編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、『編集長への手紙』の保留分が非常に多数あり、それらは何年にもわたって処理され、本物であると確認されたが、いまだ掲載されていない。

覚者方、特にマイトレーヤとイエス覚者がベンジャミン・クレームの講演会や伝導瞑想会に現れてきた。彼らはまた異なった外見でも現れている。そのような体験が、ベンジャミン・クレームの師によって本物であると認められた場合、手紙は掲載される。これらの体験は、鼓舞し、導きあるいは教えるため、またしばしば治癒や精神の高揚をもたらすために与えられる。

彼らはさらに、例えば喫煙や飲酒に対する幾分凝り固まった不寛容に、愉快な方法で注意を引き付けたりもする。時に覚者方は、事故や戦時、地震や他の災害において救いの『天使』として働く。彼らは「ファミリア(似姿)」つまり想念で作った形態を使用し、それらは全くリアルに見え、それを通して覚者の考えが表現される。彼らは男性、女性、子供として意のままに現れることができる。しばしば彼らは実在の人物の『青写真』を利用するが、たいていの場合、「ファミリア」は完全に新しく創造されたものである。

 

 

完全な記憶

 

編集長殿

私には忘れられないことがあります。200011月にトゥールーズで、私はフランスの家族連合事務所で働いていました。ごみ箱の場所を探していた時、一人の美しい女性に出会いました。彼女は全身白の装いでした。彼女の髪は真っ黒で、微笑みが素晴らしく、外見が本当に完璧でした。私が事務所に入った時、突然彼女と話をしなくてはならないという考えが浮かびましたが、彼女はいなくなってしまいました。思うに、おそらく彼女は近所の学校にいる子供を待っていたのでしょう。彼女の微笑みとその姿は、今でも時折記憶の中に蘇るのです。あの素晴らしい女性は誰でしたか。

モニーク・フラマン

フランス、オレイアン、オルレ

【ベンジャミン・クレームの師は、その『女性』がマイトレーヤであったことを確認した】

 

 

さらなる『束の間の出会い』

 

以下の2通の手紙は2017 715日の伝導瞑想研修会で目撃された、『ターバンをした背の高い男性』の目撃者たちによるもので、本誌20179月号にも『束の間の出会い』として2通の手紙の中で描写されている。

 

編集長殿

2017年度のサンフランシスコでの伝導瞑想研修会のテーマが、『グループ統合、過去を振り返り前進する』でした。グループはベンジャミン・クレーム氏の鼓舞される講演の選集と、グループ・イニシエーションの達成に必要な四つの条件に焦点を当てました。私たちの小グループの話し合いは、キャンパス内の様々な建物で行われました。テーマについての意見交換をしていた時、窓の外に背の高いハンサムな男性がいて、建物の横を通り過ぎていくのが見えました。彼はジーンズをはき、マルチカラーのシャツを着て、サングラスをかけ、鮮やかな藤色のターバンをしていました。そこには鹿もいて、建物の脇をくねくねと歩いていました。それは素敵な眺めで、私は笑顔になり、喜びで満たされました。この美しい男性はマイトレーヤなのだろうかと思いました。研修会を通して、マイトレーヤの愛のエネルギーは非常に途方もないものでした。その日、後になってから、別の建物にいた別の小グループのメンバーが、似たような体験をしたことを知ったのです!

A.D.

米国、ジョージア州マリエッタ

 

編集長殿

サンフランシスコでの、私たちの最近の伝導瞑想研修会の間、より親密なディスカッションのために、大勢の参加者から小さなグループに分かれました。私は『フクロウの巣』という名の横手の部屋に、小さなグループで集まりましたが、その場所は初期の頃ベンジャミン・クレーム氏のオフィスとして使っていて、私の座っていた場所の右側と真正面に窓がありました。

一人のメンバーが話していた時、私は研修会のテーマの『グループの融合』についてじっと考えていて、何気なく右側の窓を眺めました。その時、シーク教徒の男性が突如歩いて去っていきました。彼は美しいライラック色のターバンを付けて、よく似たライラック色のチェックのシャツを着て、サングラスをかけ、ジーンズをはいていました。私はこれまで一度もその色のターバンを見たことがなく、着るにはあまりにも妙に女らしい色だと思いましたが、彼はとても男らしく見えました。彼はのんびりとしたペースで、キャンパス内を横切る中央の歩道へ向かって歩いていました。私は心底驚いて座っていながら、「あの人はマイトレーヤかもしれないと思う」という言葉がはっきりと心に浮かんだのです。

