“野蛮な”時代の終わり

この特異な時代において、世界は明らかに相容れない対立する両極に極化している。同時に、分割に橋を架け、癒しの過程を始める唯一の可能な方法は、人類が自らをひとつとして見ることである。ベンジャミン・クレームの師による次の記事は、諸問題と解決策の両方を明らかにし、描き出しており、そのようにして前方への道を指し示している。

“野蛮な”時代の終わり

 ──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記 

人類が今のこの時期を振り返って、“野蛮な”時代と見るようになる時が来るだろう。現在のこの死にかけている文明は可能な理想からあまりにもかけ離れているので、未来の人類は、われわれが一体いかにして、しかもこれほど長い間、それを持続することができたのか不思議がるだろう。

この悲しい状況には多くの原因と要素が含まれている——人間の人間に対する関係の、長い、ゆっくりとした頽廃が、ますます精巧になる武器の開発と並行しており、またそれを反映している。大陸を飛び越して殺戮することのできる現在の武力を、人間は大得意とするが、それは自己破壊への盲進を確実なものにする。戦争は冷徹な非個人的なものになった。もはや戦士は犠牲者(敵)の顔に恐怖の脅えを目撃する必要はない。

この状況の中で、政治経済の制度が、人間の生活の泉からの疎外感の増大を反映するのは不思議ではない。商業至上主義、すなわちあの急速に発展した、しかし陰険な、しばしば隠れた脅威が今や数え切れない何千何百万の人間の生活と運命を支配する。そして人間の天与の個人性を取るに足らないものにしている。今や人間は統計にすぎず、そこには人間の目的も必要も考慮に入らず、人間は市場エネルギーと企業の利潤というチェスゲームのポーン(歩)の駒である。

われわれが現代世界と呼ぶところの荒涼たる砂漠は、人間を人間らしくするもの、すなわち幸せや、創造的な充足感、お互いの必要に速やかに反応する特質、自由というものを人間から奪う。破壊的な競争は人間の精神を腐食させ、そして今や、人生の“戦い”の審判の座にある。人生、すなわち「偉大なる冒険」は腐敗し、単なる生存のための苦しい不公平な苦闘に置き換えられた。

これらの悲惨な状態がすべてに同じように存在するわけではないのは確かだが、しかし膨大な数の人間にとって、それは彼らの生活の現実を表している。そして人間が方向を変えない限り、それはますます悪化するだけである。

マイトレーヤが世界の舞台に公に入って来られるとき、そのような苦痛と苦闘の人生は必然ではないことを、それが人間の唯一の選択ではないことを示すだろう。人間がそれを意志するならば、彼らの生得の権利として他の道があることを示すだろう。

混乱とますます増大する貪欲の直中にあって、人間はすでに、人生の聖なる絆をそのように弱めるものに抵抗しはじめていることを、マイトレーヤは示すだろう。そして大きな新しい力(エネルギー)が新しい始まりを生じさせており、現在の混迷の中から、時代の挑戦に対処し、困難に打ち勝つために、生まれ備わった人間の能力がより高位に、より本当のすがたで徐々に現されつつあることを示すだろう。

マイトレーヤは人間に、彼ら自身の高位の出所と運命を思い出させるだろう。そして新しい生活方法の創造を、融和のうちに、正しい人間関係の中で、戦争や競争の手段に訴えることなく、完全な協力と相互尊重の中で生きる道を鼓舞するだろう。そのようになるだろう。

19994月号)

 

人権、真理、法の支配——選集

Human rights, truth and the rule of law──a compilation

 

「人権、真理、法の支配」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』と『シェア・インターナショナル』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 

今日、変化の必要を認めてはいても、まだそれに抵抗する者が多い。古き使いふるされた過去の世界がくずれていくのに気づいていながら、なお古い形態にしがみついている者が多い。しかし国々に新しい声が聞こえる──希望と約束をはらんだ真理の声が、新しい時代の声が。この声は人々の心に刻みつけられていく、次第に強さを増しながら。なぜならこの声は、人間を通して語る神の声であるから。

(『いのちの水を運ぶ者』第12信、p.53)

 

かつてほとんど奴隷でしかなかった何百万もの人間は、もはや彼らの(割り当てられた)運命を我慢するつもりはない。彼らを虐げる圧制に対抗して立ち上がり、より良い生活を要求する。

一方、正義と法の規則についての新しい関心が最近の腐敗と自由放任主義に疑問を持たせ、それらを厳しく非難する。他の人々に対する新しい責任感が、世界中の兄弟姉妹に奉仕しようとする多くの人々の良心をしっかりつかむ。……

……他方、古い秩序は、それ自体の極端な行動によって崖っ淵に追いやられて崩壊する。人々は「貪欲の帝国」、すなわち市場エネルギー(フォース)の暴政、海賊の全盛期の崩壊を目撃している。これからはすべての物事の傾向は「共通の福利」に向かうだろう。共通の福利のために、そしてそれを保持するために働くものは栄えるだろう──それに対抗するところのものは衰えるだろう。このようにして新しい形態と制度が、すべての人間の必要を満たすだろう。

(『覚者は語る』─共通の福利─p.487〜488)

 

私たちは真なる人間になり、分かち合い、そして例外なくすべての人間が可能性を、言葉の最も深遠な意味での霊的可能性を引き出す権利を持てる条件をつくり、物質界、アストラル界、メンタル界、霊的界層において彼らの人生をより良くする準備ができているか。人間が転生してきたまず最初の目的を顕現し、実際に生きることです。私たちがこれを行うのを妨げているのは、主に堕落した政治、経済、社会の構造のせいです。それには心(ハート)の変化が必要です──そしてそれは今起こっていると思います。さもなければ、マイトレーヤはここにおられないでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.307)

 

国家の福祉のためにお金を使う時がやって来た。すべての国家が、すべての民衆が、人々に属する。「イデオロギーの名の下に、神の健康と富を分割する者は、彼ら自身が腐敗している」(1990 年 9 月)

(『いのちの法則』p.220〜221)

 

新しい時代の政治──世界中で政治が急速に変化している。新しい時代の政治は国民による国民のためのものであろう。国際連合は強力な道具となり、より弱い国家のために防衛を提供するだろう。

(『いのちの法則』p.319)

 

世界はすべての者に、金持ちと貧乏人、力ある者と奪われた者、白人と有色人種、すべてに属することを、マイトレーヤは示されるだろう。今日人類が直面する問題を解決するために一致協力した行動が必要なことを明確にし、その解決への道を指し示されるだろう。すべての人間に変化の必要を受け入れることを呼びかけ、至るところにいる人間の正義への願いを活気づけ、彼らの意志を集中させるだろう。このようにして、マイトレーヤは、より良い形態の確立を求めるすべての者を団結させ、それを通して人間の神性が表されるだろう。そしてその民衆の中から、これまで地上で聞かれたことのないような叫びが湧き上がるだろう──正義と真理、自由と平和を求める叫びである。

(『覚者は語る』─未来は招く─p.56〜57)

 

我が友よ、わたしの両手は、あなたがたに差し伸べられている、あなたがたの信頼を求めて、世界の建て直しのためにあなたがたの協力を願って。多くの仕事が行く手に横たわっている。自由と真理のために多くの強打が打たれなければならない。この真理の輝きを裡に宿している者たちすべてに従いてきてもらいたい。そしてわたしの仕事を援けてほしい。わたしの呼びかけが聞こえるまでに、あなたがたの用意が整っているように。その呼びかけは、世界中至るところに居る人間の耳に響くであろう。それは神への呼びかけである。

(『いのちの水を運ぶ者』第26信、p.92)

 

国際連合は世界平和を維持する機関としての本領をゆっくりと発揮しつつあります。現在、国連は世界の警察としての役割を引き受けることを嫌っており、至るところの政府は必要とされる犠牲を払うのを躊躇しています。しかし、世界平和が分かち合いと正義の実施を通して保障されるようになるまでは、国連はそのような責任を引き受けなければなりません。国連の将来の役割は、世界政府になることではなく、世界議会になることです。そこで問題は議論され、平和のうちに解決されるでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.100)

 

多くの者が、もうすぐわたしを見、わたしの言に耳を傾け、わたしの先導に従う。あなたがたは、まっさきにこれをなす者たちの中にいるように、そうすることでわたしの共働者となれるのだ。そのような者たちをわたしは非常に必要とする。この世界の復興を願うわたしの望みを分かち合う者は大勢いる。その人々を探して、一緒に働きなさい。共に光の要塞を築き、兄弟たちのために道を照らしなさい。じっと座していることなく行動しなさい、そして真理の時を復興しなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第33信、p.110)

