変化の時

シェア・インターナショナル誌は創刊以来、クレームの師である覚者が提供された記事を掲載してきた。それは記事が提供されたときのみならず、世界の状況に応じて適切だと思われるときにはいつでもそれを掲載してよいようにである。

変化の時
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 例外なしに全世界の国々が、国内においてそして国家間の関係の中に、大きな変化を経験している。このプロセスは、今この惑星全体に行きわたっているエネルギーの刺激の直接的結果であり、やがて既存の機構の完全な変容につながるだろう。これらの変化を速めることが、わたしたちの意図であり、望みである。しかし今日、緊張はあまりにも大きいので慎重に進めなければならない。此処彼処で圧力が大きくなり過ぎると、世界の大きな部分に悲惨な結果を招き得る。よって、わたしたちは今日、人類が直面する問題に対して、慎重に取りかかる。変化は秩序あるかたちで進められなければならない、さもなければ破局が生じるだろう。

 変化を恐れ、古きものの破壊に対して、親しんできたものへの深い損失であるかのように考える者が多い。多くの者はこれらの変化を、彼らの特権と威信を脅かすものとして拒否する。多くの者が、民衆の自由と正義への正当な志向を、内部からの反政府行為の脅威と間違える。同時に、人類がこれまでに蓄積してきた美しいもの、真なるものすべてを排除しようとする者たちもいる。彼らは、新しい形態がつくられるのを待ち切れず、進歩が徐々に進められることの必要性を見損ない、過去における価値あるものの多くを正当に評価しようとしない。

 人類種族の保護者であるわたしたちの問題は、この両極端の間に進路の舵を取り、必要に応じて、制御したり、拍車をかけたりすることである。わたしたちの目標はいつも、最小限の亀裂で秩序ある変化を達成することである。だから、世界の出来事の中にわたしたちの手を探しなさい。そしてそれらを賢明に評価しなさい。今起こっていることの多くはわたしたちによって仕組まれており、結果的により良い世界につながらねばならない。あなた方がわたしたちを見るとき、この世界は保護されていることを知るだろう。

 わたしたちの助言に耳を傾けて、そして行動しなさい。わたしたちの忠告を守って、可能で確実なことから徐々に順を追って世界をつくり直しなさい。あなた方の兄弟の必要が満たされるように気をつけなさい。そうすれば、あなた方は道を間違えることはないだろう。「どの方向に進めばよいですか」と聞かれたら、喜んで答えなさい、「最大の必要に仕えること、人類同胞愛へ」と。

 あなた方の生活の骨組みをつくり直すのに、新しい材料と新しい手腕が必要だろう。古く廃れた形態を新しいエネルギーで置き換えなさい。そして喜びと愛の中に固められる関係をつくっていくことを学びなさい。

 わたしたちが案内者としているから、すべてが可能である。すべてが美と真理の中につくり直されるだろう。あなた方を助けるための手が喜んで差し延べられており、何ものもこの新しい始まりを遅らせることはできない。あなた方がわたしたちを見るとき、覚者たちはあなた方と同じような人間であるが、愛が顕現されていることを知るだろう。あなた方に愛の秘密を教えよう。喜んであなた方をあの遠くの岸に連れていき、「門を守る御方」の御前に立たせてあげよう。

 すべての変化の前には緊張があり、緊張は恐怖を呼ぶ。しかしながら恐怖は、奉仕と愛によって活気づけられている心(ハート)の中に、居場所を見つけることはできない。だから、奉仕の鎧を着けて、歓びをもって未来を見わたしなさい。そして起こらなければならない変化を喜んで迎え入れ、ともに「愛の統治」を創造しよう。
(1983年4月号より)

今月号の内容概説

 この惑星の歴史の中で奉仕が求められた時代があるとすれば、それは現在である。自ら進んで行う私心のない奉仕の模範が以下のページに全面的に集められている。生活と思考のあらゆる面が変わる必要のある時代に、ベンジャミン・クレームの師は次のような助言をしている。「あなた方の兄弟の必要が満たされるように気をつけなさい。そうすれば、あなた方は道を間違えることはないだろう。『どの方向に進めばよいですか』と聞かれたら、喜んで答えなさい、『最大の必要に仕えること、人類同胞愛へ』と」

 二つ目の力強いテーマは、世界の現状を解明し、この大きな変化の時代において立場を明確にしようと努めている人々を支援することを目指すものである。多くの者が相反する世界観に取り組み、こう問うている。何が本当なのか。何が事実なのか。誰を信頼することができるのか。

 腐敗やエリート主義、貪欲、権力への渇望が現実であるというのは否定できない事実であるが、シェア・インターナショナル誌は、マイトレーヤや覚者方、その弟子たちによって与えられた知恵や助言に見られる理性の声と常識を尊重する。読者は以下のページで、ベンジャミン・クレームによって提供され、ここに再掲載されているようなアイディアや提案、事実や答えを見いだすだろう。

 私たちの仕事の主眼は、グローバル社会が「当たり前」として受け入れている弱点や失敗、不平等を暴露すると同時に、いったん特定されたら、マイトレーヤや覚者方が差し出している導きや分析、インスピレーションに基づいて前進する道を指し示すことである。したがって当然、私たちはいつも前向きである。今月号の記事は欠陥を示唆し、可能な解決策を提供している。グラハム・ピーブルズ氏は、様々な弱点があるものの、人類に奉仕し、人類を支援し保護するために存在するに至った国連の改革を期待している。大堤直人氏はある人物の私心なき奉仕の生涯を描写する一方、シェア・ギルモア氏は地球の健康を回復するためのプロジェクトを紹介している。ジェレミー・レント氏は「五つの本当の陰謀」という記事の中で、意図的に操作された「フェイクニュース」によって生じた混乱の中で脇に置かれている緊急の問題に注目している。ソーシャルメディアでかき立てられている不安や混乱は、手の届くところにある奉仕や解決策を人々が取り上げるのを妨げている。目下のところ、恐怖心は無理もない反応であるが、それは覚者方のために働いている人々のエネルギーと努力に対してブレーキの働きをする。まさしく、恐怖心は破壊的であると言えよう。

 この変化の時は確かに、人類にとっての巨大な試みであり、変容の速度は、私たちが今なす選択に直接依存している。「人類同胞愛」という言葉で私たちの前に差し出されているような社会を日常的な意味で現実のもの、実際的なものとするために、私たちは新しいビジョンや新しい考え方、新しい技能を必要としている。

文明と文明を結ぶ世界―いかにして変化の苦痛に対処すべきか

ゲラード・アートセン

 新著『一体性(ワンネス)の先覚者たち』の中で著者ゲラード・アートセンは、科学と宗教との統合の認識を促す新時代の基調について、不朽の知恵と宇宙からの訪問者たちの存在を導入して、何が真実であるかの見解を示している。彼らからの示唆によって、今日の激しい分離傾向とそれから来る耐え難いストレスを、今ある分離主義を直視することによって克服し得ること、及び、それを人間性の夜明けを告げる新しい一体性(ワンネス)の感覚が目覚めるための産みの苦しみとして見なすことで克服し得ることを示している。

