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編集長への手紙

 シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

覚者の魔法

編集長殿
 数年前(手紙は2006年着)、車に姉と、後部座席に横になった甥を乗せて運転をしていました。霧の多い天候で、すでに日が暮れていました。ブレステルニツァからマリボルへ向かっていました。道路の両側にコンクリートの壁かフェンスのある場所を運転していた時、前方の赤い車が別の車を追い越して、私の方へ向かっているのが見えたのです。私はブレーキを踏んで、できる限り壁の方へ寄りました。その道路は3台分の幅がなかったので、赤い車と衝突することになると思いました。すべてはほんの一瞬の出来事で、突然あの赤い車が私の背後に見えました。その車は通り過ぎていきましたが、どうやってかはわかりませんでした。
 覚者のお一人が介入されたのか、どうか教えていただけますか。
マヤ・クラインツ
スロベニア、マリボル
【ベンジャミン・クレームの師は、イエス覚者が介入されたことを確認した】

差し向けられた光

編集長殿
 昨日(2020年の冬)、午後6時半頃、友人と私は車で帰宅していました。私は窓から外を眺めていました。地平線はすでに暗くなっていましたが、突然明るい光がパッと私の顔を照らしました。けれどもそれは柔らかな光で、心地よい感覚に圧倒され、まるで一時休止ボタンが押されたかのようだったのです。どうも友人には何も見えていないようでした。私には見え続けていて、遠くの地平線近くの低い場所に何かが『ぶら下がっている』のが見えましたが、それ以上はわかりませんでした。
 数年前に私はよく似たことを体験しました。その時は朝の出来事でした。列車の客席に座って、やはり窓の外を眺めていました。同じように顔を照らした明るい光に感動しました。そしてその時にも睡眠薬と言えるような効果を私にもたらしたのです。
カリン・マイウ
ベルギー、ルーヴェン

読者質問欄

世界奉仕者の新集団

Q (1)伝導瞑想グループの人々は(自動的に)世界奉仕者の新集団のメンバーでもあるのですか。(2)彼らの奉仕の分野は秘教的なもののみですか。
A (1)必ずしもそうではありません。そうである人もいますが、多くはそうではありません。(2)いいえ、全く違います。彼らはあらゆる分野で働いています。

Q (1)世界奉仕者の新集団は伝導瞑想グループの人々とは完全に分かれていますか、それとも(2)互いに重なり混ざり合っていますか。
A (1)いいえ。(2)はい、重なり合っています。
(シェア・インターナショナル誌1992年9月号)

Q 伝導瞑想グループのメンバーは自動的に世界奉仕者の新集団のメンバーになるのではないとあなたは言われたようです。それはなぜですか。
A 世界奉仕者の新集団は、マイトレーヤによって創造され、組織され、刺激されている特別なグループです。それはあらゆる分野の人々を含み、必ずしも秘教的なものではなく、人間活動のあらゆる部門を含みます。彼らは今ではおよそ500万人からなる巨大なグループを構成し、多くの場合、第1イニシエーションの門口に立っています──彼らが伝導瞑想について聞いたことがあるかどうかにかかわらず。おそらく、彼らはイニシエーションについて聞いたこともなく、看護師やゴルフ選手などあらゆる仕事をしています。あなた方は彼らの大半をイニシエーションの志願者とは認めないでしょうが、マイトレーヤは彼らをそう見ています。彼らは世界の善意の男女であり、あらゆる分野で働き、善意を顕示して人々を結びつけようとしています。それは神秘的なまたは秘教的な組織ではありません。
(シェア・インターナショナル誌2012年4月号)

Q (1)「世界奉仕者の新集団」のメンバーの中には、特別な集団の一部であることを意識している人々もいますか。(2)「世界奉仕者の新集団」のすべてのメンバーは、比較的高度に進化していますか。例えば第2段階以上など。
A (1)はい。(2)いいえ、全くそうではありません。高度に進化し、覚者方と直接共に働く人々もいます。大部分は覚者方について聞いたこともなく、覚者方からのフィルターを通したインスピレーションの下で働きます。
(シェア・インターナショナル誌2013年12月号)

2021年1月号目次

 