「善」と「悪」の間の葛藤は、「光の勢力」による勝利であることが、ますます明らかになっている。人間のハートとマインドを勝ち得るために大昔から続けられてきた苦闘の中で、「善」の側が徐々に優勢を占めている。世界に存在する緊張と分裂を見るとき、これは驚くべき主張に思えるかもしれない。しかし実際にそうなのである。あなた方が、世界とその出来事を、わたしたち人類の兄たちの視点から見ることができれば、途方もない変容を遂げつつある世界が見えるだろう。すべての側において古い体制が崩壊しつつある形跡がある。往古の憎悪が人々を分割し、無法がはびこる。しかし、至るところで新しい精神が人間の中に目覚め、あらゆる形態の生命に対する新しい責任感と新たな敬意が目覚めつつある徴が見られる。……

……新しいものを顕現するために、すべての分野において、人々はグループを形成している。愛と必要の精神に鼓舞されて、彼らはより簡素な、より健全な世界を心に描く。現在の不均衡と緊張の中から正義と融和が育たなければならないことを知る。自分たちが聖なる存在であり、変化の奇跡を行うことができるのを知っている。

(『覚者は語る』─勝利は保証されている─p.83〜84)

 

現在の政治制度は力と信用を失いつつあり、究極的にもっと民意を代表するような新しい政府のあり方が誕生するだろう。新しい時代には国民は前面に出て来て、自分たちの社会、政治、宗教、教育の面における必要をすべて表明することができるだろう。そして彼らは自らを、そしてまた自らの慈悲の心を他者への援助という形で表明するようになるだろう。一般市民、知識人、教育者その他あらゆる階層の人々が政治の中に彼らの声を本当に反映する代表がいることを発見するだろう。

過去の歴史を繰り返すことのできる政治家は今やいないだろう。分割して統治するという政治は終わった。分割的政治の術は終わりにきた。そして調和を重んじる新しい政治のやり方が間もなく後を継ぐだろう。新しい政治はもはや資本主義とか社会主義とか「何々主義」によって形作られるのではなく、個人や国家の自己尊重からつくられていくだろう。

新しい政治家は知識人であり、進化の法則を知り、彼らの同胞を賢明に導く経験豊かな人々であろう。宗教と政治の両方の分野において、人々の心(マインド)にイデオロギーを押しつけることによる強制や強要のプロセスは世界中で解消している。合意がそれに取って代わるだろう。国民の声はすでに耳を傾けられ始め、この代表政治の形態がイデオロギーを通して大衆をコントロールするやり方に取って代わるだろう。すべてが非常に急速に動いているので事態は政治家の手に負えない。新しい政治の時代が始まった。認識が人々を自らの基本的人権に目覚めさせ、自由とそして自らに対する、またお互いに対する責任に目覚めさせている。

すべての国の憲法は究極的には自由と解放と救済という三つの原則に基づくものになるだろう。自由は個人的レベルで作用し、解放は国家的レベルで作用し、救済は霊的レベルで作用する。

(「マイトレーヤの教えと予報」『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.120〜121)

 

世界中に起こっている強力な出来事──今は毎日のように起こっている──は、死滅しつつある文化の死にぎわを目撃しているのであり、そしてそれは暗に新しい文化の創造を意味するという認識を人々の裡に目覚めさせている。

新しい文化がどのような形を取るかは、大体においてまだ漠然として実体のないままであるが、一つの要素はすでに大衆およびメディアの心に刻みついている。つまり民衆の声の増強とその声を聞こえさせようとする決意の増大である。これがわれわれの時代の最も重要な政治的出来事である。世界を通じて、各国の国民が自分たちの運命をコントロールしつつあり、自分たちの権利を要求しつつある。人間の神性に本来備わった特性である自由を求める裡からの呼びかけがあらゆる人種、信条の人々を団結させており、その声はますます高まりながら反響を起こし、また反響を呼んでいくだろう。圧政の最後の砦が崩壊し、人間が生得の権利を受け継ぐまで、それはこだまするだろう。これがすべての人間の待望する未来である。

(『覚者は語る』─民衆の声─p.329)

 

善意の人々が集団をなして、正義と平和への希望と夢を高く掲げて振り回すだろう。この叫びが世界の諸国に真理の松明に火をつけるだろう、そしてその中心にわたしが居る。わたしの真理のために、あなたがたの心を開きなさい。わたしの愛のために、あなたがたの心を開きなさい。その愛をあなたがたの周りに顕現し、いのちの意味を悟りなさい。そしてあなたがたを神として顕すことのできるような形態を創造しなさい。我が友よ、喜んでこれをなし、あなたの遺産を受け継ぎなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第135信、p.407〜408)

 

世界的相互依存というリアリティ(現実)がわれわれの認識の中で確立された事実となるだろう。そうなる時「すべての人間は兄弟姉妹である」という事実が制度機構や実際的活動計画の中にますます取り入れられて、この実体を反映するものとなるだろう。諸国家も同胞愛、共通の目標、共通の抱負を体験することができ、そうなるだろう。

国家政権は長期にわたって存在するだろうが、責任はだんだん国際連合によって遂行されるようになるだろう。兵器や武器が監視の網の目をくぐり抜けて紛争を激化させることがないように保証する役割を、国際連合は効果的に果たすだろう。それはオブザーバーや監視者として機能するだろう。国際連合は強力な中心となりつつあり、もはや「名ばかりの存在」ではない。

(「マイトレーヤの教えと予報」『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.121)

 

国家が大人になり成熟すると、他の諸国に対して、それまでとはまったく異なったかかわり方をする。その国は、相互の責任と必要についてすべての国家を結び付ける「法の規定」を尊重しはじめる。成熟していることの徴はまさに法に対する尊重の姿勢である。法は人間が共に生きるために必要と考えられたものである。

時々、一つの国家が非常に強力になり、その権勢への野望をいらだたせる法を無視して、友好国からの抑制を求める警告にもかかわらず、戦争を始めることができると感じるかもしれない。

唯一の‘超大国’としてのアメリカ合衆国が今日、そのようであり、「法の規定」の外での一方的な行動の愚かさを知ることができるまでに成長した、より成熟した国々の国民を怒らせ、心配させている。

若い、自信過剰な‘超大国’はその筋肉をひけらかしながら、度を越してしまうだろう。そしてそれが早く起これば、それだけ世界にとってはより安全だろう。……

……諸国家の間で、「法の規定」が無視されるとき、世界全体が苦しむ。かくして、今日、この無益な軍事力の誇示が、テロ行為や暴力に何の関係もない何百万の人びとに影響を及ぼしている。ストレスのもとで人間の免疫組織が破壊されるにつれて、世界は今、あらゆる種類の伝染病と苦闘している。戦争挑発者は、彼らの愚劣な行為のカルマの結果を考えたならば、行状を改めて、他の進路に狙いをつけるがよかろう。

マイトレーヤは、その間、この不調和の状況を注意深く監視しており、必要ならば、介入する用意があり、可能なときに出現する用意がある。マイトレーヤは彼の後ろに立つ者、平和と正義、自由と愛を貴重に思う者の究極の勝利を疑わないことを念頭においておきなさい。マイトレーヤは、これらが人間存在の主動因であることをご存じであり、すべてにおいてこれらに最高の価値が付与されるのを見届けるために来られる。

(『シェア・インターナショナル』2004年4月号、「覚者より」─究極の勝利)

 

わたしの計画は遂行されつつある。わたしの愛は、人の心に新しい様相の火をともし、新しい光の曙が訪れる。わたしの約束はこれである──もうすぐあなたがた自身で、変化する世界を、あなたがたの目の前で変わる世界を見るであろう。古きものは新しいものに道を開ける、そして人は真理の門口に立つ。

(『いのちの水を運ぶ者』第117信、p.351)

 

 

 

囲み記事:

人権

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記、シェア・インターナショナル誌 1984 年 7月号

 

人権の問題が現代の人間の問題の中心にある。過去には、社会構造が個人の生活を支配し、階級制による人間関係が確立しており、すべての者が自分の位置を自覚していた──妻は夫に従い、男は領主に仕え、領主は王の意志に従い、それを実行した。一方、聖職者は神と人との間の仲介として働いた。これらの関係は人工的であり、押し付けられたものであるが、世の中における彼らのアイデンティティー(独自性)と位置を見つけようと苦闘する社会の必要を満たした。

これらは今日すべて変わった。少数の地域ではまだ支配階級が、しばしば市民紛争や戦争という代価を払って古い形態にしがみついているが、その他の地域では人々は自分たちの自決権を主張した。正しい統治のための責任を引き受け、種々の代表制制度によって自分たちの意志を表明することができる。人々は自分たちの生活に影響を及ぼす決議に対して、これまでにないほど、より一層の参加を要求する。