グループから抜け出すのもどうかと思う気持ちと、どうしても彼の後を追いたいという気持ちがあり、私は葛藤の中で座っていました。私は立ち上がり、素早く部屋を出て彼を探しに行きましたが、彼は驚くほど遠くの道を歩いていたので、海辺へと向かう角を曲がって彼の姿が見えなくなる前に、一目最後に見ることができただけでした。彼の後を走って追いかけたくなりましたが、結局見知らぬ人についていくだけかもしれないという疑念もありましたし、もしマイトレーヤだったとして、彼に追いついてもどうしたらよいのでしょうか? 私はグループに戻ることにしましたが、実際には今しがた目撃した、この体験への自分の思いで頭はいっぱいだったのです。

私は部屋へ戻り、自分の椅子に再び腰を下ろし、右手の窓の外をもう一度見てみましたが、そこには赤ちゃんウサギの群れが草むらで遊んでいました。それから真正面の別の窓の外を見ると、子鹿たちと鹿が目の前に現れました。鹿たちが跳ね回り、あの男性が歩いた同じ道を歩いていくのを眺めていました。それは非現実的な体験でしたので、グループの話し合いの残りの時間中、私は黙って畏敬の念に打たれて座っていました。後になってキャンパス内の別の部屋にいた他のメンバーも、その男性と彼についていった鹿を目撃していたことを知りました。

W.L.

カナダ、エドモントン

 

個人視聴

 

編集長殿

1999年に、私はジャージ島に短期の出張をしていました。ホテルの部屋に落ち着くと、私の人生の最近の出来事を思い起こしました。困難な数週間の後、私は前へ進む用意はできていましたが、どこへ行きたいのかよくわかっていませんでした。

私は、「マイトレーヤ、今私の人生がどこへ向かうのかわかりません。助けが必要ですが、私の人生を選別するのは、私にかかっていることはわかっています」と言いました。

テレビをつけると、ニュースをやっていました。私はボリュームを上げようとして、間違ったボタンを押したのだと思うのですが、画面が変わって画像が回転したり、点滅して急に入れ替わったりしました。それが落ち着くと、ベンジャミン・クレーム氏がマイトレーヤについて講演している、きれいな画面が出てきました。私は「これはラッキー」と思い、腰を下ろして見ていましたが、人生の危機的問題は忘れていました。それはベンジャミンさんの自宅でのインタビューで、彼はマイトレーヤと智恵の覚者方の出現について、いつもの人を引き付ける魅力とくつろいだ様子で話していました。彼の講演は数多く聞いてきましたが、いつも初めてのように、新鮮に聞こえるのです。彼はまた伝導瞑想について話をしていて、瞑想中のグループの姿が映りました。カメラが一人ひとりの顔をアップにしていくと、まるで天使のように見えると思いました!

数カ月後、私はシェア・インターナショナルの事務所にいるジルに電話をかけました。私が番組のことを話すと、彼女はそのことを知らなかったので、私は驚きました。彼女はおそらくそれは非常に短時間のケーブルテレビの番組だと考えていました。私は1時間ほども続いた詳しい内容の番組だったと伝えました。

さらに数カ月後、私はジャージー島の同じホテルにいました。私はテレビをチェックして、4つか5つの地上波チャンネルしかないことがわかりました。ホテルのスタッフに尋ねても、ホテルにケーブルテレビは入っていないと言われました。

私はジルと次に話した時、このことを伝えました。彼女はこの話を、覚者に確認してくださるベンジャミン・クレーム氏に伝えることにしました。覚者のお返事は、「マイトレーヤが彼女のために番組を放映し、他の誰にも見えていなかった。彼女の部屋での個人的な視聴だった」ということでした。さらに伝導瞑想グループに参加するようにとも言われました。ベンジャミンさんは、それは私の決断次第だと知らせてくれましたが、「申し出を受け入れるのが賢明なことだろう」と言われました。

もしこの話に教訓があるなら、おそらくそれは、『テレビを見るなら、ちゃんと選びなさい』ということでしょう!