覚者より
愛と平和の道
ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

視点
2020年の七つの秘密
ヤニス・バルファキス

霊性——第二部
ベンジャミン・クレーム

表紙の絵―ベンジャミン・クレーム「ビジョン」(1961年)

政治犯から人権擁護者へ
ウェイウェイ・ヌー氏の物語
マリヤ・サリム

すべての人にワクチンを、とりわけ最も弱い立場にあり困窮している人に

重要な時代における弟子の責任
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック

時代の徴
溢れる徴

2020年における女性にとっての10の決定的瞬間

2020年ゴールドマン環境賞
6人の地球の擁護者が表彰される

何百万もの人々が飢饉に直面していると国連が警告
タリフ・ディーン

編集長への手紙
永遠に続く他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

今月号の内容概説

 シェア・インターナショナル誌は今月号で40年目を迎える。本誌はこの尋常でない時代において、本誌の主なメッセージもまた常に尋常ではなかったということを思い出させるものとなっている。私たちは真の未来を指摘しているからである。その未来は、とりわけ現状を見れば、達成不可能だと考える人もいるかもしれないが、これほど切実に必要とされたことはかつてない。今月号に選ばれたベンジャミン・クレームの師の記事、「愛と平和の道」には、人類が見放されたことは決してなく、心を開きさえすれば私たちのものになる導き(ガイダンス)もなく放っておかれたことは決してない、とある──まさしく最悪の時代のように見える場合でも。
 年初の本誌は常に合併号であり、それによって非常に広い範囲の話題やアイディアを掲載することが可能になる(訳注:日本語版では1月号と2月号に分けて掲載)。最前線での奉仕における女性の役割から始まって、インドの最年少── 21歳──の女性市長の選出に至るまで、女性の業績に注目している。霊性、責任、奉仕──同胞に対するものであれ地球に対するものであれ──というテーマは、この合併号の至るところで扱われている。パトリシア・ピッチョンは、世界教師マイトレーヤが私たちに求めているものを考察している。「弟子の責任」についての記事もある。ゴールドマン環境賞の受賞者たちは、地球の状況を改善しようというたゆまぬ努力の模範である。
 初代編集長であるベンジャミン・クレームはシェア・インターナショナル誌創刊号で、霊性(スピリチュアリティ)の概念を可能な限り包括的に定義することを読者に求めた(6ページの「霊性 第二部」を参照)。「政治、経済、科学、文化、教育は、精神生活のすべての面を宿すものとして、間もなく人類の基本的霊的努力となるだろう。宗教集団やいわゆる『霊的』集団や『ニューエージ』グループは霊性の独占権を持たない」。彼は「霊性」の中で、マイトレーヤによって直接鼓舞されたヴィリー・ブラントの仕事にも言及した。残念なことに、ブラント委員会が1980年に提示したアイディア(基本的には世界資源の公平な再分配を主張しており本質的にマイトレーヤの導きによっていた)を人類が実施することができていたならば、シェア・インターナショナル誌が2021年になっても依然として、「国連が飢饉について警告する」や「インドの農民たちが歴史的な抗議活動を続ける」のような記事を特集することはなかったであろう。パンデミック(世界的な大流行)の悲しい状況下で、すべての人がワクチンを入手できるよう人類家族全体のことを考えるように、教皇が人々に訴えかける必要を認めたこともまた途方もないことである。もし私たちが霊性についてのこの新しい理解を本当に受け入れるならば、現在の問題の多くはもっと容易に解決されるだろう。
すべてが信頼という言語を学ばねばならない」のは、そして導きに対して心を開き、政治や経済、環境の危機を解決しなければならないのは明らかである。私たちが今、これまでになく、ベンジャミン・クレームの師が言われるように「今のこの時を決断の時と見なす」必要があるのは確かである。

愛と平和の道

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者はほとんど40年近くにわたって、毎月記事を提供してこられた。2006年に書かれたこの記事は多くのテーマを扱っているが、そのうちの一つは、人間が孤独であったことは決してなく、私たちが望めば案内(ガイダンス)が得られるという再保証である。まるで2020年に書かれたかのように、クレームの師はこう書いておられる。「われわれの住処である地球という惑星を大切に看取り健康を取り戻さねばならず、その空気と土壌と水を浄化し、再び人間にとって安全なものにしなければならない。これらが惑星の安定とその住民の健康にとって緊急に必要な条件である」

