読者質問欄

Q 伝導瞑想グループの仕事は、アトランティス時代のラヤ・ヨガのニューエイジ的な一種ですか。〔ラヤ・ヨガとはチャクラまたは肉体のエーテル複体における中心を扱うヨガのことであり、チャクラを通してエネルギーを伝導するヨガである〕
A いいえ。伝導瞑想の仕事は、時代を通して継続的に行われてきた、より意識的で組織的なエネルギー配分の形態です。

Q 頭部の背後にある中心の機能は何ですか。頭部の中心でこれに対応する低位の中心またはチャクラは何ですか。
A それは脊柱基底部の中心の頭部の対応物です。

Q あなたは『伝導瞑想──21世紀のヨガ』という著書の中で、ゴータマ仏陀はシャンバラにおられると述べています。私の理解では、ゴータマ王子は、イエスが世界教師マイトレーヤによってオーバーシャドウされていたのと同じように仏陀によってオーバーシャドウされていました。では、シャンバラにいるのは誰なのですか。仏陀なのか、仏陀によってオーバーシャドウされていた器であるゴータマなのか。そして他の方はどこにいるのですか。
A 仏陀はシャンバラにおられます。ゴータマ王子であった存在はこの惑星に転生していません。彼は今、シリウスにいます。

Q 次のことは正しいですか。(1)ゴータマ王子は今、シリウスにいる。(2)仏陀はシャンバラにいる、なぜなら彼はすべての人間が覚者(第5段階のイニシエーションを受けた存在)になるまで人類と共に留まると約束されたから。もし仏陀がキリストと同じように魂の王国における地位だとすれば、マイトレーヤがキリストの地位にある今、仏陀の地位にあるのは誰ですか。これらのことについて明らかにしてください。
A (1)はい。(2)仏陀は役職ではありません。マイトレーヤは役職ではありません。しかし、キリストという「地位」はハイアラキーにおける一つの役職です。仏陀も、キリストであり世界教師であるマイトレーヤも、彼らの意識状態に関する神的なエネルギーを体現した個人です。仏陀は知恵の様相、キリストは愛の様相です。キリストはマイトレーヤが現在就いている役職であり、アクエリアス時代の終わりまで保持されるでしょう。

Q これは複雑な主題のようですが、治療に関してカルマはどのように働くかご説明いただけますか。
A カルマ的治療は次のように行われます。特定の状況において、覚者は法の下で一定の量のエネルギーを使うことができます。ある場合には、特に子供の場合、これは全体的なまたは部分的な治癒において十分でしょう。他方、より高齢な場合や、より重大な場合は、それは状況が悪化するのを防ぐだけでしょう。カルマ的状況が変われば、多かれ少なかれ、場合に応じて、より多くのエネルギーが利用可能になります。このパターンは、患者が治癒されるか、全体のカルマが許す程度に緩和されるまで続きます。

Q マイトレーヤはリンガムを生み出しますか。
A いいえ。

Q 人は転生し進化する中で十二星座を順番に進んでいくのですか。
A 魂のレベルではそうです。魂は十二宮の星座を進んでいきます。しかし、パーソナリティーのレベルではそうではありません。星座の順番どおりに進むわけではありません。

Q 人はイニシエーションを受けるためには特定の星座にいなければならないのですか。星座はイニシエーションの観点から重要ですか。
A パーソナリティーの観点からは重要ではありません。パーソナリティーの星座は役割を果たしません。魂の観点からは、イニシエーションを受けるためには、他のすべての条件が満たされたとすれば、「支配的な」星座は山羊座になければなりません。パーソナリティーの星座が山羊座にあることは、その人がイニシエーションを受けることを意味しません。

Q 上昇宮が何であるかを決めるのは何ですか。それは重要なことですか。
A いかなる転生においても、転生するエゴ(魂)の進化段階が、その人がどの上昇宮を持つかの要因です。

Q 魂はいつ次の器の性別を選ぶのですか。その理由は何ですか。男性の肉体をとったり女性の肉体をとったりするのはなぜですか。
A それは将来の転生の目的を決めるプロセスの中で決められます。魂はあらゆる体験を必要とします。

Q どのくらいが魂の選択で、どのくらいがランダムに行われるのですか。
A それはランダムな過程ではありません。選択は完全に魂によってなされます。

Q この転生で非常に男性的なタイプの女性であれば、次の人生では男性になるのですか。それとも前世で男性だったからそうなのですか。
A いいえ、必ずしもそうではありません。もっと複雑なものです。それは文化や、(家族と文化の両方における)条件付け、世代的な影響の問題です。光線の影響やその人の中での光線の相互作用の問題でもあります。

Q 家族のメンバーは多かれ少なかれ等しくカルマ的に互いにつながっていますか。あるメンバーが家族で全く「新しい」ことはありますか。
A 家族の一人か二人が全く「新しい」ことは確かに起こります。言い換えると、彼らは過去にその家族のグループに転生しませんでした。

Q カルマ的関係を持つ人々に会うよう導くのは偶然ですか、それとも魂の「操作」ですか。
A それは魂が特定の出会いを可能にするという問題です。それはカルマの問題でもあります。

Q あなたのように、同じ魂の光線を持つ国に転生する傾向がありますか。
A はい。例えば、英国や米国やその他の国々のような第2光線の魂を持つ国々にはより多くの第2光線の魂がいます。

Q ヒーリング・エネルギーとは何ですか。それは7光線から来るのですか。それともそれは別の、エーテル・エネルギーですか。
A ヒーリング・エネルギーはエーテル的であり魂からのものでもあります。

Q ヒーリングは基本的にエーテル体に影響するのですか。
A はい。

Q グループ・ヒーリングを司るものは何ですか。同じような進化段階ですか。それとも同じ覚者の下にあることですか。それとも同じ光線の影響ですか。
A グループ・ヒーリングは同じグループの覚者に関係しています。それはまた、グループにおける支配的な光線にも関係しています。

Q チャクラの目覚めは病気の原因となりますか。
A はい、それは混乱を引き起こし得ます。

2022年6月号目次

 

覚者より
S.O.P.――われわれの惑星を救え!
■ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

視点
ウクライナでの消耗戦を終わらせる
ジェフリー・サックス

世界から最悪の惨劇をなくす
ベアトリス・フィン氏へのインタビュー
アナ・スウィーストラ・ビエ

ヒューマンライブラリー ――『人を先入観で判断しないことを学ぶ』
ロニー・アバーゲル氏へのインタビュー
ジェイソン・フランシス

サンジェルマン伯爵の人生、活動、才能 —第三部
ドミニク・アブデルヌール

時代の徴
世界中に溢れる奇跡

サティア・サイババからのインスピレーションと導き
パトリシア・ピッチョン

エコロジー経済学―持続可能性、公平性、自由に向けた変化の過程なのか? —第二部
オーヴェ・ヤコブセン教授へのインタビュー
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック

混乱と希望
ルーク・ギオリー

世界情勢
大気中の炭素を削減するために古代の技術を発展させる
古い種子が約束を取り戻す/ベルリン宣言

編集長への手紙
暗雲を払って 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

S.O.P. (Save Our Planet!)──われわれの惑星を救え!