サラ・マクダイド

英国、サリー州リッチモンド

 

 

 

読者質問欄

以下の質疑応答は、何年も前に掲載されたものであるが、現在の関心事にも洞察を与えるかもしれない。

 

Q ハリケーン・カトリーナはなぜこの地域で起こったのですか。なぜこれほど強烈だったのですか。それはある種のパターンの巨大な解放(浄化)だったのですか。それともエネルギー移行の巨大な動きだったのですか。その根底にある原因は何ですか。

A アメリカ湾岸は、もちろんハリケーンのよく発生する地域であり、ハリケーンの季節でもあります。しかし、この嵐の尋常でない強烈さ(われわれの記憶にある最悪のもの)にはカルマ的な原因があります。この悲劇的な出来事の信じ難い破壊性は、イラクとアフガニスタンへの侵略という同じように破壊的な行為の結果に関係しています。それは浄化であり、大量の破壊的なフォースの消散です。人々は原因と結果の法則を学ばなければなりません。(SI誌 2005年10月号)

 

Q ニューオーリンズを含むアメリカ南海岸を襲ったハリケーン・グスタフは、カルマの結果ですか、デーヴァが均衡を失った結果ですか、それともただの自然現象ですか(あなたは2005年にニューオーリンズを襲い、1万2,000人以上の死者を出したハリケーン・カトリーナは、あなたの師によれば、中東における私たちの行動の結果であるとおっしゃいました)。

A ハリケーン・グスタフは、デーヴァが均衡を失った結果です。人類は大きなストレスと緊張の下にあり、これはデーヴァの進化にも影響しています。ですから、間接的ではありますが、それはカルマ的なものですが、原因においてより一般的です。(SI誌 2008年12月号)

 

Q 2012年10月29日、ハリケーン・サンディはアメリカの東海岸に上陸し、多数の死者や被害が出ました。(1)この嵐は(a)地球温暖化、(b)人間の破壊的な思考パターン、(c)カルマの結果ですか。(2)もしカルマに原因があるとすると、それは何ですか。

B(1)はい、その三つすべてです。(2)アメリカは世界の二酸化炭素汚染の25%を生み出しています。(SI誌 2012年12月号)

 

A大宣言の日がしばらく遅れると仮定し、世界が、危機に陥り、核戦争の瀬戸際にあるとしましょう。世界の主、サナット・クマラとハイアラキーはこの惑星が破壊されることを許すでしょうか。

B ハイアラキーは、いやむしろ、ハイアラキーの背後にいるサナット・クマラが惑星の破壊および人類そのものの絶滅を許さないでしょう。また、マイトレーヤの臨在そのものが、平和のために必要な内的決意、つまり、分かち合いを人類が、意識しようがしまいが、すでになしたことの保証であると私は思います。マイトレーヤはこのことを何度も言われていますから、われわれはただ信じねばなりません。(SI誌 1982年11月号)

 

A 核の問題には、サナット・クマラが直接に関係しているということは本当ですか。

B はい。1939年から1945年にかけての世界大戦の間に、原子爆弾の創造のための秘密が、ハイアラキーによって連合国の科学者たちに与えられたので、サナット・クマラが核兵器のいかなる使用にも、今は直接に関わっています。ですから、そのような破局を許されないと信じます。事故による戦争勃発はまた別の可能性であり、表面上はこれがいつ起こるかもしれない状況に見えます。そのような偶発性を防止するための安全装置は、いまだ誤りを免れない人間の手の中にあります。もしそのような核兵器の不慮の発射があるとすれば、それも一瞬のうちに、ハイアラキーは中性化することができます。この惑星を絶滅させることは許されないでしょう。

(SI誌 1982年11月号)

 

Q テーブルの上にある手の写真の意味は何ですか。

A この手はマイトレーヤの「手」です。これは2001年にスペインのバルセロナにあるバスルームの鏡に現れた「手形」の写真です。それは人々がマイトレーヤからの援助を喚起することができるように与えられました。マイトレーヤは言われます。「わたしの助けはいつでもあなた方の意のままである。ただ求めればよいのである」。マイトレーヤにどんな援助が可能で、どんな援助が不可能なのか、私には分かりません。しかし、古い小型自動車よりもメルセデス・ベンツが欲しいとしたら、それはそんなにすぐには叶えられないでしょう! 個人的な状況、例えば健康などの面で援助を必要とするなら、ただ「手」を見るだけでマイトレーヤからの援助を呼び起こすことができます。その援助はカルマの法則に従って与えられます。もしあなたのカルマが許せば、援助は与えられるでしょう。あなたのカルマがよければ、おそらくもっと援助が与えられるでしょう。その限度がどこまでか、どこで線が引けるかは私には分かりません