愛と平和の道
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 幸いなことには、助けが必要なときに人間が放っておかれたことは決してない。どんなに困難な状況だろうが、どんなに直面する危険が大きく深刻なものであろうが、人は一つだけ確信がもてる──すなわち彼の兄たち(覚者たち)から見放されることはない、ということである。人間の長い歴史において幾度も幾度も、すべてが失われて、人間の未来が危険なほど不確かになったとき、いつでもわたしたちの救助が手近にあり、人間の前進への道は再び復活されたのであった。そして今日、相容れない様々な勢力の大渦巻きの中に立ち、次のステップについて確信がなく、前方にある仕事の巨大さにほとんど圧倒されているこの荒々しいときにあって、然りである。
 わたしたちは古の隠遁地から出て来て、わたしたちの思考とステップを苦闘する兄弟たちの援助に向け直す。すべてが失われているのではないことを、人間が彼らの生活を組み立てるために他のより良い方法が存在することを、和合と幸福は正義と自由から生じることを、分かち合いは和合の自然な行為であり、すべての人間の苦しみへの単純な答えであることを、模範によって示すために。
 人類はわたしたちが与えねばならない叡知の贈り物を欲しなければならない。偉大なる法がそれの強制を許さない。であるから、人類は彼らを取り囲む危険をはっきりと見て、決断と選択をしなければならない。
 人類に案内(指導)が必要なことは議論の余地がない(多くの者がそのことを否定し、あるいはそれを見つけることができるということを否定するのだけれど)。そしてこの案内(指導)を、マイトレーヤ御自身が人類に提供されるであろう──彼らに考慮し、賢明に分別してもらうために。
 それに応えて、人類は彼ら自身をひとつとして見なければならない。自由と正義を阻む古い障害物は捨て去られねばならない。すべての者が地球の豊かな贈り物を分かち合わねばならない。すべてが信頼という言語を学ばねばならない。われわれの住処である地球という惑星を大切に看取り健康を取り戻さねばならず、その空気と土壌と水を浄化し、再び人間にとって安全なものにしなければならない。
 これらが惑星の安定とその住民の健康にとって緊急に必要な条件である。一旦それらが採用されたならば、もはや過去の無秩序に戻ることは決してないだろう。人間は、貧困や戦争、搾取や残酷さ、腐敗や不正義に別れを告げるだろう。
人類は彼らの兄たちを熱心に見習い、そして愛と平和の道を歩むだろう。
 今のこの時を決断の時と見なしなさい。すべてが、マイトレーヤの勧告に対する人間の反応にかかっている。あなた方の兄であるわたしたちは心配しているわけでも、悦に入っているわけでもない。マイトレーヤと人類の両方が直面する巨大な仕事をわたしたちは知っている。わたしたちはまた「いのちのしるし」の読み方を知っており、恐れてはいない。これを読んでいるあなた方は恐れることなく、地球の復興がすぐ近くにあるという事実を、過去の不正は衰え、それとともに古い統治法が衰えつつあるという事実を、広く知らせなさい。新しい案内は人間のための道を示すためにここにある──古の、しかしいつも新しい指導が人間を山頂へと連れて行く。
(SI誌、2006年7-8月号)

霊性―第二部

1982年1月に発行されたシェア・インターナショナル誌創刊号のためにベンジャミン・クレームによって書かれたこの記事に回帰することによって、新年と本誌第40号を始めることは適切であるように思える。以下はその記事の第二部である。この記事は、今日緊急に必要とされる霊性(スピリチュアリティ)の統一的で広範囲にわたる定義を提供している。霊性は、世界が現在直面している多くの危機を解決するにあたっての鍵を握るからである。ベンジャミン・クレームは記事の中で、霊性についての私たちの理解を広げ、そうすることで人類のための前進の道を指摘している。霊性についてのこの新しい見方は、私たちが創造する必要のある新しい公正な世界の実際的な基盤となることが期待される。

霊性ー第二部
ベンジャミン・クレーム

三重のリアリティ=霊と魂と肉体人間=としての人間の本当の特質について、そして再生誕の法則との関連における原因と結果の法則について、人類を再教育することによってのみ、魂としての人間の本当の表現が可能となる。