 二つの宇宙サイクルの入れ替わりという歴史上の転換期において、私たちは古い構造が崩壊しつつあり、新しい宇宙時代の基調となる一体性(ワンネス)と統合性が、今はまだでもやがて人類に訪れるであろうと著者は述べる。

 政治と経済のシステムがいつまでたってもうまく機能しないことにより、“イルミナティ”とか“秘密の政府”といった秘密組織が世界を支配しているからという陰謀神話が生まれており、それによる根拠のないうわさが広まっている。世界各地の残虐行為がエリートたちによって伝えられ、人々の不信感があおられている。これに乗じて、極右活動家たちがその陰謀神話を広めている。そして、この不確定な時代に、破綻している組織を建て直すべく“敵”をつくりだそうとする不寛容で無責任なリーダーたちによって、パンデミックへの恐怖や憎悪感や他のウイルスへの恐怖心があおられている。その結果、人々の中の不安感情が、1930年代のユダヤ人社会や現代の難民や移民の社会がそうであるように、異なる存在に向かってたやすく転化されている。

 しかしながら、古い構造はもはや有効ではなくなったとメディアが言及することが稀ではなくなり、新しい世界の訪れが間近であるという予感が強まっている。17歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは2020年6月に、不正義がもはや許されない分岐点に達しているという表現でこう述べている。「気候と生態系の危機は、現在の政治的・経済的システムの中では解決できません。このことは意見ではなく事実なのです」

 この予測は、新時代に関する不朽の知恵の教えに含まれており、また同様に、宇宙からの訪問者たちからの情報にも示されているのは驚くべきことではない。世界で初めてクロップサークル(穀物畑サークル:ミステリーサークル)について書かれた最初の本の一つである『クロップサークル──世界的変化の前兆』において、考古学者のミカエル・グリーン氏は、UFOとクロップサークル現象の間の関係性について概説している。彼はH. P. ブラヴァツキーやアリス・ベイリーの様々な文献を挙げて、結論部の章で、様々な偉大な宇宙からのパワーが人類の上に注がれているとしてこう述べている。「この過程は新時代の公式的な始まりを、またはキリスト教的な表現では『第二の(主の)到来』と言われるものに相当し、ミステリーサークルの顕現は、黄金時代が訪れることを人類に目に見える形で示したものである」

 何人かのコンタクティー(宇宙人と接触したと主張する人物)も同様の情報をもたらしている。例えばエンリケ・バリオス氏は、アクエリアス時代は「惑星地球にとって革命的なステージに達すること、すなわち、暴虐の千年紀が終わること、愛の新世紀が訪れること、ある種の『成熟期』に達することを意味しています。私たちはすでにアクエリアス時代に入っているのです。しかし、入ってはいるのですが、実感されてはいません。地球は別な種類の法則と宇宙の磁力線によって支配されつつあります。言い換えると、人々はもっと愛情深い存在になります。しかし、人々は依然として以前の進化上低いレベルの原理に従って生きています。人々が内的に感じていることと外的に動かされていることの間に大きなギャップがあるのです」と述べている。

 もし私たち人類が、私たちが望んでいる状態とか望んでいる社会に住んでいるのではないと感じているのであれば、私たちは、宇宙または地球に起源を有する身代わりとなる存在や救世主を探すのではなく、自分たち自身が現状を変えようと何かをしているかどうかを自問すべきである。チャールズ・アイゼンシュタイン氏は、「もちろん、私たちの社会には大勢の悪役がおり、極悪な行動に関与する冷酷な人々がいます。では一体彼らは、分離システムと分離神話をつくり上げてきたのでしょうか、または、単にそれにつけ込んだだけなのでしょうか」と大変鋭い問いかけをしている。

 人類が宇宙に浮かぶこの青い宝石のような惑星全体の構成要素の一つであると見なして、私たちが惑星上の生命を育むべく働き貢献することは、私たちが霊的に一体性を感じそれを経験することになる。しかし、どれくらいの人がグローバルなスケールで、この一体性(ワンネス)を達成したら足りるのであろうか。それについて、ベンジャミン・クレーム氏は、世界人口のわずか半数あれば足りると述べている。人口の半分だけが「到来しつつあるアクエリアス(宝瓶宮)的な人々です。パイシス(双魚宮)的な人々が残りを構成し、世界のあらゆる政府を形成しています。過去のやり方を踏襲するあらゆる人々、世界のお金のほとんどを持つ人々です」。

 さらに言えば、世界の半数を占めるアクエリアス時代の人々は、決して均一なグループではない。社会的である活動家は、霊性を求める人々が現実世界の問題を回避していると非難するかもしれない。一方で霊性を求める人々は、(社会的活動家たちは)問題の背後にある霊的な原因を無視していると指摘するかもしれない。しかし、両者が抱く中心的な動機は、物事の原因を洞察するという点では決して違っているわけではない。活動家の動機は、明確に意識してはいないにしても、社会的不正義が生命の内的統合や一体感をないがしろにしていると観るにある。同様に、霊性を求める人々は、たとえ実際問題を扱うのが困難であるとしても、共通の人間性の根底にあるものに感じて反応するのである。それゆえ、私たちを駆り立てる一体性(ワンネス)の感覚を顕し活動する方向性が違うにもかかわらず、私たちが尊重する方向の根底は同じである。共通するのは、私たち自身との、または他者との、そして他の惑星との正しい関係性の意識を高めかつ表現することである。それゆえ、それが活動家であれ霊性を求める人であれ、意見に相違があったとしても、努力し続けることをやめるべきではない。限界を克服する努力について、ジュワル・クール覚者は『新しい時代の教育』の中の霊性(スピリチュアリティ)に関する定義の箇所で、活動家は自分の行動を促す霊的な根源を自覚する必要があり、一方、霊性を求める者は一体性の認識を行動に移すことで初めてそれは確実になることを自覚する必要があると指摘している。
 社会正義に対する最初のステップが、私利的な特権が失われることを憂慮し現状維持を望む商業主義者の勢力から激しい抵抗に遭遇する現在の社会状況を見ると、社会活動家と霊性を求める者たちがこの「霊性を物質化する」努力と、「行動を霊性化する」努力をして互いに協力することが大切である

 この観点から、「戦略的国際研究センター」※ は、2020年3月に極めて意味深い以下の声明を発表した。「私たちは、頻度においても範囲においても規模においても歴史上先例のないグローバルな大衆的抗議運動が展開される時代に生きています。(……)最近、抗議行動の規模と頻度は1960年代末のものや1980年代末のものおよび1990年代早期のものなどの歴史的抗議行動を覆い隠すほどになっています。広い視野で見ると、『アラブの春』は個別の現象ではなく、広範囲で増加しているグローバルな傾向の特に顕著な例です」