この新しい自由は一連の緊張を引き起こし、その解決が待たれる。至るところでより多くの自由を求める叫びが響きわたる──そしてまた、現在の構造を維持しようとするグループから秩序と法の支配を求める叫びが同等にきしめき返される。これらの対立したグループの目標を調和させるためには、全く新しいアプローチ(取り組み方)が必要である。そのような調和を達成することは、遅々とした困難な仕事であることを受け入れなければならない。多くの矛盾し合う見解が調停されねばならないことは自明である。しかしながらこれらの問題の解決を待つかたわら、幾つかの基本的原則、ガイドラインを敷くことは賢明であろう──それなしでは、問題は手に負えないように見えるかもしれない。

最初に考慮すべきは社会を支配する法則が公正であり、すべての者に適用すべきであるということである。そのような基本的な正義と公正なしには、人々に法律を守ることを期待できない。今日しばしば「金持ちのための法律と貧乏人のための法律」が存在する──これは社会紛争の処方箋である。さらに必要なことは、法律が、すべての者が知り得て理解できる言葉で表現されることである。全く時代遅れで専門家しか知らない法律を犯したという罪によって、人が投獄され、裁かれることがしばしばある。

最大の必要は、個人の利益と社会の利益とをより密接に同一視していくことである──それによってのみ、個人の自由と社会の安定を保持することができる。いかにすればこれを最大限に達成することができるか。

国際連合の機関が人権の規約を公式化した。もしそれが実施されれば、現在の社会緊張を解消し、公正な安定した社会の基礎をつくるのに大いに役に立つ。世界のすべての国に住む、搾取され、公民権を剥奪された何百万の人間にとって、これまでのところ世界人権宣言は夢にすぎない。目標はできる限りのスピードでこれらの基本的権利をすべての国家に確立することである。

分かち合いの原則を受け入れることによってこれは可能となる。人間はもはや、働くための権利、家族を養うための権利、自分の運命に対してある程度のコントロールを持つ権利、これらを得るために戦う必要はなくなる。分かち合いの受け入れは、一挙に分割を癒し、対立を終わらせ、現在の状態の病を癒し、人間を落ち込んだ泥沼から救い出すだろう。だから、分かち合いをあなたの努力の目標としなさい。世界は今、歴史上かつてないほどに、この公正な基本的な原則の確立を必要としていることを、人々に示しなさい。これを受け入れることを通してのみ、人間は己の神性を見つけ、それを実証することができるだろう。

 

ゲラード・アートセン著 『ディスクロージャーの前に──憶測の霧を晴らす』

今日、「UFO」という言葉をグーグルで検索すると、地球外の現象についてインターネット上で見つかることに終わりはないように思える。その大部分は恐ろしいものか空想的なものである。地球外の存在が私たちの惑星を訪れる真の意味と目的を解明し識別するには、どこから始めたらよいのか。ゲラード・アートセンは、『ディスクロージャーの前に──憶測の霧を晴らす( UFO研究とエクソポリティクスを学ぶ人々のための入門書)』という新しい簡潔な本を書いた。この本は、人の目を欺くような、いまだに広まっている偽情報の霧を見通し、地球外の存在の根底にある真理を読者自身が識別するのを助けてくれる。アートセンが説明しているように、そうした真理は、人類が共有する知恵の伝統と最新の科学の洞察に裏付けられている。

地球外からの訪問者を十分に理解するためには、実質的に現代のUFO研究の時代の端緒となった 1950年代初期の一連のコンタクトから始めることが必須であると、『ディスクロージャーの前に』は助言している。ジョージ・アダムスキーやウィルバート・スミスのような初期コンタクティーは、肯定的なコンタクト体験しか伝えていない。スペースピープル(宇宙人)によって伝達するよう依頼された明快なメッセージは、アートセンによると、「第二次世界大戦の惨禍のわずか数年後であり、人類が核戦争の新たな脅威に直面していた時期であったので……人類を勇気づけるものでした」。「人類の一体性の表現として」、すべての人の基本的な必要を確実に満たしながら、人類が国際協力を通して平和な未来を創造するように彼らは助言した。アートセンが言うには、こうした証言は「信頼できる出発点となっています。とりわけ、彼らの説明はすべて、多くの顕著な一致点を示しており……当時の世界各地のコンタクティーだけでなく、その後の数十年間に似たような体験を報告した多くの人々による裏付けもあります」。

アートセンが言うには、証拠があるという主張を信頼すべきかどうかを見極めるためには、その主張は「厳密に主観的な体験を越えて一定レベルの真理やリアリティ(現実)を反映していなければなりません。……時代、活動分野、さらには社会階層の違う人々による幾つかの、あるいは少なくとも一つの観点から裏付けられているかどうかも確認する必要があります」。これが特に UFO研究との関連で必要とされるのは、公のコンタクトがなされた後でなければ、有形の証拠は明らかにならないからだと彼は書いている。数十年にわたった偽情報キャンペーンにより、各国政府やその機関によるいわゆるディスクロージャー(情報開示)についても疑問視した方がよい、彼らは地政学的意図のために国民の支持を当てにしているからだと、アートセンは警告している。ひいては、「秘密実験室で働いたことがあったかもしれないし、なかったかもしれない『政府の内部関係者』や『内部告発者』を通して私たちに届く……情報を受け入れることについても十分注意すべきです」と彼は述べている。「これは、その情報が国民の恐怖や混乱をあおったり助長したりするために意図的に植え付けられたかどうかを、決して確信することはできないという単純な事実のためです」

アートセンの以前の著書と同様に、『ディスクロージャーの前に』は、私たちが点と点とを結んで全体像をつかむのに役立つと同時に、「……『真理』とは知覚の問題だ」ということを私たちに思い起こさせてくれる。知覚は、その人の意識の進化段階に依存する。彼はこう書いている。「もし体験に普遍的な価値があれば、その人が人間の努力のどの分野で活動的であろうとも、それは認知され、様々な角度から確認されるでしょう」。彼はそれを「分野横断的な裏付け」と呼んでいる。「この場合は科学と宗教であり、それぞれのリアリティは天文学者カール・セーガンの有名な発言、「私たちは星と同じ物質でできています。私たちは、宇宙が自らを知る一つの方法なのです」を引用している。また、深い洞察に基づいて、「わたしと父とは一つである」という、すべてのいのちの源との同一化を表現したイエスの発言とも関連付けている。アートセンはさらに、ジョージ・アダムスキーがこれと同じ真理を1958年に表明していたことにも言及している。「〔人間は〕自分が万物と一体であることを理解しなければなりません。また現在の肉体中で振動している原子が、物質の創造に際して幾度も利用されており、そのためにその原子が最低の段階の物から大昔に空間へ吸収し返された巨大な惑星の地殻に至るまで、あらゆる物質界の形成に参加したことがあるということを知る必要があります」

アートセンが指摘しているように、人類の霊的進歩と意識の進化は、初期コンタクティーの間で繰り返し取り上げられたテーマである。コンタクティーたちはよく、人類の科学知識は社会的、人間的な発達を上回っているという訪問者たちの懸念を伝えていた。アートセンはこう説明している。「宇宙からの訪問者たちは、意識の進化──ひいては、私たちの道徳的発達──は、技術的進歩に遅れずについていくべきだということをしきりに私たちに伝えたがっています。この方向における最初の一歩は、現在の危機の原因を根絶するために、人類が同胞の人間を包み込むほどに意識を拡大させることです。私たちの分離主義の究極の表現としての競争と貪欲に基づく現在の社会構造は、そうした危機を重大な局面に至らせようとしています」

地球外からの訪問者によるコンタクトの背後にある主要な目的は、人間は宇宙の至るところにいることを実証し、人類の認識を拡大させることであったのは明白である一方、一部のコンタクティーは、地球外の存在が人類史のこの特定の時期に訪れていることの別の、もっと顕著な理由についてほのめかしてきた。アートセンはチリのコンタクティー、エンリケ・バリオスの次の言葉を引用している。彼は1985年にこう言われた。「君たちは地球の進化の決定的な瞬間に近づいているんだよ。団結して『水がめ座の時代』と呼ばれるものをもたらすか、あるいは、自分自身を破壊してしまう、そのどちらかの時点にね」。このメッセージと同じ考えは、イタリアのコンタクティー、ジョルジョ・ディビトント、ジョージ・アダムスキー、ベンジャミン・クレームの言葉にも見られる。クレームは次のように確認した。「われわれが UFOと呼ぶもの(高位の惑星からの宇宙人の乗り物)は、キリスト・マイトレーヤのために霊的な場をつくり、この時のために人類に準備をさせるために、非常に確実な役割を持っているのです。事実、大戦以来、この惑星を保存するのに主要な役割を果たしてきました」