 これがわれわれの新しい機構を条件付ける。すべての人間が聖なる存在であることを把握するまでは、内的神性を堕落させずに十分にそれに応じることのできる制度を、築くことはできないだろう。今日、教会は、大体において、彼らが自ら語っている神性を堕落させた。なぜなら、彼らは非常に独断的、教理的になっており、その教義や教理において非常に分離主義的になってしまったので、神についての宗教的概念の基礎── 共通の父を認める故に、すべての人間の友愛の必要性── であるべき寛容と善意、兄弟愛の感覚を失ってしまった。これが政治の分野に適応されたとき初めて、われわれの機構はこのリアリティを反映するだろう。
 同様にして、経済の分野において、至るところに住むすべての人民が地球の物資を共に分かち合うことができるような原理を設けなければならない。今日の世界の最大の分割は産業国の北半球と第三世界の南半球の間にある経済的格差である。世界の3分の1の人口が世界の食糧の3分の2と、世界資源とエネルギーの少なくとも80%を乱用し消費し、他方第三世界はその残りで賄わなければならない。この不均衡の中に潜む緊張がわれわれを容赦なく破局に追いやる。これらがブラント委員会の調査結果の中心的なものである。この報告書『北と南 生存のための戦略』は、経済の不均衡の中に潜む危険を認知する。至るところに住むすべての人間が、人間家族の完全に受け入れられたメンバーとして自由に食べて生きることができるまで、世界に正義はないだろう。正義がない限り真の平和はない。もし今日世界に真の平和がなければ、世界に未来はない。
 今、われわれは本質的に霊的危機に直面しているのだが、それは政治や経済の分野を通して表面化している。であるから、マイトレーヤは政治と経済の領域内で働く決意をされ、そして分かち合いの原理を強調され、それが人間の未来のすべての進歩への鍵であると言われた── 「分かち合うとき、あなたは兄弟の中に神を認める」。「人間は分かち合うか死滅するか」。分かち合いは聖なる原理である。すべての機構はその内的神性を反映しなければならないことを認めるまで、われわれは進化の旅路において一歩も先へ進めないだろう。われわれがそれを認識するや否や、全く新しい状況への扉を開く。
 偉大なるスペインの詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカが飢餓の終止について述べた素晴らしい声明がある。「飢えが地上から除去される日には、世界がかつて知ったことのない最大の霊的爆発があるであろう。その偉大なる革命の日に世界中にどっと沸き上がる喜びを、人類は想像できない」
 これは非常に大胆な主張に思えるかもしれない。しかしこれは、豊かなる世界において飢餓を除去することが人間の神性への最初のステップであることを認識したものであると信じる。なぜなら、それは人と人との間の正しい関係への最初のステップであるから。人類は一つであることを認めて、世界の資源をすべての人間の間で分かち始めるや否や、われわれは神となる道への最初のステップを踏む。
 そこに新しい経済機構の本質的な霊性が横たわる。それは分かち合いに基づかなければならない。なぜならそれは人間の神性に基づかなければならないから。分かち合いは聖なる活動であり、世界の資源の分配よりもさらに先へつながる── われわれは皆、神性を分かち合う。われわれは実にすべてのレベル── 肉体、感情、識心、直観、社会── において一つである。これらのすべてのレベルにおいて分かち合うことができる。
 政治的経済的活動は人類の再生誕のために重要であるのみではなく、偉大なる霊的運動であると考える者たちと、政治は汚らわしい言葉であり、経済は貧しい者たちのみが扱うことであると思う者たちとの間に、非常に大きな分割が存在する。今日の「ニューエージ」のグループの中にさえ存在する。いわゆる「霊的」な人々の、世界の何百万の飢えたる人々に対する見方の無神経さに、私はしばしばぞっとさせられる。奪われたる者たちの苦境は彼らの「カルマ」であり、彼らはレッスンを学んでいるという言い逃れを非常にしばしば聞く。単純な、真っ直ぐな、普通の人間の思いやりが彼らの福利に関心を持たざるを得なくすると、私は思うのだが。
 政治、経済、科学、文化、教育は、精神生活のすべての面を宿すものとして、間もなく人類の基本的霊的努力となるだろう。宗教集団やいわゆる「霊的」集団や「ニューエージ」グループは霊性の独占権を持たない。実際、いわゆる密教やオカルトのグループは、すべてのグループの中で最も惑わされたものであると、ジュワル・クール覚者は言われた。私も、これらが最も効果の少ないグループであることを知った。世界における本当の変化は、意識の本当の転換は、政治経済前線で行われている。政治的、経済的変化を通してこそ、すべての人間に内在する霊性の反映を可能ならしめる制度が再建されるだろう。精神生活の道はすべての人間が歩むことのできる広く多様なものであることを、マイトレーヤが示されるだろう。人間生活のあらゆる努力の中に、あらゆる分野の中に、神についての認識と知識が感じられ、表現されるだろう。すべての者が一瞬一瞬のこの体験についての彼らの認識を、分かち合われた体験の結果として生み出される多彩な模様の中に、貢献することができる。

