことができます。現実について話すのです。選挙の時期になると、あなたの代表者が特定の質問に答えます。そうした代表者が、特に発展途上国の搾取されている大衆に対する懸念を示し、現状に満足してはいないと堂々と述べるのであれば、あなたはその人に投票すると言うことができるでしょう。

Q 宗教は自己満足を制限する役割を果たすことができますか。

A 現在[2008年以前]、地球上で最も宗教的なこの国では、約3,300万人が公的な貧困レベル以下で暮らしています[2021年の公式の貧困率は11.6%であり、3,790万人が貧困に陥っている──census.govより]。彼らは路上で生活しています。そうした人々はロンドンにもいます。これらG7の豊かな国々には、家を持たずに暮らす人々がいます。避けられない株式市場の崩壊の後、どの政府も新たな現実に直面しなければならないでしょう。その現実とは、人類のニーズ(必要とするもの)になるでしょう。誰もが食べる必要があります。それはあらゆる生き物の基本的なニーズです。食べ物がなければ生きていくことはできません。何百万もの人々が食糧不足で命を落としており、食糧は先進国の倉庫で腐りつつあります。それは腐敗です。あなたの代表者に発展途上国について何をするつもりなのか尋ねてください。税金を下げるつもりはないのか、増税を支持しているのか、それとも減税を支持しているのか、私はもっと金持ちになるのか、それともそうではないのか。もし私がもっと豊かになるのなら、あなたが何をするにしても、私はあなたに投票します。それは自己満足です。貪欲です。最も極端な形での利己主義であり、社会を腐敗させています。それが、この国が世界で最も犯罪率が高い理由、この国が世界で最大の麻薬問題を抱えている理由です。この国の人口の信じられないほどの割合が薬物[処方薬の服用または違法薬物の使用]に関わっています。

Q この状況はもっと長く続く可能性があると思いますか。

A 崩壊せずにこの状態をどれくらい維持できるでしょうか。分かりません。あなた方次第です。しかし、それについて何かをしなければなりません。あなた自身の生活状態を変えなければなりませんし、もちろん私たち全員がそうしなければなりません。私はただあなたと話しているだけではありません。先進国は成長して現実を受け入れる必要があります。来るべき経済崩壊により、そうせざるを得なくなるでしょう。そのとき、すべての根底にあるのは私たちの相互依存性であることに気づくでしょう。最も大きな国や最も裕福な国でさえ、単独でやっていくことはできません。世界は一つであり、今起こっているこの経済変革は、私たちが一つであり、それぞれがお互いを必要としているということを証明するでしょう。そうすれば政府の優先順位も変わるでしょう。

Q 政府は何を優先すべきですか。

A 最優先事項は、すべての人々に十分な食糧を提供することです。 第二に、すべての人々に適切な住宅や避難所を提供すること。第三に、世界人権宣言が明らかにしているように、すべての人々に適切な医療と教育を提供することです。これらはそれほど革新的とは思えません。十分な食糧、十分な住居、十分な医療と教育など、これほど単純なことはありません。それほど多くを要求しているわけではありません。しかし、これらすべてが普遍的な権利となっている国は世界中にありません。ただの一つの国も、世界で最も裕福な国でさえも、ありません。それを受け入れるとき、人類の生活は変容するでしょう。

2023年5月号目次

 

覚者より
人類の選択
ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

奉仕の歓びという贈り物
キリスト・マイトレーヤからのメッセージ

視点
米国の新しい外交政策の必要性
ジェフリー・D・サックス

人類の商品化はピークに達しているのだろうか?
トム・ハートマン

慈善だけではこの危機を解決できない
BBC「ハード・トーク」 でのインタビューを振り返る
ポーリン・ウェルチ

時代の徴
コネチカット州のカトリック教会の奇跡、 他
国連が地球規模の水と気候の問題に関して先導する
シェア・ギルモア

仏陀
アート・ユリアーンス

仏陀によって予言されたマイトレーヤの到来
「日は近い。 マイトレーヤの像は立ち上がる準備ができている」

シェル石油は、 ずっと前から地球規模の気候への悪影響を知っていた
ジェシカ・コーベット

マイトレーヤの出現におけるメディアの役割―選集
The role of the media in Maitreya’s emergence – a compilation
メディアへの呼びかけ 覚者より/ベンジャミン・クレーム筆記、 2008年1月12日

