カテゴリー別アーカイブ: 覚者より

人類同胞愛

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 遅かれ早かれ、相互依存のリアリティ(現実)が諸国家に、そしてその指導者たちに分かりはじめるだろう。その認識は、今日彼らが格闘している様々な問題に対して全く新しい態度をもたらすだろう、そしてそれらの困難に対する、より容易なそしてより賢明な解決につながるだろう。視野の漸進的な変化が現在の猛烈な競争と対立を相互理解と協力に置き換えるだろう。すべての国家が同じペースでこの方向に進むのではないだろうが、この方法の有効性と明らかな健全さはやがて最も非楽天的な者たちにさえ、すべてのための恩恵を見させるようになるだろう。前進への一つ一つの歩みがこの過程を固め、そして協力への動きを速めるだろう。このようにして、より健全な関係が諸国家の間に展開していくだろう、そしてやがて、本当の同胞愛の感覚につながるだろう。
 より小さな国の多くはすでに相互依存のリアリティ(現実)を認識しているが、力を欠くために彼らの声は聞かれないままに過ぎる。大きくて強力な国々はそのような概念をあざけり、自力でできるという誇りが世界との関係についての真理に対して彼らを盲目にしている。

実験
 人間はゆっくりと進化するのであり、意義深い前進を遂げるためには時間と実験を必要とする。しかし、まさにこのようにしてこれらの達成は安定し、恒久的なものになるのである。
国際連合は、もちろん、より小さな国々の声が出され、そして聞かれることのできるフォーラム(公会の場)である。それは、安全保障理事会とその勝手な拒否権が廃止されるときにのみ可能となる。それ(安保理)の有用性はもはやなくなったのであり、権力と拒否権から解放されている国際連合総会に早く道を譲らなければならない。
 そうすると、諸国家は大国の拒否権と経済的誘因によって強いられる制約なしに行動するようになるだろう。海外において民主主義を最も大声に叫ぶ者たちが、国連の場における民主主義の欠如に不思議と盲目である。
 すべての国の国民はひとつであり、平等であり、お互いに依存しているということを人間は認識するようにならねばならない。いかなる国も一国で世界を所有することも支配することもできない。いかなる国も一国で世界のすべての国々に対立して存続することはできない。帝政や絶対支配権は過去のものである。人間は、この地球という惑星上における彼らの役割についての新しい理解を得る瀬戸際にいる。それは智恵の道とこの惑星の賜物の本当の管理者の道における旅人の仲間たちとの関係を変えることを含む。
 あなた方の兄たちであるわたしたちは、人間がこの変化を成し遂げるのを助けるだろう。マイトレーヤは人間の前に、行動と世界の変容への代替えを示すだろう。方向転換しなければ、未来はまさに困難で荒涼としたものになることを示されるだろう。そしてまた彼は、人間がお互いの相互依存を、同胞愛のリアリティ(現実)を認識するように鼓舞されるだろう。

 

若い人々の抱負

現在の混乱した経済状況とその結果として生ずる社会状況はもうあまり長く続かないだろうというわたしたち(覚者たち)の判断は、聡明な読者たちにとって驚きではないだろう。わたしたちは、突然の変容も、あるいは、あいまいな‘現状維持’に戻ることも期待しない。世界の何千万の人々は自由の香りを感知し始め、その恩恵が彼らに拒否され続けるのもわずかな期間であろうと感じ始めた。

世界中で、特に若い人々の間に、変化を求める強い願望が表現されつつある。若い人々は新しい種類の世界を、彼らを、そして彼らの抱負を包含する新しい構造を欲する。これらの抱負は正義と分かち合いへの、そして意味ある仕事と適度に満ち足りた平和な世界で家族を養育する機会を求めるものである。あまりにも長い間、彼らは貧困と無名の中で衰え、彼らの人生の努力の中での発言権を拒否されてきた。

今後は、世界の諸政府はこれまで無言の大衆であった人々のこれらの抱負を真剣に考慮しなければならないだろう。そして、それに応じて、政府の計画を変えなければならないだろう。平等を求める叫びが変化を強要するにつれて、‘富裕な地主’は彼らの生活様式と平均的な‘小百姓’のそれとの間のひどいギャップを維持することは困難なことを発見するだろう。財力における現在の分離が世界金融の不安定の中心にあることが理解されるだろう。