表紙の絵── ベンジャミン・クレーム

「ビジョン」(1961年)

「この絵は、オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)が述べたことに基づくインスピレーションの結果である。ファン・ゴッホは素晴らしい手紙を書いた。絵を1枚も描かなかったとしても、彼は手紙だけでも人類史において地歩を得ていたであろう、と私は考える。彼の手紙は、特に弟のテオに宛てたものは、私が読んだことのある手紙の中で最も雄弁なものの部類に入る。そうした手紙は人類への愛や深い内面の探究心を伝えているほか、自分自身や自分の行動、自分の生活を通して、そして何よりも自分の作品の中で、キリスト原理を表現したいという切望を伝えている。彼が絵画にたどり着いたのは後年になってからである。わずか10年で全作品を完成させており、途方もない集中力をもって制作に励んだ。
 彼は未来の芸術について考え始めていた。それについて彼が書いたものを読んだとき、私は未来の芸術についてのイメージを得た── これ[絵画]は、私が見たビジョンである。中心には宇宙の火、内的な霊的火があり、卵の形をした宇宙の形態、つまり「宇宙の卵」がそれを体現している。その宇宙の卵は、私が祭壇の形と考えるものの上にあり、ある媒介を通して人類に捧げられているかのようである。それはたぶん、宗教という媒介かもしれないが、この場合は芸術という媒介である」
──ベンジャミン・クレーム

(編注:これは、新しい作風を模索する、ベンジャミン・クレームの最も初期の作品の一つである)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

永遠に続く

編集長殿
 2002年9月11日の朝8時から9時半の間に、仕事の前半分を終えたので、バック通りから、よく訪れている聖母聖堂の奇跡のメダル礼拝堂まで、散歩することにしたのです。私は38番バスに乗って、ポール・ロワイヤル天文台バス停まで行き、そこで91番バスに乗り換えました。ラッシュ時だったのでバスは満員でした。バスに乗り込む時、3メートルほど離れた別の乗客と目が合いました。
 私はドキッとしました。次に思ったのは「何てこと、あの男性はすごくきれいだわ!」ということでした。息が止まるほどの美しさだったのです。その男性はパキスタン出身のようでしたが、服装はヨーロッパ風でした。彼は黒いスーツに白いシャツを着て、ネクタイをしていました。タイの色は覚えていません。非の打ち所がない装いで、頭には黒いターバンを巻き、正面に白い小さなバッジが付いていました。
 その出会いは5分から10分程度のものでした。私は一度ならず、二度、三度彼を見ていました。彼はじっとまっすぐに私の目を見たことはありませんでした。私に向かって何か言ったりもしませんでしたが、彼の眼差しは強烈で鋭いものでした。
 私はついに目を伏せて、バスから降りる準備をしました。通りで一人になると、この朝の絶世の美男子に有頂天になりました。つかの間の予期せぬ出会いでしたが、一日中頭を離れず、その姿について手紙を書いている今でもなお心に残っていて、私の記憶に刻まれているのです。「ああ、彼はとても美しかったわ、あの見知らぬ人、厳格さを帯び、慈悲の合わさった恩寵あふれる姿だったわ」と言い続けていました。この並外れた男性はどなたでしたか。
マリー・ジョゼ・ヌクアヤ
フランス、イブリー=シュル=セーヌ
【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がイエス覚者であったことを確認した】