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 世界にある現在の状況を熟視するとき、特に重要なこととして二つの問題が目につく──戦争の危険と地球の生態系の不均衡の加速である。もちろん、他にも多くの問題がある──多くの国々、特に西洋諸国に影響する経済的大災害、食糧の価格、特に何千万の人々の主要食品の価格の高騰、富裕層と貧困層の間の生活水準の巨大な、そしてますます増大する格差。
 これらの問題はすべて重要であり、早期の解決を必要とする。最初に挙げた二つの問題はすべての分別ある人間と政府の注目を強要しなければならない、なぜならそれらは人間の福利に対する最大の脅威を提供するから。戦争は、大きかろうが小さかろうが、今や考えられないことであるべきなのだが、そうではないのだ。最も恐ろしい戦争の愚かさと無益さを経験してきた世界でさえ、まだあの忌まわしいものを完全に放棄していない。諸政府は、あの古いやり方で、結局、彼らの切望する褒美を取り戻せるだろうという考えに誘惑される。ゆえに、戦争の武器は必要不可欠であり、主要な取り引きの資産である。武器が存在するかぎり、それは使用されるだろう。小さな戦争は、より多くの国々が巻き込まれるにつれて、大きな戦争を生む。大国は同盟国を通して代理によって戦い、重要でもない論争を戦争に引き延ばす。この大きな危険はすべての国によって放棄されなければならない。それは地球上における人間の生存そのものを脅かす。
 戦争とは別に、汚染ほどすべての人間の未来に非常に深遠な影響を与えるものはない。ある国々はこの事実を認めて、汚染と地球温暖化を制限するステップをいくらか取っている。他の国々は、ときには汚染の主要国が、地球温暖化の現実を、圧倒的な証拠があるにもかかわらず、否定する。今や、日ごとの気候の変動は、惑星が病んでおり、その均衡を取り戻すために即刻、熟練した看護が必要であることを、疑いの余地なく証明している。この惑星地球が毎日被っている変質を停止させるために残された時間は切れつつある。すべての男女が、子供が、この仕事に彼らの役割を果たさなければならない。まさに時間はない。S.O.P.* われわれの惑星を救え!

〔*編註= S.O.P. とは 英語のSave Our Planet(われわれの惑星を救え)の頭文字であり、これはやがて、われわれの惑星を救済するための行動をすべての人間に呼びかける国際的な合言葉になるだろうということを明記しておきたい〕

(シェア・インターナショナル誌2012年10月号)

今月号の内容概説

 私たちの世界の多くのことは短期主義の結果であるように思える。緊迫した状況の圧力を受けるため、時間がなく、十分な情報がなく、洞察力を欠くことになり、非常にまずい判断をしがちになる。脅威が感じられると、私たちは短期的な解決策を選ぶようであり、日々のニュースの見出しはその明らかな結果を示している。
 こうした問題において繰り返し登場するテーマは、長期的なアプローチという知恵である──世界はその反対のものから生じる問題に対処しているが。ベンジャミン・クレームの師による今月号の記事は、「戦争の危険と地球の生態系の不均衡の加速」を踏まえて、賢明に考慮した上での緊急の行動の必要性を強調している。「時間は切れつつある」と覚者は書いておられる。私たちは是が非でも、長期的な解決策を選択しなければならない。気候科学は証拠を提示すると共に、未来を確かなものとするための解決策も提示している。
 ジェフリー・サックス氏は「ウクライナでの消耗戦を終わらせる」という記事の中で、和平交渉に向けた実現可能な解決策の概略を描き、「ウクライナで平和を構築することはまだ可能である」と指摘している。私たちは消耗戦──長い戦争──に時間をかける用意はできているが、解決策を見いだすためには時間をかけていない。同じテーマに関して、ルーク・ギオリー氏は(「混乱と希望」という記事の中で)決定的に重要な要因について力説している。長期にわたる継続的なプロパガンダと国民に対する条件付けは、特に他国への偏見が重要な要素となっている場合、将来の紛争の種を宿しているということである。
 「核兵器廃絶国際キャンペーン」のベアトリス・フィン事務局長へのインタビュー(「世界から最悪の惨劇をなくす」)では、もし私たちが未来を欲するなら、核兵器はなくなる必要があるという主張がなされている。サンジェルマンの複数の生涯について詳述する伝記の最終回では、覚者方がいかに非常に長い期間にわたって活動するかが強調されている──「長期的な視点」という語句がほんの一瞬のように聞こえてしまうような事実である。サイババについてのパトリシア・ピッチョン氏の記事によって提供された情報を例にとってみよう。万人の利益のために長期にわたって影響を及ぼす多くのことが、サイババの2回目の転生で成し遂げられた。ベンジャミン・クレームはサイババの次の転生についても指摘している。これは数百年にまたがる世界への奉仕である。
 世界中の人々は、自分たちがこの惑星上の出来事の行方に影響を及ぼすくらい強力だと考えるようになるだろう──持続可能な未来を確かなものにし、共通の善のためになるよう政治に変化を起こし、短期主義とそれが引き起こす混乱を避けながら、活動家と政治家が一緒に働くよう促すだろう。
 「この惑星地球が毎日被っている変質を停止させるために残された時間は切れつつある。すべての男女が、子供が、この仕事に彼らの役割を果たさなければならない」と、ベンジャミン・クレームの師は緊急の要請をしている。一見矛盾しているように思えることは、覚者方は時間に拘束されておらず、世界の出来事を「永遠なる今」以外で起こっているとは見なさないが、考えられる限り最も長い期間にまたがることは確かな「大計画」のために働いておられるということである。
 今月号においては、こうしたアイディアやその他の多くのものを、ベンジャミン・クレームによる質疑への応答に加えて、マイトレーヤもしくはイエス覚者との出会いについての読者の話の中にも見いだすことができる。

世界から最悪の惨劇をなくす

ベアトリス・フィン氏へのインタビュー
アナ・スウィーストラ・ビエ

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、国連核兵器禁止条約の遵守と実施を推進する非政府組織の連合である。2017年には、ICANはその業績に対してノーベル平和賞を贈られた。アナ・スウィーストラ・ビエが本誌のためにICANのベアトリス・フィン事務局長にインタビューを行った。

