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編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、『編集長への手紙』の保留分が非常に多数あり、それらは何年にもわたって処理され、本物であると確認されたが、いまだ掲載されていない。

覚者方、特にマイトレーヤとイエス覚者がベンジャミン・クレームの講演会や伝導瞑想会に現れてきた。彼らはまた異なった外見でも現れている。そのような体験が、ベンジャミン・クレームの師によって本物であると認められた場合、手紙は掲載される。これらの体験は、鼓舞し、導きあるいは教えるため、またしばしば治癒や精神の高揚をもたらすために与えられる。彼らはさらに、例えば喫煙や飲酒に対する幾分凝り固まった不寛容に、愉快な方法で注意を引き付けたりもする。時に覚者方は、事故や戦時、地震や他の災害において救いの『天使』として働く。彼らは「ファミリア(似姿)」つまり想念で作った形態を使用し、それらは全くリアルに見え、それを通して覚者の考えが表現される。彼らは男性、女性、子供として意のままに現れることができる。しばしば彼らは実在の人物の『青写真』を利用するが、たいていの場合、「ファミリア」は完全に新しく創造されたものである。

 

編集長殿

2016年10月にベンジャミン・クレーム氏が亡くなって以来、彼と共に働いてきたロンドンのグループは、(クレーム氏が40年以上講演をしてきた会場である)ロンドンのユーストン通りにあるフレンズハウスで、毎月のビデオ講演会を行ってきました。私たちは一般大衆に情報を提示するという自分たちの仕事をしっかりと続けていますが、多くの人々はベンジャミン・クレーム氏の存在がなくなったことを寂しがっており、彼の独特の洞察力、智恵、祝福やユーモアのセンスを懐かしく感じていたので、多くの参加者が感謝と私たちの継続する活動への支援の気持ちを表し、クレーム氏が言われたように「やり続けて」と私たちを励ましてくれました。

2017年5月18日木曜日のフレンズハウスでの上映会で、これまで見かけたことのない、一人の若い黒人の男性がやって来ました。彼は20代後半くらいで、カジュアルな服装にツバなしのニット帽を被っていました。彼は手伝っているメンバー全員と少しずつおしゃべりをしていて、全員が彼を、なんて親切でフレンドリーで関心を示してくれる人物だろうと話していました。伝導瞑想の紹介の間に、彼はすぐ瞑想を始めました。彼は至福に満たされているように見え、完全にくつろいでいながら、これまでこのようなタイプの瞑想をしたことはないと言っていました。

上映会を終えて私たちが荷造りを始めていると、彼が私の所へやって来ました。彼は右手を握りしめて、自分の心臓を示すようにとんとんと叩くと、「ベンジャミン・クレーム氏がもはやここにいないことを、とても悲しく思います。けれども最も大切なことはこのメッセージで、メッセンジャーではありません」と言ったのです。「はい、でも彼はなんて偉大なメッセンジャーだったのでしょう」と私は答えました。それに対して彼は、「そうです。でも今最も重要なことは、メッセージです。どうか他の人たちにも知らせてください」と言いました。彼は微笑んで帰っていきました。

この若い男性と私たちの出会いは、気持ちを高揚させ、私たちが正しい道にいて、このような不穏な時期に、このマイトレーヤについてのメッセージと情報がかつてないほど必要とされていると確信を与えてくれました。

ジル・フライ

英国、ロンドン

 

グループセラピー

編集長殿

2017年2月9日のエジンバラでの、私たちの今年最初の伝導瞑想ワークショップで、興味深い訪問者があったのですが、若々しい黒人の女性で、すっきりとしたカジュアルな服装で、他の参加者がすでに着席した後、最後にやって来ました。彼女の様子は肯定的で、喜びに溢れ、熱心な人でした。

このワークショップについてどこから知ったのか、私たちが参加者に尋ねると、その若い女性は列車に乗っている時に、(オームの)シンボルが書かれたイベントのチラシを受け取ったと説明しました。彼女は常にその1枚を持ち歩き、心の中にシンボルを思い続け、考え続けてきました。彼女はその意味を知りませんでしたが、理解すべき重要なことがあると分かり、もっと知りたいと思ったのです。彼女が言うには、何カ月もワークショップに参加したかったので、やっと来られたということでした。彼女は「グループに戻って来た」ことについて、「……そうです、なぜなら私たちが一つのグループである時、私たちが一つのグループとして共に働く時、強力で魔術的な何かが起こるのです……」というようなことを言いました。

私たちは最近グループの中に不和の状態を経験していて、皆にとって非常に不安定な時期を過ごしていたので、これは私たちにとって重要なことでした。グループメンバーの一人は、それがグループを最近経験している状態から高揚させる徴であるとすぐに思い、「これが私たちに必要なもので、後押しのような肯定的な態度と併せて、今グループに必要なものだ!」と思ったのでした。別の人はグループの不和を解決するやり方を、私たちにアドバイスしに来られたマイトレーヤではないだろうかと思っていました。

その若い女性が『特別な方』かもしれないと感じさせることは、他にいくつも挙げられます。私たちが伝導瞑想の様々な側面について説明した時、彼女は常に私たちが伝えようとするところを正確に理解して、何を意味しているかについて直観的な認識を持っているように思えました。彼女は度々肯定的で、幸せそうで熱意のある言葉でコメントしてくれました。グループメンバーが大祈願とキリストという言葉の使用について説明していて、キリストはキリスト教の教えについてだけのことではなく、それはと言いかけた時、その女性が「神性」についてであると口を差し挟みました。