アートセンは、コンタクティーであったウィルバート・スミスの次の言葉を引用している。これはおそらく、訪問者たちが自ら、彼らがここにいる理由を私たちに教えてくれる日を約束したものである。「やがて特定の出来事が起こり、別のところから来た人々を受け入れる用意ができたとき、彼らは相互理解と信頼という共通の基盤に立って私たちと自由に会うでしょう。私たちは彼らから学び、至るところにいるすべての人が心の奥深くで望んでいる黄金時代をもたらすことができるでしょう」

 Before Disclosure(ディスクロージャーの前に)』のPDF版(英語)がゲラード・アートセンのウェブサイト、www.bgapublications.nl. から無料でダウンロードできる。

印刷版も入手可能である(ISBN 978-90-815495-6-17)。

 

 

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、『編集長への手紙』の保留分が非常に多数あり、それらはベンジャミン・クレームによって眼を通されていながら掲載されていない。これからそのような手紙を掲載していくことになるが、何年も前に受け取った手紙もあれば、ごく最近のものもある。掲載された手紙の体験のすべては、ベンジャミン・クレームの師によって、本物であると確認した。

 歩み続ける

 編集長殿

2014年の初め頃、私はロンドン市内を通って家に帰っていました。夜遅い時間で、長い1日の仕事を終えて、疲労感があり、多少気落ちしていました。列車は何かの理由で迂回していたので、帰路を長引かせることになる乗り換えをしなくてはなりませんでした。2番目の駅でプラットフォームへの階段を下りていると、年配で、おそらく80代の男性が非常にゆっくりと歩いているのを見かけました。彼は黒人で、普通の服装にキャップを被っていました。彼より背が高く、もっと若い、60 代くらいの男性が介助して腕を支えていました。人々がいち早くプラットフォームに着こうと足早に通り過ぎていきましたが、どこか無礼な気がしたので、私を含む数人は二人の男性の背後を非常にゆっくりと歩きました。足取りがゆっくりなために、長い時間がかかっていました。

プラットフォームで列車を待っていた間、私がいつもするように列車の先頭へ歩いていくよりも、その二人の男性の近くにいたいという気持ちでした。列車のドアが開くと、私は年配の男性の手助けをしようと、彼のもう一方の腕を支えて車両に乗り込みました。彼は「神の祝福を」と言ってくれました。私は腰を下ろすと、自分が信じられないほど感動していることに気づきました。そのような骨折りをして、彼らが平日の夜遅い外出で、何をしているのか不思議に思いました。その当時歩くのが非常にゆっくりなペースになり、介助も必要な私自身の父親のことが思い出されました。そのことで自分の疲労感というものを、明らかに客観的に見ることができました。彼らは私と同じ駅の、ロンドンの反対側で列車を降りて、再び非常にゆっくりとした足取りで駅を出ていきました。

タラ・クレーム

英国、ロンドン

【ベンジャミン・クレームの師は、その年配の男性がイエス覚者であったことを確認した】

 ローカル・サービス

編集長殿

911日の 10日後に、私は地元の電子通信会社の請負業務の仕事を解雇されました。11月が来る頃まで、私はスランプに陥らないように忙しく過ごしていました。地元の教会のスープキッチンでボランティアをして、教区民の小さなグループに提供していました。30代の男性がいて、「ジョン」と呼ぶことにしますが、食料の準備とテーブルセットのボランティアをしていました。

私たちは35人に食事を出していました。全員が席に着いていた時、ジョンが少しの間席を離れ、また戻ってきました。全員がまだ食事中の時に、ジョンは歩いて回り、皆に10ドル札を渡していました。私は彼の親切にとても驚いたので、この慈善活動から特別の祝福を受けるのは間違いないと彼に伝えました。

私たちが片付けを始めた時に、あと二人の男性がやって来ました。一人は背が高くカジュアルな服装で、もう一人は小柄で様々なスタイルを取り入れた格好で、変わった歩き方の人でした。私が二人に食事と飲み物を出すのを手伝うと、二人は椅子に座りました。私が片付けに戻った時、小柄な男性が私に近づいてきて、「ここの誰かがお金を手渡していると聞きました」と言ってきたのです。私は、ジョンがお金を全部渡してしまい、もう残っていないことをお詫びしました。

この最後の二人の紳士については、どこか場違いなところがあると、私には思えました。このことをその後数日間は考えていたのです。彼らはマイトレーヤとイエス覚者だったのではないかと思っているのです。

アイリーン・ダ・シルバ

米国、フロリダ州

【ベンジャミン・クレームの師は、彼らが実際にマイトレーヤとイエス覚者であったことを確認した】

 庭の訪問者

 編集長殿

もう4年以上も、私は小さな村に住んでいます。2002 5月のある特別な日に、庭仕事を終えて、通りにある庭の門に行きたい気持ちになりました。私が正面の庭の、チューリップが咲いているのを眺めていた時、女性の声で土壌の乾燥か何かについて尋ねているのが聞こえました。庭の門に近づいてみると、年配の婦人と背の高い中年の男性がいました。私は花咲く植物がいかに美しく見えるかを伝え、光の力がより一層効果的になったら良いと思うと言いました。私に気づくと同時に、その婦人が「あなたは信仰の厚い方?」と尋ねてきたのです。

私は少し戸惑っていました。すると再び「あなたは信仰の厚い方?」と聞かれました。それでも私は返事をせずに、ただ微笑んでいました。するとさらに「あなたは信仰が厚い?」と低い声でしつこく質問が繰り返されたのです。

私は心の内に喜びを感じ、ホッと一息ついてから、「はい、そうです」と答えました。その女性は聖書や宗教、私の信仰について話をしました。男性は少し脇に立ったままで、何も言わず、私に向かって心に深く触れるように微笑んでいました。彼は明らかに顔に皮膚病を患っていました。その婦人の外見のあらゆるところが、とりわけて一点の曇りもないように見えました。何か特別なことが起こっているのは明らかでしたが、私にはそれについて考える時間がありませんでした。

彼らが帰ろうとした時、何気ない様子で「あなたはキリストの再臨を信じますか?」と尋ねられたのです。私は返事をしたかったのですが、どうやって素早く返事をしたらよいかわからなくなっていました。それで私は、「すでにこの世に出られていて、私たちの中に常におられるということは確かではありませんか?」と尋ねました。彼らがついに帰ってしまう前に、とても楽しいお話だったと言ってくれました。この会話の後、長い間私は幸せを感じ、楽しい気持ちでした。

二人の訪問者はマイトレーヤとイエスだったのでしょうか。

カルメン・エベル・ヌファ

ドイツ、クラインクラウスニク

【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がマイトレーヤで、女性がイエス覚者であったことを確認した】

 

 

 

読者質問

サンフランシスコ、アメリカ、199511

 Q.過去からの否定的な傾向や抑圧された感情をどうすれば取り除くことができますか。

A.自分が同一認するものを再整列させることによってです。すなわち、私たちが、真我の器である肉体、アストラル体、メンタル体ではなく、真我と自分を同一認すればするほど、否定的な傾向はよりいっそう取り除かれます。否定的な傾向は間違った同一認の結果です。私たちは自分の感じるものと自分を同一認し、その大半は否定的な感情です。痛みや、嫌悪、残酷さや怒りを感じて、それがすべて現実だと思っています。それを当然のものと見なし、現実と考えます。それは現実ではありません。それらはただの感情であり私たちを通り過ぎるものです。あなたは昨日それを感じませんでした。明日はそれを感じないかもしれません。ですから、それのどこが現実(リアル)なのでしょう? 持続しないものであるならば、それは現実(リアル)ではありません。一時的なものです。

あなたがその感情と自分を同一認するなら、それを持続させます。それをあなたの体制の中に取り込みます──例えば、自己憐憫という否定的傾向は世界中に広まっています。自己憐憫は非常に否定的な体験です。それは常に続き、すべてはその個人と関連付けられます。それが否定的な条件をつくり上げます。あなたがそれと同一認すれば、それを強めるだけです。その代わりに、あなたはそれを感じて「それは私ではない」と言うのです。それを体験しているのは誰か? 誰がそれを体験しているのかを見いだしなさい。それが重要なことです。あなたが体験しているのが何かではなく、その体験をしているのは誰かということです。その誰か、つまり真のあなたが重要なのです。

体験の背後にいる真我としてのあなたが重要であり、それと接触すべきです。「なぜ私はいつも落ち込むのだろう」、「なぜわたし自身をこんなに残念に思うのだろう」、「なぜこんなに否定的な感情を持つのだろう」、「なぜ誰も私を好まないのだろう」、「なぜ私は成功しないのだろう」、「なぜ私は英国の王子やアメリカ大統領ではないのだろう」などと思うのではありません。誰もが何らかの形で自分に憐憫の思いを持っています。それはすべて非現実的な感情です。あなたは神であり、すべての知恵と力と神の愛を潜在的に持つ神聖な存在なのです。それはあなたに内在する可能性です。しかし、それは表現されなければなりません。