 事実、ベンジャミン・クレーム氏の覚者は、「今日この惑星に浸透している物質主義に基づく不正を心の中で排除している人が大勢いる。彼らは正義と平和を待ち望み、その達成のためにデモ行進を行う」と述べている。
 そして抗議行動は時にエスカレートし、暴力を伴ったり略奪を起こしたりするが、そのような過程があっても、抗議行動は恐れるべきものでも避けなければならないものでもないことが研究の結果わかっている。米カリフォルニア州のハンボルト州立大学の社会心理学者アムバー・ガフネイ氏は、人が極端に走ることは、私たちが間違ったことや欠けていることに対する完全に人間的な反応であることを見いだし、こう述べている。「人々が自己自身と自己の動機に関して極めて不安定になったとき」(つまり、人々が自己存在の核である魂とのつながりを見失った状態になったとき)、「誇張的な表現で主張する民主社会の独裁的リーダーのような、今までとは異なるタイプの存在に人々は惹きつけられる」。例えば「我々は自分たちが何者であるかを見失っている」というような発言をしながら、この不確かさにつけ込もうとする。しかし、彼女が言うには、最大級の積極的な社会変化は「強い結合とはっきりとしたアイデンティティーを持つマイノリティー(グループ)によってもたらされてきました。私たちが積極的な社会変化を体験する場合には、それはマイノリティーからもたらされるのです。市民権運動や女性選挙権獲得運動を思い起こしてください。それらはおおむね信じ難いほど肯定的なものでした。しかし、それらはマイノリティー(グループ)から始まったのです。彼らは社会の中枢から疎外されていたアウトサイダーの労働者たちであったのです」。

 宇宙の兄弟たち(スペースブラザーズ)からのメッセージに基づき、また世界教師の出現を広めるために何十年と働いてきた多くの人は、これらの希望あふれるビジョンが実現するのに一体どれだけ待てばよいかと嘆くかもしれない。ジョージ・アダムスキーの1963年ヨーロッパツアーに関する報告書の締めくくりで、陸軍少佐であったハンス・ピーターセン氏は、現代にも当てはまるようなことを述べている。「皆さんは一人で孤独な道を辿り続けなくてはならないでしょう。いまだかつてなかったように(理想と現実との)不一致が際立っていたことはありませんでした。(……)スランプ状態が以前にはないほど大きく、殺人や暴力、犯罪や事故、搾取、病気、ストレス、これらはすべて程度が大きくなりすぎて、もっと悪化することを考える余裕がない状態です。しかし、空飛ぶ円盤が私たちの大気圏内に現れ、私たちの中で宇宙人(スペースピープル)が働いていることが間もなく知られるようになります。このことが起こると、極めて大きな変化が発生します。そのペースは加速されています。私たちの中で進歩が促され、原因と結果の法則によって私たちの世界のバランスと平衡とが整えられるでしょう」

出典:ゲラード・アーセン『一体性(ワンネス)の先覚者たち─UFOと宇宙の兄弟たちの科学と霊性(Pioneers of Oneness. The science and spirituality of UFOs and the Space Brothers)』BGA出版、2020年10月、276頁、ISBN:978_90_830336-0-0

※「戦略的国際研究センター(CSIS)」は、米国の首都ワシントン市を拠点とするシンクタンクで、1962年にジョージタウン大学に設立された。世界の政治的、経済的、安全保障的問題に対する政策研究と戦略的分析を行う機関である。特に国際関係や貿易、科学技術、財政、エネルギー、そして地政学的問題に焦点を当てている。

ナイジェリアで環境意識が高まりつつある

アレックス・アキグベ氏へのインタビュー
ジェイソン・フランシス

 アフリカ・クリーンアップ・イニシアチブ(AC I )は、清掃事業、環境に関する教育および環境擁護プログラムを通して、環境維持に対する人々の意識を高めたり関心を集めたりするために活動している。
 2010年にナイジェリアで創立されたACIは、2017年に非営利団体として公式に設立された。安全な水、下水設備および公衆衛生に関するプログラムだけでなく、子供たちを学校に通わせるための費用援助を目的に、リサイクル品を収集するリサイクルプログラムも行っている。ACIは、協力団体、補助金、協賛企業や個人からの援助によって資金を得ている。ジェイソン・フランシスが、本誌のためにACI創設者のアレックス・アキグベ氏にインタビューを行った。

シェア・インターナショナル(以下SI):ACIを思いついたきっかけは何でしたか。
アレックス・アキグベ:私が情熱をもって携わっている地域社会への奉仕活動がきっかけです。ACIを始める前に、私は幾つかの奉仕活動にボランティアとして関わっていました。
 何かしら影響力をもつ事業に関わるときはいつでも満足感や達成感があります。私はナイジェリアのラゴス州にある都市アジェグンレで育ち、それが今日私が行っていることの一因となりました。アジェグンレは、かつては汚いことで有名なジャングルの都市として知られていました。私はそのことを決して好きにはなれませんでした。また、何かをしようと誰も気にかけないことに対して、心が痛む思いでした。実はこのことがきっかけとなり、私たちのプログラムや事業を通して、アジェグンレがアフリカの他の地域に追いつくことができるように、組織として活動し始めたのです。

SI:これまでに、環境に関する清掃事業が幾つナイジェリアで始められましたか。幾つか例を挙げていただけますか。
アキグベ:今までのところ、アブジャ、イバダン、ムシン、ジャカンデ、アジェグンレ、アルファビーチ、アムココ、スルレレで、約30の大規模な環境衛生的な清掃プログラムを実施しました。

SI:清掃プログラムはどのようにして始まりましたか。また、ACIには何人のボランティアがいますか。
アキグベ:ACIの清掃プログラムは、環境的な活動が必要な汚い地域を判断し、緻密に計画を立てるところから始まりました。それから地方自治体や地方都市開発区域に対して、活動の実施に関する承認を申請しました。ACIには400人以上のボランティアがいます。

SI:環境に対して責任を持つように生徒を教育することを目的とした、グリーン・フット・プロジェクトについて話していただけますか。
アキグベ:グリーン・フット・プロジェクトは生徒、特に小学校、中学校の生徒に焦点を当てています。私たちの目的は、(国連サミットで採択された)持続可能な開発、気候変動、環境維持について教育することです。そしてそれだけでなく、社会的に影響のある環境事業に参加するように導くことです。また、生徒が幼いうちから、ボランティアを実践したり、地域に奉仕したいという思いを持ったり、廃棄物管理を適切に行ったり、(リサイクル品を学校の費用に変えるなど)無駄を富に変えるように積極的に活動したりすることができるように教えています。私たちのグリーン・フット・プロジェクトは、2019年3月に始まりましたが、これまで5つの学校、900人以上の生徒が参加しています。