満月の瞑想について、彼女は、私たちが春の祭りの時に瞑想をしてきたことについて非常に熱心に知りたがり、本当に満月が好きで、それは大切な時期だと言っていました。彼女は「一人のグループメンバーの笑顔や別のメンバーの笑う能力に感謝し、謙虚な気持ちになりました」と言いました。あるグループメンバーは、このことがグループ内の不和についてであって、状況をより気にならないものにする笑いの必要についてだと思ったそうです。

瞑想について、彼女は「私はいつも瞑想が他の活動の妨げにならないものだと思ってきました」と言いました。伝導瞑想を始める前に、別の参加者が発言してきて、説明されている内容が自分の指針や信念に反するように感じるので、瞑想に参加しないことにしたと言ってきました。あの若い女性の訪問者が口出ししてきて、それは結構で、自分にとってそうすることが正しいならば帰ることができると言いました。その人が椅子から立ち上がり、部屋を出ていく時、彼女は「私たちはあなたの幸福を祈ります」と言いました。その時には、まるで彼女がワークショップを指導している人のように思えました!

瞑想を行った後、その女性の訪問者は、私たちがどのくらい伝導瞑想を続けてきたのか尋ねてきました。メンバーの一人は20年やってきたけれども、いまだに行うことが難しいと言いました。彼女がそれに対して、発達は通常20年から40年(最初の20年ではなく)の間に起こるもので、習得するまでに40年かかった呼吸法について読んだことがあると言っていました。

彼女はエジンバラにあるヘリオット・ワット大学で経済を勉強していて、一つのプロジェクトに関わっていることを話してくれて、彼女の使命はすべての人が清潔な水にアクセスできることを確実にすることで、その水が浪費されるべきではないということでした。これは未来の世代のために非常に重要なことです。

彼女は最後に全員の幸福を祈ってくれて、グループメンバーがもう一度会えるかどうか尋ねた時に、少しだけ謎めいた感じになり、彼女は日々、その瞬間瞬間を生きているので、未来がどうなるかは言えないと答えていました。けれどもいつか再びきっと会うことになるだろうと言いました。

私たちは皆、この出会いが全体に肯定的で、すべての人に対する肯定的で高揚させるような、敬意を持った批判ではない姿勢によって、マイトレーヤが実際にグループ内の不和に、このように働きかけられるのだと思っています。

エジンバラ伝導瞑想グループのメンバー一同より

スコットランド

 

 

 

読者質問欄

Q マイトレーヤは神ですか。

A マイトレーヤは全知遍在です。彼の知らないところで起こるものは何もありません。聖書には、小さな葉の1枚や鳥が地面に落ちるのも神はご存じであると述べられています。マイトレーヤは神ではありません–私たちすべてが神であるという意味を除けば。しかし、彼は神の性質について私たちよりもよくご存じです。それが私たちとの違いですが、環境と機会の違いにすぎません。彼は私たちよりもはるかに長い間ここにいました。文字どおり何百万年もの間です。そして彼は決して過ちを犯しませんでした。ですから、彼は私たちにはできないと思っていることができるのです。しかし、私たちは神です。マイトレーヤは、地上の誰もが神であると言われます。誰もが必要とされており、どの個人も大切です。彼は人類に単純な生きる術を教えに来られました。市場のような高価なものに従う政府に従って、外側から機械的に生きるのではなく、内側から外に生きることをです。市場は盲目であり、政治家は盲目な市場に従う盲人のようなものであるとマイトレーヤは言われます。市場はあなた方を崖っぷちまで導くだろうと言われます。彼は、私たちがその崖を乗り越えないようにするためにやって来られました。

Q マイトレーヤには、成功するために彼のアイディアを受け入れている十分な人々がいますか。

A 大宣言の日にマイトレーヤはすべての人類に応答するよう呼びかけるでしょう。もちろんすべての人が彼に応えるわけではないでしょう。数百万の人は彼に反対するでしょう。彼はすでにそれをご存じです。それはあらゆる個人が数えられ、意見を言うという問題ではなく、いつクリティカル・マス(臨界質量)に到達するかという問題です。そうすればそこから流れだし、ますます多くなるでしょう。脇にいて他の人々がどうするかを眺めている人々もいるでしょうし、即座に掴み取り、喜んで受け入れ、マイトレーヤが話していることを試そうとする人もいるでしょう。ただすべてを否定し、「この男を取り除きたい」と言う人々もいるでしょう。彼をアンチキリストや悪と呼び、彼を消すためにあらゆる手段を講じる人々もいるでしょう。しかし再びそれは起こらないでしょう。彼らは2000年前にマイトレーヤがイエスを通して働いたとき、イエスを取り除きましたが、今は当時と違います。今は完全に違った世界であり、教育のある人々や、様々な分野にいる何千もの弟子たちが彼と共に働き、そして彼らを通してマイトレーヤは働いています。

大宣言の日にマイトレーヤは兄のように世界に語るでしょう。私たちが世界にいた長い長い時間を示し、私たちが高みから今日の野蛮な物質主義に転落したことや、これからの世界のビジョン、私たちがつくり上げるのを待っている文明、来るべき未来のテクノロジーや途方もない科学について示されるでしょう。これらすべてが示されるでしょう。人々はこのようなことをかつて経験したことがないでしょう。キリスト原理と呼ばれる彼のエネルギーが、すべての人類のハートを通して途方もない強さで流出するでしょう。人々は再び幼子のようになり、こう言うでしょう。「私たちは何をしなければならないのですか? 喜んでそうします。これが真実であることが分かります。これが人類にとって唯一の道であることが分かります」。そして、長年の苦労や自分たちの神性について否定してきた後に、再び子供に帰ったように、それを(自分の内なる神性を)見て、誇りに思うでしょう。