シェア・インターナショナル(以下SI): ウクライナ戦争は、核兵器が戦争を抑止するという主張が間違いであることを明らかにしました。代わりに、侵略国にとって核兵器は白紙委任状のように機能しているように見えます。状況の悪化を恐れる他の国やNATOによる干渉を妨げているのです。

ベアトリス・フィン:相互抑止の概念に頼ることができるという仮定は、確かに間違っています。核による抑止は、望むものを手に入れるために民間人を一斉に殺害すると脅迫する準備ができていることを背景に常に行われています。現在の制度を擁護する人の多くは、この相互抑止が安定をもたらすと主張します。私は全く違う意見を持っています。プーチン大統領の脅威は、他国への侵略を伴います。それは恐喝です!  これは、私たちがどれほど脆弱であるかを示しています。アメリカは核兵器を持っているため、ウクライナを援助することができません。この状況は、核兵器が不利であることを示しています。
 抑止理論は非常に非合理的です。それは地球規模での自殺の準備ができているだろうという考えと関係があります。これは決して正当でも合理的でもありません。そして相手側はそれを知っているのです。

SI:ヨーロッパの治安情勢は、ロシアのウクライナ侵攻によって大きく揺らいでいます。フィンランドやスウェーデンのような国々は現在、NATOに加盟するための措置を講じており、核兵器を保有している潜在的に攻撃的な国から身を守るためには核兵器が必要であるという考え方が広まっているようです。核兵器がなければ、そうした状況が利用される可能性があるといいます。現在の地政学的な情勢では、多くの人によって、核兵器の廃止は考えが甘すぎると思われています。どうすればそのような考え方から脱することができるのでしょうか。

フィン:ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアが核兵器を持っている限りヨーロッパの安全はあり得ないことを示しました。そして、核戦争を解決するために核戦争を開始するという脅しにいっそう依存することは、エアコンが地球温暖化を解決すると信じていることに少し似ています。核抑止力に依存することは、私たちがすべての安全保障をプーチンの手に委ね、彼が正しいことを行うことを永遠に信頼することを意味します。それは考えが甘く、無責任です。プーチンが常に「合理的に」行動するだろうと信頼することはできません。また、私たち全体の運命について彼を信頼することはできません。
 1回の核爆発で数十万人の民間人が死亡し、さらに多くの人が負傷する可能性があります。放射性降下物は、複数の国の広い地域を汚染する可能性があります。広範囲にわたるパニックは、人の大規模な移動と深刻な経済的混乱を引き起こすでしょう。複数の爆発の場合は、もちろんはるかに悪いでしょう。国連機関と赤十字国際委員会による長年にわたる研究と分析では、核兵器の使用後には効果的な人道的対応が行われない可能性があることを一貫して指摘しています。医療と緊急時の対応能力はすぐに限界を迎え、すでに膨大な数に達している死傷者をさらに増加させることになるでしょう。
 スウェーデンやフィンランドに対する核攻撃は明らかに完全に壊滅的なものであり、私たちはその結果に対処することができないでしょう。しかし、ヨーロッパの他の場所での核爆発も、スウェーデンとフィンランドに深刻な影響を及ぼすでしょう。このような大惨事を回避する唯一の方法は核兵器を完全に廃絶することであり、これに向けた最善の手段は国連核兵器禁止条約(TPNW)です。この条約は核兵器に関連するすべての活動を禁止し、核兵器を排除する計画を打ち出しています。

SI:メディアでは「戦術核兵器」についての話があります。それはどういう意味で、どのように機能するのでしょうか。

フィン:戦術核兵器は戦場で使用するように設計されており、一般的に爆発力が比較的弱いものです。しかしながら、核兵器の使用は、特にヨーロッパのような人口密度の高い地域では、壊滅的で広範囲にわたる結果をもたらすでしょう。いわゆる「戦術」核兵器や「戦場」核兵器でさえ、通常は10から100キロトンの範囲の爆発力を持っています。それに比べて、1945年に広島を破壊し14万人の死者を出した原子爆弾は、ちょうど15キロトンの爆発力でした。このスケール感を背景に持つことは重要です。私たちは「小さな」爆弾について話をしているのではありません。その影響は依然として巨大です。それらは都市を一掃することを目的としています。

SI:現代は、未熟で、無責任で、衝動的で、権力に飢えた指導者が核のボタンに指を置くとき、人類の見通しに最も恐ろしい光が投げかけられる時代です。しかし、現在の指導者の性質に関係なく、どの国であっても、そのような兵器を保持することがどれほど正気で責任あることなのかについて、私たちは確かに等しく心配する必要があるでしょう。そしてもちろん、サイバー攻撃やその他の技術的進歩という現実もあります。

フィン:核兵器に対して良い手はありません。人が常に合理的な決定を下すとは限らないことを私たちは知っています。また、事故が発生する可能性があることも知っています。世界は現在、プーチンが正しいことを行い、核兵器を使用しないことを望んでいます。これが、米国など多くの国の安全保障戦略です。しかし、これは非常に壊れやすいものです。私たちは、それが再び起こることはないだろうという希望的観測の下に生きています。

SI:技術的、機械的、人的エラーは発生するものです。世界中で貯蔵されている膨大な核兵器に関連して大規模な災害がまだ発生していないのは、大きな幸運のおかげなのでしょうか。

フィン: はい、私たちは非常に幸運でした。これまでに多くのニアミスや事故がありました。多くの科学者は、今日生まれる子供たちは核戦争を経験する可能性が高いと述べています。それはとても恐ろしいことです!  また、最近、インドがミサイルをパキスタンに誤って発射したことも分かりました。もしそれが米国の基地とロシアの間で起こっていたら、私たちは核戦争に巻き込まれ、壊滅的な結果となる可能性がありました。もしこの道を進み続ければ、非常に危険な旅をしていることになります。人は非合理的で予測不能な行動を起こすものです。それが起こらないことを保証できないので、その代わりに核兵器を取り除く必要があるのです。

SI:原子爆弾の使用について考えると、すぐに広島と長崎が思い浮かびます。それは恐ろしいことでしたが、1945年に爆発したものと比較して、今日の原子爆弾の威力はどのくらいでしょうか。核戦争後には、生存者に対してどのような世界が残されるのでしょうか。

