2026年9月号目次

 

編集部より

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
「正気さを求める」 「地球は産みの苦しみの中にある」 「人間の役割」

視点
環境的人種差別 : ある特定の生活様式
グラハム・ピーブルズ

『AI後の世界を生きるための 「逆ケンタウロス」の指針』
コリイ・ドクトロウ著 シェア・ギルモアによる書評

世界的な問題、世界的な解決策 -選集
Global problems, global solutions - a compilation

トランスオクシアナからの絵葉書
平和、文化、持続可能な開発のマルコポーロ・ドライブ
ジェフリー・サックス、 ソニア・サックス

『ありふれた狂気』-批評
核兵器が今なお最大の脅威であることを再認識させる新作短編映画
エリッサ・グラーフ

オックスファム ・ アメリカ -
毎日2万5,000人が飢餓で命を落とす世界で献身的に活動を続ける
アビー・マックスマン氏へのインタビュー 第二部
マクネア ・ エザード

「過去の宝と未来の驚異」
ベンジャミン・クレーム

S.O.P.
石油大手が戦争と気候危機の最中に930億ドルの利益を計上 他

世界情勢
アルバニアで 「フラミンゴ革命」 の抗議が続く 他

ローマ宣言

アート・ユリアーンスの記事の要約 / ハイアラキーの計画 (抜粋)
アート・ユリアーンス

教皇が語る人工知能(AI)第二部
シェア・ギルモア

スティーブン・グリア博士の「別段の指示がない限り (UNOD)」 書簡
ダグ・グリフィン

「君たち民衆は人生を自由で美しいものにする力を持っている」
チャーリー・チャップリン

読者質問欄

編集部より

 8月中旬の今、私たちはこれからの数カ月を見据え、この先何が起こるかを想像する必要がある。そこで、もしシェア・インターナショナル誌に掲載されたアイディアや助言、インスピレーションが、何らかの形で地球上のすべての人々に届くとしたら、何が起こるかを想像してみよう。例えば、知恵の覚者によって書かれた「正気さを求める」という記事を読めば、アメリカ人たちは、自国の市民や世界中の何百万人もの幸福が自分たちの選択にかかっていることに気づくようになるだろう──とりわけ、11月の投票所での選択が重要であるが、それだけにとどまらない。記事の言葉を借りれば、彼らは、「平和と正しい関係を大切にする」人々の仲間入りをすることになる。期待されるのは、彼らがこの常識的な導きに応じずにはいられなくなることである。この導きが促しているのは、戦争から距離を置き、紛争や侵略に対して団結し、声を大にして公然と反対の姿勢を示すことであり、また、経済的正義こそが信頼、ひいては平和が花開く条件を生み出すということを認識することである。

 そうであると仮定すれば、この記事の著者が示す明晰さと知恵に興味をそそられた人々(私たちが想像している何十億人もの読者)はすぐに、ベンジャミン・クレームの師によるもう一つの記事──「地球は産みの苦しみの中にある」──に目を向けるだろう。覚者はその中で、あらゆる種類の汚染問題に早急に注意を払うよう求め、「病んだ惑星」の健康を取り戻すよう私たちに訴えかけている。汚染とは目に見える破壊だけにとどまらない。最悪の形態は核放射能による汚染である、と覚者は指摘している。それは「人間と低位王国(動植物界)にとって最も有害で危険なものである。これらすべてのレベルにおいて、汚染の問題は克服されねばならない。これは現在の政治、経済、社会の完全な再建によってのみ達成することができる」。同じ著者はさらにこう問いかけている。「地球という惑星を救済することができるか、それはどんな方法によってできるのか」と。覚者は即座にこう答える。「答えは大きく鳴り響く『然り』であり、その方法には大多数の人間による現在の生活様式の変容が含まれる」

 「なるほど」と、ほとんど84億人に達する架空の読者の一人は思うかもしれない。「これは全く異なる状況を描いているようだ。私たちには、これまで気づかなかった管理責任や義務、関係性があるようだ。しかし、それが気に入った──私たちは皆、『いのち』と呼ばれるこの素晴らしい体験の一部だということを意味するのだから。しかし、もしそれが真実なら、自分自身や私たち全員が、この惑星に降りかかっているあらゆる事柄に対して責任を負うことになる。このような方向性とここで示された具体的な情報が持つ意義と重要性は理解できる」

 こうして読者は、新たな感銘を受けながら、9月号で特集されたベンジャミン・クレームの師による三つ目の記事──「人間の役割」──に目を向け、次の一節を読むだろう。「地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである」

 私たちが想定している読者と、その読者と共にある数十億人が、自分の直観や内なる願望は愚かなものではなく、あらゆる生命と一つであるという感覚を裏付けるものであり、実践できる奉仕の展望を開くということに大きな喜びを感じてくださることを願っている。

 本誌が願っているのは、人々の知性に働きかけ、心に触れて心を深く動かすことで、あらゆる生命との関わり方が今後ずっと変容するようなきっかけを作ることである。「早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう」

 想像してみてほしい。いつか、人類の半数をはるかに超える人々が、未来への計画と道筋を提示するキリスト・マイトレーヤの愛と英知と意志を体験することで変容を遂げる様子を。あらゆる生命の相互のつながりや、地球という惑星の生き生きとした性質についてのとてつもない感覚によって、私たちがどのような世界を創り出すことができるかを考えてみてほしい。

 本誌の真の目的と、私たちが思い描く素晴らしい成果を考えれば、世界史におけるこの節目に、なぜこの三つの記事が選ばれたのかは明らかだろう。私たちは読者の皆様の心情に寄り添いつつ、自然界が直面する苦境や必要性に焦点を当てるとともに、戦争に対する憤りや恐怖、断固たる反対を表明している。専門家や歴史家、一般市民の誰もが同意している──戦争を止め、寡頭支配者や暴走する政治家の力を抑え、無慈悲で残酷な商売を行う者たちに対して不買運動を行い、法の支配を堅持し、人権法や国際裁判所への敬意を取り戻し、気候変動の緊急性を認識し、地球と私たちの未来を救うために直ちに行動を起こすべきだ、ということに。

 議論のためにも、世界のためにも、私たちが直面する課題に対して大胆かつ想像力豊かに取り組んでいこう。そうした課題は、乗り越えられないほど困難で、数多く、複雑に絡み合っているように見えるかもしれない。どのように取り組めばよいのか。朗報は、課題がすべて密接に関連し合っているからこそ、一つの根本的な解決策を普遍的に適用すれば、それが鍵になり得るということである。

 覚者方やマイトレーヤは皆、まさにそのとおりであると示唆している。もし私たちが彼らの見解を受け入れるならば、自らの内にある神性へと向かう大胆な一歩を踏み出すための入口に立つことができる。それは、同胞の人間だけでなく、このかけがえのない惑星のあらゆる王国とも共有している神性である。まずは、知者たち──覚者方──が提示する知恵を受け入れることから始めることができる。

 ベンジャミン・クレームの師は、「平和への探求」(2010年7・8月)と題された記事の中でこう述べている。「わたしたちの観点から見れば、これらの問題は現実であり、緊急なものであり、そしてたった一つの状況から生じる。それは人類の肩に重いくびきのようにのしかかる分離主義であり、すべての一致した行動を妨げる」。さらに、覚者はこう続けている。「これらの問題を解決する方法は一つしかない。それはこれまで試みられたことのなかったことであり、しかもそれは、あっという間に数え切れない人々の苦しい運命を和らげ、ついに、やっと苦悩する世界に本当の永続的な平和をもたらすであろう。人々は自分たちが分離していないことを、分離したことは一度もなく、そして分離することは決してないということを認識しなければならない。彼らは、われわれすべてを包む神聖で継ぎ目のない総体の部分であり、それに対してわれわれは、それぞれのやり方で『神』という名前をつける。『神』は平和であり、正義と分かち合いと信頼であることを、そして彼らの恐れは彼らの兄弟たちに対する恐れでもあることを、人々は認識しなければならない。マイトレーヤの任務は人間にこの真理を示すことであり、彼らの切望の中核にすべての者が望む平和が存在し、顕現するのを待っているということを思い出させることである」

 「正気さを求める」は、2003年の米国によるイラク侵攻の直後に書かれた。今日では、残念ながら、「イラク」を単に「イラン」に置き換えるだけで通用してしまう。

『ありふれた狂気』──批評

核兵器が今なお最大の脅威であることを
再認識させる新作短編映画

エリッサ・グラーフ

 「終末時計」の針は午前0時まであと85秒を指している──これは人類が世界規模の大惨事に最も接近した瞬間である。「原子力科学者会報」は、この危機が世界的な協力体制の崩壊によって引き起こされており、核戦争や気候変動、AIといった制御不能な存亡の脅威に対して人類がますます無防備な状態に置かれていると指摘している。

 核戦争は人類最大の脅威であり続けているにもかかわらず、公の議論の場ではほとんど取り上げられてこなかった。この危機は現在、核兵器システムへのAIの導入が進むことで、さらに深刻化している。これに対処するため、バチカンは7月に「人工知能と核戦争に関する世界ノーベル賞受賞者会議」を主催した。30名を超える受賞者たちが「ローマ宣言」(45頁を参照)を起草し、人間による厳格な監視と世界的な軍縮を要求した。

ダニエル・エルズバーグ氏、1971年、ボストン連邦庁舎にて(Photograph: public domain, Wikimedia Commons)

 新しい短編映画『ありふれた狂気』は、この危機に再び関心を集中させている。この映画には、内部告発者であり長年の反核活動家であるダニエル・エルズバーグ氏が登場する。彼は1960年代初頭にランド研究所に在籍していた際、アメリカの核戦争計画の立案を支援していた。エルズバーグ氏の任務は、アイゼンハワー政権によって残された最後の計画──単純にソビエト連邦と中国に対して先制攻撃を行い、6億人を死亡させると推定されていたもの──を改善することであった。そのような攻撃に続いて、核の火災旋風が大量の煤を成層圏へと送り込み、日光を遮って、1年以内に世界人口の98%を死亡させる世界的な核の冬を引き起こすことは、何十年も前から知られている。想像を絶する結果にもかかわらず、アメリカ、ロシア、中国のような大国は、見込みにすらなるべきではない壊滅的な戦争を積極的に準備していると彼は語る。

 エルズバーグ氏は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が、アメリカの兵器庫の中で、核戦争を開始するかどうかについての迅速な一瞬の決断を大統領に迫る唯一の兵器であると説明している。こうした固定式サイロは敵による先制攻撃に対して非常に脆弱であるため、「使うか失うか」という危険なシナリオが生み出される。アメリカは現在、400基のICBMを即時発射可能な警戒状態を維持しており、これは指令を受信してから数分以内に発射できることを意味している。一度発射されると、こうしたミサイルは回収できず、およそ半時間でロシアおよび中国にある目標を不可避的に攻撃することになる。エルズバーグ氏は、陸上配備型ICBMの完全な廃絶が、偶発的な核戦争のリスクを大幅に減少させるため、世界をより安全にすることに大きく貢献するであろうと示唆している。

 この映画は、髪の毛が逆立つような実生活での一触即発の事態を二つ共有している。一つは1979年のもので、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令センターが、ロシアによって一連の先制攻撃ミサイルが発射されたように見せるシミュレーションテープを誤って表示した事件である。1983年のもう一つの大惨事寸前の事態は、自国が実際に5発のアメリカのミサイルによる攻撃下にあるのかどうかを確認する術を持たなかったロシアの大佐、スタニスラフ・ペトロフ氏によって回避された。リスクを取って、彼は上官たちにそれが誤報であると告げて嘘をついた。「この午前3時の10分間の警告という状況をつくり出しているのはICBMだけである──人間がそのような状況に対して合理的に、あるいは妥当に対処できるといった考えは、もちろん、ばかげている」と彼は語る。

 エルズバーグ氏は、核兵器の継続的な拡散の背景にある産業やロビー団体に対峙するためには、大衆による大規模な取り組みが必要であると助言している。彼は問う。「現在のICBMであるミニットマンⅢを完全に排除すべき時に、なぜ私たちは今後30年間にわたって25兆ドル、今後の10年間で1,000億ドルを費やして、ミニットマンⅢの代替品を生産しようと考えているのだろうか。……主として、影響力のルートを持つことがノースロップ・グラマン社や、そのライバルであるボーイング社、ロッキード社にとって利益になるからである──こうした企業は事実上、影響力を買った。率直に言えば、議員を買収した。そこからの収益を、35の州にわたる雇用と票の中に注意深く分配してきた。つまり、票であり、議員への選挙献金であり、最高レベルの軍関係者とこうした企業との間の天下り人事なのである」

 最近公開された声明の中で、「エルダーズ」の一員でありモンゴルの元首相であるツァヒアギーン・エルベグドルジ氏は、この問題において市民の圧力が過去に変革をもたらしたように、今回も再び変革を起こし得ると指摘している。「私たち全員には、声を上げ、関与し、意思決定者に対してさらなる自重を要求する責任がある。一人ひとりの声が、変革を促す圧力となるのである」

(globalnobelassembly.org; www.anordinaryinsanity.com; theelders.org)

『ありふれた狂気』はYouTubeで無料視聴可能である。

リンク先:https://www.anordinaryinsanity.com/

エリッサ・グラーフは、ドイツを拠点とするシェア・インターナショナルの協働者である。

オックスファム・アメリカ──

毎日2万5,000人が飢餓で命を落とす世界で献身的に活動を続ける

アビー・マックスマン氏へのインタビュー ──第二部

マクネア・エザード

 アビー・マックスマン氏は、「オックスファム・アメリカ」の理事長兼CEO(最高責任者)である。これまで70カ国以上で活動し、南アフリカのアパルトヘイト時代から、サハラ以南アフリカにおけるHIV/エイズやエボラ出血熱の流行、エチオピアの慢性的な食料不安に至るまで、地球規模の極めて重要な課題に取り組んできた。ルワンダではジェノサイド後の救援・復興活動に携わり、ハイチやエチオピアでは大規模な人道支援活動を主導した。また、ジェンダーや気候正義の推進、不平等との闘い、そしてオックスファム・アメリカの野心的な「2030年戦略」の実行において中心的な役割を果たしてきた。

 彼女は本誌のためにマクネア・エザードによるインタビューを受けた。

シェア・インターナショナル(SI):ガザ以外で、飢餓や貧困の観点から見て、現在世界で最も深刻な「ホットスポット(危機的状況にある地域)」はどこだと思われますか。

アビー・マックスマン:そうしたホットスポットのいくつかは、紛争や気候変動、その他の要因が複合的に絡み合っている地域です。コンゴ民主共和国(DRC)で発生し、現在拡大している壊滅的なエボラ出血熱の流行も、私たちが注視し、パートナーと協力して対応に当たっている危機の一つです。水・衛生や地域保健などへの取り組みは、人命を救い、地域社会との信頼関係を築き、感染拡大を食い止めるために極めて重要です。ワクチンがない現状において、これらは危機に対処するための最良の手段の一つと言えます。

 1年前、私は現地を訪れていました。それは、トランプ大統領がコンゴ民主共和国とルワンダの外相をオーバル・オフィス(大統領執務室)に招き、和平協定に署名させた1週間後のことでした。素晴らしいことですし、私たちはそれを全面的に支持しています。現地では、その外相とお会いする機会もありました。平和こそが、人々の発展と自立への道であることは誰もが知っています。人々は平和を望んでおり、援助に依存したいなどとは誰も思っていません。一方で、オーバル・オフィスで和平文書への署名が行われたにもかかわらず、人々が助けを必要としている時に援助が打ち切られるという事態も起きました。これでは、政権が望んでいると主張する将来の展望を損なうことになりかねません。私たちは、真に持続する和平協定を心から歓迎したいと願っています。しかし、それを実現するためには、人々とその発展、そして人々の尊厳と安全に対して投資を行う必要があります。現在、エボラ出血熱の流行においてその結果が表れており、人命が失われています。コンゴ民主共和国東部では、人道支援活動の70%が一夜にして撤退し、混乱を招きました。米国などによる支援削減がエボラ対策の遅れや停滞を招き、死者を出す事態に至っています。

 スーダンでの紛争については、今も耳にすることでしょう。国境を接する南スーダンでも、紛争、気候変動による衝撃、経済的不安定さ、そして避難民の発生といった要因が重なり合い、食料を十分に得られない家族にとって、苦難が極限に達するような状況が生まれています。南スーダンやソマリアにおいて、こうしたリスクを目の当たりにしています。

 人々の気持ちが沈んでしまうのも無理はありません。「なぜ問題を解決できないのか」と思われるでしょう。人道支援そのものは、貧困や不平等を恒久的に解決する手段として設計されたものではないことは承知しています。しかし、人命を救い、人々の未来に投資し、自立と再建を助けるという「原則に基づいた人道支援活動」は、開発のプロセスの一部を成すものです。実際、数年前までは何十年にもわたって進展が見られていました。私たちは現場に立ち続け、対応するために全力を尽くさなければなりません。そして指導者たちに対し、こうした人々の命が私たちにとって重要であること、そして彼らには状況を変える力があることを認識するよう、働きかけていく必要があります。

SI:「こうした状況下で、国連はどこで何をしているのか」と問うことは、ある種の無知の表れなのでしょうか。

マックスマン:決して無知などではありません。それは支援の「エコシステム(協調体制)」における極めて重要な要素です。国連は加盟国からの拠出金で運営されていますが、米国政府はさまざまな組織への資金提供を打ち切っており、その対象には国連も含まれます。米国は国連への拠出を約束してはいますが、そこには自国の政治的アジェンダを支持させるための条件が付けられています。

 私たちは何十年にもわたり、危機に瀕した国や支援を必要とする国々において、人道支援、平和構築、開発活動を調整するための重要かつ基本的な仕組みを築き上げてきました。しかし今、支援や開発、そしてさまざまなサポートを届けてきたその「エコシステム」が根底から覆されています。支援体制が混乱の中で解体されたため、誰もが体制の立て直しを余儀なくされています。オックスファムとしても、資金調達や活動内容、そして日々の業務に多大な圧力がかかっています。誰に支援を行い、誰に行わないかという、極めて困難な選択を迫られています。

SI:オックスファムは、経済的・人種的正義、公正な税制の推進、寡頭支配(オリガルキー)の実態に関する啓発、気候危機、女性の権利、ジェンダーの正義など、多岐にわたる課題に取り組んでいますね。なぜオックスファムにとって、これらの分野に注力することが重要なのでしょうか。

マックスマン:私たちは80年以上の歴史を持つ組織であり、証拠・調査・学習に基づいた活動を行うことに誇りを持っています。現在の戦略を立ち上げるまでは、主に貧困と飢餓の問題に焦点を当てていました。そうした課題は今も残っていますが、新たに「不平等」という課題を明確に加えました。私たちは、貧困と不正義を終わらせるために不平等と闘っています。これらは切り離せない問題だからです。拡大する不平等や所得格差、ジェンダーや気候正義の問題は、すべて互いに深く絡み合っています。

 私たちは権利や尊厳、人道的な影響を重視しており、不平等を拡大させる政策や税制の問題と、それらがもたらす結果との間に直接的な相関関係があることを理解しています。長年にわたり、超富裕層による政治の私物化を目の当たりにしてきました。富裕層には減税を行う一方で、貧困層や社会的に疎外された人々が必要とする基本的な社会支援の基盤を奪うような決定がなされています。そのため、私たちは不平等や貧困に取り組むための「システム(構造)へのアプローチ」を取ると同時に、現場の人々への直接的な支援も行っています。原因と結果の両方に対処するというこの二重のアプローチこそが、私たちの活動の根幹をなすものです。調査に基づく証拠を提示し、報告書を発表することで、世界の政策決定者や各国政府に働きかけています。