リサイクル可能品で支払いを行う

SI:ナイジェリアでは、親は子供の教育に対する学費を支払う責任があります。学校へ通うのに、どのくらい費用がかかるのですか。また、親が教育費を支払えないために学校に通うことができない生徒は何人いますか。
アキグベ:私たちの調査結果では、1学期につき最低500ナイラ(約14米ドル)かかる学校もあれば、私たちと共に活動しているサービスが十分でない地域では、費用が1日50ナイラ(約14米セント)の学校もあります。
 2018年12月にユニセフが行った調査によると、学校に行くことができないナイジェリアの子供の人口は、1,050万人から1,320万人にも上り、世界で最も多いとされています。

SI:リサイクルペイ教育プログラムと、それが家族および環境にもたらす効果について教えてください。
アキグベ:リサイクルペイ教育プログラムはACIにおける革新的なものです。環境に良いリサイクル実践を通じて、プラスチック製品による汚染を減らしながら、教育を推進していくプログラムです。今では親はリサイクル可能品を子供が通う学校に持っていき、学費に変えることができます。自発的に行動することによって、住んでいる場所や家庭環境に関係なく、子供が教育を受けられるようになります。私たちのゴールは、少なくとも1万人の子供が退学することのないように支援することです。
 この事業は、私たちが現在活動している地域社会に非常に大きな影響を与えており、今やその環境はとても美しいものになっています。また、これまではプラスチック製品が私たちの排水システムや排水溝を塞いでいたのですが、劇的なまでに減少しています。このプログラムは学校経営者、親、協賛企業や個人からの支持を得ています。

SI:リサイクルペイ教育プログラムの恩恵を受けている子供たちはどのくらいいますか。
アキグベ:これまでのところ、10の学校でリサイクルペイ教育プログラムを立ち上げており、合計で子供427人、128家族がその恩恵を受けています。14人の個人と、5つの企業が提供者となっています。1年に200万個のペットボトルが再生されています。

安全な水と公衆衛生

SI:WASH4クリーナー・スラム・プロジェクトについてお聞かせください。
アキグベ:私たちは、安全な水、下水設備、公衆衛生(WASH)プログラムにも積極的に携わっています。それは、安全な水と下水設備の提供を追求するACIの核を成しているものです。このプロジェクトは、私たちがスラム社会で、安全な水、下水設備、公衆衛生に関する問題に取り組む機会を与えてくれます。スラム地域の住民が、どうすれば自分たちでスラム地域の状態を改善し、より健康になれるかに関して、彼ら自身が責任を持つことができるようにしようとする機会です。私たちはサービスが不十分な地域に住む人々に、正しい手洗い方法、健康でいられることや安全な飲料水を手に入れられることがどれほど良いことなのかを教えています。

SI:ACIは、その事業の一部をアフリカの近隣諸国にまで広げていますか。
アキグベ:アフリカ・クリーンアップ会議が、2017年にガーナのケープ・コーストで開催されました。2018年にはトーゴのロメで、2019年にはガーナのアクラで開催されています。私たちはこの機会を利用して熱心な環境活動家を集め、人脈を得たり、専門家から学んだり、有益な協力関係を築いたりしています。また、母なる地球を守るために素晴らしい活動を行ったり、環境維持に向けて貢献したりしている人々に賞を与えています。目下、私たちは事業の幾つかを近隣諸国へ持っていくように取り組んでいます。

SI:ビヨンド・ウェイスト・プロジェクトについて、ほかに何かお話しされたいことはありますか。
アキグベ:ビヨンド・ウェイスト・プロジェクトは、低所得者が住む地域で健康および社会的なニーズに取り組むことを目的としています。このプロジェクトを成し遂げるために、母親と子供に人間ドックを実施したり、現地でマラリアのスクリーニング(症状が現れる前に病気を発見するための検査)や治療を行ったりしています。他にも、衣服や食料品などの救援物資の支給を行っています。

SI:ナイジェリア政府は人々のニーズや国の環境問題に取り組むために、他にもっと何ができると思われますか。
アキグベ:最重要課題のひとつは、人々に情報を提供することと、ナイジェリア人が環境の保護や維持に関して持っている認識レベルを上げることです。どうすればナイジェリア人が生活や仕事ができる環境をつくることができるかということについて、政府はもっと関心を持つべきです。すべての国民に影響を及ぼす主要な政策を実施する前に、地域レベルで利害関係者に働きかけることはとても大切です。国民に、自分が現在置かれている環境に対する当事者意識と責任を持たせることです。

SI:環境や清掃への取り組みに対して、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響は何かありますか。
アキグベ:新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちのビジネスに直接影響を与える社会的な集まりといった活動が制限されています。ステイホームや在宅ワークを要請される人が増えるにつれて、ごみの量が増えています。例えば、マスクや手袋が周囲に捨てられています。ソーシャルディスタンスに関するガイドラインが示されたことで制限されるのに伴い、草の根レベルの支援運動が滞っています。また、既存の奉仕活動計画の変更を要求するような干渉があり、人々が清掃活動のために集まることにも制限がかかっています。

 [編集部による最新情報:ACIは新型コロナウイルス感染症の危機の中、活動を続けている。一例を挙げると、2020年9月19日にラゴス市とイバダン市内の3カ所で清掃・支援活動イベントが行われ、218人のボランティアが参加した。1,360キロのごみに加えて、272キロのリサイクルごみが回収された。ボランティアメンバーは、環境に関する責任を担うことで、気候変動に対する行動を取るように一般の参加者を励ました。
 ACIはさらに、ラゴス市内にある低所得者が住む地域における新型コロナウイルス感染症の地域感染を減らすため、タグ付きメッセージとして「#MaskUpSlum」を使用したフェイスマスクを提供する特別な介入プロジェクトを始めた。]

詳しくは、acuinitiative.orgをご参照ください。

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されている。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

相互理解

編集長殿
 つい最近(2020年9月)、母と私は神の存在について議論しました。母はその間中ずっと自分が正しいと決めつけていたので、私は何とか会話を終わらせようとしていました。それは本当にとても不愉快な体験でした。けれどもその議論から1、2日後に、母が言うには窓から外を眺めていた時、スーツを着た男性を見かけて、その人は道路を渡る間に少なくとも20回は十字を切る仕草をしたそうです。私は自然と笑いが込み上がるのを止められませんでした! それは希望の徴でしょうか。どちらにしても私は幸せな気持ちになりました。
K.M.
ベルギー