寛容さに溢れる世界をつくる

編集長への手紙
アーカイブからの二つの記事: 1982年の読者の視点、 他

質疑応答
ベンジャミン・クレーム

人類の選択

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 意識しようがしまいが、人類が向上する道は無数にある。わたしたちの観点からみれば、これらの前進への歩みは明らかに見られる。現在の混乱と危機にもかかわらず、多くのところで人間の生活の最悪の状況は速やかに緩和されつつある。非常に深刻な欠乏が存在し放置されている地域が存在することも確かである──何千万の人々がいまだに飢え、そして原因も必然性もなく死んでいる。世界の半分が正義を求めて叫ぶかたわら、他の半分は無関心と無知という陽だまりの中でひなたぼっこをしている。にもかかわらず、本当の広範囲な変化は起こっており、将来への良い前兆である。これが、人類のマイトレーヤに対する反応は熱心で速やかなものだろうという希望をわたしたちに与えてくれる。

 マイトレーヤは、世界の前に公に現れるとき、世界の再生のためのプログラムの輪郭を示すだろう。人類が多くの問題に対処する現在の方法は競争と自己利益に依存しており、非常に欠陥があることを示すだろう。現在の緊張と危険は、無関心と貪欲によってつくり出される不均衡の直接の結果であることを、協力によってのみ世界の問題は解決され、貧困で飢えている人々に食糧が与えられ、惑星の健康が確保され、戦争が忘れられた過去の悪夢となることを、示すだろう。

 人々は耳を傾け、討議し、自らの態度を決めるだろう──同胞愛と分かち合いを受け入れてそれに基づいた新しいより良い生活様式を創造するか、あるいはさらに深く退廃と暴力に落ち込み、そして最終的に自己破壊へと突っ込むか。
 人類は選択をしなければならない。至るところに住む男女は、これがその新しさと壮大さにおいて想像できないほどの人生への選択か、あるいは人類自身の手による屈辱的な死への選択か、そのどちらかの選択をしなければならないことを理解すべきである。破れて、底知れない奈落へと這っていくよりも、大胆に未来に立ち向かい、共に新しい世界を築くほうがより良い。

 では読者の皆さんはどのような選択をするだろうか。あなたの人生(のサイコロ)をどのように投げるだろうか。マイトレーヤと共に立ち、正義と自由への彼の呼びかけに応えるだろうか。分かち合いと愛によってつくり直された世界を選ぶだろうか。あなたの神性を知り、そしてあなたの同胞の神性を知るようになるだろうか。星々につながるあなたの道はあなたの前にある現実だろうか。

 この決断、すなわちあなたの魂の選択は、あなたを歓びで満たすだろうか。そして「愛そのものの本源」へあなたを連れていくだろうか。
 マイトレーヤは、すでに彼が頼りにすることのできる者を知っておられる。マイトレーヤは、人類の心(ハート)は健全で強く、それを頼りにすることができることを知っておられる。彼の軍勢は「共通の善」のために善戦を戦う用意が整っている。至るところにいる善意の男女はマイトレーヤの臨在を感知しており、世界の必要に反応しつつある。
 マイトレーヤは、今日の男女が普遍的善のために彼らの票を投じ選択をするという運命的な機会を見逃しはしないかということに懸念を抱いていない。彼らは、恐れることなく、未来へ向かう準備ができており、奉仕することを願望している。

(シェア・インターナショナル誌2002年4月号)

今月号の内容概説

 不朽の知恵の教えを提示する機会が、シェア・インターナショナル誌5月号により再び提供されている。ベンジャミン・クレームの師によって書かれた記事「人類の選択」が掲載されている。また、新たな仏陀、マイトレーヤの到来を予言したゴータマ仏陀の次のような言葉が紹介されている。「聖なる者、至高の啓発されし者、行動における知恵を備え、宇宙を包含し……」。さらに、1976年に伝えられたマイトレーヤからの未発表のメッセージも掲載されている。これら三つのものは、読む者たちの心をとろけさせ、「共通の善」のために行動するよう燃え立たせるかもしれない。共通の善は、今月号の他のいくつかの記事で繰り返し登場するテーマである。世界は、解決策が必要とされる諸問題に立ち向かっている──これは本質的に、同じくらい霊的な努力であり、ジェフリー・サックス氏のような人々が引き受けている任務である。サックス氏の記事「米国の新しい外交政策の必要性」は、他国を犠牲にして自国を「偉大」にするよりも、多極的な世界を創ることを呼びかけている。トム・ハートマン氏は「人類の商品化はピークに達しているのだろうか?」と問いかけ、コモンズ(共有財)──「私たち民衆」──に向けた移行の重要性を強調している。これは、すべての人が入手すべき物品やサービスの商品化・商業化に対抗するものである。