次の2通は同じ人物からのものです。

動物の魔法

編集長殿
(1)数年前に私の現在(*)の仕事に関係のある夢を見ました。その当時、3年半の間無職で、子供たちと私は金銭的に非常に困窮していました。
 夢の中で私は動物園にいて、大勢の人々と一緒に立ってヒヒの群れを見ていました。一匹のヒヒが他のものより目立っていて、彼はテレビの私の好きなアニメの一つに出てくる、ヒヒのキャラクターにそっくりだったのです。
 近くにいた人たちは、そのヒヒを滑稽だと思い笑っていました。私はなぜ笑っているのか彼らに尋ねました。彼らにはそのヒヒがマイトレーヤだとわからないのでしょうか。
 まるで私がテレビのクイズ番組で賞金を勝ち取ったかのように、そのヒヒが勝利のポーズを取って、毛皮の中から一通の封筒を取り出して私に手渡してくれました。その封筒を受け取った時、開けなくても私にはお金が入っていることがわかり、正確な金額も知っていました。
 その翌日、ある団体から電話があり、そこは半年前に私が仕事の応募をしたところでした。電話の女性が言うには、彼女が自分の机を片付けたところ、私の履歴書が見つかり、ユトレヒトにある人権団体での、私に良い仕事を知っているということでした。彼女は面接委員会のメンバーで、その仕事のための面接に私を呼んでくれました。私は出かけていき、仕事を得たのです。二度目のミーティングで私の給与について話し合われ、頑張ってみましたが、私が封筒の中に『夢見た』金額の給与を、新しい雇い主から引き出すことはできませんでした。私たちは100ギルダー(2002年までの通貨、約12,000円)少ない金額で同意しました。
 最初の1カ月の終わりに、私の最初の給与小切手を受け取る時、計算を間違えたため、初めの同意額よりも100ギルダー多い額を受け取ることになると、上司から伝えられました。夢の中で、『ヒヒの』封筒にあったとわかっていた、きっかり同じ金額だったのです。
 信頼はしばしば報われるという、私の考えは正しいでしょうか。この夢はマイトレーヤによって与えられましたか。
【ベンジャミン・クレームの師は、両方の問いがそのとおりであると確認した】
(*編注:この手紙は2004年10月に受け取ったものである)

高揚感

(2)2004年11月の嵐の金曜夜に、私はユトレヒト中心部の職場から夜遅く帰りました。私の車を駐車した郊外までのバスに乗るため、バス停まで歩いていましたが、バス停に着くとバス運転手がドアを閉めて走り去ったのです。私は疲れていたので、これはひどい出来事でした。私はすっかり参ってしまいました。
 その時、赤のオペル・カデット(私の家族はしばしばこの類の車の冗談を言っています)が止まりました。運転手が窓を開けて、一部始終を見ていたと言い、車に乗っていくか尋ねられました。一瞬の躊躇もなく、私は彼の隣に乗り込みましたが、彼は作業服を着た建設業者でした。彼はその道を毎日車で通っていると言い、すぐの角を曲がった所に住んでいると言っていました。それから私たちは、ほとんどの人々がいかに配慮に欠けるかについて話して、人が他の人々の必要について考え、共感を持ったなら、苦しみはもっとずっと少なくなるだろうという話をしました。
 その夜の夕食の間、私がこの体験について子供たちと話をすると、彼らの反応(彼らは赤の他人の車に乗ってしまった私を怒っていました)を目の当たりにして初めて、それがとても奇妙なことだったとわかったのです。
その『建設業者』はマイトレーヤでしたか、なぜ私はあれほど怖くなかったのでしょうか。
エレン・ベルナルズ
オランダ、ブラリクム
【ベンジャミン・クレームの師は、その『建設業者』がマイトレーヤであったこと、そしてそのために手紙の筆者が怖くなかったことを確認した】