その表現を阻む唯一のものは、これらの不十分さ、自己憐憫、貪欲、利己主義という否定的な感情です。大きな罪、第一の異端は、分離の感覚です。それが大きな異端です。分離の感覚を取り除けば、すべての否定的な傾向を取り除くことになるでしょう。それは分離されているという感覚と、他の誰もがあなたを貶めようとしているという感覚の結果です。もちろんそれは苦痛なので私たちはそれらの感情を抑圧します。だから私たちはそれらを抑圧するのです。それらが表面に浮かぶのを許しなさい。それらを見つめ、「それは私なのか? もちろん私ではない」と言いなさい。あなたはそれから自分自身を離して、それらは養分が欠如して死に絶えます。

否定的な感情に集中すればするほど、あなたはそれに栄養を与えています。それらにエネルギーを注いでいるのです。あなたがエネルギーを注ぐものは何でも栄養を与えられます。それらから自分を引き離せば、もう栄養を与えません。「それは私ではない。それは私ではない」と言うのです。そうすれば感情とあなたの間に距離が生まれ、次第にそれは弱まって死ぬでしょう。あなたがもうそれらに栄養を与えないからです。それが、抑えつけることなしに感情を扱うやり方です。抑圧は何の益もなく、それに没頭することも同じです。

大半の人々は感情を抑圧するか、それに耽ります。心理学者は、「それを表に出しなさい! 怒りなさい! ドアを蹴りなさい!」と言いますが、それは愚かなことです。大事なのは感情を否定するのではなく、ただそれを見つめ、取り除こうとせず、抑えつけないことです。「私はこれを感じるべきではない。これは間違っている。これは醜い」などと考えないことです。単にそれを見つめなさい。あなたがそれを批難せずにただ見つめるならば、そしてそれに耽ることもなければ、それにエネルギーを与えません。ただそれを見つめ、否定せず、抑圧せず、正しくそれを見れば、それは死にます。あなたを支配することはなくなります。これをすればするほど、ますます否定性との関連は弱まります。そうすればあなたは自由になります。それがもっている唯一の自由です。

 東京、 2008

Q.マイトレーヤは世界を変えてより良い場所にするために来られるのですか。

A.いいえ。それは私たちの仕事です。マイトレーヤは世界をより良い場所にするために来るのではありません。私たちがそれをしなければなりません。マイトレーヤと覚者方は、私たちが正しいことをすればそれを助けてくれます。私たちが「法」を実行すればです。古いパイシス的な過去にしがみつくのをやめ、投資や商業主義や先進開発国としての私たちの相対的な権力やわずかな優越性にしがみつくのをやめればです。私たちは世界中で起こっている人間の苦しみを犠牲にして、それらすべてにしがみついているのです。過去34年の間いつでも、私たちはマイトレーヤを日常世界に呼び寄せて、御自身の正体を公表してもらうことができたはずなのです。

私たちがしなければならないことは、私たちの真の神性への第一歩を踏み出すことだけなのです。神性への第一歩というと、途方もないことに思われます。どうやってそれをするのか。途方もないことに思えますが、全くそうではありません。単純なことです。真実への第一歩、正しい関係の第一歩を踏み出せばよいだけです。なすべきことは、人類を一つと見なし、一つのグループと見なすことです。人類と呼ばれる一つの大きなグループの兄弟姉妹です。肌の色や宗教や伝統などが異なっても、それは単なる表面的なことにすぎません。根本的な真実は、人類の一体性です。マイトレーヤは、分かち合いへの第一歩は神性への第一歩であると言われました。彼は、「分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に宿る神を認知する」と言われます。分かち合いは聖なることです。正義は聖なることです。世界に分かち合いと正義を創造すれば、あなたは神性の中にいます。

 東京、 2004

 Q.マイトレーヤはそれぞれの人間の霊(スピリット)ですか。

A.それが真の彼の姿です。マイトレーヤは、キリストであり、世界教師であり、愛のエネルギーを体現しておられるので、すべての人間のハートの愛の核心となることができます。彼が「わたしはあなた方と共におり、あなた方の裡にある」と言われるとき、これは文字通り真実です。「わたしはわたしであるところのものをあなた方を通して現したい」。これが、私たちがマイトレーヤを必要とする理由です。私たちはマイトレーヤの存在を必要とします;私たちには彼であるところのキリスト原理の存在が必要であり、ロゴスのマインドの中の進化の大計画が正しく働くための生き方を示すことが必要です。

 

2017年2月号目次

   

-覚者より-
裂開の剣を創造する
■ベンジャミン・クレーム筆記2011年9月8日

人類の一体性
■ベンジャミン’クレーム筆記 2008年6月5日

多極的世界を愛することを学ぶ
ジェフリー・D・サックス

マーシャル・プランーアメリカの最も優れた業績

書評
『喜びの書一変化する世界で持続する幸せ』
ダライ・ラマ法王とデズモンド・ツツ大主教との対談、ダグラス・エイブラムズ氏同席
マーク・グレゴリーによる書評

世界情勢
国連世界異教徒間の調和週間2017
学習することの喜びに再び火をともす

「褒美から目を離さないように! その褒美は人類そのものさ!」(後半)-選集
“Keep your eyes on the prize l And the prize is humanity!”一 a compilation

S.O.P.(Save Our Planet)一われわれの惑星を救え!
「これは神の試練です」

時代の徴
スタンディング・ロックの驚くべき出来事

フィンランドの教育
サク・モット
フィンランドの学校における遊びの重要性

世界の窓
2016年の教訓を学ぶ

戦闘時の民間人の保護
ジェイソン・フランシスによるエリザベス・ディクレー・ワーナー氏へのインタビュー

編集長への手紙
特別席 他

読者質問欄
回答ベンジャミン・クレーム

 

裂開の剣を創造する

この特異な時代において、世界は明らかに相容れない対立する両極に極化している。同時に、分割に橋を架け、癒しの過程を始める唯一の可能な方法は、人類が自らを一つのものとして見ることである。ベンジャミン・クレームの師による次の記事は、諸問題と解決策の両方を明らかにし、描き出しており、そのようして前方への道を指し示している。

 

裂開の剣を創造する

——覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記 2011年9月8

 

人間が示すことのできる最高の特質、あるいは最悪の特質を体現する人物が、時々、人類の中に現れる。そのような人物は最も人々に愛されるか、最も憎まれるようになる。いずれにしろ、彼らは通常、大勢の信奉者や帰依者を自分たちに引き付ける。そのような人物は大多数の人間にとって、途方もない磁力的なアピールを持つか、時によっては、大規模の破壊的な力(パワー)を奨励する手本である。歴史の本は両方のタイプの例で満ちている。

今日、両方のタイプについてのたくさんの例が世界中に非常に多く顕現している。この顕現の影響は人類の前に二つの対立する行動路線を置いており、人類の将来を決定する選択について緊張をつくり出している。聖書の言葉を使えば、これは「裂開の剣」である。長年の間、マイトレーヤから放出され、そして方向づけられてきたエネルギーは、そのような対立するものの対決を促そうとしてきた。それは多くの人々にとって確かに不思議に思えるかもしれないが、人類がその将来のために正しい選択をするのに重要なことである。そうでなければ、将来はまさに荒涼たるものであろう。

「裂開の剣」はわれわれが「愛」と呼ぶエネルギーである。マイトレーヤによって振るわれて、それは「兄弟を兄弟に対立させ」、至るところに住む人間のまことの神聖な意識を試す。すべての進化の究極的な目標は地上に「神の王国」を確立することであり、「裂開の剣」は人間にその道を示す。マイトレーヤの教えは単純である。彼の優先事項はすべての人間にとって明らかであるように思えるだろう。残念ながら、そうではない。分かち合いとすべての人間のための正義(公正)の確立、「誰も欠乏することのない世界を、二日と同じ日が繰り返さない世界を、すべての人間を通して同胞愛の歓びが顕現する」世界の創造の必然的な結果として、平静で平和的な活動の将来をマイトレーヤは示されるのである。いかにして、そのような希望のメッセージに反駁することが可能なのかと思うかもしれない。それがすべての人間によって切望されている将来ではないのか。それは大多数の人間によって望まれている将来である、しかしすべてによってではない。人類は進化の梯子のそれぞれ異なった段におり、ある一定の段より上では人間にとってすべてが良い前兆である。しかし、自分たちの神聖な真我についてその程度までいまだ顕現していない者たちが、分かち合いは神聖なことであり、正義と正しい関係は神聖なことであることを認めないのであり、神(神聖)を競争と葛藤として見て、人間の価値を自分の金の重さによって測るのである。