 水と食糧以上の基本的な必要、共通の善はあるだろうか。シェア・ギルモア氏は「国連が世界の水と気候に関して主導する」ことについて報告し、ポーリン・ウェルチ氏は国連世界食糧計画(WFP)を退任する予定のデイビッド・ビーズリー事務局長へのインタビューの抜粋を提示している。これは間近に迫った飢餓と飢饉について警告するものである。巨大石油会社に関する暴露は、そうした会社の貪欲と、地球の健康に対する「認識ある過失」を引き続き明らかにしている。「シェル石油は、ずっと前から地球規模の気候への影響を知っていた」を参照していただきたい。

 一年におけるこの重要な時期を際立たせるために、仏陀に関する文献や、第五仏陀としてのマイトレーヤについての仏陀の描写に焦点を当てることにした。ジュワル・クール覚者はウエサクに注目するよう促している。この古の聖なる時期における奉仕の重要性を非常に力強く指摘している。「5月の満月つまりウエサク祭のときにハイアラキーのためにどれだけ大きな犠牲を払っても大きすぎるということはない。そのときに特に可能になる霊的なイルミネーションを得るためにどれだけ高い代価を払っても高すぎるということはない」(アリス・ベイリー『新時代の弟子道シリーズ5』)

 今月号を貫いているのは共通の善というテーマと、選択をすることの重要性というテーマである。私たちは決断の時期におり、新しい摂理へと今にも踏み出そうとしている。ベンジャミン・クレームの師が表現しているように、新しい摂理は「その新しさと壮大さにおいて想像できない」ものである。覚者はまた、選択をするよう読者に求めている。「では読者の皆さんはどのような選択をするだろうか。あなたの人生(のサイコロ)をどのように投げるだろうか。マイトレーヤと共に立ち、正義と自由への彼の呼びかけに応えるだろうか。分かち合いと愛によってつくり直された世界を選ぶだろうか。あなたの神性を知り、そしてあなたの同胞の神性を知るようになるだろうか。星々につながるあなたの道はあなたの前にある現実だろうか。この決断、すなわちあなたの魂の選択は、あなたを歓びで満たすだろうか。そして『愛そのものの本源』へあなたを連れていくだろうか」

奉仕の歓びという贈り物

 師である覚者と世界教師マイトレーヤから受け取った情報を一般大衆に提示するよう求められる数年前、ベンジャミン・クレームは師の監督の下、厳しい訓練に数年を費やした。この訓練の一つの側面は、テレパシーの能力と信頼性を高めることであった。大事なのは、世界教師の言葉と師である覚者の言葉を大衆に伝える任務を負った者として、ベンジャミン・クレームは完全に正確でなければならないということだった。不正確さや明瞭さの欠如、混乱、曖昧さは許されなかった──それは決定的に重要であったため、すべての言葉とすべての微妙なところが最大限の正確さをもって伝えられた。
 その情報は、シェア・インターナショナル誌のためにベンジャミン・クレームの師によって毎月書かれる記事という形を取った。そのため、この月刊誌自体が、マイトレーヤ御自身によって率いられたハイアラキーの覚者方の外的顕現という過程における重要な手段となった。

 さらなる教えと情報が140信のメッセージという形でベンジャミン・クレームを通してマイトレーヤによって与えられた。マイトレーヤはその中で、導きや知恵、励ましを提供された。クレームはこう書いている。「これらのコミュニケーションを通じて、救世主(キリスト)マイトレーヤは、社会変革の方向を暗示される。どのようにしてマイトレーヤを認知することができるか、そのヒントを与え、聴衆に御自身の存在の事実を広く伝えるよう要請する。また、分かち合いたいという願望や、人類と御自身に奉仕したいという願望も呼び起こされる。……これらのメッセージを集中した思いで声に出して唱えると、必ずといってよいほど、キリストのエネルギー、如来の心(ハート)の反応を呼び起こすのである。それは、表面的には単純で、心(ハート)から心(ハート)へ送られるのだが、しかしあらゆる次元において働きかけがなされる。メッセージの真なる意味が心に伝わるよう一つ一つ瞑想しながら読む必要がある」(『いのちの水を運ぶ者』1999年[英語初版は1980年発行])

 一般的に知られていないことは、自分がテレパシーで聞いていることを即座に再生する能力を実演し磨くために、クレームがロンドンの自宅での伝導瞑想の後、受け取ったメッセージを声に出して言うよう師によって依頼されたということである。そのように要請されたときのために、テープレコーダーがいつでも使えるように用意された。このようにして、クレームの師とマイトレーヤの両方からの数多くのメッセージが、初期のテープレコーダーで録音され、それから書き起こされ、正確を期すためにクレームの師と一緒にチェックされた。