 

2017年9月号目次

 

-覚者より
新しいものを待っている
■ベンジャミン・クレーム筆記

視点
限りある惑星で経済成長を要求するのは、
未来の世代から強奪することである
デビツド・スズキ

チャールズ・アイゼンシュタインとオプラ・ウィンフリー
フィリス・パワー

金融システム全体の崩壊は近づいているのだろうか
スコット・チャンピオン

北朝鮮問題に関するカーター元大統領の声明

核兵器の脅威のない世界のために働く
メリル・ティハニーによるポール・イングラム氏へのインタビュー
国連は、核禁止条約を締結する

明るい未来を築く一助けを受けて
シェア・インターナショナルの協働者によるレポート

賢者の言葉
気候変動に関与するアル・ゴア氏
ダライ・ラマ法王が人類の一体性(ワンネス)について語る/教育について/飢餓と栄養不良に関する
フランシスコ教皇の発言/社会的正義に関してジェレミー・コービン氏は語る

時代の徴
マイトレーヤは彼の使命を説明する
2017年のミステリーサークル

新しいより簡素な世界の青写真一選集
Blueprint for a new and simpler world-acompilation
将来の青写真

書評
地球のための希望のメッセージ
ポール・ホーケン編著『ドローダウン』
モンテ・リーチによる書評

商業至上主義の毒と社会的不公正
グラハム・ピーブルズ

編集長への手紙
罪悪感なしで 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

 

新しいものを待っている

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 

世界は待っている。かたずを飲みながら待つのではないが、様々な出来事が危機に向かって動いており、その結果は明確ではないという感覚が増大している。どのような成り行きになるのか、誰も知らない。専門家も政治家も経済学者も等しく、対立する流れの中で無力にもがいている。彼らは相反する方向を取ることを余儀なくされて、計画を立てることができない。日ごとに新しい問題が生じ、最も啓発された者たちの善意は試され、他方、舞台の背後では、投機という冷酷な貪欲が国家を屈従させる。

そのような状況が生じるときはいつでも、人は恐れる。そして恐怖の中で、彼らは怒りをこめてなぐりかかってくる。かくして今日、世界の多くの部分でそれが起こっている。生活水準は下がり、安全が脅かされるにつれて、避難民や外国人に対する偏狭さが増大し、民主主義のプロセスを変色させる。舞台脇で待機している政治的過激派が彼らの機会をつかみとり、無思考の若者たちを過去の模倣に導くために台頭する。

市場のフォース(エネルギー)が人間の生活を牛耳り、押しつぶしていくにつれて、混乱に向かって滑り落ちるのを止めることはできない。競争と貪欲に基づくこの文明を救うことはできない。古い秩序は死滅しつつある。いや、すでに死んでいる。マモン(物欲の神)の別名である商業至上主義は法を濫用し、世界中で国家の宗教となっている。

もし人間がこの大渦巻きの中に孤立していたならば、彼らの窮状はみじめなものであり、彼らの運命はまさに悲しいものであっただろう。彼らはどこへも助けを求めることができず、誰にも援助を頼むことができない。人間のコントロールを超えた力が、彼らを仮借なしに戦争へ追い込み、人類の地球上における生活に大きく「終わり」と記されたであろう。

しかしながら、人間は孤立した存在ではない。孤立していたことはかつてなく、人類の兄たちによって絶えず支えられ、補強されて、兄たちの監督と指導のもとに旅路を歩むのである。人類は独りではなく、彼らの前に同じ道を歩み、その道をよく知る者たちに伴われて安全な旅路を歩むのである。

この嵐の中心に、人類の兄たちの一団が戻りつつある。一人ずつ、彼らはあなた方の直中に位置を占め、忠告と援助を求められる時を待つ。何世紀もの間、彼らは人間世界の中で直接に働くこの機会を待っていた。今、彼らは智恵と愛の贈り物を携えてやって来る。リーダーであるマイトレーヤのもとに、彼らは人類を自己破壊の寸前から引き戻して、人類の歴史に新しい一章を開くだろう。過去の遺跡の中から、新しい文明が、マイトレーヤと彼のグループの鼓舞のもとに、人類の手によって築かれるだろう。恐れることはない。終わりはすでに知られている。人類はこの危機の時を克服し、人類自身との、地球との、そしてその本源との新しい、より良き関係を築くだろう。マイトレーヤはすべてを新しくするために来られたのである。知ろうが知るまいが、世界は新しいものを待っているのである。