つかの間の存在

編集長殿
 2004年11月3日の午後9時45分頃、私が地下鉄で帰宅途中の時、一人の男性が、年齢はよくわからないのですが、私の前に座っていました。彼はその他大勢のように目立たない人でした。私を見たりしませんでした。どうしてかはわかりませんが、彼に集中しなくてはいけないと感じたのです。私はこれまでマイトレーヤについて深く考えてきませんでしたが、その時には彼の名前が心に浮かんだのです(私は17歳で、私の母がお名前をよく口にしていたのです)。
 私の指がトントンと動き始めるのを感じ、温かな感覚がそこに流れ込んできました。彼が目を閉じているのが見えて、自分の指が素敵なリズムを刻むように動いていたので、私も強烈に目を閉じたくなりました。私の身体はいつまでも続くような楽しく温かな波動に満たされていました。私がそれを楽しんでいると、心の中で、「あなたが目を開けた時、私はこの場所に座っていないでしょう」という声が聞こえました。けれども私はもう少しその感覚を楽しんで、それから私自身の中で感覚が変化したのを感じたので、私の前の席を見ました。誰もいませんでした。その男性は消えてしまい、確認もしましたが、列車はどこにも止まっていなかったにもかかわらず、彼はもはや車両の中にもいませんでした。
その男性は誰でしたか。
アナ・フィードラー
ドイツ、ベルリン
【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がイエス覚者であったことを確認した】

クッション効果

編集長殿
 私の婚約者のジョンと私は、2005年にサマセットのバースで6日間の休暇を過ごし、その地域の美しさを堪能していました。けれどもそれほど楽しめない時間を過ごすことになったのは、ジョンと彼の娘と一緒に、エイボン川の一部を見渡す広々とした歩道を散歩していた時、突然つまずき、ドシンと音を立てて顔を下向きに転んでしまったためでした。
 転倒で息が上がってしまったので、少しの間そこに横たわっていました。休んで息をすることが必要だったのです。さらに以前と同様に(本誌2020年7月号の手紙参照)、きっと顔からひどく出血しているはずだと思っていました。数人の人たちが私を助けに来てくれて、電話で救急車を呼ぼうとしましたが、突然私は親切な手助けによって歩道から立ち上がれそうに感じ、気分もかなり良くなりました。全く出血していないことがわかって本当に驚いたのですが、私が何かの力で転倒したので、その時どういうわけか衝撃が和らげられたに違いないと感じました。
 それから黒い服を着て小さな丸い帽子を被った一人の紳士を見かけました。とても素敵な顔をしている人でした。私が無事に立ち上がっているのを彼が見て、川を見渡せる欄干にもたれると良いと言ってくれてから、静かに歩み去っていきました。私は肋骨の辺りがひどく痛んだので、ジョンと彼の娘が検査してもらうために私を病院に連れていってくれました。結果は呼吸も酸素の吸入量もすべて異常なしでした。私たちは休暇の間の宿へ戻りました。
 その後、再び黒い服の男性の姿が私の心の目に見えて、彼の思いやりのある静けさを思い出し、また今度も「特別な」方との出会いではないかと思うのです。
ドリーン・ビスコウ
英国、ノース・ヨークシャー
【ベンジャミン・クレームの師は、その『黒い服の男性』がマイトレーヤであったことを確認した】

ポジティブ・エネルギー

編集長殿
 私は米国オレゴン州のポートランドに住んでいて、2005年3月にダウンタウンにある公共交通センターのバス停の一つで立っていました。私は人々が放出するエネルギー、とりわけ否定的なエネルギーに非常に敏感なので、いつもならそれは私にとってあまり良い状況ではありません。そして今回の特定の状況も例外ではありませんでした!
 やや年配の女性がバスの待合所に入ってきて腰を下ろしました。彼女は頭にスカーフを巻いて、長い丈の青い無地の上着を着て、『スラブ風』のスタイルを連想させました。私はそうした状況をやり過ごそうと奮闘していましたが、私を支えてくれる平穏さや安定感の『存在』を感じたのです。さらに一層私がその女性に注意を向けるにつれて、私に対して注がれる平穏で温かなものがもっと感じられました。彼女の顔をほとんど見ることができなかったので、彼女が魅力的であることとは関係ありませんでした。
 もっと言えば、私がその女性から発散されていたエネルギーに集中すると、バス停全体がその同じ温かさと平穏に包み込まれていくように思えました。私は実際に、自分自身の意にやや反しながらも、心の中で何かの歌を歌い出してしまうほどで、エネルギーはさらに上昇したのです!
 その女性はマイトレーヤだったのか、あるいは覚者のお一人でしたか。
ケビン・メッシュ
米国、オレゴン州ポートランド
【ベンジャミン・クレームの師は、その『女性』がマイトレーヤであったことを確認した】

読者質問欄

Q 市場のフォースの問題とは何ですか。

A 市場のフォースが人類の心臓、肝臓、脾臓を掴みました。私たちはあまりにそれに囚われているので、ほとんど何をすることもできません。人々はヒステリックなまでにもっと金持ちになろうとしており、ほとんど何物もそれを止めることができません。それを止めることができる唯一のものは株式市場の崩壊であり、それが人類を人生の現実に直面させるでしょう。そしてそれから私たちはマイトレーヤに耳を傾けるでしょう。他にどこにも行く場所がないとき、人は源に向かい、覚者方が問題への回答をお持ちであることに気づくでしょう。覚者方は単にその回答を世界に提示して私たちのために解決してくださることはできません。私たちがそれを欲しなければならず、喜んで、自主的に、全人類が生きるための選択と犠牲を行わなければなりません。

Q 株式市場が崩壊したら、飢える人々をどうやって援助できますか。

A 株式市場が崩壊したからといって、米や小麦の一粒も、リンゴの一つも世界から減るわけではありません。全く同じものが育てられ、生産され、加工され、全く同じ量の食料が生産されます。実際それは株式市場の崩壊とは何の関係もありません。世界の株取引きの 97.5パーセントは単なる通貨取引きです。それは世界の実体経済と何の関係もありません。それはただの賭博場であり、ルーレット賭博と何も変わりません。世界は大雑把に言っておよそ200人の人々に支配されています。彼らは世界のあらゆる国におり、株取引きへの投資以外のことは何もしていません。途上国と資源を分かち合うことは株式市場とは何の関係もありません。

編集者より:
私たちが最近受け取っている多くの質問は、以下に載せる、この雑誌に掲載されたベンジャミン・クレームによる回答と密接に関連している。これらの回答は未だに妥当性を持ち、読者はこれらを考察することで現在の問題に対処することができる。

Q 最近のアメリカでの出来事は、特定の勢力が、地球が人口過剰であると判断し、人口を減少させるために感染症を引き起こすワクチン接種のような手段を開発していることを示しています。これをやめさせ、自分自身や愛する人々を守るために何をすべきですか。

A これもアメリカから定期的に発信される陰謀論の一つです。これには何の中身もありません。リラックスしなさい!
(SI誌,2009年11月号)

Q UMTS携帯マストの電磁波は健康にどの程度有害ですか。私が働くオフィスは5階と最上階にあります。ビルの屋根は多くのマストで覆われており、私の同僚たちは電磁波の放射にさらされています。(1)この不安は根拠のあるものですか。(2)最近、二人の子供と職員が脳腫瘍で亡くなった後、アムステルダム西部の小学校からすべてのUMTSマストが除去されました。これらの脳腫瘍はUMTSマストによって引き起こされたのでしょうか。(3)この新しい技術による他の病気はありますか。(4)ワイヤレスのコンピューター・インターネット・ネットワークの電磁波にさらされることの危険はありますか。