このようにして世界は共に立ち上がり、用意された計画と共に、訓練された弟子たちが現れ、人類に何をなすべきかを示すでしょう。これは世界中で起こるでしょう。あらゆる分野における訓練された男女、覚者方によって長年私たちに未来への道を示すために訓練されてきた人々が、すべての男女と子供をその創造に参加させるでしょう。そのようになるでしょう。

 

2017年7月号目次

 

-目次-

-覚者より
商業至上主義の呪い
■ベンジャミン・クレーム筆記

視点
アメリカの破綻したデモクラシー
ジェフリー・D・サックス

世界最大の海岸清掃一2年間でゴミだらけから、ゴミーつない綺麗さへ
ジョー・マッカーシー

S.O.P.(Save Our Planet)-われわれの惑星を救え!
不都合な真実2:放置された地球
「今こそわれわれは世界の行く末を懸けて闘う時である」

死後の人生を巡る旅
ジェイソン・フランシスによるレスリー・キーン氏へのインタビュー

女性に権限を与えると地域社会が活性化する

フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領の就任後100日
以後の誰もかなわないリーダーシップの基準
エリッサ・グラーフ

民衆の声
全米で数千人が「真実のためのデモ」
勇敢な人々による平和/希望への大胆さ

マイトレーヤの優先順位
国連核兵器禁止への不賛同がもたらす羞恥効果
より多くの石炭はより多くの貧困に等しい

残酷で麻揮した決断
ピク・ボディ

気候変動に関するパリ協定からアメリカの離脱に対する反応

日本における持続可能な開発のための教育
大堤 直人

2017年度石川道子日本講演レポート

読者質問欄
回答ベンジャミン・クレーム

 

 

 

商業至上主義の呪い

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記 

もし人類が地球温暖化の影響からこの惑星を救おうとするならば、計画されている炭素排出量制限よりもはるかに多くのことをなさなければならない。しかも、一般に必要な期間として受け入れられているよりもずっと短期間に行わなければならない。人々がこの危険を認知するのに時間がかかった。今でさえ、多くの者たちは問題を真剣に受けとめることを拒否する。そのような態度がこの地球という惑星の未来を危険にさらすことは疑いない。取り返しのつかないダメージがなされる前に均衡を確立するために人間に残された時間は、最大に見積もっても、10 年か 15 年しかない。

この目標を達成するために、人間は現在の生活様式を劇的に変えて、より簡素な生活の仕方や仕事の仕方を採用しなければならない。後に続く世代に対する何の配慮もなく、徐々にそして必然的に衰退してきた環境を見ようともせず、どうにでもなれという態度で、この惑星を意のままに荒らし、略奪してきた日々は過ぎた。

長年の間、毎年、毎年、大昔の原始林の巨大な領域から、純粋に商業的利益のためにいのちを与える樹木が切り払われてきた。商業至上主義が人間の喉元をさらに締めつけていくにつれ、それはまさに人類にとっての凶兆である。商業至上主義は人間にとって原子爆弾よりも危険であると、マイトレーヤは言われる。そして今日、世界を支配する経済破局にその破壊的な力を示している。

諸国の政府や国民がこのことを認識するのにどのくらいかかるのだろうか。商業至上主義が人類の生き血を搾り取り、人類自身が衰えて死ぬまであとどのくらいだろうか。突然、失業し、ホームレスになり、絶望している大勢の人々の心(マインド)に、ますますこれらの言葉の真理が生まれる。

これが、マイトレーヤが公の仕事のために人類の自由意志を侵すことなしに前面に出て来る状況を提供した。マイトレーヤは、現在起こっているこの出来事が確実に明るみに出るという知識に確信をもって、辛抱強く長年の間、この時を待っておられた。

商業至上主義はその牙をむき出し、危害をくわえる力を見せた。何百万の人間の自己満足感は商業至上主義と古いやり方への憎しみと不信に変わりつつある。至るところで人々はやっと、人生の意味と目的についての新しい解釈分かち合い、正義、平和;正しい関係、同胞愛とより大きな幸せを受け入れる用意ができた。彼らはついにマイトレーヤの呼びかけに応える用意ができたのである。

もちろん、すべての人間がこの変化を通っているわけではない。この不況じっと持ち堪えれば、また以前のように富を再び築きあげることができると想像する人々がたくさんいる。非常な金持ちと如才のない者たちは、何も失っていない。彼ら自身と他の人々との間のギャップは、単に彼らにとって有利な方向にさらに広がった。今のこの時は、他のいずれの時とも違うことを彼らは理解していない。われわれは、古い秩序の終わりに到達したのである。宇宙のフォース(エネルギー)が変化を命ずるのであり、それは起こらなければならず、起こるだろう。そうでなければ、この地球上の生命は繁栄しないだろう。

用意のある者たちは、マイトレーヤが、彼らの心からの要望を簡潔で感動的な言葉に表す彼の教えに速やかに反応するだろう。他の者たちは自分たちが馴れ親しんできたものを捨てるのにより長くかかり、一時期、反対するだろう。やがて、世界中の何千万の人々は、変化の必要とその論理に納得するだろうそれらの変化のみが、この惑星とその住民を救うだろう。