フィン:開示されている情報は多くはないです。現在までにソビエトが実験を行った最大の爆弾は、メガトン単位の威力を持つ「ツァーリ・ボンバ」でした。すべての核保有国は兵器の近代化を続けており、これに何十億ドルもの投資をしています。今日の核兵器の威力ははるかに大きく、軍縮の取り組みがあったという考えを否定するようなものです。確かに冷戦以来、核兵器の数は減少していますが、既存の弾頭の威力は、1980年代の爆弾と比較してはるかに大きくなっています。したがって、核兵器の1回の使用による影響は、広島と長崎で見られた影響よりはるかに壊滅的なものになるでしょう。
 一方で、核爆発の短期的および長期的な恐ろしい影響にもかかわらず、生存者がいることを忘れてはなりません。人々は残骸を片付ける必要があるでしょう。……

SI:戦争を抑止すると思われている核兵器の背後にある論理は、核兵器が悲惨すぎるのでこれまで一度も使用されなかったというものです。しかし、それでも私たちは、点と点をつないで全容を明らかにすることはなく、核兵器は危険すぎるので維持できないことをこの論理がほのめかしていることを認識しません。その代わりに、多くの国では一般的に、核兵器は「必要悪」であると考えられているようです。そのような兵器が引き起こす破壊の規模を知っているので、核兵器について議論したり、核兵器の存在と開発に対する国民や有権者の支持を得たりする方法を理解することは困難です。これらの兵器が私たち全員にもたらす存亡にかかわる脅威に関係した真の事実について、国民やメディアの認識が不足しているのでしょうか。核兵器が「安全な手」の下にある限り何も悪いことはなく、核兵器が存在している限り確かに今までに悪いことはなかったと信じ、私たちは誤った安心感に落ち着いているようです。私たちは無知、偽情報、神話、プロパガンダの犠牲者なのでしょうか。

フィン:私たちはこの爆弾について、ほとんど神話的で強力な物体として話をしてきました。しかし、それは依然として人間が造った爆弾であり、私たちは核兵器をどうするかを決めることができます。
 多くの政治的圧力を生み出し、核兵器を非難しなければなりません。私たちは核兵器を権力の象徴と見なしてきましたが、恥の象徴と見なすべきです。誰にも武装解除を強制することはできません。しかし、核兵器の保有をより困難でよりコストのかかるものにすることはできます。そうすれば、最終的には核兵器を取り除くことがより簡単になることに気づくでしょう。また「核兵器」は、全く使用に適さないものです。大惨事と混乱を引き起こすもので、現在の軍事開発の傾向に反しています。核兵器の価値は徐々に下がっていくでしょう。核兵器の価値が下がれば下がるほど、より多くの国家が核兵器をなくしたいと思うでしょう。
 私は、そこに到達できるだろうという希望を持っています。私たちは、人権や国際法に関して非常に大きな進歩を遂げました。これらの制度と規則は完璧ではなく、ロシアの侵略のような出来事を妨げることはできません。しかしながら、それらは国際的な対応の枠組みを提供します。

SI:兵器産業にはどのような影響がありますか。巨額の資金が他の用途から逸れ、決して使用してはいけないと私たち全員が同意している核兵器や核装備の生産、開発、保守に注ぎ込まれています。

フィン:兵器産業は間違いなく既得権益を持っており、核抑止力が、人々が疑うことのない政策であり続けるように取り組んでいます。政治選挙キャンペーンに寄付し、シンクタンクや研究機関に資金を提供し、これが優れた安全保障戦略であるという考えを維持しています。兵器会社によって資金提供されたあらゆる政策や研究活動に疑問を持ち、それはただ兵器会社の莫大な利益を維持するためではないかと問うことが絶対に必要です。

SI:核兵器は、現在では違法なものです。TPNWには、現在までに86カ国が調印し、60カ国が批准しています。この成果の背後には、大規模な作業と根気強いたゆまぬ努力があります。世界的な核軍縮運動、責任ある国家や市民社会のすべてがその役割を果たしており、もちろんICANも大きな役割を果たしてきました。2022年6月21日から23日にウィーンで開催される最初の締約国会議では、あなたは何を達成することを目指していますか。

フィン:ウィーンでは、核兵器の完全な廃絶の基礎を具体的にどのようにつくっていくかを議論する予定です。世界がウクライナ戦争を心配して見守り、プーチンが実際に核兵器を使用するかどうかを見守っている間、私たちはそれらを取り除く計画について話し合う予定です。TPNWはそのような計画なのです!
 軍縮と核兵器の廃絶に真剣に関心を持つ国は、会議に参加すべきです。最初の締約国会議は、50カ国目の批准により昨年初めに発効したTPNWの祝典になると想定されていました。今ではこの会議は、新しい力を生み出すことができます。核兵器をめぐる闘いが始まって以来、初めてのことです。別々の依存関係にある非常に異なった国々、一部の国は米国に、一部の国は中国に、一部の国はロシアに依存する国々が、プーチンの脅威を非難できる局面です。ドイツやスウェーデンのように今のところ禁止条約を施行したくない国でさえも、ウィーン会議への参加を発表しました。これは最初の重要な段階です。

SI:核兵器の惨劇から解放された地球への道に必要な次の段階は何でしょうか。

フィン:多くの人は今、私たちが核兵器のせいでどれほど脆弱であるかを認識しています。家族の未来をプーチンや核保有国の指導者の手に委ねることを安全とは感じていません。歴史上、核軍縮においてなされた最も大きな進歩は、危機の後に達成されました。今こそ人々が活動すべき局面だと思います。甘い認識を持つことをやめなければならないことを政治家に伝える必要があります。核兵器をどのように取り除くかという計画を立てなければなりません。
 大衆が立ち上がったとき、権力者は常に権力を失ってきました。TPNWはそのような革命なのです。少数の核保有国が条項を決定し続けることはできません。あまりにも長い間、少数の国家が、核兵器の保有と核抑止という考え方を通して他国の運命を決定してきました。残りの世界はこの状況の人質になってきました。TPNWはこのことに関係しており、地球の未来を切り開くことに関係するものなのです。今、私たちは情勢をがらりと変えようとしています。新しい法律を作り、制度を変えようとしています。安全のためには、核兵器を禁止し、排除する必要があるのです。