A (1)いいえ。(2)その可能性は非常に低いです。(3)危険性は低いです。(4)実際にはありません。もしあったとしても、微々たるものです。(SI誌,2007年9月号)

Q ワクチンについての覚者方の助言は何ですか。それは非常に多くの子供たちにとって逆効果であるように思われます。ホメオパシー療法が実行可能で安全な代替案として促進されないのは恥ずべきことです。私たちは完全にワクチンをやめてしまうべきではないでしょうか。

A 全体として、ワクチンは幾つかのひどい子供の病気を除去する上で恩恵のあるものでした。ホメオパシーの「ノソーズ(nosodes)」(ワクチン)はそれらの病気の多くに利用できますが、ホメオパシーがより広く知られ、受け入れられるようにならなければ(それは今ゆっくりと起こっています)、ワクチンは「正常な」様式のままであり続けるでしょう。「完全にワクチンをやめてしまう」のは危険なことでしょう。(SI誌2000年10月号)

Q 将来の「荒野の体験」にどう対処するべきでしょうか。

A 私が言い続けているとおり、「注目を高く保ちなさい」。それが意味するのは文字通り注目を高く保つことですが、もちろんそれ以上の意味があります。それは世界中に伝導瞑想を広め、そして実践することと、現在進行中のキリストの再臨について知らせるという二つの方向への活動と行動によって生じる霊的緊張を保持することを意味するのです。これはそれ自体でかなりの達成です。
 ますます多くの人々は、私たちが話してきたことは、非常に実際的な観点から、彼らが関心をいだいていることについてであることを、すなわち世界全般、今日人々に非常に難しい選択を迫る世界についてであることを、理解し始めています。
 私たちの人生の仕事は確かに容易ではありませんが、それは限定されています。人類の一部として、私たちは生計を立てなければなりません。この‘いわゆる’不況と呼ばれる状況を通して、行路を見つけなければなりません。荒野の体験の苦痛に耐えなければなりません。そして、人類のすべてと同様に、それをくぐり抜けなければなりません。それによって動揺させられたり、打ち負かされることなしに、頭を持ち上げて、注目をさらに高く上げて、くぐり抜けなければなりません。なぜなら、私たちは、おそらく今まで認識してきたことよりもさらに偉大なることに関わっているからです。
(SI誌2011年1月号)

2020年10月号目次

 

覚者より
法の規定
ベンジャミン・クレーム筆記
法の条理

今月号の内容概説

視点
新型コロナウイルスからの景気回復計画の中心には、 気候変動問題を置くべきである
パブロ・ヴィエイラ・サンパー

地球と人類を癒す 一選集
Healing the planet and humanity — a compilation

国連人道問題調整事務所パレスチナ占領地区調整官、 ジェイミー・マクゴールドリック氏の声明

アレクサンドラ・ダヴィッド=ネールの目で見た仏教
アレクサンドル・ギベール

ラテンアメリカの半乾燥地域は共同で気候に適応する
マリオ・オサヴァ

時代の徴
世界中にあふれる奇跡 爆発で残った祭壇:希望のしるし

元には戻れない:何もかも変わらねばならない
グラハム・ピーブルズ

弟子道——弟子の属性
アート・ユリアーンス

「被造物がうめいている!」
フランシスコ教皇が際限のない成長を非難する
アンドレア・ゲルマノス

自然の生息地を救おう、命を救おう

編集長への手紙
そのまま頑張って! 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

法の規定

 シェア・インターナショナル誌は創刊以来、クレームの師である覚者が提供された記事を掲載してきた。それは記事が提供されたときのみならず、世界の状況に応じて適切だと思われるときにはいつでもそれを掲載してよいようにである。これらの二つの記事は、最初のものが1999年に、もう一つが2015年に書かれたものであるが、法──人類の法ではなく、大計画の展開における次の大いなる段階の一部としての宇宙の法──の働きを検討するものである。いつの日か、世界は自らを一つとして見るようになり、法は必然として正しい変化をもたらすことを認めるようになるであろう。

法の規定

――覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類が「法」の規定をこれまで大体において拒絶してきたがゆえに、一連の大きな災難を経験したのであるが、彼らはそれを“神の御業”と解釈してきた。これらの“人間の行為”は、計画された地球の進化には何の類似性もない。人間がこれに気づくとき、彼らは自分たちの思考と行動を再調整するために一致した努力をするだろう。かくして“法の規定”を正しい状態にするだろう。徐々に法のリズムが人生を支配し、その結果、新しい調和とより大きな平衡が生まれるだろう。
 この過程を助けるために、巨大なアバター(大聖)がマイトレーヤの背後に立っておられる。平和または平衡の霊は、作用と反作用の法を通して、その宇宙的な存在感をこの世界の大混乱の上に注ぎ込む。これまでのところ人間は、この変容のフォース(エネルギー)の影響にぼんやりとしか気づいていない。にもかかわらず、平衡の霊のエネルギーは今やこの地球に充満している。そうであるから、人間は今日の混迷とは本当に異なる途方もない平穏な時代を期待することができる。
 その前代未聞の平和と平穏の時代の中で、新しい文明が壮麗なる高みに発展するだろう。星々へ手を伸ばし、人間は宇宙を征服し、時間の錯覚を打ち破るだろう。今日いまだ知られざる宇宙のエネルギーが利用されるだろう。己の神性の感覚が増大し、人は深く自己の裡を見つめるようになるだろう。それによって、自分の真のアイデンティティーの本質と、自然との、そして神との一体性を見いだすだろう。かくして、人間の環境は豊かに繁栄し、もはや自己の目的のために自然を搾取するような愚かなことはなくなり、自然は人間の必要をすべて満たすのに十分なだけのものを与えてくれるだろう。
 かくして、新しい文明は大計画の展開における次のステップを表現するだろう。かくして、人間はずっと昔に失った進化の弾みを取り戻すだろう。あなた方の兄であるわたしたちは、見守り、勇気づけ、警告し、保護し、人間がわたしたちの群れの中に戻ってくる喜びを経験するのである。そのようになるだろう。
 マイトレーヤが非常にしばしば言われたように、「人間は自分たちを一体として見なければならない」。
 これが、未来のすべての進歩への重要な第一歩である。その他のすべてが、その条件の達成にかかっている。これがそうであることを、そのときに初めて自己破壊が避けられることを、そのときに初めて人間の眠っている可能性をその次の偉大なる達成のために解き放つことができることを人間に示すことが、マイトレーヤと彼のグループの最初の仕事である。
 人間が彼らの一体性に目覚めることをわたしたちは疑わない。人間の落ち着きのない奮闘のすべての底に、今日彼らを襲っている多大な問題の解決には、すべての者が責任を分かち合わなければならないという認識の目覚めがある。問題と同様に、その責任も世界的であり、分割不可能であり、そして協力とエゴ(自我)の否定を通してのみ、それらに適切に対処し克服することができるという認識の目覚めがある。
 間もなく世界の前に現れようとしておられるマイトレーヤは、人間の心(マインド)をこれらの真理に開かせる仕事を持つ。彼の能力とその成功を疑ってはならない。
(1999年6月号)