2009417日)

 

死後の人生を巡る旅

ジェイソン・フランシスによる

レスリー・キーン氏へのインタビュー

 

レスリー・キーン氏は、調査ジャーナリストで著者である。彼女はニューヨーク・タイムスのベストセラー、「UFOs: Generals, Pilots and Government Officials Go On the Record」(2010)(UFO:将軍、パイロット、政府高官たちが記録に載る)(SI誌、2013年2月号)の著者である。彼女の最新の著書は、

「Surviving Death: A Journalist Investigates Evidence for an Afterlife」(2017)である。ジェイソン・フランシスが本誌のために、レスリー・キーン氏に、死後の人生に関する彼女の調査についてインタビューを行った。

過去世の記憶

 

シェア・インターナショナル(以下SI):あなたが調査の過程で出会った再生誕の印象的な事例について、幾つかお話しいただけますか。

レスリー・キーン:本の中で、2つの事例を詳しく取り上げました。ジーナリストとして私にとって最も決定的な事例は、幼児が関連したものです。その子供たちは具体的な記憶を持ち、過去世であったと言う人物に関して調査により見つけることができ、正確であると確証できるだけの詳細な情報を提供できたのです。もし誰かが確証できない記憶を持っていたとしても、あまり意味がありません。しかし、過去世でその人だったと主張する人物を特定でき、その子供の知識がその人物の人生について正確であれば、非常に説得力があります。

ある事例は、ジェームス・レニンガーという名前の2歳の男の子のものです。彼は2歳になる前に(過去世の)記憶を持ち始めました。彼が取り憑かれたように飛行機で遊び、第二次世界大戦の飛行機の知識を披露するようになると、約2年間にわたり一連の多くの出来事が起こりました。ジェームスは、飛行機の墜落を追体験する悪夢を見始めました。彼は怯え、ベビーベッドの中で泣き叫びました。最終的には、彼は何が起こっていたかをちゃんと話し始めました。彼は悪夢を見ている間、こう叫びました。「飛行機が火を吹いて墜落する!小さな男の人が出られない!」あるとき彼の両親が、何が起こっているのかを彼に尋ねました。彼は自分が日本人によって撃墜されたパイロットであったことを、徐々に話せるようになりました。彼の両親は、2歳の息子がどのようにして「日本人」という言葉を知ったのか分かりませんでした。

ジェームスは、飛行機に乗っていた小さな男の人がどうして自分であったのかを話しました。彼はコルセアという機種の飛行機を操縦していたことと、それがナトマという名前の船(後に空母ナトマ・ベイであると確認された)から飛び立ったことを語りました。さらに具体的には、彼にはジャック・ラーソンという名前の親友がいて、ジャックの飛行機は硫黄島の近くで墜落したと、彼は語りました。ある日、ジェームスの父が第二次世界大戦に関する本を彼と一緒に見ていると、その中に地図がありました。ジェームスは地図を指し示し、そこが彼の飛行機が墜落した場所だと言いました。

ジェームスの父はキリスト教を信仰しており、これは絶対にあり得ないと確信していたので、この件すべてに関して大きなトラウマの中にいました。それは、彼の宗教にはありませんでした。彼は息子が間違っていることを証明しようと決心しましましたが、息子の記憶を調べたときは、いつでもそれらが正確であると分かりました。ジェームスの父は、実際には私の本で抜粋を幾つか執筆しました。内容は、この件による彼の精神的な進歩について、それがどのようにして信仰と矛盾するものではないと最終的に認識するに至ったか、そしてそれを受け入れることができたかについてです。それが、多くの親たちが関わりを持つ、この事例の興味深い部分です。ジェームスの父は、最終的には空母ナトマ・ベイ関係者の同窓会に何度も参加しました。彼は息子の過去世での友人、ジャック・ラーソン氏を見つけました。多くの調査を行い、多くの第二次世界大戦の退役軍人と話した結果、彼は、ジェームスが過去に生きていた記憶を持っていた人物が誰であったかを見つけることができました。彼の名前はジェームス・ヒューストン・Jr でした。彼は、ジェームス・レニンガーが説明した通りに亡くなっていました。

ジェームスは3歳位になると、飛行機が燃えたり、爆弾の雨の中の恐ろしい状況で墜落する絵を描くようになりました。彼は絵に必ず「ジェームス3」とサインしました。彼の両親がその理由を聞くと、彼は「僕は3番目のジェームスだからだよ」と答えました。彼の父は、パイロットの名前がジェームス・ヒューストン・Jr だと知り、衝撃を受けました。なぜなら『Jr』は、今のジェームスが3番目のジェームスであることを意味していたからです。彼らは、当時84歳だったジェームス・ヒューストン・Jr の姉にも会いました。彼女は、小さなジェームスと非常に仲良くなりました。そしてジェームスは、2人の子供時代のことについて彼女に詳しく話し、その内容は彼が知るはずのないことだと彼女は言いました。彼女は、ジェームスが本当に彼がそうであったと主張する人物だったと確信するようになりました。

これは、私たちが記録を持っている、特定の(過去世の)記憶を持つ小さな子供の強力な事例の一つです。このような記憶のすべてが、ジェームスが過去世で誰であったか判定できる前に彼の父親により記録されており、それは重要な要素です。