古い仕組みは崩壊しつつあり、いかなる政府もこの過程を止めることはできない。宝瓶宮(アクエリアス)の新しいエネルギーはますます強くなり、古い腐敗した退廃的な秩序をばらばらに壊している。若い人々、および心(ハート)の若い人々が、正義を求める新しい熱望の出現を最初に銘記するだろう。正しい関係を求める願いが若い人々の心(ハート)に強く湧き上がる。

とかくするうちに、マイトレーヤは諸国家の間で彼の行幸を続けておられ、正義と分かち合いと愛の必要性を自由に語っておられる。今日の状況の緊張感が世界中にその影響を及ぼすにつれて、これらのアイディアは多くの人々を引き付けている。アメリカ合衆国とメキシコ、ブラジル、そして今はロシアで、マイトレーヤは彼の聴衆の前に、人類が直面している選択肢を提供しておられる――現在の無分別で貪欲な行路を続けて忘却の彼方に消え去るか、あるいは、世界をひとつとして、完成への旅路を共に歩む兄弟姉妹として見るか;分かち合いと正義のみが我々すべてが望む平和と、「大計画」に沿って繁栄する世界をもたらすということを知り、そして、我々がかつて知り、育んでいたあの「真理」と「美」に戻る路を見つけるかである。

和合へ向けた変化

 人間がやがて彼らの現在の状況をつぶさに考察するとき、人類にとってすべてが良いものではないことを認めるに違いない。政治、経済、社会、環境は問題に満ちており、すべての国家の資源を極限にまで試す。現在、経済的に支配的なように見える国家でさえも問題を抱えており、彼らの富が暗に意味する気楽さを阻む。諸国家に、ある程度の均衡と福利を達成するのを阻ませるものは何か? なぜ、古い、富める、経験豊かな国々でさえ突然、混乱と闘争におちいるのか? なぜ、非常に多くに痛みや苦闘があるのか? 何が、より大きな和合の感覚と表現を阻むのか?
 これらの疑問に対する答えは多く、多様であるが、一つの包括的な要素は、それらの答えが求められているこの時代であり、地球の歴史における今のこの時である。
 この時代は、世界の歴史の中で例のない時である。起こっている変化は途方もないものであり、人間の理解を超えるものであり、われわれが今知っている生活を全くそして永久に変えるだろう。
 これらの変化はすべての界において、あるものはゆっくりと、地殻の構造の中にすら起こっている。またある変化はますます勢いをつけて起こっており、それに正しく反応するための人間の能力に戦いを挑む。
 このような状況において、役に立たないものは、地位と権力のグラマーの中にどっぷりと浸かっている後ろ向きの政治家の陳腐なアイディアである。今日、リーダーたちの先を行くのは民衆であり、彼らの理解と必要を大きな声に出している。次から次へと続く諸国家において、民衆の声はより焦点が絞られて明確になっている。何千万の人々が今や教育があり、彼らの必要──平和、仕事、将来への希望──について確信を持つ。ますます大きくなる和合への感覚もまた彼らの期待と要求を告げ始めている。彼らは自分たちが世界の中で孤立していないことを、至るところに同じ問題と必要を抱える多くの兄弟姉妹たちがいることを知っている。
 このようにして、マイトレーヤの臨在と教えに気づかなくても、彼らはマイトレーヤのエネルギーと影響に反応しつつあり、将来の枠組みを築きつつある。
2011年8月 14日(2011年9月号)

勝利は保証されている

-覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記

「善」と「悪」の間の葛藤は、「光の勢力」による勝利であることが、ますます明らかになっている。人間のハートとマインドを勝ち得るために大昔から続けられてきた苦闘の中で、「善」の側が徐々に優勢を占めている。世界に存在する緊張と分裂を見るとき、これは驚くべき主張に思えるかもしれない。しかし実際にそうなのである。あなた方が世界とその出来事を、わたしたち人類の兄たちの視点から見ることができれば、途方もない変容を遂げつつある世界が見えるだろう。すべての側において古い体制が崩壊しつつある形跡がある。往古の憎悪が人々を分割し、無法がはびこる。しかし、至るところで新しい精神が人間の中に目覚め、あらゆる形態の生命に対する新しい責任感と新たな敬意が目覚めつつある徴が見られる。