詳しくはwww.icanw.orgを参照してください。

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

暗雲を払って

 この数日間(手紙は2010年11月に書かれた)、数年前に起きたある体験のことを思い出したり、記憶を辿ったりしていました。正確な日付は覚えていないのですが、ある冬の日にシチリアのトッレと呼ばれる場所で、浜辺の岩の上に座っていた時に起きたことでした。
 その当時は、ハイアラキーの存在や、すべての存在が一つであること、私たちの種族の進化のための聖なる大計画が存在することについて私が受け入れてから比較的日が浅く、したがってまだ不安定な認識でした。私は長年、無益と思われる過去との葛藤を抱えていて、そこから自分自身を解放しようとしてもがき、方法も見つかりませんでした。まるで過去の行動の結果から決して自由にはなれず、現在の目的や平安を達成することも、ましてや愛とは何か、何を意味するのかを理解することもできないように思われました。
 私がそこに座って海と空を眺めていた時、私の心の内で優しく元気づけてくれる声が聞こえたように思えました。過去はもはやそれほど現実的なものではなく、その影響は、私の頭上の晴れた空にある小さな黒雲の破片のように、徐々に無くなっていくだろう、とその声は言ったのです。私は意識的なトランス状態になったようでした。しっかり目覚めていながら、意識が薄れていて、それでも同時に心の内に起こっていることに注意を向けていました。
 私の注意は頭上の小さな黒雲に向けられました。それをじっと見ていると、それは小さくなっていき、その後、目の前で消えてしまいました。私はまばたきして、自分の想像だと思いました。それで目線を別の雲に移すと、それもまた目に見えて消えていき、その場所には青空以外に残っていませんでした。だんだんと目線を雲から雲へと移動していくと、それぞれの黒い雲が崩れていき、そして消えていって、空全体が一点の曇りもなく晴れ渡るまで続きました。
 その体験の後、私は安心感を覚え、畏敬や感謝、希望といったようないくつもの他の感情を感じていました。そして『予言された』とおり、過去にとらわれて憂鬱になることも徐々に無くなりました。時がたつにつれて、ついには、私にとってふさわしい心の持ち方を見つけたのです。
 ある意味では、その体験がどこから来たのかは問題ではないと分かっていますが、私が手紙を書いたのは、このような体験を分かち合い、声を与えることが必要だと思ったからです。助けやこれまで述べてきたような慰めを受けることは、私たちの共通の言葉や意識の一部になり得るものであり、この世界の外に存在しているのではなく、私たちすべてが属している、より偉大な存在の一部であると認識するようになるということです。それでも、さげすまれることを怖れて、否定する人たちもいることでしょう。私は時勢が変わりつつあることを知っています。少なからず、シェア・インターナショナル誌のような月刊誌に助けられています。

ジル・ブラウン
シチリア、カターニア

【ベンジャミン・クレームの師は、この体験がイエス覚者によるものであったことを確認した】

笑顔の効能

 地元のスーパーマーケットの青果コーナーで買い物をしていて、マッシュルームを選んでいた時、ぽっちゃりとした年配の男性が私の背後ににじり寄ってきました。彼は私の肩へもたれかかってきて、非常にはっきりと「俺のおっ母さんは、ノミを一匹見つけた。それからそいつをティーポットに入れて、ポット一杯のお茶にした」と言ったのです。私は笑って「それは大変お利口さんでしたね!」と言いました。
 振り返ってその男性を見ると、彼はケバケバしい青のシャツを着て、赤い髪を変なバーコードヘアにとかしつけていました。私は彼の外見にクスクスと笑ってしまい、そうしている間に彼はどこへともなく消えてしまったようでした。
 その日はとても身体が弱っていると感じていたのですが、その突飛な人物に会ってから幸せな気持ちで買い物を終えることができました。もしかして彼の詩にメッセージがあったのだろうかと思っています。
 この男性が地元のコメディアンだったのか、とりわけ特別な方だったのか、どうか教えていただけますか。

ダヴィナ・ダービー
ニュージーランド、クライストチャーチ

【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がマイトレーヤであったことを確認した】

素晴らしい会話術の人

 2、3年前(手紙は2010年10月に書かれた)、私は健康食品店の前に駐車し、入り口の木の下に腰を下ろしている男性に気づきました。彼から少しのお金を求められました。私は「いいですよ」と言って、彼に10ドル札を渡しました。それから会話が始まり、彼がテキサス州に車で帰るためのお金が必要だと言いました。私は彼にテキサス州にある場所について質問し始め、米国の大統領選に出馬したがっている、物議を醸すテキサス人についても尋ねてみました。
 彼は私が持ち出したあらゆる話題について知的に話をしました。私が店に入ろうとすると、彼は立ち上がって、握手してきました。その時、彼が自分の人生について何も語らなかったことに気づきました。それで私は彼に「何をしているのですか?」と尋ねました。彼は「人々を鼓舞しています」と答えました。
 私は店に入ってから、彼がさらにお金を必要としているかを尋ねようと思っていましたが、外を見てみると、彼はいなくなっていました。それ以来、しばしばこの不思議な出会いについて考え、それがマイトレーヤであったかもしれないと思っていたのです。そうでしたか。

ブランチ・バリモア
米国、オクラホマ州オクラホマ・シティ

【ベンジャミン・クレームの師は、その男性がイエス覚者であったことを確認した】

読者質問欄

Q 家族の間でさえ政治について合意が全くできないのに、どうやって世界平和を築くことができるというのでしょうか。(2003年、アメリカ、ロサンゼルスでのベンジャミン・クレーム講演会)

A 世界の誰もが世界平和を維持することに責任があります。それは全員にとってそうであり、アメリカだけでなく世界の誰もが世界の平和に責任があります。現在、いわゆる民主主義国においては、機能するかどうか分からない制度の下で、カードで投票するだけであっても、誰もが投票とその結果に責任を持ちます。世界にいる何百万もの飢えている人々、貧しく飢えている人々、いかなる政党ともつながりを持たず、自分たちの必要を知らせる何の手段もない人々よりも、彼らには大きな責任があります。

Q 周辺に追いやられた人々の苦境はどうなるのですか。

A 言うまでもなく、彼らは最も困窮する人々です。しかし、彼らは声を上げることができず、マイトレーヤがまさにその声を与えるでしょう。マイトレーヤは世界の貧しい人々、飢えた人々、追放された人々、囚人たちに声を与えるでしょう。何十万もの人々が単に現在の政府と異なる見解を持っているという罪だけのために投獄されており、声を上げることができません。投獄され獄中で苦しむことが当然だと考えられています。しばしば拷問も受けています。マイトレーヤは彼らのために語り、声を必要としても上げることのできない人々のために語るでしょう。
 しかし、今日声を上げることのできる人々──教育があり、投票制度を持ち、ある程度の民主主義を享受している人々──には特別な責任があります。

Q マイトレーヤの存在は政治をどう変えますか。

A 私は政治的行動を通じて和合を獲得することと、教育を受け、はっきりとした見解を持つ世界の人々が、国際的な規模での和合の必要性を知り、認識し、理解することについて話しています。ですから世界のすべての国が共に働く必要があります。そうでなければ何も変わらないでしょう。