199211月号)

 

核兵器の脅威のない世界のために働く

メリル・ティハニーによる

ポール・イングラム氏へのインタビュー

 

英米安全保障情報協会(BASIC)は、1987年に設立された英国と米国のシンクタンクであり、核軍縮と非拡散を促進するために包括的で非党派的かつ対話ベースのアプローチを用いている。ポール・イングラム氏は、2007年から団体の事務局長を務め、2002年から数多くのBASICの報告書やレポートを書き、核と非核に関する多様な題材を扱っている。イングラム氏はまた世界的安全保障に関連する問題に焦点を置いたIRINN(イラン・ニュース・ネットワークのイスラム共和国)のプログラムを組織し、英国政府の国立学校で上級公務員のリーダーシップ研修を教えている。メリル・ティハニーはシェア・インターナショナル誌を代表して彼にインタビューした。

シェア・インターナショナル(以下SI):BASICの仕事について論じる前に、北朝鮮の現在の状況と、この状況を平和的に解決するためには何ができるかについてコメントいただけますか。

ポール・イングラム:北朝鮮は現在、すでに韓国を荒廃させる能力のある既存の軍備に加えて、新たに効果的な核抑止力を保有しているように見えます。他の国家は、北朝鮮とは抑止力に基づく関係があることを認め、当面は戦略的安定性を求める必要があるでしょう。

しかしこのことはまた、北朝鮮の軍事力の発展に対して、アメリカが威嚇と戦争の脅しという戦略を捨て、その代わりに双方向に何らかの安全をもたらす目的で対話を始めなければならないことを意味しています。北朝鮮はこの数十年、そのような対話を求めてきました。今こそ彼らとこの前提で席に着き、脅して屈服させることができると考えるのをやめるときです。

 

SIBASICの仕事の主な焦点は何ですか。

イングラム:BASICはアジェンダ(優先事項)を持つシンクタンクです。それは核軍縮への障害を克服するために、政府や他の利害関係者と協働して、核軍縮に向けた進歩を達成することです。

私たちは、核兵器は理由があって保有されていることを理解した上でこれを行っています。すなわち、政府は現在の核ドクトリンに囚われていると感じています。つまり彼らが国家の安全保障にとって不可欠であると信じている兵器への固執を放棄することを妨げる巨大な恐怖が存在します。そしてそれに加えて、それらのもたらす力と共に、核兵器は国際社会における究極の通貨形態──権力の通貨──であるという地位と感覚があり、それへの強い執着があります。

私たちが行おうとしているのは、責任感とか多国間協力のようなコンセプトを状況の中にもたらし、政府が核軍縮に向けた状況をつくる緊急性があるという感覚を持つようにすることです。

私たちはこれを対話によって、そして政府が囚われている複雑な次元をよりよく理解することによって行っています。私たちは特定の解決法をもって講演したり現れたりすることを避けています。それは複雑さを増し、私たちが目指すものへの不同意を生むだけだからです。むしろ私たちは政府が優先事項とプロセスへの信頼を築き、進歩のための機会に扉を開くための信頼を築けるようなやり方を求めています。

 

核の脅威を減らすために

世界規模で働く

 

SIBASICは誰と協働し、これらの議論にどうアプローチしているのですか。

イングラム:私たちは国連の中で働き、様々な国との関係を築き、彼らの現在の位置、政策、アプローチを査定し、彼らの核兵器への執着度合いを軽減しようと努めています。

英国と米国、さらにロシアや他のヨーロッパ諸国とも共に働いています。中東と南アジアでも働いています。英国と米国とは、幾つかのレベルで働いており、外務大臣や国務長官と、核兵器外交へのアプローチを見ています。段階的な軍事制限アプローチを促進するよう努め、到達点を評価し、その到達点をさらに推し進めるよう促進するための提案を求めています。防衛関係の高官とも働き、核兵器システムの配備の意図せぬ結果を見て、それらの配備に関連した危険の幾つかに注目を置いています。