体外での意識

SI:体外で意識を持つ体験をした場合、何が起こるのですか。

キーン:このような体験には、2つの側面があります。真実の体外体験と臨死体験です。ジャーナリストの立場では、体外体験の方が証拠として重要です。重要な事例は、心不全などの場合に、脳の活動や心臓の鼓動もなく、本質的に臨床的な死亡状態のときに体を離れる人々の体験です。彼らは体に戻ったとき、体外にいたと主張する間に物理的環境で見聞きした特定の事柄を報告することが可能です。

彼らはしばしば、自分が天井近くにいたと説明します。彼らは、医師が話していた内容や使っていた道具、機械の音といったことを正確に説明することができます。そしてこれは、体がテーブルの上に横たわっていて、目が閉じられていて、何も知覚できないとされているときに起こったのです。このような事例は、その人が言ったことの正確性を医師や看護師が検証できるので重要です。したがって、どうして彼らがこのようなことを知覚できたのかを説明する必要があります。考えられるのは、彼らが臨床的に死亡状態の間に、彼らの意識が実際に体とは独立して機能していたということです。

臨死体験は、類似の状況で一度体を離れ、崇高な次元の別の現実を旅してから体に戻り、それを説明する人々の体験です。それは、トンネルの中を通り、ある種の神秘的存在と会い、亡くなった親戚や友人と話す場合が多いです。それは、高められた現実であると説明されます。彼らは良く、それは現実の生活がそうであるよりも現実感があったと言います。生き生きとして、美しく、恍惚とした体験です。普通、彼らは戻りたくないと思いますが、戻らなければならないと、しばしば告げられます。

このような体験は、世界中の様々な文化や背景を持つ人々に起こっています。多くの研究が行われていますが、それがどのようにして起こるのかを誰も説明することができません。多くの懐疑論者は、脳内で何かが起こっていると信じています。しかしながら、これを研究している人々は、このような体験のすべての側面を説明できるモデルを何も持っていません。

それらはまた、経験した人にとって人生を変えるようなものです。彼らは死後の世界だと信じるこの別の領域にいた後で戻ると、死をもはや恐れなくなります。彼らはしばしば、生活を劇的に変え、他者への奉仕にもっと集中するように、より霊的志向になります。多くの場合、それは人に深い影響を与えます。

SI:子供が過去世の記憶を持つ場合、過去世と今の人生の間の時期を覚えていることはありますか。そしてそれは、臨死体験をした人の体験と似ていますか。

キーン:私の本には「幕間の記憶」という章があります。この人生で生まれる前にどこにいたかを話す子供たちに関して、研究が行われてきました。前世の記憶を非常に多く、鮮明に持つ子供は、人生の間の時期をより記憶している傾向にあります。しかし『幕間の記憶』は、検証がさらに困難です。なぜなら彼らは、別の次元にいたことを話しているからです。彼らがその現実で体験したことを説明している内容は、臨死体験をしている人が説明している内容と類似した特徴があります。

ですから彼らは共に、おそらく同じ次元間の領域、あちら側、何と呼んでも良いのですが、そこに入っていたと言うことができます。ジェームス・レニンガーとライアン・ハモンズ(Ryan Hammons)(本の中で詳しく取り上げている過去生の記憶の別の事例)は共に、彼らが生まれる前の記憶を持っていました。彼らはのちに、生まれる前のその領域から目撃した両親が関わった特定の出来事を、両親に正確に説明します。両方の出来事は、まさに受胎近くの時期に起こったのです。このような事例は他の事例ほど多くはありませんが、非常に魅力的です。バージニア大学の児童精神科医、ジム・タッカー博士は、おそらく子供の再生誕の記憶に関する世界的な権威ですが、彼は幕間の記憶について興味深い研究を幾つか行いました。

科学の役割

SI:再生誕と死後の意識の問題に、心理学はどのように取り組んでいるのでしょうか。

キーン: 残念ながら、それは非常にまれなことです。タッカー博士は、過去世の記憶を持つ子供の事例調査の先駆者であったイアン・スティーブンソン博士(バージニア大学の精神分析医)の仕事を受け継ぎました。スティーブンソン氏は何十年もかけて世界中を旅し、何千ページもの調査結果を著書や論文の形で発表しました。ジム・タッカー氏は、スティーブンソン氏の人生の最後に向けて一緒に活動しました。そして10年ほど前にスティーブンソン氏が亡くなったとき、タッカー博士は彼の仕事を引き継ぎました。これはまれなことです。この話題を扱う精神分析医は、確かにアメリカでは多くないと私は思います。そのことに関心を持ち、執筆した精神分析医はいますが、彼らは少数派です。奇妙な記憶を持ちながら精神分析医のところに行き、過去世の記憶を持っていると認識されなかった子供たちは、どれほどいたことでしょうか。私たちの文化は、それを受け入れないのです。

私たちには、訓練された精神分析医のジム・タッカー氏がいて幸運です。彼は子供と上手く接し、実際に子供に何が起こっているかを理解し、子供がこのような体験を話したときに、実際に何が起こっているかを識別することができます。私は、もっと多くの精神分析医がこの話題に興味を持つことを期待しています。それは私たちすべてにとって役立つでしょう。

SI:再生誕を含め、死後の人生を科学的に受け入れることにより、人生の理解の方法や他者との関係性にどのような影響があると、あなたはお考えですか。

キーン: それが普遍的に受け入れられている文化があります。例えばインドや、仏教国であるミャンマーです。しかし、このような国では、信念体系は基本的に宗教的であり、科学的ではありません。問題は、このようなことが真実であると、少なくても現在の手段で説明できるとは思えないことです。もっと多くの科学者がこれを真剣にとらえ、情報を調べ、実証し、それが不可能だと決め付けるのを単に止めるだけでも、私たちは皆恩恵を受けるでしょう。仮にそれが、私たちが物質世界に関してどれだけ知らないかを再認識させたとしても、まだどれだけの神秘が存在し、どれだけさらに発見する必要があるのでしょうか。それは、奇跡を促進する疑問へ私たちの目を開き、私たち自身の本質をもっと深く探るように私たちを励ましてくれるでしょう。