Q 平和は可能であると人々に確信させるものは何でしょうか。

A 多くの人々は、マイトレーヤが現れて話し始め、覚者方が一人ひとり出てこられて話し始め、世界が彼らに耳を傾け、変化が始まると想像しています。そんなに単純なことではありません。それは人類によって行われなければならないのです。つまり、100%の合意ではないにしても、世界の大半の人々のかなりの程度の承認が必要なのです。さもなければ、それは効果がないでしょう。人類の大多数の承認がないのに人々がマイトレーヤや覚者方の助言の力のみによって決意するならば、それは自由意志の侵害になるでしょう。私たちはもはや政党のような単純な多数派によっては行動しません。ある程度の合意がなければ、何も起こらないでしょう。変化はないでしょう。自由意志を侵害するのでそれを強制することはできません。強制しても持続しないでしょう。大多数の人々が承認しなければ、何を強制しても続きません。変化があったものはすべてオープンに議論できます。決定したすべては反対意見に対して開かれています。
 ですから、人々はこう考えるでしょう。「結局のところ、これが私たちにできる最良のことなのだろうか?」と。そして彼らは別のものにたどり着くでしょう。それは生きた創造的な過程です。単にある制度を別の制度に変えるということではないのです。現在の価値観を別の価値観に変え、それらの価値観はすべての人々に同じレベルで共有されるわけではありません。同じ強さで共有されるのでもありません。その価値観を持つと考える大衆によって共有されるのではありません。
 人間心理はとても複雑なものです──信念や希望の体系があります。しかし概して言えば、人類は、どんな時代においても、広く合意されたことを実行するようになるでしょう。人類の90%が変化に同意すれば、それは十分だと思います。ある政治的・経済的変化に同意するのが50%、55%、あるいは60%であれば、それは効果がないでしょう。それは持続しないので、変化への準備ができているとは言えません。
 世界には異なった考え方を持つ強力な勢力があります。それは常にそうでしたし、特定のやり方で物事を進める習慣は制度化されており、その習慣は非常に強力です。グラマーはあまりにも深いので、全体としての人類は、今や60億人を超えますが、合意に達するには長い時間と多くの内省が必要でしょう。

Q 変化はゆっくりであると言われるのですか。

A 間近な将来に劇的な変化を求めるべきではありません。変化は少しずつ、社会の混乱と破壊と紛争を最小限にして起こるでしょう。受け入れることができるものはすべて実行されるでしょう。受け入れられないものは、それが受け入れられるようになるまで延ばされ、信頼が築かれるときにのみ受け入れられるでしょう。その信頼は経済的変化、最初に起こる変化によって築かれるでしょう。それが私たちの問題すべてに対する答えでしょう。
 私たちのすべての問題を解決する出発点は、世界資源の経済的再分配における変化でしょう。それは私が何度も何度も、そして覚者方が何度も何度も書いてきたことですが、将来のすべての変化の鍵となるでしょう。なぜならそれは信頼を生むからです。信頼が生まれるとき、すべてのことは可能になります。そのとき政治の分野にも変化が起きます。政治の分野での変化が経済的な変化を起こし、これらの変化が地球のための純粋に現実的な分野において変化を起こします。

Q 国連は多くの分野で力不足であり、無力化しており、食糧援助などで役立っているにせよ、もっと多くのことをすべきだと考える人々がいます。多くの世界的な問題に対処するのに最良の方法は何でしょうか。

A 将来的に、国際的グループの大部分によって合意ができるでしょう。この状況で、国連は鍵となる要素であり、それ自身の役割を果たすでしょう。今日では残念ながら、アメリカの右翼集団に難色を示されています。
 国連ビルがニューヨークにあるのは幸運なことです。それがロンドンやジュネーブや東京にあれば、アメリカの大部分はそれに関係しないでしょう。支出金を支払おうとしないでしょう。何もしないでしょう。国連がやろうとするあらゆることに反対するでしょう。しかし、世界は国連にとても多くのものを負っています。
 それは地球の最大の教育者です。何百万、何千万もの人々にとって最大の医療資源であり、医療を受ける他の手段を持たず、十分な医療を提供する病院を持たない人々が、国連機関に医療を受けるのを頼っています。現代社会の勝利である国連がなければ、無数の人々がさらに欠乏していたでしょう。ですから私たちは持てる力のすべてを国連に与えなければなりません。

2022年5月号目次

 

-覚者より
人類同胞愛
■ベンジャミン・クレーム筆記

論説
「国が国に相対立することなく」

視点
反骨の気候科学者らからの人類へのメッセージ:
「動員、動員、動員」
ケニー・スタンシル

人類の問題-労使と雇用

ウクライナの情勢と平和の未来
セバスチャン・ヴィユモ

サンジェルマン伯爵の活動と才能-第二部
ドミニク・アブデルヌール

エコロジー経済学――持続可能性、公平性、自由に向けた変化の 過程なのか? ―第一部
オーヴェ・ヤコブセン教授へのインタビュー
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック

時代の徴
空の徴

古い秩序からの新たな始まり?

和平交渉がロシアの対ウクライナ戦争を終わらせる唯一の方法である
ジェフリー・サックス

覚者より
重要な機会
■ ベンジャミン・クレーム筆記

土壌を守ろう――いのちのための運動
アナ・スウィーストラ・ビエ

編集長への手紙
無言のやりとり 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

人類同胞愛

──覚者より

   ベンジャミン・クレーム筆記

 遅かれ早かれ、相互依存のリアリティ(現実)が諸国家に、そしてその指導者たちに分かり始めるだろう。その認識は、今日彼らが格闘している様々な問題に対して全く新しい態度をもたらすだろう、そしてそれらの困難に対する、より容易なそしてより賢明な解決につながるだろう。視野の漸進的な変化が現在の猛烈な競争と対立を相互理解と協力に置き換えるだろう。すべての国家が同じペースでこの方向に進むのではないだろうが、この方法の有効性と明らかな健全さはやがて最も非楽天的な者たちにさえ、すべてのための恩恵を見させるようになるだろう。前進への一つ一つの歩みがこの過程を固め、そして協力への動きを速めるだろう。このようにして、より健全な関係が諸国家の間に展開していくだろう、そしてやがて、本当の同胞愛の感覚につながるだろう。
 より小さな国の多くはすでに相互依存のリアリティ(現実)を認識しているが、力を欠くために彼らの声は聞かれないままに過ぎる。大きくて強力な国々はそのような概念をあざけり、自力でできるという誇りが世界との関係についての真理に対して彼らを盲目にしている。
 人間はゆっくりと進化するのであり、意義深い前進を遂げるためには時間と実験を必要とする。しかし、まさにこのようにしてこれらの達成は安定し、恒久的なものになるのである。
 国際連合は、もちろん、より小さな国々の声が出され、そして聞かれることのできるフォーラム(公会の場)である。それは、安全保障理事会とその勝手な拒否権が廃止されるときにのみ可能となる。それ(安保理)の有用性はもはやなくなったのであり、権力と拒否権から解放されている国際連合総会に早く道を譲らなければならない。
 そうすると、諸国家は大国の拒否権と経済的誘因によって強いられる制約なしに行動するようになるだろう。海外において民主主義を最も大声で叫ぶ者たちが、国連の場における民主主義の欠如に不思議と盲目である。
 すべての国の国民はひとつであり、平等であり、お互いに依存しているということを人間は認識するようにならねばならない。いかなる国も一国で世界を所有することも支配することもできない。いかなる国も一国で世界のすべての国々に対立して存続することはできない。帝政や絶対支配権は過去のものである。人間は、この地球という惑星上における彼らの役割についての新しい理解を得る瀬戸際にいる。それは智恵の道とこの惑星の賜物の本当の管理者の道における旅人の仲間たちとの関係を変えることを含む。
 あなた方の兄たちであるわたしたちは、人間がこの変化を成し遂げるのを助けるだろう。マイトレーヤは人間の前に、行動と世界の変容への代替えを示すだろう。方向転換しなければ、未来はまさに困難で荒涼としたものになることを示されるだろう。そしてまた彼は、人間がお互いの相互依存を、同胞愛のリアリティ(現実)を認識するように鼓舞されるだろう。