多くの人間が恐れ、苦しんでいる——仕事も将来への希望もなく、彼らは一日一日を苦闘する。しかし、その他の多くの者たちは自分たち自身のための将来をつくっており、そしてまた多くの者たちがその過程の中で死んでいる。世界中で、人々は、自由と正義をその中核においた、より良い生活の可能性に目覚めつつある。恐れるでない、民衆の声は高まっており、接触伝染のようにますます多くの人々に影響を及ぼしている。自由、正義、そして人間の和合という真理のために生きる——あるいは死ぬ——人々の背後にマイトレーヤは立っておられる。若者が道を先導する、そしてその将来は彼らのためにある。

 

人類の一体性

——覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記 200865

 人類が現在進んでいる方向は間違いであり、彼らの将来の幸せにとって無益であり、失敗するよう運命づけられているということを、彼ら自身で気づくときは間もなくやって来る。それを見て、彼らは質問をするだろう:なぜこんなに虚しいのか? なぜ求めている平和を達成できないのか? どこで間違ったのか? そうしてマイトレーヤに注目を向けて、彼の言葉を検討し、彼らの窮状の打開に適切であるかを試すだろう。マイトレーヤの思考の中心的なものは、一体性についての概念であることを発見するだろう。人間は彼ら自身をひとつとして見なければならないことを、各人が和合した全体──人類家族──の部分であり、そして彼らがやることすべてがその一体性を反映しなければならないことを、マイトレーヤは請け合うだろう。このリアリティ(実相)を十分理解し得ないことが、われわれのすべての困難や苦労、不調和や恐怖、葛藤や戦争につながっていると主張されるだろう。「あなたの兄弟を自分自身として見なさい」とマイトレーヤは言われる。すべてのものがそこから取ることのできる国際的な貯蔵庫をつくりなさい。そのようにして分かち合うことによってのみ、世界は再生される、というのがマイトレーヤの教えである。分かち合いによってのみ、人間は自分たちが求める幸福を見つけるだろうと、彼は確言するだろう。分かち合いのみが正義と平和をもたらすだろう。このようにして、マイトレーヤは彼がもたらす真理に向けて人間の思考を導くだろう。このようにして、マイトレーヤは人間に彼らの間違いを示し、彼らのジレンマへの解決法を示されるだろう。このようにして、人間は自分たちの状況をつくづくと眺めるだろう、そしてますます多くの人々がマイトレーヤの助言の真理に気づくだろう。マイトレーヤの導きが、すべての者が心のうちに切望する幸福と平和を達成する唯一の方法であることを、ますます多くの者が知るだろう。それまで恐怖心によって抑えられていた人間は、マイトレーヤの単純な教えが彼らのすべての恐怖と災いへの答えであることを知るだろう。当然ながら、すべての人間がマイトレーヤのうちに彼らが求める導きを見つけるわけではないだろう。多くの者は、まさに、彼の教えの中に、彼らが恐れ、憎むことのすべてを見るだろう。しかしながら、徐々に、彼の単純な真理の言葉に応え、共鳴することのできる人々の熱意が何千万の人々を正義と平和への彼の大義に引き付けるだろう。彼の教えは単純であるが、愛の火がまだ消されていない人々の心(ハート)に浸透するだろう。このようにしてマイトレーヤは世界中で働き、新しいスタートを、家族を平和と調和のうちに育てるための、より簡素でより幸せな世界を切望するすべての人々を彼の側に引き付けるだろう。大宣言の日が地球というこの惑星の新しいスタートのための合図であろう。前例のないその日に、人間はマイトレーヤが言われる一体性を体験するだろう。彼らは、すべての人類が同じ体験をしているということを感じるだろう。その心(ハート)は全く新しい愛のうちに共に鼓動している巨大な家族の兄弟姉妹の一人であることに慎ましい誇りを感じるだろう。共に属しているというこの感覚が彼らを取り巻き、各人一人一人に長い間忘れられていた歓びの涙をもたらすだろう。

 

「褒美から目を離さないように! その褒美は人類そのものさ!」(後半)選集

今日再び、民衆の声が聞き届けられるべき時が来た。今日再び、至るところにいる人々の正義、自由、平和への要求が、無謀な権力を振りまわす者たちの耳に届き、それらが認知されることが不可欠である。

権力のグラマーに取りつかれたこれらの危険な者たちは、戦争の時代は過去のものであり、人類は急速に消えつつある平和と安全を願っているということに気づかなければならない。小さな“ナポレオン”たちに、彼らの権力の日々は終わり、完全な時代遅れであることを、今や力(パワー)は人々の本当の必要に仕える者たちにあることを、知らしめねばならない。

マイトレーヤがこの騒々しい争いの中に入っていかれるとき、日々人間の平穏と落ち着きを消耗させている慌ただしい出来事の中で、最初は、誰も彼に気をとめないかもしれない。しかしながら、間もなく、人々は自分たちの思いと要求が聞き届けられ、自分たち自身よりもずっと思慮深く、説得力のあるマインドによって声を与えられていることに気がつくだろう。このようにして、彼らは勇気づけられ、力を結集し、その要求はよりよく聞かれるだろう。

(『覚者は語る』─民衆のパワーの盛り上がり─

p.601602

 

我が友よ、兄弟姉妹たちよ、あなたが、現在立っている位置を検討しなさい。あなたは、わたしと共に祝福された愛の島に行く用意がありますか。あなたが現在持っているものを、すべての人と分かち合う用意がありますか。

人生を勇敢に直視して、我が友よ、なし遂げるべきチャレンジとして受けとめる用意がありますか。もしあなたがわたしと共に行くならば、何もあなたを引き止めることはできない。我が友よ、古い惰性は消え、光と愛に包まれて、父の近くに在る喜びを知ることができる。その喜びをあなたがたに授けることが、私の特典である。それなら、我が友よ、勇気を携えて、あなたの本源へ戻るためにわたしに従いてきなさい。決して誤ることはない、我が友よ、マイトレーヤがあなたがたと共に居るのである。

(『いのちの水を運ぶ者』第86信、p.253254

 

平和と正義を求めて盛り上がるどよめきに、あなたの声を加えなさい。そして歴史の中におけるあなたの位置を悟りなさい。新しい時代の世界がつくられつつあり、すべての者の参加を必要とする。すべての者がこの偉大なる仕事に果たす役割を持つ。自分の志向を声高らかに表現するのに、若過ぎるとか老い過ぎているとか感じるべきではない。

(『覚者は語る』─マイトレーヤの声─p.380

 

世界は二つのグループに分かれています。一つは進歩的グループ、もう一つは保守的反動的グループです。保守と反動勢力は過去を好み、古いパイシス(双魚宮)時代の秩序(その特性そのものが分離と分割に基づく)にしがみついています。私たちが今日目撃しているのはそれなのです。進歩的勢力とは、より建設的な、そしてより包括的な生活様式を求めており、その中でアクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーが、すなわち統合し融合し混合させていくエネルギーが、表現されていきます。

専制的な、保守的な、反動的な力が支配するところにはいずれも、過去のあり方を提唱する者たちがいます。それは現時点においては必ず市場のフォース(エネルギー)を通して働きます。それがいま世界を支配している主要な経済概念です。しかし「市場のフォース」はいま衰退しつつあります。なぜなら、それはうまくいかないからです。

(『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.144145

 

新しいスタートへの呼びかけを聞くとき、あなたは自分が、変化を支持し他の人々もまた生きることができるために自分自身の要求を喜んで減らす先導者の仲間の中にいることを発見するかもしれない。そのようにしてのみ、世界は救われ、再び大計画の方向に向かうことができる。

誰も近い将来に生活の完全な崩壊を恐れるべきではない。必要な変化が現存の秩序を慎重に一歩一歩変換させていくにつれて、その崩壊は確かに最小限に抑えられるだろう。変化への必要がこれほど緊急であり、これほど明らかであったことはかつてない。人間がこれほどまでに不活動の危険を感じ取り、自分の兄弟たちとこの惑星の未来の苦境に対して、今のように心(ハート)を開く用意のあったときはかつてない。

(『覚者は語る』─神の反映─p.376

 

正義は、行われねばならず、必ずや、行われるであろう。世界は正義を切望する。正義と愛の欠如こそが、今日、人間を取り巻く問題の真の原因である。これらの聖なる様相が、もし明日にでも施行されるならば、新たな楽しさが、あなたがたの生活を彩るであろう。愛と公平なる分かち合いというありがたい贈物は、神から出づるものである。それを正しく実践することによってのみ、神を識ることができる。人々にこれを教えなさい、我が友よ、それは、偉大で単純な真理を教えることになる。