中東では、WMD(大量破壊兵器)ゼロ地域への障害を克服するための方法を長年探し求めてきました。湾岸諸国の高官とも働き、核安全保障をイランとの地域対話を確立するための方法と見なす国際的アプローチにおける信頼の構築に努めています。イラン高官と一緒に、現在の恐怖と反応を激しくするだけの核技術の開発に基づくシステムとは違う方法をつくり上げ、別の技術と戦略を選ぶよう努めています。

ロシアとは、モスクワで何度もラウンドテーブルを設けて、核兵器使用をめぐる問題や西側との対話を築くための別のアプローチについて考慮しています。私たちはまたヨーロッパ全土でNATO同盟国と円卓会議を主催し、アメリカのヨーロッパへの関与を保証し、ロシアが国家安全保障の脅威とならないための手段としてのヨーロッパにおける戦術核兵器の配備への固執をどうやって減らすことできるかについて話し合っています。

そして私たちは地雷に関するフィンランドの議論についての報告書を出版しました。これはロシアとの関係で国家安全保障に不可欠であると彼らが考えている防衛能力を放棄した国家の事例としてです。究極的に彼らは、国家安全保障はより強い、より一致団結した国際社会によってよりよく保障されると信じています。その中で大半の国家は地雷には役割がないと信じています。

ですから、私たちは各国や各地域の核兵器の領域を調査する中で、核兵器が安全と力をもたらすという確立された考え方に挑戦しています。国際的安全保障を過小評価したり軍備競争に陥ったりせずに目的を達成する別の手段を見いだすために私たちは政府高官と共に働いています。

 

核兵器禁止の合意

 

SI:最近国連で、核兵器禁止の国際的合意が署名されました(核兵器禁止条約、201777日—禁止条約)。その主な意味と、核兵器のない世界に向けた動きの中でこれがどのような重要性を持つかを教えていただけますか。

イングラム:国連で合意されたステップは、2017920日に署名される条約への前哨でした。

条約の各加盟国は核兵器を開発し配備することを止め、核を研究せず、核兵器の存在を支援するいかなる活動にも関わらないことになっています。その適用範囲は広く、どの批准国にとっても防衛政策として核兵器に頼っていることを明らかにしている国やグループと同盟していながら、批准することは挑戦となるでしょう。

この条約は核兵器のない世界に向けた長い道のりの一つのステップです。一夜にして達成することはできません。核兵器保有国が手を挙げて核兵器を除去することはないでしょう。しかしそれは核抑止力に固執している国に外交的圧力を必然的に与えます。あまり強力で強制力のあるものではありませんが。条約は、国々がそれを不満の象徴と見なすならば最も効果的に働くでしょう。

核兵器それ自体は、国家が受け入れ難いレベルの脅威にすすんで関わることの象徴です。それは安全を得るためのテロリズムに匹敵するでしょう。核兵器保有国は他の国家を消滅させるという脅威によって国家の安全を強めようとしているのです。それには多くの矛盾があります。

核兵器禁止条約を批准する国家は、それが21世紀には受け入れ不可能であるというシグナルを送ろうとしています。それは核兵器保有国に対して、その罠から逃れるよう招くものであり、安全を築くために他の手段を見つけ、相互消滅を通して安全保障を確立しようとすることは内的矛盾であり持続不可能であることを認識するよう求めるものです。

 

障害とその克服

 

SI:核兵器のない世界を達成するための主な障害は何だとお考えですか。

イングラム:最大の障害の一つは、大半の関連する政府が進歩は不可能だと考えていることです。例えば、中東の深い対立を克服してWMDのない地域を達成するのは不可能だという大きな信念があります。可能性についてのより強い信念があり、戦略的障害を克服するより強い政治的取り組みがあれば、もっと大きなチャンスが生まれるでしょう。

それは、私たちがナイーブであるべきとか、人の心をただ変えることが可能だと考えることではありません。なぜなら、それに加えて多くの客観的な障害があるからです。政府が信頼を発達させ、国家が核兵器を開発しておらず、その兵器を十分に廃棄したことを確かめるための査察プロセスを見いだすためには、制度的な障害が存在しています。

突発的なことが起こり得るという恐怖があります。すなわち、核兵器を獲得した国が最初にそれによって大きなアドバンテージを得ることです。しかし実際には、非常に少数の核兵器を持つ国家は、国際社会はそのような状況に寛容ではなく、その国を引き下がらせるために他の手段を用いることを知るでしょう。