読者質問欄

Q 私は奇跡よりも実用性とロジスティックス(物流)について話したいです。何兆トンもの食料と水を開発途上国にどうやって移動させますか。世界のある地域から別の地域にどうやって動かすのですか。
A 覚者方は、彼らの機関──彼らの弟子たち、経済や経営の分野での多くの経験を積んだ男女──を通して、関連する計画の数多くを長年かけて作り上げました。そのいずれもが世界の再分配の問題を解決するでしょう。世界の問題、経済問題は、実際には分配と再分配の問題です。それ以外ではありません。
 様々な計画がありますが、覚者方が最も望んでいるのはこのようなものです──私たちはそれについて聞いたことがありませんが、このようなものです。国連の新しい機関が設立され、資源の再分配のみを扱い、覚者(または少なくとも第3段階のイニシエート、かなり進化した個人)の監視下で、それが適切に、腐敗などなしに行われるかを確認します。
 それから各国が自国の生産物と輸入すべきものの目録を作るよう要請されます。このようにして、すべての情報がコンピューターに入力され、世界の資源の大きさとそれがどこにあるかという、世界のケーキの大きさが分かるようになります。どの国家が何を過剰に持っているかが分かり、各国が余剰分を世界全体のために信頼して譲り渡すよう要請されるのです。そして大きな余剰を持つ大国はより多くを共同積立に入れることになるでしょう。

Q それにはどのくらいの期間がかかりますか。時間的枠組みはどうなりますか。
A 私の理解では、この過程が完全に終了するには、約3年かかるでしょう。3年間で、世界資源の分かち合いの過程は当たり前のことになるでしょう。

Q 費用についてはどうですか。
A 費用はありません! 特定の物資を輸入する代わりに物資を交換することになります。その経済費用とは何でしょうか。分かち合いの過程においては、相互交換であり、費用の中で与えたり受け取ったりするものではありません。非常に洗練された物々交換の形態が現在の経済制度に取って代わるでしょう。
 私の言うことを信じるならば行動しなさい! 行動の機会は常にあります。デモが行われるたびに参加しなさい。デモを行い、声を上げ、信じることを言いなさい。正義を信じること、正義と平和を達成するための唯一の道は分かち合いであること、平和への唯一の道は正義と分かち合いであると訴えなさい。あなたは行動しなければなりません。人間はそれをしなければなりません。マイトレーヤは以前こう言われました。「新しい時代のすべての煉瓦とすべての石は人間自身によって置かれなければならない。私は計画の設計家にすぎない」。彼は言われます。「我が兄弟たちよ、あなたがたが、真理の宮殿を喜んで築く者たちである」。真理の宮殿とは新しい文明のことであり、私たちはそれを作らなければならず、それを始めるには自分の信じることを伝えることです。私の言うことを信じるならば、それを知らせなさい。それが長年私のしてきたことです──知らせることです。私はそれをするよう求められたのでそれをしました。あなた方が私に求めたので、今私はあなた方に求めます。あなたがこれを可能性としてでも信じるなら、それを伝えなさい。あなたの信じるレベルで──100%、50%、5%だろうが──どんなレベルでもいいから、それを知らせなさい。大切なのはそれを伝えることです。

2020年12月号目次

 

覚者より
大計画は進む
ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

視点
「重大なニュース」:
47の信仰団体が化石燃料投資から撤退する
ジュリア・コンリー

『ニワトリはアヒルの卵を産めない』
新型コロナウイルスはどのように気候危機を解決できるのか
グレアム・マクストンとバーニス・マクストン・リー共著
フェリシティ・エリオットによる書評

フランシスコ教皇は市場資本主義を非難し、人間の連帯を要求する
グラハム・ピーブルズ

思いやりと楽観主義
ダライ・ラマ法王の思慮に富む言葉

米国人の半数がマイトレーヤの優先事項を支持する
シェア・ギルモア

「最初の大きな一歩は、ただ目を閉じて想像することでした」
ポーリン・ウェルチによる映画批評

キス・ザ・グラウンド―気候変動の解決策は私たちの足元にある
エリッサ・グラーフ

時代の徴
世界の至るところに光の徴

非暴力コミュニケーション
ドゥニャ・ミュラーによるマーシャル・ローゼンバーグ博士へのインタビュー

霊性――第一部
ベンジャミン・クレーム

弟子の属性
アート・ユリアーンス

バンクローリング・エクスティンクション:生物多様性の破壊に手を貸す銀行
ケニー・スタンシル

編集長への手紙
真の変化を生む力 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム