オックスファム・アメリカ──

毎日2万5,000人が飢餓で命を落とす世界で献身的に活動を続ける

アビー・マックスマン氏へのインタビュー ──第二部

マクネア・エザード

 アビー・マックスマン氏は、「オックスファム・アメリカ」の理事長兼CEO(最高責任者)である。これまで70カ国以上で活動し、南アフリカのアパルトヘイト時代から、サハラ以南アフリカにおけるHIV/エイズやエボラ出血熱の流行、エチオピアの慢性的な食料不安に至るまで、地球規模の極めて重要な課題に取り組んできた。ルワンダではジェノサイド後の救援・復興活動に携わり、ハイチやエチオピアでは大規模な人道支援活動を主導した。また、ジェンダーや気候正義の推進、不平等との闘い、そしてオックスファム・アメリカの野心的な「2030年戦略」の実行において中心的な役割を果たしてきた。

 彼女は本誌のためにマクネア・エザードによるインタビューを受けた。

シェア・インターナショナル(SI):ガザ以外で、飢餓や貧困の観点から見て、現在世界で最も深刻な「ホットスポット(危機的状況にある地域)」はどこだと思われますか。

アビー・マックスマン:そうしたホットスポットのいくつかは、紛争や気候変動、その他の要因が複合的に絡み合っている地域です。コンゴ民主共和国(DRC)で発生し、現在拡大している壊滅的なエボラ出血熱の流行も、私たちが注視し、パートナーと協力して対応に当たっている危機の一つです。水・衛生や地域保健などへの取り組みは、人命を救い、地域社会との信頼関係を築き、感染拡大を食い止めるために極めて重要です。ワクチンがない現状において、これらは危機に対処するための最良の手段の一つと言えます。

 1年前、私は現地を訪れていました。それは、トランプ大統領がコンゴ民主共和国とルワンダの外相をオーバル・オフィス(大統領執務室)に招き、和平協定に署名させた1週間後のことでした。素晴らしいことですし、私たちはそれを全面的に支持しています。現地では、その外相とお会いする機会もありました。平和こそが、人々の発展と自立への道であることは誰もが知っています。人々は平和を望んでおり、援助に依存したいなどとは誰も思っていません。一方で、オーバル・オフィスで和平文書への署名が行われたにもかかわらず、人々が助けを必要としている時に援助が打ち切られるという事態も起きました。これでは、政権が望んでいると主張する将来の展望を損なうことになりかねません。私たちは、真に持続する和平協定を心から歓迎したいと願っています。しかし、それを実現するためには、人々とその発展、そして人々の尊厳と安全に対して投資を行う必要があります。現在、エボラ出血熱の流行においてその結果が表れており、人命が失われています。コンゴ民主共和国東部では、人道支援活動の70%が一夜にして撤退し、混乱を招きました。米国などによる支援削減がエボラ対策の遅れや停滞を招き、死者を出す事態に至っています。

 スーダンでの紛争については、今も耳にすることでしょう。国境を接する南スーダンでも、紛争、気候変動による衝撃、経済的不安定さ、そして避難民の発生といった要因が重なり合い、食料を十分に得られない家族にとって、苦難が極限に達するような状況が生まれています。南スーダンやソマリアにおいて、こうしたリスクを目の当たりにしています。

 人々の気持ちが沈んでしまうのも無理はありません。「なぜ問題を解決できないのか」と思われるでしょう。人道支援そのものは、貧困や不平等を恒久的に解決する手段として設計されたものではないことは承知しています。しかし、人命を救い、人々の未来に投資し、自立と再建を助けるという「原則に基づいた人道支援活動」は、開発のプロセスの一部を成すものです。実際、数年前までは何十年にもわたって進展が見られていました。私たちは現場に立ち続け、対応するために全力を尽くさなければなりません。そして指導者たちに対し、こうした人々の命が私たちにとって重要であること、そして彼らには状況を変える力があることを認識するよう、働きかけていく必要があります。

SI:「こうした状況下で、国連はどこで何をしているのか」と問うことは、ある種の無知の表れなのでしょうか。

マックスマン:決して無知などではありません。それは支援の「エコシステム(協調体制)」における極めて重要な要素です。国連は加盟国からの拠出金で運営されていますが、米国政府はさまざまな組織への資金提供を打ち切っており、その対象には国連も含まれます。米国は国連への拠出を約束してはいますが、そこには自国の政治的アジェンダを支持させるための条件が付けられています。

 私たちは何十年にもわたり、危機に瀕した国や支援を必要とする国々において、人道支援、平和構築、開発活動を調整するための重要かつ基本的な仕組みを築き上げてきました。しかし今、支援や開発、そしてさまざまなサポートを届けてきたその「エコシステム」が根底から覆されています。支援体制が混乱の中で解体されたため、誰もが体制の立て直しを余儀なくされています。オックスファムとしても、資金調達や活動内容、そして日々の業務に多大な圧力がかかっています。誰に支援を行い、誰に行わないかという、極めて困難な選択を迫られています。