(『いのちの水を運ぶ者』第101信、p.301

 

マイトレーヤには役割があります。彼の主要な仕事は、いかに平和に共に暮らすかを人類に示すことです。それはとても単純です──ただ世界の資源の分かち合いが必要なだけです。分かち合いがカギです。私たちが分かち合いの原則を受け入れるとき、一挙にその他のあらゆる活動に必要な信頼をつくることができるのです。信頼が打ち立てられると、その他の問題は解消してなくなってしまいます。善意は、信頼から生まれ、これらの困難の解決を簡単な常識的行動にしてしまうのです。……

マイトレーヤは、アメリカの国の魂が己を表現するのを待っています。アメリカは、その魂が己を現すとき、分かち合いの原則を開始し、そのすべての資源を分かち合う恩恵を与えるようになるでしょう。

(ベンジャミン・クレーム、ニューヨークの国連本部

ダグ・ハマーショルド講堂での講演、20067月)

 

間もなく新しいエネルギーが、これまでその影響に免疫をもっていた人々すべての心(ハートとマインド)にも浸透していくだろう。そして彼らの直中から自分たちの苦難を取り除くための行動への叫びが沸き上がるだろう。そのようになるだろう。そのようにして、貧困であり、搾取された者たちは、正義と尊厳と自由を求める要求を広く知らせるだろう。あまりにも長い間、彼らの声は沈黙していた。あまりにも長い間、豊かな国々はそっぽを向いてきた。やっと今、助けを求める彼らの叫びに耳が傾けられ、彼らの要求は受け入れられ、満たされるだろう。

間もなく人間は、自分たち自身で、今、日ごとに起こっている変化の理由を知り、それを理解することができるだろう。偶然に起こるものは何もないことを、偉大なる自然の法則が人間の生命を条件づけており、神ではなく、人間の思考と行動が、彼らの経験の質を定めていることを知るだろう。何人も、いかなる階級も、“支配するために生まれる”ことはない。すべての者の必要と権利が公正に満たされるとき、調和が勝利するだろう。

まだまだ多くのことがなされなければならない。しかし、すでに人々はそうであることを感じはじめている。新しいエネルギーは数え切れないほど多くの心(ハート)の中に新しい希望と勇気を灯し、人間の最も高貴な理想を体現するような構造と憲法の形成が保証される。

(『覚者は語る』─再生の門口─p.261

 

分離、分裂、無法という罪悪は、この地上から消え去らねばならない。人間の神性の顕現を妨げるものはすべて、この惑星から追い出されねばならない。わたしの法が分離に取って代わるだろう。わたしの法は、愛と同胞愛と正義と真理の法である。これらのことを知り、わたしに従いてきなさい。わたしの法は成功するだろう。なぜなら愛の法は神の本質から出づるものであり、失敗し得ないのである。

(『いのちの水を運ぶ者』第123信、p.368369

 

あなたは一人ではありません。世界中の何百万もの人々の一人です。正しく思考する何百万もの善意の人々の一人です。彼らに加わりなさい。彼らも、あなたと同じように世界の平和を欲しており、世界にある不正義(非公正さ)が平和を妨げていることを知っています。それを知らせなさい。他の人々やグループに加わりなさい。人類は善に向けての途方もない力(フォース)であり、変化は民衆の上げる声を通して起こるでしょう。すべての国で民衆の声が沸き上がるでしょう。それは、人々が知ろうが知るまいが、マイトレーヤによって鼓舞され、導かれ、活性化されるでしょう。民衆の一致した意志が政府に変化を強いるでしょう。……

終わりは始めから知られています。善は必ず勝利します。なぜならそれは、この惑星に魂を吹き込んだ神聖な存在の意志だからです。しかし、私たちがそれを行わなければなりません。それはひとりでに起こりません。マイトレーヤはこのように言われます。「ひとりでに起こるものは何もない。人は行動し、その意志を実行しなければならない」。私たちがどんな理想を持っていても、どんなに平和を望んでいても、食物が十分にあり、何百万の人々が飢えていないことを望んでいても、何週間も食べていないために膨らんだお腹を抱えている幼児がいなくなることをどんなに望んでいようと、それは、私たちが行動し、それを実施させるまでは、実現しないのです。

(『人類の目覚め』p.139140

 

人類の歴史の中で、兄弟たちを愛し、そして奉仕することを望む者たちの存在を、わたしがこれほどまでに必要とした時は、かつてなかった。その奉仕と愛の炎が、まさに今日多くの者の心に明るく燃えている。この理由だけで、わたしの使命は勝利すると確信をもって言える。

(『いのちの水を運ぶ者』第122信、p.365

 

平和は、正義が支配するとき、分かち合いが人間の心(ハート)を開き、人々を信頼することに目覚めるときにのみ、訪れるだろう。かくして、人は正義と分かち合いのために働き、声高に語らなければならない。正義と分かち合いのみが人間の苦しみを、テロ行為と戦争を終止させるだろう。あなたたちの兄であるわたしたちは、わたしたちの分担を果たす用意がある。わたしたちは「共通の利益(善)」のためのあらゆる行動を強化するだろう。わたしたちは、自分たちの力を顕す機会を待っている。過去の間違いを正すのを助け、戦争の無益さを人間に示す。わたしたちは、戦争の終止を呼びかける者たち、人事の中に健全さとバランスの回復を求める者たち、すべての者のための正義(公正)と自由の創造を求める者たちすべてを支持することを誓う。……

この世界の救済のために共に働こうではないか。人類種族の利益のためにお互いの(意見の)相違を放棄しようではないか。健全な行動を勝利させて、人類に平和のための彼らの共通の必要を理解させよう、そして病める世界を復活させようではないか。

多くの者が未来を恐れながら待つ。人間が道を見失ったのではないか、いまや平和への道を見いだすには遅すぎるのではないかと恐れる。わたしたちの勧告はそうではない。平和への道は簡単に見いだせることをわたしたちは知っている。正義と信頼の創造を必要とするのみである。分かち合いのみがその信頼を生み出すだろうということを、そしてそれが人類にテロ行為と戦争の両方を放棄させるようになることを、わたしたちは知っている。そのようになるだろう。そのようにして、人類はついに恐怖と不信のグラマーから解放されて、実際にそして歓びのうちに未来を創造する用意を整えて、マイトレーヤの「同胞愛と正義」のメッセージに応えるだろう。

(『シェア・インターナショナル』20041月号、

「──覚者より」─覚者たちの誓い—)

 

わたしは助力者を必要とする。奉仕することによって成長し、あなたがた自身で新しい光の中へ、新しい責任へと向上させるこの機会を、あなたがたの前に置こう。……しかし、我が友よ、あなたがたは、意識して最大限に奉仕する機会を持っている。これを掴みとり、いますぐ始めなさい。大計画に参加しなさい。これは世界を変換し、すべての人とすべての国とを互いに近づけ、未来への道を、神に戻る道を示すものである。……

偶然に起こるものは何もない。わたしは行動への呼びかけを発する。そしてその行動を何倍にも力あるものにしよう。わたしの弟子となり、わたしの友となり、わたしの真の民となるこの機会を今、掴みとりなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第21信、p.7879

 

戦闘時の民間人の保護

ジェイソン・フランシスによるエリザベス・ディクレー・ワーナー氏へのインタビュー

2000年に設立されたスイスを本拠地とするNGO、ジュネーブコール(Geneva Call)は、武装非国家主体(ANSA)と関わりを持ち、彼らが国際的な人道的規範に準拠し、武力衝突における民間人の保護を改善するように促している。このような国際的な人道的規範は、ジュネーブ条約と他の国際条約に謳われている。

ジュネーブコールは当初、対人地雷の全面禁止に焦点を定めていたが、武力衝突における子供の保護や性的暴力の禁止、ANSAにおける性差別をなくすことなど、活動を他の分野にも拡大した。ジュネーブコールがその活動で使用する鍵となるツール(手段)は「誓約証書」であり、それはANSAが特定の人道的規範を尊重することを誓約することを可能にし、その誓約に公的な責任を負わせるものである。エリザベス・ディクレー・ワーナー氏はジュネーブコールの共同設立者であり、副理事として活動している。ジェイソン・フランシスが、本誌のためにエリザベス・ディクレー・ワーナー氏にインタビューを行った。

シェア・インターナショナル(以降SI ): あなたは何をきっかけとして、ジュネーブコールを共同で設立されたのですか。

エリザベス・ディクレー・ワーナー:それは、対人地雷を全面禁止するオタワ条約の調印(1997年)のすぐ後のことでした。対人地雷は安価で製造が容易であり、その主な使用者は武装非国家主体(ANSA)と呼ばれる反政府軍、武装勢力、解放運動などです。しかしながら、このような主体は国際条約に調印することはできません。その場合、何をすることが可能なのでしょうか。国家と同様にこれらの勢力が、戦闘員よりも多くの民間人を殺傷する武器を使用することを、どうしたら止められるのでしょうか。