にもかかわらず、制度的な欠陥や欺瞞の誘因があれば協調した行動は困難であるという感覚があります。協調した行動の方法はありますが、それは容易ではありません。それらは効果的な査察制度を開発し、時間をかけて信頼を築き、国が法の支配を守ることが可能であり望ましいことを信じることに関わっています。制度が効果的に機能するためには、利点を見て制度でごまかしをしないことが重要だと認識することが大切です。

 

進歩の実例

 

SI:希望と前進の感覚を与えるような近年の核軍縮の進歩の実例はありますか。

イングラム:軍縮と国際的合意の実例はあります。

■ 南アフリカは核兵器の兵器庫を武装解除し、IAEA(国際原子エネルギー機関)の査察を招きました。

■ 前ソビエト国家は彼らの国境に核兵器を配備していましたが、冷戦が終わるとすべてロシアに運ばれました。それにはウクライナも含まれます。

■ 核兵器開発計画を持っていた国の多くがそれを放棄しました。その中にはスウェーデン、スイス、ブラジル、アルゼンチン、台湾、韓国が含まれます。

■ 核兵器のない地域が地球の多くを占めています。そこには、核兵器を獲得しない取り組みや、信頼造成のために国家間での検証プロセスも含まれます。

■ 核兵器非拡散条約(NPT=核兵器規制の国際条約)のレビュー会議が2010年に開かれ、さらなる核軍縮、非拡散、そして核エネルギーの責任ある利用を促進するための64点の計画が全会一致で合意されました。私たちは過去に数多くの軍備コントロール協定を結び、その一番最近のものは、START㈼(戦略兵器削減条約)で2011年にアメリカとロシアの間で発効しました。戦略兵器と輸送システムを制限し、検証プロセスにも合意しました。冷戦に遡れば、一時は深い不信感と敵意を持っていた者同士が広範囲の武器制限手段に合意できたことは途方もないことであり、交渉には信頼は不可欠ではないこと(もちろん助けにはなりますが)を示しました。

次のステップ

 

SI:世界的な核兵器禁止のために次に計画されている取り組みは何ですか。

イングラム:(反核兵器)キャンペーン・グループは、禁止条約の署名と批准を可能な限り多くの国に働きかける予定です。間接的に核抑止力に関係する国々──同盟国その他──にとりわけ着目するでしょう。

核保有国に対して、この条約に調印するのではなく、軍備統制と核に対する態度の変化を促すよう努めるグループができるでしょう。一つの例として、先に核兵器を使用しないと宣言したり、極端な状況を除けば核兵器を使用しないことを他の国に強く保障したり、さらなる軍備制御や核兵器の削減に努めるとか、特定の不安定な核兵器システムを廃棄するなどを国が宣言することです。核保有国が取り得る様々な手段が存在します。

21世紀において核武装した責任ある国家であるとはどういうことかについての対話を多くの核保有国と行います。地域的な観点から緊張を検証する行動があるでしょう。

しかしNPT2020年のレビュー会議に向けて、注目の大半は禁止条約に注がれるでしょう。何カ国が調印したか、そして次に何が起こるかということです。

 

SI:さらに付け加えることはありますか。

イングラム:私は核兵器を人類の状況の闇の奥の一つと考えています。それは極端な恐怖心と権力と支配への欲望という場所から来ています。もし私たちがこの問題に取り組むことができ、核兵器によって表現された危険を避けることができれば、そしてこの問題を回避し抜け出す方法を見つけることができれば、私たちは共存の重要な方法を見いだすことができるでしょう。それはそれ自体重要なことですが、さらに重要なのは、より肯定的な存在の方法へと動く道を見つけるということなのです。

 

さらなる情報は: basicint.org

国連は、核禁止条約を締結する
2017
77日、国連に加盟する122カ国は、拍手喝采の中で、20年間にわたり交渉されてきた核廃絶へ向けた正式に法的拘束力を持つ初めての多国間条約を採択した。国連総会の指示のもとで交渉されたこの条約は、核兵器およびその他の核兵器関連装置の開発、テスト、生産、製造、取得、所有、貯蔵と同時に、これらの兵器を脅し文句に使うことを完全に禁止するものである。条約への加盟を望む核保有国にとっては、貯蔵された兵器の破棄へ向けたプロセスを概説し、核を持たないという約束を維持できるように援助する。核保有国がこの歴史的条約をボイコットしたことは際立っていたが、条約に賛成する諸機関は、幅広い賛同がついには大衆の圧力とそのような破壊的兵器使用の画策と脅迫への恥辱感を増大させて、保留国に対してその立場を再考させることになるだろうと期待している。