(シェア・インターナショナル誌2005年10月号)

「国が国に相対立することなく」

1977年9月6日にベンジャミン・クレームを通して一般大衆に伝えられたまさに最初のメッセージで、世界教師マイトレーヤは、世界が直面する主要な問題を指摘した上でこう説明された。「これらすべてを変えるためにわたしはやってきた。あなたがたに前進への道を示そう、もっと簡素で、健全な、より幸せな生活へ向かって、共に進む道を。もはや人が人に、国が国に相対立することなく、兄弟同胞として、共に新しい御国へと前進しよう」

 今や、これまで以上に、こうした言葉を心に受け止め、分断や憎悪、戦争のない世界において同胞愛と健全さは選択的なものではなく、必須であることを改めて思い起こす必要がある。しかし、現状はこうである──私たちは最初の四半世紀の終わりにかけて、破滅的な戦争の真っ只中にいる。
 四半世紀の終わりのこの2025年という年、そして今の時期は、不朽の知恵の教えや、知恵の覚者方の働き、ベンジャミン・クレームと彼の師との緊密な協力関係に親しんでいる読者にとって重要である。シェア・インターナショナル誌は、マイトレーヤの存在の事実や、この惑星のための聖なる大計画の存在の事実、その大計画の管理者たち──知恵の覚者たち──の活動を知らせるために存在する。私たちはマイトレーヤの出現の過程の概略を描き、その過程に伴う困難について説明してきた──そうした困難をつくり出したのは、人類の全般的な洞察力の欠如、物質主義を超克する能力のなさ、恐怖や貪欲、分離主義という習慣である。
 「物質性の勢力」の影響に加えて、こうした要因を考えると、マイトレーヤがいつ御自身を世界に示されるのかに関して具体的な日付を発表することはできない。しかし、アリス・ベイリーを通して教えを伝えたジュワル・クール覚者は、2025年がマイトレーヤの出現の過程において重要な年であることを示唆した。それは四半世紀の終わりでもあり、古代からの伝統に従って霊的ハイアラキーの覚者方が特別な会議を開き、過去を評価すると共に、自分たちの仕事の次の局面とこの惑星の大計画のために調整を行い、計画を立てる時期である。
 マイトレーヤが前面に出るのに好ましい状況のように思われたちょうどその時に戦争が勃発したのは、おそらく偶然ではないだろう。「混沌の勢力」は、マイトレーヤと覚者方が完全に認知された公の生活へ入るのを阻止するために土壇場の抵抗を試みているのである。そうした勢力は何よりもまず、心を動転させ、恐怖と分断を通して弱気にさせ、人類を行き場のない混沌の状態へと追い込もうともくろんでいる。事実であれ偽情報であれ、主流メディアであれ代替メディアであれ、惨事が伝えられている。必然的な出来事──キリストの「再臨」──を押しとどめようと働いている勢力にとって、このすべては好都合である。この重大な出来事は、新しい霊的な摂理の確立を合図するものである。その摂理の中で私たちは皆、自分自身が唯一なる大生命の一部であることを知る──すべての人が必要とされ、相互につながり合い、目的と意味を捉え、「私たちがその中で生き、動き、存在する」唯一なる大意識の計画に沿って進むことになる。