この新しい美の顕現は無数にある。人類の前に開かれる未来のビジョンは多く、驚くべきものである。人間は未だ新しい始まりの門口に立っているにすぎない。しかし、見る目を持つ者には、すでに進歩の徴が見える。われわれはいま両極化を目撃しており、それが人類に選択を強いる。現在の生活の様式の中にある危険があまりにも恐るべきものであるゆえに、人間の霊性はこれに反抗し、新しいものを探求する。このようにして、人は神の意志を認識するようになる。すべての背後に「大計画」があり、神の「意志」を包合している。人間は、知ろうが知るまいが、今やその大計画を実施する用意ができている。新しいものを顕現するために、すべての分野において、人々はグループを形成している。愛と必要の精神に鼓舞されて、彼らはより簡素な、より健全な世界を心に描く。現在の不均衡と緊張の中から正義と融和が育たなければならないことを知る。自分達が聖なる存在であり、変化の奇跡を行うことができるのを知っている。彼らは時の危急を知覚し、奉仕のために己を捧げる。彼らはすべての地において「善」を代表する。神に到達する道はたくさんある。しかし、もっとも速く確実なのは奉仕の道である。これほど神の特性を十分に宿す道は他にない。この道の上にあなたの位置を占め、あなたの魂の指図を遂行しなさい。あなたの心(ハート)の命令に従い、世界の必要に目覚めなさい。奉仕の道に入り、大計画の中におけるあなたの位置を受け入れなさい。そして神への道にしっかりと足を踏みしめなさい。 すると、あなた方の兄であるわたしたちからの反応も速い。道の途上にあるあなた方を助けるこの機会をわたしたちは速やかにつかみ、刺激と奉仕の分野を進呈する。このようにして、あなた方はわたしたちに加わり、わたしたちの仕事を助ける。これをあなたの目的とし、世界の奉仕者の列に加わりなさい。わたしたちの側にあなたの位置を取り、光の勢力(フォース)と共に働きなさい。勝利は保証されている。しかしそれは戦い取らなければならない。混乱と緊張の直中にあっても、恐れることはない。現在の状況の中に恐怖のための場はない。むしろそれを、あなたの信に対する挑戦と見なしなさい。

(『覚者は語る 第一巻』p.84-5、1984年1月号)

 

勝利は保証されている

「善」と「悪」の間の葛藤は、「光の勢力」による勝利であることが、ますます明らかになっている。人間のハートとマインドを勝ち得るために大昔から続けられてきた苦闘の中で、「善」の側が徐々に優勢を占めている。世界に存在する緊張と分裂を見るとき、これは驚くべき主張に思えるかもしれない。しかし実際にそうなのである。あなた方が世界とその出来事を、わたしたち人類の兄たちの視点から見ることができれば、途方もない変容を遂げつつある世界が見えるだろう。すべての側において古い体制が崩壊しつつある形跡がある。往古の憎悪が人々を分割し、無法がはびこる。しかし、至るところで新しい精神が人間の中に目覚め、あらゆる形態の生命に対する新しい責任感と新たな敬意が目覚めつつある徴が見られる。

 この新しい美の顕現は無数にある。人類の前に開かれる未来のビジョンは多く、驚くべきものである。人間は未だ新しい始まりの門口に立っているにすぎない。しかし、見る目を持つ者には、すでに進歩の徴が見える。
 われわれはいま両極化を目撃しており、それが人類に選択を強いる。現在の生活の様式の中にある危険があまりにも恐るべきものであるゆえに、人間の霊性はこれに反抗し、新しいものを探求する。このようにして、人は神の意志を認識するようになる。すべての背後に「大計画」があり、神の「意志」を包合している。人間は、知ろうが知るまいが、今やその大計画を実施する用意ができている。新しいものを顕現するために、すべての分野において、人々はグループを形成している。愛と必要の精神に鼓舞されて、彼らはより簡素な、より健全な世界を心に描く。現在の不均衡と緊張の中から正義と融和が育たなければならないことを知る。自分達が聖なる存在であり、変化の奇跡を行うことができるのを知っている。