 次のメッセージは、マイトレーヤが1977年に現代世界にお入りになるために古の山地の隠遁所を去る前の1976年に与えられた。
 このメッセージは直接的で率直(シンプル)な語り口で伝えられており、今月号用に選ばれたクレームの師の記事「人類の選択」にある問いかけや訴えかけに何となく似ていることに読者は気づかれるかもしれない。

キリスト・マイトレーヤからのメッセージ

簡素(シンプル)でありなさい。平静でありなさい。
この愛の贈り物を受け取りなさい。
あなたの心(ハートとマインド)を開き、愛の光線を受け取りなさい。
この愛を受け入れ、この愛を輝かしなさい。
あなた自身を愛として知りなさい。
わたしの贈り物を受け入れなさい。
わたしの存在を肯定しなさい。
わたしの民を褒めたたえなさい。

わたしは間もなくあなたがたの中に入る──あなたがたはこのことを真理として知っている。
行って、教えなさい。
簡素(シンプル)でありなさい、用意を整えなさい、目覚めていなさい、
間に合うようにしなさい、わたしの民となりなさい、
そうして、わたしの帰還を知りなさい。
恐れるでない、わたしの愛に抵抗できるものは何もないのであるから。
わたしの愛が人の心(ハート)に花開くのを妨げることのできるものは何もない。

このことを知りなさい。
そして行動し、語り、わたしの道を明らかにしなさい。
わたしの民として、あなたがたは責任を負っている。
わたしがただちに戻るということ、わたしとわたしの兄弟たち、弟子たちがすぐにあなたがたの中に入るということを、他の人々に告げる責任を負っているのである。
そうして、あなたがたは神を知るであろう。

わたしの到来を知らせ、わたしの心(ハート)を満足させなさい。
わたしの到来を知らせ、あなたの兄弟たちに仕えなさい。
わたしの到来を知らせ、奉仕の歓びという贈り物を受け取りなさい。
わたしの祝福を受け取りなさい。

唯一なる神の光と愛と力とが、あなたがたの心(ハートとマインド)の裡に、いま在るように。

この光と愛と力とが、あなたがたの裡に今もそして永遠に宿る真理として顕れるように。神と共に行きなさい、我が親愛なる子供たちよ。

(ロンドン、1976年12月20日)

マイトレーヤの出現におけるメディアの役割――選集

The role of the media in Maitreya’s emergence── a compilation

「マイトレーヤの出現におけるメディアの役割」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤの教え(『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻、第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 現在、世界についての真実でない画面が主に、強力なメディアの販売代理店によって提供されている。彼らは市場のフォース(エネルギー)と商業至上主義によって条件づけられており、彼らの見解はお金と“市場”という偽りの価値によって支配されている。かくして、ほとんどの人間は現在起こっている事柄を理解しようとして逆に混乱し、ストレスに苦しめられている。
 マイトレーヤの出現で、この懐疑的で物質主義的な見解は、人類が直面する多くの問題に対するより敏感な反応に取って代わるだろう。徐々にお金に関するグラマーは奉仕の達成へと道を譲るだろう。そして何千万の人々が世界中の兄弟姉妹の奉仕を通して得ることのできる勝利に拍手喝采するだろう。
 このようにして、思考の新しい風潮が支配するだろう。新しい真剣さが公の領域に入ってきて、すべての政府とその代理機関は国民の必要と関心に耳を傾けざるを得ないことを発見するだろう。
 このようにして、「国民の意志」が行動の方向をますます条件づけるようになり、公共の必要を満たし得ないものはほとんど何もなされないだろう。
 現在の無秩序で激しい襲撃は大勢の人間のフラストレーションを表しており、民衆は自分たちの力と行動する必要の感覚を示す。彼らの行為は盲目的で統制が取れていないかもしれないが、それにもかかわらず、それは新しい時代の徴であり、まだまだたくさん見られるものの最初である。
 世界の制度機構が現在の人類の必要に対処するようになるまで、そのようなデモンストレーションは続き、ますます大胆になるだろう。民衆は彼らの力(パワー)と出来事に影響を与え、自分たちの意志を実施することのできる能力を感じはじめつつある。

(『覚者は語る 第1巻』─ 民衆は奮起する─より)

メディア──未来の人類社会は、環境とエネルギーの間の平衡の概念をモデルにして建設されるだろう。政治もそうである。生活や政治の中に分割をつくり出すことに耽る人々はすべて、もうお終いである。「わたしが栓を引き抜いた。そこにはもはやエネルギーは残っていない」とマイトレーヤは言われる。
 政治の腐敗やスキャンダルを覆い、真理を隠すメディアの時代は、もう日数が限られている。これからは、メディアはオープンになり、政治や司法制度の腐敗や混乱を写し出していくだろう。司法は憲法から独立することはできない。それは憲法の一部であり、適切にそれに応えていかなければならない。