 私たちにとって、米国政府は重要な存在です。しかし、世界75カ国で行っている活動の一環として、グローバルノース(先進国)やグローバルサウス(新興国・途上国)の政府に対しても働きかけを行い、政策や税制の公正化を促しています。超富裕層が一般の労働者よりも少ない税金を支払うべきだと考える人は、誰一人としていません。国民に基本的なサービスを提供するための政府の資金を確保することは、繁栄と発展、そしてより平等な世界を実現するために不可欠なことです。

SI:ガザやアフリカの情勢、そして世界中に広がる飢餓や貧困など、世界が直面している数々の困難を前にして、人類には飢餓や貧困の問題を解決する力があると信じていますか。

マックスマン:私は楽観主義者です。この仕事を40年近く続けてきたのは、根拠のない盲信からではありません。実際にこの活動が人々の助けになるのを目の当たりにしてきたからです。過酷な時代や言葉にできないほどの悲劇を生き抜く女性たち、家族、地域社会の強さを目の当たりにしてきました。彼らは寛容であり、他の人々を自分たちの家族として受け入れています。互いに助け合いながら生き延び、生活を再建し、力強く生きていこうとしています。

 変化は可能だと私は信じています。地域レベルから世界規模にいたる私たちの活動が、確かな変化をもたらすと確信しています。正しいと信じるもののために闘い、私たちが共有する人間性に投資し、より良い生活を送るに値する地域社会に投資していく責任が、私たちにはあるのです。

 私たちは、より良い世界を築きたいと願っています。それは可能である、と私は信じ、確信しています。トランプ政権が行っていること――例えば米国国際開発庁(USAID)の解体や長年の関係の破壊――に同意できない人々が大勢いることも知っています。しかし、私たちは潮流を変えるような大きな抵抗のうねりを起こせると考えています。意気消沈している暇はありません。活動を続ける必要があります。現場に足を運び、声を上げ、自分たちが持つあらゆる力や資源、影響力を行使する必要があります。

SI:オックスファムでの活動やこれまでの経験を通じて、あなた自身は何を得ていますか。

マックスマン:この素晴らしい組織を率いることができ、深く恵まれていると感じています。日々、現代の最も複雑な課題に向き合い、人々の助けになろうとすることに、大きなやりがいを感じています。コンゴ民主共和国(DRC)東部にいたとき、フランシーヌという24歳の女性に出会いました。彼女は本当に素晴らしい女性でした。避難民キャンプから強制的に立ち退かされたばかりでした。彼女の人生は、避難、移動、そして紛争の連続でした。彼女は、安全とは言えない村に戻って来ていました。村は略奪され、近隣住民が殺害されていました。彼女は支援に頼りたくはありませんでした。家族を養うために売春をする以外に選択肢がないと感じていた他の若い女性たちと同じ運命をたどることは避けたかったのです。彼女が望んだのは、ただ自分の人生を歩み始め、小さな商売を始めることでした。そうすれば、村の人々に食料や生活必需品を売ることができるからです。彼女は、尊厳と安全のある生活を築きたいと願っていました。私には到底耐えられないような困難を乗り越え、それでも日々立ち上がり、自分自身や家族、地域社会のために、より良い状況を築こうと努力している人々がいます。世界で最も豊かな国に暮らし、善いことや正しいことを行う力を持っている以上、私にはそれを実行する責務があると感じています。正しい行いには大きな意味があるからです。これは、私に与えられた、非常にやりがいのある機会です。

マクネア・エザードは、米国デンバーを拠点とするシェア・インターナショナルの通信員である。

アビー・マックスマン氏
(Photograph: Oxfam America)

読者質問欄

Q 愛と意識の本質についてお話しいただけますか。

A 私が話しているのは、愛の顕現についてです。愛は、単に心地よい感情を呼び起こすものではありません。私たちは胸に手を当ててこう言います。「私は愛に満ちている。ああ、妻や子供たち、祖父母、地域の人たちを本当に愛している。でも、イスラム教徒のことは好きでない。イスラム教徒のことは嫌いだ。9.11の黒幕であるのは間違いない。だから嫌いだ」。そうしたものが、私たちが知っている愛です。