 彼らは時の危急を知覚し、奉仕のために己を捧げる。彼らはすべての地において「善」を代表する。
 神に到達する道はたくさんある。しかし、最も速く確実なのは奉仕の道である。これほど神の特性を十分に宿す道は他にない。この道の上にあなたの位置を占め、あなたの魂の指図を遂行しなさい。あなたの心(ハート)の命令に従い、世界の必要に目覚めなさい。奉仕の道に入り、大計画の中におけるあなたの位置を受け入れなさい。そして神への道にしっかりと足を踏みしめなさい。
 すると、あなた方の兄であるわたしたちからの反応も速い。道の途上にあるあなた方を助けるこの機会をわたしたちは速やかにつかみ、刺激と奉仕の分野を進呈する。このようにして、あなた方はわたしたちに加わり、わたしたちの仕事を助ける。これをあなたの目的とし、世界の奉仕者の列に加わりなさい。わたしたちの側にあなたの位置を取り、光の勢力(フォース)と共に働きなさい。勝利は保証されている。しかしそれは戦い取らなければならない。
 混乱と緊張の直中にあっても、恐れることはない。現在の状況の中に恐怖のための場はない。むしろそれを、あなたの信に対する挑戦と見なしなさい。

(1984年1月号)

 

マイトレーヤの約束

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者は記事を提供してくださった。それらは書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われる時にいつでも掲載されるように提供されているのである。

いつもながら、ベンジャミン・クレームの師である覚者は状況の本質を掴み取っている。この記事も例外ではない。覚者は世界を二分した分割を端的に表す疑問を投げかけている。

ある者たちはいわゆる現状を維持しようとする努力を傾けて古いやり方を支持しようとする一方、他の者たちは、分割と貪欲の結果を見、経験する。「古いやり方、古い時代は戻って来るのだろうか。富裕者の富が日々倍増し、貧者は落ちてる小銭を拾うような時代を本当にわれわれは望んでいるのだろうか?」

新しいものの進展には、二つの要素が貢献する。人々が自らの権利に目覚めることと、現代の『ローマ帝国』的発想による過剰さに終わりをもたらす宇宙の回転の必然性である。それらが正義ある世界の創造への障害を取り除くのである。

 

マイトレーヤの約束

–覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記 2011年10月9日

 

多くの人々が、現在の銀行制度や株式制度は必要であり、変えることはできないと信じ続けている一方、ますます多くの人々は、それらの有用性は過ぎ去っており、すぐに取り替えられなければならないという結論に達している。あまりにも大勢の人々が、止まることのない貪欲の影響の下で苦しんでおり、非常に言葉巧みに「現在の経済情勢」と呼ばれているところの中で生き延びるために、より大きな正義と公正さを切望している。 2008年の経済崩壊以前は、少なくとも先進国世界においては十分にお金があった。人々は仕事や住む家を持ち、新しい百万長者が毎日のように生れていた。もちろん他の地域では、何千万の人々がまだ飢えており、さらに多くの人々はひもじい思いをしていた。しかし、ある者たちにとっては、お金はたくさんあり、人生は心地良かった。

それらのお金はどこへいってしまったのか。どうなってしまったのか。今や誰も仕事がなく、お金は消えてしまった——銀行の中へと消えてしまったのである。そして百万長者は今や億万長者である。全く訳が分からない。魔術のように人の信頼につけ込んだ詐欺が世界の半分を弄んだような感じがする。

昔のようなやり方は、昔のような時代は、戻ってくるだろうか。金持ちの富は日毎に倍増し、貧乏人は落ちこぼれた小銭を拾っているような時代が本当に戻ってきてほしいのか。

至るところにいる人々は変化を感じており、その呼びかけに彼らの声を添えている。また彼らは、行動することへの自分たちの力(パワー)を感じており、そして多くの者たちがそれを証明するために死ぬ。昔のようなやり方はほとんど終わっており、それらのフォース(エネルギー)は使い果たされたことを感じる。彼らは、他に、より良い生き方があることを感じており、明日を期待している。まさに古いやり方は廃れつつあり、人類種族を阻害している。車輪は回り、大ローマは再び崩壊しつつある。マイトレーヤの火は数え切れない何千万の人々の心(ハート)に灯され、彼らは反応し、正義と調和が支配する新しい世界を築くことを願っている。マイトレーヤの約束はこの新しい世界がやってくる途上にあるということである。