(『いのちの法則』)

 アメリカ人は、第三世界、インドやアフリカどころか、ヨーロッパの貧困な地域、東ヨーロッパでどのようなことが起こっているかを、本当に分かっていません。悲惨さの深刻度は途方もないものです。インドやアジアの多くの地域において、第三世界において、アメリカに住んでいる人々には想像することすらできないような苦難があるのです。あなた方のメディアは、第三世界の苦難や貧困についての報道をすべて番組から外してしまっています。そのようなことに思いを至らせるようなメディアの番組はほとんどありません。ほとんどが第三世界の貧困についての報道はビジネスに悪いと考えています。そのような画面を見ると、人々はチャンネルを変えてしまいます。局を変えるとコマーシャルを見ません。
 コマーシャルを見なければ製品を買いません。ですから、彼らは、悲惨な状態を画面から外すことによって、見ないで済むようにしています。

(『協力の術』)

 多くの人々は変化をやかましく要求しながらも、その到来を恐れる。彼らの心(マインド)は既成の制度やメディアによってあまりにも影響されているゆえに。マイトレーヤが間もなく出現されるとき、人々は彼の唱導する変化はすべての人間の福利のためであり、誰も未来を恐れる必要はないことを知るだろう。このようにして偉大なる主は様々な「善」のためのフォース(勢力)を結束させ、すべての人間の裡に潜在する「善意」を喚起するだろう。

(『覚者は語る  第1巻』─共通の福利─より)

Q:ある国民が他の国民よりも容易に操作されやすいのはなぜでしょうか。(2004年6月)
A:教育に力を入れず、民主的原理をあまり尊重しない国では、国民を操作する政府の力は強まります。メディアのコントロールを通した操作は、もちろん、今日政府によって用いられている最も危険な(そして最も効果的な)手段です。

(『光の勢力は集合する』)

Q:マイトレーヤはわれわれのすべての制度の変換を呼びかけられます。(1)これにはメディアも入っていると考えてよいですか。(2)ハイアラキーはメディアに対して特別のプランを持っていますか。(1986年12月)
(1)はい、メディアは教育という点で非常に重要な役割を持っています。マイトレーヤが人々に教えるためにメディアを使われることは確かでしょう。(2)メディアを使うためのプランは持っておられますが、それを変えるための計画はお持ちではありません。それはわれわれの責任です。

(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

メディアの責任──今は、世界のテレビ・ネットワークにとって非常に大切な時である。新しい時代には、テレビが最も効果的なコミュニケーションの手段になるだろう。コミュニケーションのテクニックと術に対する需要が非常に大きくなるだろう。メディアは世界の隅々の町や村にまで行き渡り、情報伝達が行われるだろう。コミュニケーションを通して、世界は本当に統合されていくだろう。だからテレビがその新しい責任に応じるために正しく組織されていなければならない。

(『いのちの法則』)

 BBC(英国放送協会)は世界のあらゆるメディアと同様にこの話を知っています。BBCはたいていのメディアよりもよく知っています。なぜなら彼らは1986年の1月、2月、3月にすでにマイトレーヤにインタビューをしており、彼が姿を現しご身分を世界に紹介される記者会見の場を設けることにさえ同意していたからです。BBCがこの約束を破ったために、マイトレーヤは主要メディアの後押しのないまま、困難な方法で出現の過程を進めなければならなくなり、長い遅々とした過程を経なければなりませんでした。

(『大いなる接近』)