私たちは、単に物質的、ロボット的で、脳に支配されていて、死によってすべての人生が終わるような生き物である場合と比べ、人生に対する責任がより大きいことを認識するでしょう。それは人生により多くの意味を確かに与え、物質的な日常の経験を超えた体験の領域にもっとつながっている感覚を与えるでしょう。それは、肯定的な影響しかないでしょう。私の場合は、確かにそうでした。このような探求を始めたとき、私は懐疑的でした。それはより大きな目的の感覚や、世界や周囲の人々、物事の神秘へのつながりに私を開いたという意味で、私には素晴らしい影響がありました。

仮に私たちが死後も生きることが証明されれば、人はより広い目的の感覚を持ち、他者を害することはなくなるでしょう。なぜなら、死後に別の現実に移行するのであれば、それまでの人生を受け入れる必要があるからです。それは、おそらくより平和な世界をつくり、表面上は異なっている信念体系を巡って文化や宗教が争い合うことを防いでくれるでしょう。

詳しくは、次を参照: survivingdeathkean.com

 

2017年度 石川道子日本講演レポート

石川道子の講演ツアーは今年も5月と6月に行われた。5月6日の福岡での講演を皮切りに、東京──朝日ホール(5/14)、名古屋(5/17-18)、東京──読売ホール(5/20-21)、大阪(5/27-28)と続き、そして6月2〜4日のシェア・ジャパン研修会で終わった。今年の講演会のタイトルは「桁外れの時代に突入した──世界教師の出現と70億の目覚め」であり、各会場とも、このタイトルに興味を持って来場された方々が多く見られた。日本のグループは広報活動を統合、調整して、朝日新聞の全国版への全面広告をはじめ、各地域の新聞への広告、列車内や駅貼りのポスターなど、大々的に広告をした。加えて、チラシや長型ハガキが合わせて 200万枚以上も印刷され、各地のグループのポストインやポスター貼りの活動は非常に活発であり、ワーカーたちの志向と活動のレベルはこれまでになく集中したものであった。このような大々的な広告をするグループの資金源に興味をもった質問が2〜3の会場で聴衆から寄せられ、このグループの特殊性について、雑誌の発行から本の翻訳、制作、出版に関わるすべてが無報酬で行われている現状、各人の自由意志による自発的な寄付によって運営されていることなどの説明がなされた。

すべての会場で、真剣に、熱心に講演を聞く聴衆の姿がことさら印象的であり、初めてこの講演会に来られた人々が非常に多かった。今年は、東京で、例年の会場が予約できなかったため、朝日ホール(660席)と読売ホール(1100席)の二か所での講演会となった。朝日ホールは満席になり、一週間後の読売ホールも800名近くの来場者を迎えた。特に印象的だったのは、朝日ホールでの講演はちょうど、ウエサク祭にあたる日曜日(5月14日)であり、午後3時には、マイトレーヤからの祝福が世界中のシェア・インターナショナル・ネットワークのワーカーたちに送られる日であった。石川氏は、マイトレーヤのメッセージの抜粋を読み上げているとき特に強いエネルギーを感じ、感動で涙をながしている聴衆の姿が何人も見られたので、ちらっと時計を見たら、3時20分であったと、言われた。おそらく、マイトレーヤの祝福が聴衆にも届いたのではないかと思われる。会場全体が非常に静かな緊張の雰囲気であり、途方もないエネルギーに包まれていたようであった。

シェア・ジャパン研修会には全国から166名のワーカーが集い、グループとしての和合、個人としての奉仕の重要さを強調されたクレーム氏のメッセージを受けて、真剣な話し合いが行われた。また、研修の初日にクレーム氏を偲ぶ時間が企画され、1985年から2010年まで、毎年日本に来日し、講演と伝導瞑想の指導をしてくださった記録から抜粋したビデオが紹介され、何人かのメンバーがクレーム氏の思い出を語った。とても有意義で、楽しい研修会であった。

以下は、石川道子の講演会場で見られた尋常ならざるお客さまについて寄せられた手紙である。

最後!?

5月14日、朝日ホールでの講演会の終わり頃、受付に70代くらいの男性が一人でやって来ました。荷物なのかゴミなのか分からないものが詰まったレジ袋を3つほど持ち、ややくたびれた感じの背広に、ビジネス用のシャツは、胸のあたりに汚れがついていました。二日酔いのような、お風呂に入っていないような臭いもありました。

その風貌にして、笑顔が美しい人、という印象を持ったのは、これまで出会ったことのないような瞳に釘付けになったからだと思います。透明な黒色をいくつも重ねたような瞳で、瞳のふちは青味がかっているように見えました。

その人は開口一番、「これは宗教でしょ?」と言い、スタッフが「宗教ではなく、情報を伝えているだけです」と答えました。そのあと、こちらを試すような質問が投げかけられたのですが、その内容が思い出せません。どうしよう、答えられない、試されてるかも、と思っているうち、「この話はずーっと前から知ってたけど、今回初めて来たんだよ」と言われました。