( SI誌 2011年11月号)

 

激しい年の終わりに多くの人に苦しんでいた慰めとして、私たちはマイトレーヤからのこのメッセージを再度掲載します。

 

マイトレーヤからのメッセージ

【ベンジャミン・クレームは 2016年3月31日にマイトレーヤから、メンタル・オーバーシャドウによって、以下のメッセージを受信しました】

 

近頃は、多くの者にとって困難な時期である。最良の者たちや最も親密な者たちでさえ、疑いや懸念の悩みを感じる。

しかし、わたしが、世界の前であなた方の一人としてあなた方と交わると言うとき、それは真である。

同様に、わたしが、すべての人間がわたしの顔を見て、応える時は本当に間近いと言うとき、それは真である。

ただ『法』のみがわたしにほんの少し待つことを命じる、しかし、『法』の範囲内で、わたしは確かに毎日あなた方と共にあり、あなた方の必要と、あなた方によってわたしに提供される様々な機会に絶えず呼応しているのである。もうすぐ、全体としての人類がわたしの存在に目覚めるだろう。そしてわれわれのこの世界の抜本的な変革をみな喜んで受け入れるだろう。

われわれは文明──世界の歴史の壮大な期間──の始まりと終わりにいることを忘れないように、それによって人々は変化の痛みを感じるのだということを理解しなさい。

ある人々にとっては自由への解放である。他の人々にとっては、保証と平穏の喪失である。

しかし、我が兄弟よ、痛みは長く続かないだろう、すでに多くの人々はそうであることを知っている。あなた方がこの困難な時期を通り抜けるのを助けるための援助はあり余るほどある。この「時代」を喜んで受け入れなさい、そして新しい事どもの徴を認知しなさい。

まことに、まことに、わたしはあなた方と共にいるのである。まことに、わたしは多くの方法であなた方の中にいる。

兄弟たちよ、あなた方が、新しい世界についてのわたしの期待にいかに近いか、自分たちで判断しなさい。それは、すべての人間がひとつである世界であり、すべての人間が創造の歓びを成就する世界であり、そして単純にそして真実に、兄弟たちに道を示す彼らの能力を、愛をもって成就する世界であろう。

( SI誌 2016年5月号)

 

戦争の終焉

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者は記事を提供してくださった。それらは書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われる時にいつでも掲載されるように提供されているのである。実際、これらの記事の多くはそれが最初に掲載されたときよりも現在において一層関連性をもっているように思われる。この記事は、今日書かれたかのように、世界が現在目撃している危機を分析している。そして現在の緊張と懸念にもかかわらず、「覚者方は、世界は変化の用意が整っており、諸国の間に新しい真の和合を保証する正義と、すべてが望む平和を渇望していると見ておられる」。

(註)他に二つの記事が今日的に意味を持っている。覚者によって示された問題とその解決法は今でも非常に適切である。

現在の国際社会の課題に関しての覚者の洞察に関しては、『平和の大義を援ける』(20037.8月号)および【和合に向けてのさらなる思索」(20129月号と『覚者は語る・第2巻』に収録)を参照されたい。

戦争の終焉

代価を数える時が来るとき、人間は戦争の空費に仰天し、そして恥じ入るだろう。人間の活動のいかなるものよりも、戦争は資源と人命を貪欲に喰い尽くす。‘敵’なるものを征服するための努力には何も惜しまず、すべてが勝利の達成のために犠牲にされる。かくして、人間はその隣人に対して容赦なき闘争を行い、それは必ずしもいつも自己防衛の闘いではない。非常にしばしば戦争は、領土の拡大や略奪品の蓄積、あるいは最も忌まわしき奴隷捕獲のために使われてきた。ほとんどの戦争の底に横たわる目的を描写するために‘戦利品’という言葉が安易に使われている。今日、人間は戦争を終焉させるための仕事に真剣に取り組まねばならないときに達したのである。いかなる問題にせよ状況にせよ、解決するために、あるいは癒すために、戦争が必要とされるものはないことを、人は理解しなければならない。そうであるから、諸国家は共に働いて、人間のあの破壊的性向を永久に終わらせなければならない。