メディアへの呼びかけ

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記、2008年1月12日

 人々は、マイトレーヤが本当にわれわれの中に存在し、彼の仕事を実行するという証拠を何年もの間、確かにいらいらしながら待ってきた。われわれの世界に膨大な変容が起こっていることは明確であり、その一つ一つがマイトレーヤによって予言されて、それは一般の人々にそして世界のマスコミに伝えられてきたことを考えると、この疑いがなぜ、そんなに長い間執拗に続いたのかを理解するのはおそらく困難である。
 そのような歓迎すべき出来事が確かに起こったということを──たとえ一つの仮説としてでも──受け入れることを阻むものは何か。
 世界のマスコミはこの情報のあらゆる面を知っている──しかしながら、この情報の特質についてほとんど一般の人々に知らせていない。多くのメディアの代表がマイトレーヤにお会いしたことがあり、彼が話をするのを聞いたにもかかわらず、彼ら自身はいまだ沈黙したままである。
 なぜそうなのか。この歓迎すべきニュースを一般に発表するのを抑制するのは何か。主に問題は恐怖心である──嘲笑や不信に対する恐れ=彼らの地位や職を失うことへの恐れ=自分たちが欺かれたのではないか、本当は自分が見たと思ったことを見なかったのではないか、聞いたと思ったことを聞かなかったのではないかということへの恐れである。自分の体験を脇に置いて、マイトレーヤ御自身にお任せして──もし本当に彼が存在するならば──彼が前面に出て来られて、世界に実際の臨在の姿を示すのを待つほうが容易である。
 この見解は、かように黙って待つ者たちには論理的ではあるが、マイトレーヤのような御身分のお方の出現を支配する『法』についての理解の欠如を示す。
 多くの立派な教師たちがわれわれの生活の中にやって来て、仕事をし、人間の思考と行動の表面にわずかな波紋を起こす。彼らは、彼らの道を整えるための先駆者を滅多に必要としない。しかしながら、マイトレーヤは世界教師であり、ハイアラキーの長であり、次の世界周期全体にわたって、そのような方として奉仕しようとしておられるのである。人類に対する彼の影響は計り知れない。彼の到来はまさに極めて重大な出来事であり、その前に準備が整えられなければならず、あらゆる分野・場所にいる人間に十分に説明されなければならない。
 世界のマスコミは、われわれの時代の本当の出来事を人類に知らせるために理想的な位置にある。真実を求め、知識と希望を渇望する何百万の人間はマスコミに情報を、しばしばガイダンス(導き)を求める。マスコミに携わる男女、善意の男女は、この情報について、必要ならば、彼ら自身がよく理解し、そしてそれを真剣に紹介することによって公共に奉仕する義務を持つ。そうすると、彼らは、いかにして世界を正すかをわれわれすべてに示そうとしておられるマイトレーヤを公に見るだろう。

(シェア・インターナショナル誌2008年1・2月号)

編集長への手紙

アーカイブからの二つの記事:
1982年の読者の視点

拝啓 シェア・インターナショナル誌へ
 シェア・インターナショナル誌のメッセージは、すべてのまともな心の持ち主であれば賛同するような、申し分のないものです。私はこの世界におけるキリストの存在を信じる人間ではありませんが、もしあなたの言われるキリストがはっきりと出現して、このおぞましい軍拡競争を取り除き、より良い世界をもたらす唯一の方法を語るならば、信じる方へともっと心を向けるべきだと思っています。もしも私たちや他の国々が核兵器の製造を中止したならば、第三世界の貧困を一夜にして解決することも可能でしょう。もしキリストが実在していて、こうした軍拡競争はこの世界がこれまで目の当たりにした中で最大の悪であるとはっきりと宣告しないならば、私は仰天するでしょう。もしこのことがあなたのメッセージの一つに含まれているなら、私はあまり懐疑的に感じないかもしれません。今日の世界で最も重要なことは、これらの大量破壊兵器を撤廃することです。兵器は甚だしく人道に外れており、恐ろしいほどに費用がかかり、ゾッとするほど危険なものなのです。

敬具
J.B.
英国、デボン

ベンジャミン・クレームによるコメント:あなたは全く正しいです。兵器は人道に外れ、高価で危険なものです。マイトレーヤがこの意見に同意するであろうことは疑う余地がありません。しかしながら、この常軌を逸した軍拡競争を停止させることができるとどの程度信じるかについて、私たちの間には明らかに違いがあります。兵器はそれ自体、費用のかかるものであり、危険で人道に外れると言えるものですが、問題の原因ではなく、結果なのです。兵器は人類が危険なまでに分離し、結晶化した構造の中に囚われており、錯覚に基づいた物質主義的な安全保障に浸りきっているという事実の結果であります。軍拡競争を止めるよう大国勢に求めても、それぞれの勢力圏が相手の善意をあまりにも信用していない限り、ほとんどあるいは全く効果がないでしょう。
 このような理由から、問題の本質を追求するようマイトレーヤは勧告されます。マイトレーヤは分かち合いの原則の実現を推奨しておられます。この分かち合いという方法により、現在交戦中で敵意を持った国々は将来の見通しを完全に変更させることができます。武器が必要とされるような事態を招く政治的相違は、大体において経済的要因によるものです。経済的問題の核は、分配と再分配の問題です。分かち合いの原則を受け入れることによって、こうした経済的な差異は解決されるでしょう。そうした新しい状況の中で、武装化と戦争を終わらせたいという動機が生じるでしょう。私たちの見解では、富める者と貧しい者との分断は、核軍拡競争と同じくらい大きな脅威を世界の安定性にもたらします。こうした見解を抱くのは私たちだけではありません。ブラント委員会報告書に記載されているものの中心となっています。どんなに良い意図を持っていたとしても、分かち合いを受け入れることなく単なる非武装化を提唱する人たちは、私たちが思うに、馬車を馬の前に置いているようなものであり、失望する運命にあります。
 核兵器という悪に一方的な攻撃をするよりも、分かち合いの原則がより根本的であることを強調するのには、もう一つの理由もあります。誰でも、限られた手段しか利用できないにしても、分かち合いというアイディアを自分自身の環境の中で適用させ始めることができます。そのようにしてだんだんと、すぐ身近な社会的変化に貢献するようになります。一方、軍拡競争を停止するという決議が採択されるのは──民主主義においては──そのアイディアへの半数以上の人々の支持がある場合だけです。独裁政権下にある国々においては、軍備の政策にいかなる変化をもたらすにも、それよりはるかに多くの支持が必要となるでしょう。私たちはそのような変化をすでに何十年も待っています。したがって、分かち合いは目的を実現するためのより一層直接的で、より効果的な手段であり、私たちもあなたと共に、飢餓や貧困のない、兵器の存在する余地のない世界が成就されるのを見たいと願っているのです】