その後、他の受付スタッフと会話をしていましたが、私はその場には交じらず、黙って立っていました。しばらくして、彼が私の目の前を横切りながら、こちらを見ることもなく、唐突につぶやきました。「これが最後だからね」何かの会話の続きでなく、突然発せられた言葉でした。

これが最後って何? ついにその時!? 思わず胸の中で小躍りしてしまいました。ワーカーにとっては、特別に思えてしまう一言。これが特別な意味を持つのか、そうでないのかは分かりませんが、迫っている「最後」に向かって何ができるのか、私たちの姿勢はこれでいいのか、一度立ち止まって考えたいと思うきっかけとなった一幕でした。

K.T.(東京)

完全なマッチ

5月20日の読売ホールでの講演会の時です。休憩の時間中にロビーにいた中年の男性に目が止まりました。というのは、その方は上から下まで、真っ黄色の服装をしていたからです。(私たちが講演会の広告のポスターの見出しに使った同じ色の黄色だったのです)。黄色のシャツ、黄色のズボン、そして床までの長い黄色のコートを着ていたのです。その服装の奇抜さに驚いて、私は数段上の階段から見とれていました。すると彼は角を曲がって歩きだしたと思ったら、突然見えなくなったので、私は驚いて後を追いかけたのですが、もうどこにも彼の姿は見えませんでした。

O.F.(東京)

明るい未来

東京の読売ホールで私が担当していた、クレーム氏の本の閲覧コーナーが混み合い、真剣にクレーム氏の本を読む方々が多く、椅子をたくさん補充しなければならないほど盛況でした。その場を切り盛りしながら呆然と眺めているときに、私のそばに立っていた男性に突然話かけられました。「人類の未来は明るい」という帯のついたクレーム氏の本を指さして、「これです、これです、」と言い、「私たちはすでにこの明るい未来にいるんですよ」と話されました。「皆さんは長いあいだ働いてこられたけど、もう大丈夫です。今がその明るい未来にいるんです」と続け、私は嬉しくなり、「本当にそうですよね」と同意すると、「ほとんどの人は貧しいですからね」と言われて、突然泣き出されました。高揚感と大きな喜び、希望と深い悲しみの混じった感じを受けました。

その方は60歳代の精彩を欠いたサラリーマン風の男性で、講演を聴いて高揚し、希望を見いだしたかのような明るい顔をしていました。

B.R.(東京)

読者質問欄

Q 現在の政治について説明していただけますか。

A 多くの国々でファシズムが台頭しています。それは古いやり方の崩壊と、新しいものの成功の始まりに関係しています。間もなく状況は良い方向に変わるでしょう。嵐はほとんどやんでいます。私の師によれば、たとえ私たちがまだそれを認識していないとしても、それは強度を失っています。

Q 覚者方は、現在の紛争の度合いについて驚きを持っておられますか。

A 私の師は、闘争は予想されたが今日の恐ろしい野蛮さまでは予想していなかったと言われます。彼はまた、それは長続きしないが、私たちが平和を持つならば、自然の経過をたどらなければならないとも言われます。「混沌は自然の経過をたどらなければならないが、新たな摂理が行われるまではそう長くはかからないだろう」

Q その他の要因も関わっているのですか。

A 私たちの切迫した問題は、人口過剰です。世界は現在の世界人口を支えるほど十分に大きくありません。人口は急激に増えています。空間の占有を巡る争いがあります。
 紛争はほとんど常にある宇宙的状態から別の状態への変化の結果です。多くの人々はいまだに古いやり方に縛り付けられています。混乱は古い秩序から新しい秩序への動きの結果です。私の師は言われます。「多くの人々はあまりに不安で、別の行動と存在の必要にあまりに気づいていない」。彼らはまた現在の困難さの強度が弱まっていることにも気づいていません。

 

Q シャンバラのエネルギーは強まっていますか? 特に過去1、2年の間に。それが多くの緊張と紛争の原因ですか。

A はい、それは本当です。それは強まっています。またしかし、豊かな人々が独立して非常に貪欲になっています。彼らはすべてにおいて有利に立てないことを恐れています。彼らは彼らの富を失うことを恐れています。

(以上の4つの質疑応答は2016年7月に行われた)

 

2017年6月号目次

 

-覚者より
神性へ向かう
ベンジャミン・クレーム筆記

視点
G20は気候変動問題のリーダーシップを取るべき時である
テレサ・リベラ

オートメーション化の進展と最低所得保障
グラハム・ピーブルス

フランシスコ教皇-「築くべき未来はすべての人を含んでこそ価値がある」

S.O.P.(Save Our Planet)-われわれの惑星を救え!
英国:産業革命以来初めての、石炭からのエネルギーを使わない日

環境保護における勇気ある人々
2017年ゴールドマン環境賞の受賞者

民衆の声
「アースデー」における科学のためのデモ行進
民衆による気候デモ行進

時代の徴
世界中の奇跡

『叡知の種 覚者は語る(II)』
シェア・インターナショナル誌からの記事

神性へ向かい、万人のための未来を築く一選集
Moving into Divinity and forging a future for all-acompilation

国連事務総長が仏陀の慈悲のメッセージを称賛する

マイトレーヤの優先順位
核専門家グループが世界の指導者に核戦争回避を勧告する
ナディア・ブルビス

難民危機の解決法

世界情勢
何もないところから現れる飲み水
カナダでベーシックインカム制度が開始される

編集長への手紙
自然の驚異 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

 

 

 