これがジュネーブコールの背景にある考え方でした。つまり、ANSAに対して公式で公開の誓約を遵守する機会を提供し、責任を負わせるようにしたのです。こうして「誓約証書」が誕生しました。このツールは、非常に重要な役割を果たすことができます。それは決定の所有権をANSAに与えます。あるANSAの指導者は次のように語りました。「私たちは紛争の中にいたので、これは正式な誓約書に調印する最初の機会でした。そのため、私たちはそれを尊重したいですし、尊重されるようになって欲しいと思います」

それでも、武装集団の行動は対人地雷の使用に限られるわけではありません。民間人の保護を改善するため、子供兵士、戦争の武器としてのレイプ、拷問、学校や病院への攻撃など、他の問題にまで交渉を拡大することは不可欠でした。ジュネーブコールの交渉は今や、こうしたあらゆる問題を取り上げています。

国際人道法

 SI:国際人道法について、そしてそれが紛争時にどのように犯されているのか、お話しいただけますか。

ワーナー:国際人道法(IHL) は、戦争行為の振る舞いを規制する一連の規則です。それは、戦闘に関わっていない、もしくは関わらなくなった人々を保護することにより、また戦闘の手段や方法を制限することにより、武力衝突の影響を限定しようとするものです。IHLは国家やANSAの両方の、武力衝突のすべての参加主体に適用されますが、違反は今日広がっています。その例としては、民間人や、病院や学校などの民間施設への無差別攻撃、強制移住、性的暴力、子供兵士の使用、拷問や即決処刑などがあります。

 SI:なぜANSAは国際人道法の最大の違反者なのでしょうか。そして、ANSAの例を幾つか挙げていただけますか。

ワーナー: 私はANSAが IHLの最大の違反者だとは思いません。国家によって犯されている違反は、シリア、イラク、イエメン、コンゴ民主共和国など多くの国で多発しており、日常的になっています。

私たちはANSAを口にするとき、すぐにダーイッシュ(イラク・レバントのイスラム国)やボコ・ハラム(ナイジェリアのイスラム教武装勢力)と、彼らの民間人に対する重大な攻撃を思い浮かべます。しかし、世界には何百もの武装組織があり、それらの IHLの記録は変化しています。そのような組織の多くは IHLに準拠し、組織の支配地域で人道的な行動を促進しようと努めています。また、多くの組織は、内部行動規範を持っています。ジュネーブコールは、各ANSAと共にこれらの規則を改善し、それらを IHLに準拠させるようにします。議論は彼ら自身が書いたものから始まり、それは彼らに当事者意識を持たせます。何も外から強制されることはありません。それは各ANSA自身の行動規範から来るものであり、彼らに属するものです。自分たちの誓約の尊重はさらに高まるでしょう。

女性と子供の保護

 SI:暴力や戦争のときに、女性は特に影響を受けますか。

ワーナー:武力衝突や暴力の状況下で、女性は特に影響を受けます。何よりも、夫が戦っているときに村に一人で残されます。女性は家事をこなすだけではなく、家業や地域の仕事もしていかなければなりません。女性は性的暴力の犠牲者です(時には男性も性的暴力の対象になる場合もあります)。女の子は強制された早期の結婚の影響を受け、それは戦争時にさらに多くなります。女の子はまた、通学の危険性が増大するため通学をやめることになり、教育を奪われます。さらに、もし女性が戦闘員として一定期間過ごした場合、社会から非女性的、暴力的であると認識され、排除に直面します。

 SI:「武力衝突の状況下における性的暴力の禁止のため、および性的差別の根絶に向けての誓約証書」についてお話しいただけますか。

ワーナー:それには、ANSAの調印が必要です。すべての形の性的暴力を禁止し、この禁止に関して武装組織がその戦闘員を訓練するために、潜在的犠牲者の面倒を見るために、義務を尊重しない戦士を制裁するためにです。そして、ジュネーブコールの他の誓約証書と同様に、それはANSAの指導者によって調印され、共和国政府、ジュネーブ州、ジュネーブコールによって共同調印されました。

誓約証書には、性差別に関する幾つかの条項があります。この誓約証書への調印者は、リーダーシップ構造において女性の参加を増加させ、性差別と戦い、差別的な方針や慣例をなくすためにあらゆる可能な努力を行う必要があります。例えば、女の子の通学を妨げないことや、和平プロセスにおいて役割を担えるようにすることによってです。

SI:子供たちは、どのようにしてANSAのメンバーになるのでしょうか。

ワーナー:頻繁に報告されていることとは異なり、武装組織に参加する子供のほとんどは、最もましな選択肢を選ぶことにより「自発的に」それを行います。学校は閉鎖されており、家族が政府軍や他のANSAによって拉致されたり殺されたりして、子供たちは復讐をしたいと思います。このような子供たちは、自分たちの文化や人々を守りたいとも思い、戦闘員として「給料」を得られるため興味を持ちます。さらに女の子たちは、強制結婚や家庭内暴力から逃れるために家族から逃げます。このような子供たちに対して国際社会が別の選択肢を提供しない限り、武装組織での子供の兵士の存在を減らすことは難しいでしょう。

SI:「武力衝突の影響からの子供の保護のための誓約証書」とは、具体的にはどういうことでしょうか。

ワーナー:これは主に、18歳未満の子供の勧誘や戦闘での使役を禁止し、子供に対する保護手段を求めるためのツールです。また、すべての子供の通学が可能で、健康管理や類似の活動の恩恵を受けられるように援助することにANSAが最善を尽くすように求める条項もあります。ジュネーブコールは、順守を監視し、ANSAを離れる子供たちが別の選択肢を探す際に、武装解除の過程に貢献しようとしています。

 SI:地雷を廃絶する上で、「対人地雷の全面禁止の順守および地雷撤去の協力のための誓約証書」は、どれほど効果的でしたか。

ワーナー:それはジュネーブコールの誓約証書の最初のものであり、2000年から調印のために開放されてきました。今日では 49 のANSA(この中の幾つかはすでに活動していない)がこの誓約証書に調印し、対人地雷の使用、貯蔵、輸送を全面禁止しました。彼らはまた、支配地域での地雷除去作業と、同時に地雷の危険性の教育と犠牲者への援助を促進しました。

ジュネーブコールの活動のおかげで、何千もの備蓄された地雷と他の爆発物が、各ANSAの支配地域で破壊されました。それらの貯蔵物は、誓約証書に書かれている義務がなければ破壊されることがなかったものです。

SI:ジュネーブコールは、幾つのANSAと共に活動しましたか。そして、幾つのANSAが一つまたはそれ以上の誓約証書に調印しましたか。

ワーナー:ジュネーブコールは、現在 46 のANSAと関わっており、様々なレベルで 28 の他のANSAとコンタクトを持っており、一つまたは複数の誓約証書に調印した 54 のANSAを監視しています。

 SI:ジュネーブコールの主要な達成について、幾つかお話しいただけますか。

ワーナー:ジュネーブコールは2000年の設立以来、世界中で100を超えるANSAと対話を行いました。そのうちの半数は、一つまたは複数の誓約証書に調印しました。全体的に見て、彼らの順守の記録は良好でした。少数のケースを除いて、禁止の違反の決定的な証拠は発見できませんでした。調印したANSAは、子供兵士の動員解除や(今までで3万個以上の)備蓄された対人地雷の破壊など、誓約を実施するための具体的な措置を取りました。

一部の国では、ANSAが行った誓約は、切望されていた専門的な人道組織による支援プログラムの開始の助けになりました。それに加え、ジュネーブコールの努力の結果として、誓約証書に調印していない数多くの他のANSAが、民間人を武力衝突の影響から保護するために類似の取り組みを行いました。あるANSAは、人道的問題(地雷除去など)について政府と協力の同意すらしました。

 SI:何か付け加えることはありますか。

ワーナー:障害にもかかわらず、ジュネーブコールの経験は、保護問題にANSAを参加させるのは可能だということを、そして建設的なアプローチは IHLの順守を強化する上で有効となり得ることを示唆しています。国連事務総長は言いました。「非政府武装組織と関わったとしても、いつも保護が改善されるとは限りませんが、組織的関与がない場合はほぼ確実に、現在の紛争における民間人の犠牲者数は減少することなく、増加するでしょう」

以前、あるANSAの人が言いました。「私たちにただ武器を捨てさせるのではなく、私たちの行動を改善することについて誰かが話をしに来たのは、ジュネーブコールが全く初めてでした」

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