それをやり損なうならば、人類種族の生存そのものを脅かすことになる。平和はもはや人間にとって一つの選択ではないのである〔訳注:それ以外の選択はない〕——彼らは今やその手の内に、これまでかつてない最も破壊的な凶器を握っている。もしそれが大きな戦争に使用されれば、この惑星を冒涜し、永劫の時の間、生命の存在しない死んだものにするだろう。ではなぜそのような災害を、そのような終局を招こうとするのか。

マイトレーヤは出現されるとき、このように語られることは確かであろう。小さな戦争が悲惨な結果につながり得ることを、それが人間を自己破壊という危険な坂道にもたらすことを、マイトレーヤは示されるだろう。彼は厳粛に勧告し、そして人間を考えられないような行動から引き戻させるだろう。油断することなく、しかし、恐れないでいなさい。マイトレーヤが人間の行動を賢明に導いてくださることを信頼しなさい。あなたの兄弟姉妹を教育する任務におけるあなたの役割を果たし、マイトレーヤの荷を少しでも軽くして差し上げなさい。

聞く耳を持つ者たちすべてに、待望されているお方がここにおられて、公に彼の任務を始める用意があることを伝えなさい。彼は善意の男女が平和と正義、自由と愛のために彼と共に働いてくれることを当てにしておられる。彼らにこのことを伝えなさい。マイトレーヤが世界の苦難に対して単純な答えを持っておられることを告げなさい。分かち合いは信頼を生み、それが扉を、そして人間の心を、祝福された平和に向けて開くだろう。そうすると同胞愛と協力の中で人間の霊魂の開花を見るだろう。そうすると様々な問題や行き詰まり状態は溶け去り、溢れるような善意の中で克服されるだろう。

そのようになるだろう、そのようにしてわれわれは忌まわしき戦争の終焉を目撃する。それがマイトレーヤの目的であり、その達成に対する彼の意志は固い。

2006 3月)

 

協力の術(すべ)

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

人間は、今日彼らが直面する問題の重大さをますます理解しはじめている。政治、経済、社会のすべての前線において、これらの問題はどんどん増大し、大きな頭痛の種になり、彼らに悲しく頭を振らせる。これらに加えて、自然とその資源に対する人間の軽率な態度が生じさせた環境の問題があり、人類の未来はますます暗澹としている。人類の生命が危機にさらされており、手遅れにならないうちに何か抜本的なことをしなければならないという認識が目覚めつつある。

事実、人間は自分自身を救うために一体何ができるのか。人間の福利に対する脅威を緩和するためだけにでも、どんなステップを取ることができるのか。

答えは比較的単純である。しかし人間は、彼ら自身の条件づけられた網の中に捕らえられているので、それを本当に把握することは困難なようである。人は競争という毒物から自分たち自身を解き放たなければならない。それがグラマーであることに気づかなければならない。実際そうなのであるから。そしてすべての人間の一体性を悟り、「全体的な善」のために協力を喜んで抱きしめなければならない。協力と正義(公正さ)のみが人間を、彼ら自身がつくり出す大惨事から救うだろう。協力と正義のみが彼らの未来を保証するだろう。これがそうであることを考慮するならば、人間は、救済への鍵として協力を受け入れる以外に選択肢を持たない。

人々は競争ではなく協力するときに、魔法の一服が彼らの生活の中に入ってくることを発見するだろう。長いあいだ続いていた問題がいとも容易に解決されるのに驚嘆するだろう。不可能だったことがもっとも軽いタッチに道を譲るだろう。そして協力を通してのみ、人間は生きることの本当の術を学ぶだろう。そのようになるだろう。かくして人間は、協力のみが授けることのできる(人間)関係の素晴らしさに感謝することを学ぶだろう。協力を通して、新しい文明が築かれるだろう。新しい科学が明らかにされ、新しい理解が顕れるだろう。かくして、人間は自分たちの神性を発見していくなかで共に成長するだろう。かくして、彼らはそのような一体性の歓びと幸せを知るだろう。