(シェア・インターナショナル誌1982年10月号)

マイトレーヤ──『非常に特別な教師』

 数年前、おそらく1983年から1985年の間に、私はニュージーランドのテレビで英国のドキュメンタリー番組を見ていました。それは社会科学のドキュメンタリーで、英国でのパキスタン人とインド人の移民の生活実態を探ろうとするものでした。番組では、(ほとんどが工場などで働く)移民の生活の向上や状況を調査し、インドに留まった人々との比較を行っていました。番組はイングランド北部の工業都市での移住者の生活を調べるところから始まり、その後突然、イースト・ロンドンの移民たちに焦点を定めたのです(ベスナル・グリーン地区が頭に浮かびましたが、100%の確信を持っているわけではありません)。次に、移民たちの精神的な共同生活に焦点が当てられました。番組制作陣は、(外観は刑務所に似ている)一軒の大きな家への取材を許可されました。そこはパキスタンの人々のためのコミュニティーセンター、アシュラムとしての役目を果たしていました。センター内の活動は豊富で多岐にわたり、スピリチュアルセンターとしてのみならず、文化的な活動や結婚式なども含んでいました。
 霊的指導者たちはその時、自分たちの直中に『非常に特別な教師』がいるということをテレビジャーナリストに明らかにしました。彼らはその人物をクリシュナの生まれ変わりだと主張していました。私はその当時、(イスラム教徒の)彼らが、霊的教師としてのムハンマドよりも、クリシュナの生まれ変わりがいることを主張するのは大変に寛容だという印象を抱きました。「キリストの再臨」を含めて、アリス・ベイリーの教えの勉強を長年続けていたので、私はじっくり考えて、「ことによったら、これがそうなのかもしれない!」と思ったのです。
 『特別な教師』を撮影できないかというテレビジャーナリストの依頼は、その教師から放射されているエネルギーは一般の視聴にはあまりにも強力すぎると思われるという理由で、地域のリーダーたちによって断られました。その教師と個人的に会ったとき、そのジャーナリストは、彼らが拒否する理由を理解し、その『人物』の眼差しと存在によって完全に圧倒されたように感じた、と告白しました。その後、私たち視聴者は、人々と交流する『教師』の後ろ姿を見る機会に恵まれました。私が覚えている限りでは、彼は背が高く、白衣をまとっていたようでした。
 私にはそれ以上の詳細を書き加えることはできませんし、もちろん今になって、制作会社の名前を書き留めておかなかったことを後悔しています。視聴者がとても限定されていたことにも気づいていませんでした。ニュージーランドの人々はその番組の内容にほとんど関心を寄せなかったのではないかと思います。番組を覚えている人を一人も見つけていないからです。私が個人的に関心を抱いたのは、若い時分にイングランド北部に住んでいた1960年代の初め頃、初期のアジア人移民に対する社会福祉事業を行ったことがあるからでした。この件について、どのような形でも話に尾ひれをつけたりしていないことは確かです。