妨害のパターン

 過去40年間、条件が整うたびに、ある重要な出来事のパターン(様式)が展開するのを協働者たちは目にしてきた。1982年、機会の窓が開いて、マイトレーヤの公の生活への完全な出現が可能になったとき、ちょうどその瞬間、世界のメディアと一般大衆の注目を逸らすようなことが起こった。戦争が勃発したのである。その結果、その特別な機会の窓は閉まってしまった。
 マイトレーヤが前面に出てくることができるほど十分に状況が好ましくなるとすぐに、混沌と雑音のパターンが再発する──いつも戦争とは限らず、国際情勢を乱すような何かであり、メディアと一般大衆の注目がそれに奪われることになる。志向と焦点が散漫になり、その後の苦悩や混乱、憎悪の雰囲気の中で容易に操作される。生贄がすぐに見つかり、敵が容易につくり出される。
 1982年以降、これが繰り返し起こるのを私たちは見てきた。この過程が遅れるたびに、マイトレーヤと覚者方は待ち、計画を適応させなければならなかった。さらに、私たちが希望を失い、昔からの敵対的なやり方に逆戻りしてしまわないように、人類を励まし、奮い立たせ続けなければならなかった。人類には自由意志がある。私たちの本来の姿である潜在的な神々にふさわしい社会へと進歩していくかどうかを任せられている。「混沌と物質性の勢力」は分断をつくり出すために恐怖を利用する。協力と和合の報酬や恩恵がやがては、善意の勝利を必然的なものにすることを知っているからである。
 次に述べることを証明することはできないが、繰り返し起こるパターンから判断すると、マイトレーヤがもっと完全に公の場に進み出ることを可能にする機会の窓がまさに開いていた(おそらくまだ開いている)と仮定しても、突飛すぎるというわけではないようである。
 戦争が再び勃発し、世界の注目がそれに集中していることは、繰り返し起こるパターンがぶり返していることを示唆しているのかもしれない。このように述べることで、不正で悲惨な戦争を軽く考えようとしているわけではない。また、情勢に対するこのような見方をすることで、いずれかの「側」との連帯を宣言しようとしているわけでもない。私たち一人ひとりが人類のカルマの一部を担っている。すべての国に失敗や過ち、怠慢がある──  一部の国では他国よりもひどいが。私たちが戦争や気候危機、飢餓、テロ、暴力を抱えているのは、進行中の諸問題に公正に対処するのに集団として失敗しているからである。私たちはあらゆる国で、社会正義に対する要求を無視してきた。
 人々は「事実」をめぐって争い、戦時中だけでなく、何年も前に無節操な操作の餌食になった真理をめぐって論争を重ねている。そのため、真理と事実は随意的になり、意見の問題になってしまった。ベンジャミン・クレームの師は、意見が事実となる時代について警告を発していた。「第一の優先事は、事実についての本当の知識である。しかしながら、これは見つけることが難しい。非常に多くの声が、様々に矛盾する情報を繰り返し唱え、または叫んでいる。あまりにも多くの意見が、あたかも事実であるかのように扱われており、尊重して耳を傾ける価値のあるもの、信じられるものはほとんどない。そのような状況のもとでは、慎重さと抑制を促すことが賢明である」(ベンジャミン・クレームの師、「権力のグラマー」、本誌2002年11月号)
 シェア・インターナショナル誌は、人類全員の味方であり、一方の側にはつかない(片方の考えが不快だとしても)。一方の側につくという問題ではなく、ただ単に、苦しんでいる人々に対して自然な同情心を表すという問題である。
 ロシアを弱体化させようとするあからさまな政策があり、また、交渉しないという公表政策が米国側にあることによって、ウクライナの人々への共感が妨げられてはならない。世界の大半は、米国と北大西洋条約機構(NATO)が挑発的であったことを知っている。同様に世界の大半は、独裁体制下にあるロシアでは、あらゆるものが公正でも自由でもないことを知っている。世界は確かに、オリガルヒ(ロシアの新興財閥)とその資金を歓迎する一方で、本当に困っている難民を拒絶するイギリスの日和見的な姿勢のことを知っている。ヨーロッパは、可能な限り米国とNATOに歩調を合わせると都合が良いことを知っている。謀略と武力外交が進歩を押しとどめていることは、一般に受け入れられている事実である。悲しいことに世界は、腐敗が至るところに、社会のあらゆるレベルと部門にはびこっていることを知っている。
 本誌がこれまで行ってきたこと、そしてこれからも行うことは、同胞の人間の苦しみに対する心からの反応を表現することである──国籍や肌の色、信条がどうであれ。それ以外ではあり得ない。これまでかすかに把握することができたにすぎないにしても、もし私たちが、愛そのものである途方もない御方と一体となり、自分自身がその御方の一部であることを知っているのであれば、他の人々の苦しみと必要に対する私たちの自然な反応は、その同じ愛を降り注がせることであるだろう──私たちにできるどのようなレベルにおいてであれ。
 一方への同情を示すことは他方を憎むことである、という思い込みがあるようである。分かち合いに基づく信頼がない限り、戦争があるだろう。地球上のどの国にも、他国を理不尽に破壊する権利はない。自衛権は、国連憲章を含めて法律に明記され成文化されている。
 志向と理想は行動へと変換され、実際に適用されなければならない。ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者、そしてマイトレーヤによって世界に伝えられた情報は、単なる理想や秘教理論ではない。進化とは、高位我をより反映することができるように自分自身を変えること、徐々に成長することである。マイトレーヤは、私たちの裡で私たちを通して働かれる可能性について話された。必要な変化を成し遂げ、分かち合いを新しい文明の基盤にしない限り、永続的な平和は私たちをすり抜けていくだろう。

ベンジャミン・クレームは、現在の危機に関連するいくつかの質問に答えている。

Q:(1)ウクライナに関して、あの国はロシアの勢力圏内の一部ではないのですか。(2)EUとアメリカは彼らの内政事情に干渉すべきではないのではありませんか。(シェア・インターナショナル誌2014年10月号)

A:(1)はい、そうです。(2)はい。しかしながら、ウクライナはもはやソ連の一部ではなく、ロシアの勢力圏内にとどまってはいますが、その主権は尊重されなければなりません。

Q:ロシアはかつてのソビエト連邦時代の諸共和国をどのように扱うべきでしょうか。チェチェン(そしてモスクワに対して同じ関係にある他の国々)の独立は聖なる計画の一部ですか。(シェア・インターナショナル誌2004年10月号)

A:すべての民族が彼ら自身の進化と運命を決める自由を持つことは、聖なる大計画の一部です。ロシアはずっと以前に何らかの形の自治権を求めるチェチェンの要求に応じるべきでした。

Q:民衆の力という潮流にメディアはますます注目し始めています。キルギスタンはその最新の例です。(1)これは扇動者たちによって“支援”されたものですか。(2)ウクライナの“オレンジ革命”は扇動者たちによって煽られたのですか。(3)キルギスタンの事例は、これまでの民衆の力の事例が次の蜂起を鼓舞したように、地域全体にドミノ効果をもたらすでしょうか。(シェア・インターナショナル誌2005年5月号)

A:(1)いいえ。(2)はい、両方の側で煽られました。(3)はい、おそらくそうなるでしょう。

Q:マイトレーヤの任務の一つは私たちのハートを他の人々の苦しみに対して開くことでしょうか。……(本誌2000年12月号)

A:確かにマイトレーヤの願いの一つは私たちのハートを他の人々の苦しみに対して開くことです。彼は世界にエネルギーを放出するたびにそうしておられます。それが彼の言われるすべてのことの中心にあり、私が本や講演の中で言ってきたすべてのことの中心にあります。私たちのハートを他の人々の苦しみに対して開くこと、それこそまさに彼の望んでおられることです。そのようにしてあなたは世界を変えるのです。彼はこう言われました。「あなたの兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度となし、世界の問題を解決しなさい。その他の道はない」(メッセージ第52信)。彼はそのことをはっきり言われています。

Q:1982年、大宣言が最初に予定された時期には、イギリスとフォークランド島の戦争が起こりました。今、マイトレーヤの出現が再び間近になっている時、リビア、アメリカの問題やテロリズムが緊迫しています。これに関係がありますか。(シェア・インターナショナル誌1986年11月号)

A:はい、マイトレーヤの出現によって失うものが最も多い者たち、つまり物質性の勢力、悪の勢力は、それを妨げようと力の限りのことをします。戦争、テロリズム、緊張、恐怖、混乱は彼らの主な武器です。多くの世界の指導者たちは彼らの手の内に見事にはまります。指導者たちが悪だからではなく、しばしば無知で、独善的で、愛国主義的であり、世界観に欠けているからです。

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。