 愛はそうしたものとは無縁です。愛とは行動です。人類の必要に応じて行動する能力のことです。世界を愛するようにならなければなりません。自分を愛することは簡単です。妻や子供を愛することも簡単です。自分の地域社会を愛することも簡単です。自分の国を愛することも(アメリカでは難しくなってきていますが)、比較的簡単です。しかし、世界全体を愛すること、すべての人を一つとみなすこと、世界が与えてくれるものを受け取る権利を誰もが持っていることを認め、お互いに尊重し合うこと──それが愛です。重要なのは、行動を伴う愛です。

(1992年11月、ラジオ番組「シーイング・ビヨンド」でのインタビューより)

Q ハイアラキーの助言は、すべての原子力発電所をできるだけ早く閉鎖することです。(1)科学者は、原子力エネルギーは炭素系エネルギーよりもクリーンだと言います。(2)他に有効な選択肢がない。(3)原子力産業には多大な投資がなされており、それなしでは経済が成り立たない。

 これらの点についてコメントをいただけますか。

A (1)炭素の観点からはそうですが、破壊性の観点からはそうではありません。(2)選択肢は核融合プロセスです。それは核分裂には依存しません。それはクリーンで、冷温で、廃棄物を生まず、ジュワル・クール覚者(アリス・ベイリーを通して)によれば、電力需要を満たすためには、世界中で入手可能な水の同位元素しか必要としません。核融合プロセスにはさまざまな方式がありますが、その幾つかは石油産業の部門が自己の領域を保護するために買い上げています。(3)それは高度な工業国では当てはまりますが、世界全体ではそうではありません。私たちは核分裂に基づく原子力発電所を必要としていません。それは時代遅れであり、極めて危険です。

Q 原子力エネルギーの利用を止めるというハイアラキーの助言に世界が従うとして、短期的中期的に、世界のエネルギーの必要はどうやって満たされるのですか。

A 常温核融合プロセスによってです。

 (シェア・インターナショナル誌2011年7月号)

Q アメリカ政府が邪悪なエネルギーに受容的であるとすれば、(1)彼らはいくらかでもそのことに気づいていますか。(2)彼らはすすんでそれと一緒に働いていますか。(3)彼らは自らのグラマーの犠牲者ですか。

A (1)いいえ。(2)はい。(3)はい。

Q (1)「本当の」悪の枢軸を運営している人々はどのようなやり方で影響を受けているのですか。憑依、霊媒性などによってですか。(2)私の理解では、ヒトラーは憑依されました。今日の政治の舞台で指導者や影響力のある人物の中に憑依されている人はいますか。

A (1)霊媒性によってです。(2)同じ方法では、いません。

Q 私はあなたがイスラエルを悪の象徴と呼ぶことにショックを受けました。それはどういう意味ですか。

A 質問者がショックを受けたことに私は驚いています。イスラエルによるパレスチナ人への無情な圧制を見れば明らかです。イスラエルはその行動を、ブッシュ氏によって提唱された「テロに対する戦争」の一部として正当化しています。ブッシュ氏は、テロリストでもなく確かにアメリカに対する脅威でもなかったイラクを攻撃しました。1945年の連合国による枢軸国の敗北のあと、私たちが「悪のフォース」と呼び、光のハイアラキーに「物質性の大主方」として知られているものは、次第に彼ら自身の領域(惑星の物質面の維持)に封じ込められました。英国の統治軍とパレスチナ人に対するテロリストの行動によって1948年にイスラエル国家が樹立されたことは、ジュワル・クール覚者によれば、「あたかも悪のフォースが再び扉の中に(世界の舞台に)足場を確保したかのよう」なものでした。イスラエルは、イスラエルとアメリカのペンタゴンと東ヨーロッパの特定の国々を通して働いている悪のトライアングルの中心点をなしています。今私たちが目撃しているのは、この悪のフォースの爆発であり、これに対しては、人類が光のハイアラキー(マイトレーヤと彼の知恵の覚者方の一団)の援助を得て共に対抗し、消滅させなければなりません。

(シェア・インターナショナル誌2004年10月号)