「法」の条理

 人々は変化しつつある世界に生きており、それを当たり前のこととして受け入れなければならない。ある人々にとっては、これらの変化は脅威のように見え、ありがたくないだろうが、他の人々にとっては、特に若い人々には、それらの変化は両手を広げて歓迎されるだろう。あなた方の立場が何であろうとも、それは最善のためであることを保証する。なぜなら、それらの変化は時の必要を反映しており、避けられないことであり、公正である。
 人々は、これらの変化が自分たちの生活に影響を及ぼす条件を自分たち自身がつくっているということに気づくべきである。この認識が成果を上げるとき、新しい時代へのより円滑な移行が当たり前のことになるだろう。
 人々に対するわたしたち(覚者たち)の勧告はこれである──見えざる力のせいにするのではなく、われわれの時代の変容を創造していく中におけるあなた自身の役割を悟りなさい。これらの変容の中から、恍惚とした歓びがやって来ることを確信しなさい。
(2015年4 月号)

今月号の内容概説

 自由意志という概念が私たちのマインドに初めて入って以来、宇宙の法と自由意志との関係が人類を鍛えてきた。人類が自由意志を持っているかどうか、そしてどの程度持っているかが、不朽の知恵の教えによって昔から問われてきた質問である。同時に、アート・ユリアーンスの今月号の記事が明らかにしているように、弟子は責任を負わされてきた。「道に沿って進歩するうえで弟子にとって不可欠な必要条件の一つは、独りで歩む能力を培うことである。このためには勇気が必要であろう。弟子が周囲の人々の意見に反することは避けられないことであり、絶えず起こることである。勇気がしばしば必要とされるが、親しい人や世界的な権威と認められている人の意見と衝突しようとも、自分の正直な確信に従って、正しいと思うことを実行することを学ばなければならない」
 私たちは今日、正念場に立っており、すべての者の生活を向上させるために集団的な勇気を奮い起こす必要がある。ここでの議論に追加してもよい質問は、パンデミック(世界的大流行)によってはっきりと浮かび上がった変化への必要に耳を傾けるほど、私たちが集団的にも個人的にも成熟しているかどうかである。フランシスコ教皇が表現しているように、私たちは世界が「うめいている」のを聞くことができるだろうか。変容のために働き、惑星を癒すだけの想像力や共感、勇気、忍耐を持っているだろうか。法についてのベンジャミン・クレームの師による二つの記事から引用するとしたら、人類は法の働きを受け入れ、変化を受容し、勇気をもって「自分たちの思考と行動を再調整するために一致した努力をし、かくして『法の規定』を正しい状態にする」ことができるだろうか。勇気と決意が今、問題の核心となっているのは確かである。

地球と人類を癒す——選集

Healing the planet and humanity ── a compilation

「地球と人類を癒す」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤからのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 人類の生活の転換点にあって大きな仕事が彼らを待つ。往古からの間違った思考と生活の習慣をこの世から払拭すること。恐怖心──欠乏や戦争や病気や死の恐怖──からの解放を可能にするように、社会生活の方法を完全に変えること。これらはまさに巨大な仕事だが、あらゆる努力を費やすに値するものである。なぜならそれは、新しい生き生きとした生活、新しいより甘美な人間関係につながり、正義と同胞愛、分かち合いと愛の原則によって支配される世界につながるだろう。そのような世界を創造する仕事よりもすばらしい目標が人類にあり得ようか。
(『覚者は語る (1)』─健康と治療(2)─より)

 わたしの教えは二重である。一つは、人間の物質面にかかわることであり、人生の必要事項である。もう一つは、我々が神と呼ぶあの聖なる存在と人間との関係についてである。わたしの言語の中では、これらは同じものである。なぜなら人間同士が正しい関係を築いてこそ、神との正しい関係を築くことができるのであるから。わたしの計画は、これをあなたがたに示し、人が己自身の裡に、分かち合い、愛し、信頼する能力を見いだす時、その瞬間から神へ向かう登り道が始まることを教えることである。
(『いのちの水を運ぶ者』第29信より)

 今日世界にのしかかっている経済的、そして実際、霊的な危機の中心にある問題は資源の再分配です。この霊的な危機が政治と経済の舞台に集中されているのです。それだから、マイトレーヤは、まず最初は、政治、経済の教師としてやって来られるのです。マイトレーヤの教えは非宗教的ですが、霊的(精神的)生活についてであり、正しい人間関係についてであります。私たちが世界の資源を分かち合うとき、世界の病を解決する最初の一歩を踏み出すことになり、それは神性へ向かう最初の一歩であります。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 病気は結局、間違った関係の結果である──われわれの高位我である魂との関係、世界中にいるわれわれの兄弟姉妹との関係、そしてわれわれがその部分であるところの総体との関係である。魂のエネルギーの誤用によって因果(カルマ)関係を始動させる。兄弟同胞との間違った関係によって不均衡と不和を、そしてあらゆる種類の病気を引き起こす。分離意識が、われわれの周りの至るところにある治療の力から、われわれ自身を切り離している。
(『覚者は語る (1)』─健康と治療(2)─より)

 人間は非常に病的な状態にあるこの世界を救わなければならない。世界の一般の人々によって、その努力がすでに始められているのを見て、わたしたちの心(ハート)は喜ぶ。わたしはそのような人々に今語りかけている。あなた方の声を大きく上げなさい。あなた方の必要を世界に告げなさい──平和の必要を、正義と自由の必要を、宗教や皮膚の色や人種が何であれ、すべての人間が調和のうちに生きることの必要を告げなさい。すべての人間は本質的にひとつである。彼らはわたしの兄弟であり、わたしは一人ひとりを愛する。
(マイトレーヤ、2008年3月27日、『覚者は語る(2)』)

 イラクの人々の苦難、恐怖や危機、それが中国やその他の地域でSARS〈ルビ:サーズ〉(新型肺炎)として顕現し、ヨーロッパ全体などでは流感の蔓延として顕現しました。これらすべては、アメリカ政府のアフガニスタンやイラク攻撃によって引き起こされた危機状況によって生じた恐怖の直接的な結果です。神が侵略者を罰するというような問題ではありません。そうではなく、この宇宙にあるすべての原子が相互に連結しているという単純な法則です。ここで起こるところのことは、作用反作用の法則によって必ずそこに起こるようになる何かを作動させるのです。
 人類がこの法則を、カルマの法則を、ただ知的アイディアとしてではなく本当に理解するとき、すべての思考が、すべての行動が、人間が行うすべてのことが、一定の動きを、つまり原因を始動するということを認識するようになるでしょう。その原因から発する結果が、良いにつけ悪いにつけ、私たちの人生をつくるのです。
(『全人類のための世界教師』)