神性へ向かう

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記

 世界中で、人々は自分たちが長い間保持してきた信念や確信がそれまで思っていたほど確かなものではないことに気づき始めている。社会や政治の機構の崩壊が彼らの既存の思考方法の価値に疑問をもたせ、彼らを二者択一のジレンマに陥れる──現在の思考様式や行動様式はもはや機能しないようであり、未来の様式はいまだ明確ではない。かくして、人間は決めかねており、過去のあり方を維持しようとしたり、未来を予知しようとしたり、無益な試みの中に迷い、手引きを待っている。そのような状況の中で、変化への機は熟している。

必要とされる変化の方向やその規模を、あるいはそれらがいかにして達成されるかを知る者はほとんどいない。しかし、現在の生き方は、その意味を欠いており、人間の幸せのためのあらゆる可能性を欠くということに、多くの人々が徐々に気づき始めている。かくして、大勢の人間が苦闘することをやめて、増大する古今の宗教や思想やいわゆるカルトに慰めと平衡を求める。必要な変化は、人間の手や心(マインド)が始動させていくにはあまりにも膨大で、あまりにも過激なように思える。そこで彼らは裡に向かい、人間の諸事をコントロールしておられるのではないかと彼らが想像するところの神へ向かう。

人間自身が、顕現する機会を待っているまさにその神である、ということを彼らは知らないだけである。彼ら自身が、良きにつけ悪しきにつけ、自分たちの人生をコントロールするのである。人間自身が、彼らの行為によって、諸事の歯車の輪を回し、葛藤や平和を生み出し、悪意や善意を植え付けるのである。

人間は人生における自分たちの役割と内在する力を学ばなければならない。かくして人生の質と方向に対する責任を取らなければならない。これをしない限り、人間は揺籃期を決して抜け出すことはできないだろう。

マイトレーヤは今や世界の舞台に入って来られ、人間に、彼らが潜在的に神であることを、まさに強力な存在であることを教え、そしてこれまでの条件づけのみが彼らを迷信と恐怖、競争と貪欲の虜にしていることを教えるだろう。マイトレーヤは人間に過去のあり方を放棄する方法を示し、そして彼の賢明な手引きのもとで、神性へと向かう人間に相応しい文明の建設を鼓舞するだろう。人間がマイトレーヤの召集を聞く日は、そしてそれを聞いて応える日は、あまり先のことではない。長い暗い夜は終わり、世界に入ってきた新しい光を喜んで迎え入れる時がやって来たことを知る時は、あまり先のことではない。

かくして、人間は再建の仕事を始めるだろう──その仕事にはすべての者の力と意志が要求されるだろう。すべての者がこの時を、奉仕しそして成長する機会として、彼らを現在この世界にもたらしたところの運命を成就する機会として、見なければならない。

将来、人間がこれらの最高潮の日々を振り返って見るとき、自分たちが現在の不正を、人間の生活をあまりにも汚した残酷さと無意味な苦しみをいかに容易に許容していたかを、信じがたい驚きで見るだろう。マイトレーヤはこのいにしえの不正と闘うために、そして人間を『光の時代』へと導くためにやって来られる。あなたの歓迎の手を彼に差し延べ、そしてあなたの真我へと案内してもらいなさい。        (『覚者は語る』p527529

 

『叡知の種 覚者は語る(Ⅱ)』

シェア・インターナショナルからの記事


シェア・インターナショナル誌の読者は、『覚者は語る』の待望の続編が出版されたことを知り、うれしく思うだろう。

『覚者は語る(Ⅱ)』は、ベンジャミン・クレームの師である覚者によって伝えられ、2004年1月から20165月までにシェア・インターナショナル誌で発表された記事をまとめたものである。本書はベンジャミン・クレームの協力と承認のもとで企画され、作成に長い時間がかかった。

高度に進歩し啓明を得て、人類の進化を導いておられる知恵の覚者方の弟子の一人として、ベンジャミン・クレームはこれらの記事をメンタル・テレパシーで受け取った。この雑誌の目玉であるこれらの記事は、シェア・インターナショナル誌がベンジャミン・クレームを創刊編集長として1982年に創刊された時からほぼ毎月発表されてきた。記事は非常に幅広い話題を扱っており、その中には「人類同胞愛」「戦争の終焉」「多様性の中の和合」「惑星の救済」「明日の都市」などが含まれる。本書はまた、ベンジャミン・クレームがメディアでのインタビューや講演、会合の終わりに時折受け取ったマイトレーヤからの短いメッセージも多く収録している。

こうした記事の目的は、覚者ご自身の言葉を引用すると、「この雑誌の読者に未来の人生を描き、その未来に対して楽しく積極的にアプローチ(接近)するように鼓舞し、日毎に彼らの途上に持ち上がる問題に正しく対処するための知識のツール(道具)を用意することであった。わたしの経験と洞察に基づく有利な視点から、わたしは“見張り番”として、守衛として働くことを求め、近づきつつある危険について警告し、あなたたち読者が大計画への奉仕に勇気と確信をもって行動することができるように努めてきた」。

『覚者は語る(Ⅱ)』は、ベンジャミン・クレームを追悼して出版される。告別の書と見なすことができるものであり、彼の師との生涯にわたる仕事の終わりを告げている。この仕事の遺産はこの新刊の中に生き続けており、彼らの密接な関係を証明するものとなっている。

 

ベンジャミン・クレーム監修、石川道子訳『叡知の種 覚者は語る(Ⅱ)』(シェア・インターナショナル誌からの記事)シェア・ジャパン出版、324頁、20174月初版発行