あなた方の兄たちである覚者たちは協力をよく知っている。わたしたちが行うことすべてにおいて、協力は中心的な役割を果たす、「同胞愛」が示顕されている関係の中では、競争という潰瘍は未知のものである。それ以外ではあり得ない。

人間が協力の術を学ぶことがわたしたちの真剣な願いである。この目標を目指して、わたしたちはメントール(良き助言者)として働き、模範を通して教えよう。協力は非常に解放的なものなのに、人間がその歓びを学ぶのにかくも遅れたのは本当に驚くべきことではないか。

競争の時代は急速に終わりに近づきつつある。その消滅に伴って、暴力や戦争、豊かさの直中の飢餓、貪欲や分離が同様に記億から消え失せていくだろう。これらの悲哀に取って代わるために、喜ばしい協力が出現するだろう。そして人間に彼らの本質的な神性を保証する。そのようになるだろう。かくして人間は、神の様相のもう一つの面を理解するに至るだろう。

20009月号)

 

この世代が直面している最も重大な問題は生態系の不均衡であり、それが地球の膨大な領域を脅かすことを人類が認識する時が間もなくやって来る。知ってのとおり、この問題がどの程度のものかについて人間の意見は分かれている。しかし、この生態系のジレンマを真正面から直視して対処しない限り、多くの者にとってその将来が危ぶまれる。間もなく、多くのグループがこの危険の深刻さに気づくだろう、そして年毎に、彼らは大災害に近づいていく。地球温暖化によって放たれたエネルギー(フォース)は、今や人間が使用できるコントロールの装置をはるかに超えている。

だから、まだ少し時間がある間に、注意して聴きなさい——海の水位は容赦なく上昇しており、しかも人間は、のんびりと、彼らの将来を賭けている。

...——Save Our Planet(我らの惑星を救いなさい)。

2014118日/201412月号)。

...——Save Our Planet(我らの惑星を救いなさい)。(2014118日/201412月号)

 

新しいものを待っている

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 

世界は待っている。かたずを飲みながら待つのではないが、様々な出来事が危機に向かって動いており、その結果は明確ではないという感覚が増大している。どのような成り行きになるのか、誰も知らない。専門家も政治家も経済学者も等しく、対立する流れの中で無力にもがいている。彼らは相反する方向を取ることを余儀なくされて、計画を立てることができない。日ごとに新しい問題が生じ、最も啓発された者たちの善意は試され、他方、舞台の背後では、投機という冷酷な貪欲が国家を屈従させる。

そのような状況が生じるときはいつでも、人は恐れる。そして恐怖の中で、彼らは怒りをこめてなぐりかかってくる。かくして今日、世界の多くの部分でそれが起こっている。生活水準は下がり、安全が脅かされるにつれて、避難民や外国人に対する偏狭さが増大し、民主主義のプロセスを変色させる。舞台脇で待機している政治的過激派が彼らの機会をつかみとり、無思考の若者たちを過去の模倣に導くために台頭する。

市場のフォース(エネルギー)が人間の生活を牛耳り、押しつぶしていくにつれて、混乱に向かって滑り落ちるのを止めることはできない。競争と貪欲に基づくこの文明を救うことはできない。古い秩序は死滅しつつある。いや、すでに死んでいる。マモン(物欲の神)の別名である商業至上主義は法を濫用し、世界中で国家の宗教となっている。

もし人間がこの大渦巻きの中に孤立していたならば、彼らの窮状はみじめなものであり、彼らの運命はまさに悲しいものであっただろう。彼らはどこへも助けを求めることができず、誰にも援助を頼むことができない。人間のコントロールを超えた力が、彼らを仮借なしに戦争へ追い込み、人類の地球上における生活に大きく「終わり」と記されたであろう。

しかしながら、人間は孤立した存在ではない。孤立していたことはかつてなく、人類の兄たちによって絶えず支えられ、補強されて、兄たちの監督と指導のもとに旅路を歩むのである。人類は独りではなく、彼らの前に同じ道を歩み、その道をよく知る者たちに伴われて安全な旅路を歩むのである。