D.E.ダービー
ニュージーランド、クライストチャーチ

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

質疑応答

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

Q キリストの再臨に関して仏陀が果たすべき役割は何ですか。

A 仏陀は、一般にはあまり知られていませんが、非常に強力な果たすべき役割を持っています。彼は終始マイトレーヤと共に、ある意味でマイトレーヤの背後で働きます。彼はもはや肉体を持っていませんが、肉体を放棄し、私たちの惑星の最高の霊センター、つまりシャンバラ、ゴビ砂漠のエネルギー・センターにおられます。そこには世界の主(サナット・クマラ)と彼を囲むクマラ方、そして仏陀(ゴータマ仏陀ではなく、ゴータマを通して働かれた方。ゴータマ王子はもはやこの太陽系にはおらず、シリウスにおられます)のような非常に進化された方々がおられます。
 仏陀はキリストの背後に立ち、東洋に関する彼の思考に影響を与えています。“仏陀の衣”と呼ばれるものに関する古い東洋の教えがあります。それは現在安全に隠されていますが、キリスト、つまり“来るべき方”によって取り上げられるでしょう。これらの“衣”は仏陀の情緒――直観性質の総計と彼の知識と思考の総計、つまり仏陀のアストラル体とメンタル体です。これらがキリスト御自身の情緒的、メンタル的装備を増大します。
 仏陀は知恵のエネルギーを体現し、マイトレーヤは愛のエネルギーを体現しておられます。東洋との関係において、マイトレーヤはこのようにして仏陀の経験を獲得し、仏陀の情緒――メンタル装備の使用を通して東洋人のマインドに、おそらく可能な他のどの方法よりもさらに深く入ることができます。
 仏陀は今、宇宙的レベルからの知恵の様相を体現しており、彼はこのエネルギーをマイトレーヤを通して世界に伝導します。

(シェア・インターナショナル誌1993年6月号)

Q 私の経験では、キリスト原理はそれを認識し、受け入れ、体現するすべての人々に利用可能なものです。私たち各々に何が可能かをコメントしていただけますか。

A 私たち各々に可能であり必然であり、運命づけられていることは、その原理を体現し、私たちの人生においてそれを実演することです。それがその意味です。それが難しいところです。「私はキリスト原理を信じる。それが私や皆の中にあることを信じる」と言うのは簡単ですが、その証拠はどこにありますか。その表現はどこにありますか。もしそうであるなら、戦争は起こらないでしょう。豊かさの中で飢え死にする人々はいないでしょう。飢える子供はいなくなるでしょう。今日世界で貧困の中にいる、絶対的貧困と呼ばれる状態の8,000万の人々は存在しないでしょう。もし人類の中でキリスト原理が実演されていれば、このいずれも存在しないでしょう。なぜなら、「キリストは私の中にいる。ロンドンや他の場所で彼に会う必要はない。キリストは私の中にいる」と人々が言うのはグラマーだからです。よろしい。キリストはあなたの中にいます。あなたはそれをどうやって示していますか。それを実演してください。キリスト原理とは、自由、正義、分かち合い、正しい関係という、その原理の性質に従って生きることを意味します。このような現実に直面しなければなりません。それがキリスト原理の性質です。

Q パラマハンサ・ヨガナンダの教えはマイトレーヤの使命と一致しますか。

A (これは私が他のグループの仕事や教えにコメントしないというルールの例外です)
 パラマハンサ・ヨガナンダはセルフ・リアリゼーション・フェローシップ(真我実現協会)の創設者です。良い名前です。マイトレーヤが話されているのも真我実現についてです。あなたも私たち全員も真我であり、問題はそれを認識すること、真我であるということです。それに気づき、実現し、実際に真我にリアリティを与え、実演することが私たちの運命です。これは一つの過程です。一夜にして起こるものではありません。それは過程であり、誰もがそれを認識することができます。すべての子供は真我を認識しています。それから堕落します。マインドをあらゆる条件づける概念で一杯にし、真我としての自己を見失います。そしてキリスト教徒や、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、仏教徒、共産主義者、民主主義者、資本主義者などになります。真我であることをやめ、マインドを閉ざし、条件づけられたイデオロギーや概念に従って生きるのです。しかし人はマインドではありません。マインドは道具であり、器にすぎません。
 この新しい時代のために与えられた祈りを読みましょう。今始まっているこの新しい周期にマイトレーヤによって与えられたものであり、私たちが本当に誰であるかに注目を集めるものです。日々何度も唱えることで、意識の中に徐々に真我としての自己認識がもたらされます。

わたしは宇宙の創造主である。
わたしは宇宙の父にして母である。
すべてがわたしから来る。
すべてがわたしに戻る。
心と生気と肉体はわたしの宮殿である。
真我はその中にわたしの至高の存在と生成を実現する。

 これがマイトレーヤによって与えられた新しい時代のための新しい祈りです。これは一種の是認(アファーメーション)であり、自分自身の中に瞬間ごとの認識を植え付けます。知的なものではなく、私たちの本質である偉大な不死の神聖な存在としての自己の認識です。キリストはそれを達成し、真我を実現し、そのリアリティに非常に近づいたので、その全体的で神聖な原理、キリスト原理を彼自身の存在の中に体現したことの故にキリストなのです。

(テキサス州ダラスでの講演より)

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。