SI:オックスファムは、経済的・人種的正義、公正な税制の推進、寡頭支配(オリガルキー)の実態に関する啓発、気候危機、女性の権利、ジェンダーの正義など、多岐にわたる課題に取り組んでいますね。なぜオックスファムにとって、これらの分野に注力することが重要なのでしょうか。

マックスマン:私たちは80年以上の歴史を持つ組織であり、証拠・調査・学習に基づいた活動を行うことに誇りを持っています。現在の戦略を立ち上げるまでは、主に貧困と飢餓の問題に焦点を当てていました。そうした課題は今も残っていますが、新たに「不平等」という課題を明確に加えました。私たちは、貧困と不正義を終わらせるために不平等と闘っています。これらは切り離せない問題だからです。拡大する不平等や所得格差、ジェンダーや気候正義の問題は、すべて互いに深く絡み合っています。

 私たちは権利や尊厳、人道的な影響を重視しており、不平等を拡大させる政策や税制の問題と、それらがもたらす結果との間に直接的な相関関係があることを理解しています。長年にわたり、超富裕層による政治の私物化を目の当たりにしてきました。富裕層には減税を行う一方で、貧困層や社会的に疎外された人々が必要とする基本的な社会支援の基盤を奪うような決定がなされています。そのため、私たちは不平等や貧困に取り組むための「システム(構造)へのアプローチ」を取ると同時に、現場の人々への直接的な支援も行っています。原因と結果の両方に対処するというこの二重のアプローチこそが、私たちの活動の根幹をなすものです。調査に基づく証拠を提示し、報告書を発表することで、世界の政策決定者や各国政府に働きかけています。

 私たちにとって、米国政府は重要な存在です。しかし、世界75カ国で行っている活動の一環として、グローバルノース(先進国)やグローバルサウス(新興国・途上国)の政府に対しても働きかけを行い、政策や税制の公正化を促しています。超富裕層が一般の労働者よりも少ない税金を支払うべきだと考える人は、誰一人としていません。国民に基本的なサービスを提供するための政府の資金を確保することは、繁栄と発展、そしてより平等な世界を実現するために不可欠なことです。

SI:ガザやアフリカの情勢、そして世界中に広がる飢餓や貧困など、世界が直面している数々の困難を前にして、人類には飢餓や貧困の問題を解決する力があると信じていますか。

マックスマン:私は楽観主義者です。この仕事を40年近く続けてきたのは、根拠のない盲信からではありません。実際にこの活動が人々の助けになるのを目の当たりにしてきたからです。過酷な時代や言葉にできないほどの悲劇を生き抜く女性たち、家族、地域社会の強さを目の当たりにしてきました。彼らは寛容であり、他の人々を自分たちの家族として受け入れています。互いに助け合いながら生き延び、生活を再建し、力強く生きていこうとしています。

 変化は可能だと私は信じています。地域レベルから世界規模にいたる私たちの活動が、確かな変化をもたらすと確信しています。正しいと信じるもののために闘い、私たちが共有する人間性に投資し、より良い生活を送るに値する地域社会に投資していく責任が、私たちにはあるのです。

 私たちは、より良い世界を築きたいと願っています。それは可能である、と私は信じ、確信しています。トランプ政権が行っていること――例えば米国国際開発庁(USAID)の解体や長年の関係の破壊――に同意できない人々が大勢いることも知っています。しかし、私たちは潮流を変えるような大きな抵抗のうねりを起こせると考えています。意気消沈している暇はありません。活動を続ける必要があります。現場に足を運び、声を上げ、自分たちが持つあらゆる力や資源、影響力を行使する必要があります。

SI:オックスファムでの活動やこれまでの経験を通じて、あなた自身は何を得ていますか。

マックスマン:この素晴らしい組織を率いることができ、深く恵まれていると感じています。日々、現代の最も複雑な課題に向き合い、人々の助けになろうとすることに、大きなやりがいを感じています。コンゴ民主共和国(DRC)東部にいたとき、フランシーヌという24歳の女性に出会いました。彼女は本当に素晴らしい女性でした。避難民キャンプから強制的に立ち退かされたばかりでした。彼女の人生は、避難、移動、そして紛争の連続でした。彼女は、安全とは言えない村に戻って来ていました。村は略奪され、近隣住民が殺害されていました。彼女は支援に頼りたくはありませんでした。家族を養うために売春をする以外に選択肢がないと感じていた他の若い女性たちと同じ運命をたどることは避けたかったのです。彼女が望んだのは、ただ自分の人生を歩み始め、小さな商売を始めることでした。そうすれば、村の人々に食料や生活必需品を売ることができるからです。彼女は、尊厳と安全のある生活を築きたいと願っていました。私には到底耐えられないような困難を乗り越え、それでも日々立ち上がり、自分自身や家族、地域社会のために、より良い状況を築こうと努力している人々がいます。世界で最も豊かな国に暮らし、善いことや正しいことを行う力を持っている以上、私にはそれを実行する責務があると感じています。正しい行いには大きな意味があるからです。これは、私に与えられた、非常にやりがいのある機会です。

マクネア・エザードは、米国デンバーを拠点とするシェア・インターナショナルの通信員である。

アビー・マックスマン氏
(Photograph: Oxfam America)