この嵐の中心に、人類の兄たちの一団が戻りつつある。一人ずつ、彼らはあなた方の直中に位置を占め、忠告と援助を求められる時を待つ。何世紀もの間、彼らは人間世界の中で直接に働くこの機会を待っていた。今、彼らは智恵と愛の贈り物を携えてやって来る。リーダーであるマイトレーヤのもとに、彼らは人類を自己破壊の寸前から引き戻して、人類の歴史に新しい一章を開くだろう。過去の遺跡の中から、新しい文明が、マイトレーヤと彼のグループの鼓舞のもとに、人類の手によって築かれるだろう。恐れることはない。終わりはすでに知られている。人類はこの危機の時を克服し、人類自身との、地球との、そしてその本源との新しい、より良き関係を築くだろう。マイトレーヤはすべてを新しくするために来られたのである。知ろうが知るまいが、世界は新しいものを待っているのである。

199211月号)

 

商業至上主義の呪い

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記

もし人類が地球温暖化の影響からこの惑星を救おうとするならば、計画されている炭素排出量制限よりもはるかに多くのことをなさなければならない。しかも、一般に必要な期間として受け入れられているよりもずっと短期間に行わなければならない。人々がこの危険を認知するのに時間がかかった。今でさえ、多くの者たちは問題を真剣に受け止めることを拒否する。そのような態度がこの地球という惑星の未来を危険にさらすことは疑いない。取り返しのつかないダメージがなされる前に均衡を確立するために人間に残された時間は、最大に見積もっても、10年か15年しかない。

この目標を達成するために、人間は現在の生活様式を劇的に変えて、より簡素な生活の仕方や仕事の仕方を採用しなければならない。後に続く世代に対する何の配慮もなく、徐々にそして必然的に衰退してきた環境を見ようともせず、どうにでもなれという態度で、この惑星を意のままに荒らし、略奪してきた日々は過ぎた。

長年の間、毎年、毎年、大昔の原始林の巨大な領域から、純粋に商業的利益のためにいのちを与える樹木が切り払われてきた。商業至上主義が人間の喉元をさらに締めつけていくにつれ、それはまさに人類にとっての凶兆である。商業至上主義は人間にとって原子爆弾よりも危険であると、マイトレーヤは言われる。そして今日、世界を支配する経済破局にその破壊的な力を示している。

諸国の政府や国民がこのことを認識するのにどのくらいかかるのだろうか。商業至上主義が人類の生き血を搾り取り、人類自身が衰えて死ぬまであとどのくらいだろうか。突然、失業し、ホームレスになり、絶望している大勢の人々の心(マインド)に、ますますこれらの言葉の真理が生まれる。

これが、マイトレーヤが公の仕事のために人類の自由意志を侵すことなしに前面に出て来る状況を提供した。マイトレーヤは、現在起こっているこの出来事が確実に明るみに出るという知識に確信をもって、辛抱強く長年の間、この時を待っておられた。

商業至上主義はその牙をむき出し、危害をくわえる力を見せた。何百万の人間の自己満足感は商業至上主義と古いやり方への憎しみと不信に変わりつつある。至るところで人々はやっと、人生の意味と目的についての新しい解釈–分かち合い、正義、平和=正しい関係、同胞愛とより大きな幸せ–を受け入れる用意ができた。彼らはついにマイトレーヤの呼びかけに応える用意ができたのである。

もちろん、すべての人間がこの変化を通っているわけではない。この”不況”を”じっと持ち堪えれば”、また以前のように富を再び築きあげることができると想像する人々がたくさんいる。非常な金持ちと如才のない者たちは、何も失っていない。彼ら自身と他の人々との間のギャップは、単に彼らにとって有利な方向にさらに広がった。今のこの時は、他のいずれの時とも違うことを彼らは理解していない。われわれは、古い秩序の終わりに到達したのである。宇宙のフォース(エネルギー)が変化を命ずるのであり、それは起こらなければならず、起こるだろう。そうでなければ、この地球上の生命は繁栄しないだろう。

用意のある者たちは、マイトレーヤが、彼らの心からの要望を簡潔で感動的な言葉に表す彼の教えに速やかに反応するだろう。他の者たちは自分たちが馴れ親しんできたものを捨てるのにより長くかかり、一時期、反対するだろう。やがて、世界中の何千万の人々は、変化の必要とその論理に納得するだろう–それらの変化のみが、この惑星とその住民を救うだろう。

(『覚者は語る(Ⅱ)』p.160)