 今日の人間の問題は、人間自らが作り出したものである。これは常にそうであり、神の計画に内在するものではない。天与の自由意志を誤用し、人間は自分たち、および、動植物界の将来を危難にさらしている。多くの者が、今日、これに気がつきはじめ、破局をさけるために出来る限りの手段を取りつつある。これは良いことである。しかし勢いを増しつつ人類に直面してきているこの危険を、すべての人間が知るわけではない。人間の真の役割と目的に適った世界を再建するために残された時は短い。わたしの役割は、あなたがたに道を示し、可能性を描くことのみである。新しい世界は、人間自身によって作りあげられねばならない。
(『いのちの水を運ぶ者』第12信より)

 長期的に見れば、思考(と、したがってエネルギー)の正しい使用のみが、エイズも含めて、世界を苦しめている病気の除去を可能にする。これは意識の転換を前提とするが、現在は大多数の者にとっては不可能である。しかし、われわれがお互い同士とより良い関係に入るにつれて、必然的に起こることであり、政治的に社会的に正しい構造を確立することによって、それは可能になり、われわれの将来の安寧がそれにかかっている。これが、マイトレーヤが鼓舞しに来られる霊的変容である。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 人間が、管理人として、この惑星とそのすべての王国(動・植・鉱物界)の福祉を注意深く管理し、そして未来の世代のために活気にあふれた健康な惑星の住処を引き渡す責任を持つことに気づくことに、多くがかかっている。人間の捕食的行動と無頓着な無視ゆえに、この惑星はあまりにも不健康になっており、もしこれが人間だったならば、回復の見込みはほとんどないだろう。人間と低位王国の住処は、進化の大計画におけるその役割を果たすために、看護しながら健康を回復させなければならない。
(『覚者は語る(2)』─助けが必要とされる─そして提供される─より)

 現在のわれわれの第一の仕事は、環境を管理することである。これがすべての個人の、政治家の、グルや聖者の、科学者の責任になるだろう。われわれのエネルギーは、環境を再び健全にすることに費やされるだろう。それが起こるとき、苦難や病気や貧困は減少するだろう。
(『いのちの法則』)

 私たちの政治と経済と社会制度を建て直すことによって私たちの生活の中に平衡をつくりだすとき、人類の健康は劇的に改善されるでしょう。健康を維持するために巨額のお金を使う必要はなくなるでしょう。事実、予防医学が当たり前となるでしょう。病気は一般的に治療よりも予防の方がより簡単です。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 人間はまさに偉大なる発見の瀬戸際にいる。病気は不均衡の結果であり、正しいバランスは正しい思考と行動によって維持され、そのような正しい思考と行動は至るところにいる兄弟姉妹に関わる。もし人間が病気に終わりを告げようとするならば、まず分離に終わりを告げなければならない。
(『覚者は語る (1)』─健康と治療(1)─より)

 人の道とは、同胞愛であり、密接な協力と相互の信頼であり、奉仕であるということを示そう。これが唯一の道である。他はすべて失敗に終わった。我が友よ、もしこれをなさなければ、人間はこの地上に存続し得ないのである。脅しているのではない。真実を述べているに過ぎないのである。時間は残り少ない──自然とこの世界との間に均衡をとりもどす時間は。神の子として、すべての者が兄弟同胞として、人間の尊厳をもって生きるための手段を全人類に伝えなさい。これをあなたの第一の仕事としなさい。世界の産物をすべての国々に譲り渡し、すべての人間に委託しなさい。自由な人間として、今日、これをなし、真なる神の子として、明日の栄光を刈り取りなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』第12信より)

 どの治療者も、人の病は、われわれのエーテルの覆い、すなわちエーテル体に障害があり均衡が破られると起こるものであることを知っています。エネルギーの自在な流れが、どこかで妨げられると、欠乏や炎症を起こし、やがて肉体に何らかの病気となって現れる。全体としての、惑星としての体も同じことであります。天然資源の正しい流れと正しい分配が惑星上の健康と福利に最も欠くことのできないものです。
(『世界教師と覚者方の降臨』)

 世界は一つであるのに、いかで二つの世界が存在し得ようか。法はすべての人間に対して同じであるのに、いかで分割があり得ようか。やがて人間は、大勢の人々の苦しみは総体の病であることを理解し、そして正義のみがその治療法であることを理解するだろう。
(『覚者は語る (1)』─正義は神聖なり─より)

 あなたがたがわたしを見るとき、わたしが何故やってきたのかを知るだろう。わたしはあなたがたに次のように訴えるだろう──わたしの幼き者たちを救い、あなたがたの同胞を飢えから救いなさい、人類は一つであることを、唯一なる父の子供たちであることを覚えておきなさい。大地の産物を、これを必要とする者たちに、信をもって譲りなさい。これを今なして、世界を救いなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』第31信より)

 私たちの肉体は現在、汚染によって弱められています。病気をつくり出す第一の要素です。大気、水、土壌の汚染がゆっくりと人類を害しています。私たちが地球の資源の誤用をやめ、分かち合いの原理を実施し、世界の新しいバランス、平衡をつくり出すときにのみ変化は起こるでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 国家間の現在の不均衡はあまりにも大きく、運だけでは人間を見届けるに十分ではない。致命的な病──分離と貪欲──は地上に蔓延し、治療の効果をあげるには徹底的な手段を要する。外的な混乱にもかかわらず、単純な治療が手近にある。長いこと引き延ばされた人類の試験はほとんど終わりにきている。……
 ……マイトレーヤの使命は分かち合うことを人間に訴えることで始まる。人間の心(ハート)を知るマイトレーヤは、人間の選択を、そして彼らが必要な変化を起こす用意があることを確信しておられる。「人間は生きるか、死ぬか」とマイトレーヤは言われた──人間が分かち合うことを選び、そして生き、彼と共により良い未来を創造するだろうと、十分に承知しながら、言われたのである。
(『覚者は語る (1)』─分かち合いの弁護論─より)

 わたしの任務は、あなたがたが兄弟同胞として共に平和に生きる方法を示すことである。これは想像するよりも単純なことである、我が友よ、なぜなら、必要なのは、分かち合いを受け入れることだけであるから。分かち合いは、実に、聖なることである。人間のすべての進歩の根底にある。それによって、我が兄弟よ姉妹よ、あなたがたは神との正しい関係を築くことができる。これが、我が友よ、あなたがたの人生の根底にある。分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に宿る神を認める。これは真理である。単純なのだが、人はこれまでこのことを本当に把握することが困難であった。この真理を証明する時が来た。
(『いのちの水を運ぶ者』第82信より)

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。