条約の交渉を行った会議の議長を務めたコスタリカのエレイン・ホワイト・ゴメス大使は、「現在と未来の世代の希望と夢に応えているのですから、感無量に思います。……私たちは……子供たちに、核のない世界を受け継ぐことは可能なのだ、と言っているのです」と語った。核廃絶条約の誕生の原動力として、被爆者国連核兵器禁止条約の功績を上げて、「彼らが体験したことが、人間の魂に触れたのです」と語り、話し合いは理性と心情の協働によるものだったと付け加えた。

 

明るい未来を築く——助けを受けて

シェア・インターナショナルの協働者によるレポート

 

2017年7月9日にカナダ、エドモントンを拠点に活動する協働者のマイケル&シェリーン・タイルズ夫妻は、アメリカの元大統領、ジミー・カーター氏とどうしたらインタビューの約束が取れるのだろうかと話し合っていた。カーター氏がエドモントンに来ていて、彼が34年間活動している慈善団体「人類の住まい」と共に家を建設していたからである。彼らは「人類の住まい」宛てにその夜 Eメールを送り、カーター氏が市内に逗留されているときにインタビューをさせてもらえないかと要請した。

翌日仕事へ向かう車の中で、マイケルともう一人のシェア・インターナショナルの協働者であるティム・ボーツクとは、このまま仕事をさぼって、カーター氏を探しに出かけようかと冗談を言ったりしたが、もちろんそうしたわけではなく、仕事場へ向かった。午前中の休憩時間に彼らはコーヒーを買いに出かけ、仕事場へ戻る途中、付近に不案内だったので、曲がり角を間違えてしまった。彼らが見慣れぬ通りを数分走ると、突然大きな工事現場に行きつき、そこには『人類の住まい』というサインが掲げられていた。彼らは車を止め、工事現場に行く時にはいつも行う通常の手続きである作業装備を身に着けた。

現場の入り口では、驚いたことに、警備員が彼らを入れてくれた。彼らは、少なくとも写真を23枚撮らせてもらおうと、カーター氏が家を建てる仕事をしているところへ進んでいった。彼らはどうしたらもっと近づいて質問ができるのだろうかと思案していたが、彼らのすぐ後ろには、カーター氏の報道担当官がいて、自分の名前はブライアンだと名乗った。それでマイケルとティムは、自分たちはシェア・インターナショナルのボランティアだが、間もなく行われようとしていた記者会見に出席できるだろうかと尋ねた。報道担当官は、これには報道関係者だけしか出席できないが、聞いてみようと言ってくれた。

マイケルとティムは記者会見が行われるテントへ向かった。するとほどなく、ブライアン氏が現れ、そこに出席してもいいが、質問をできる保証はない、と告げた。この記者会見ではカーター氏の他に妻のロザリン夫人ほか数人が話をした。終わり近くになって、幾人かが質問をしようと挙手をしたが、マイケルも手を挙げた。マイケルとティムだけは報道関係者の名札を付けていなかったが、マイケルが最後の質問者に選ばれた。質問は3人の協働者の間で話し合って決めていたものだった。すなわち、「普遍的ベイシック・インカムについてあなたはどう思われますか? それはどの人も家族も、安全で、こぎれいで、手ごろな家を持つ助けになるとお考えですか」というものだった。

「確かに誰でもが、生活し、生きていけることのできる適正な所得を持っていてほしいと思います。カーター・センターは、世界80カ国にプログラムを持っていて、私たちはエチオピアやその他の収入が非常に少ないアフリカやラテンアメリカ諸国にもよく行きます。例えば、南アフリカに幾つかの家を建てましたし、リベリアでもたくさん仕事をしました。リベリアでは平均的な人でも1日にわずか50セントしか収入がないことを知りました。1日1ドルや2ドルでどうやって暮らしていけるのかを考えてみたら、とても無理だと思うでしょうが、彼らはそれで生き延びてきたのです。

貧困の中で生活している人々を、稼ぐ努力が足りなかったせいだと過小評価しがちです。

しかし、私たちはこの住まい造りの仕事の中で、またカーター・センターの仕事の中でも、時に劣っていると見なしている人々は私同様懸命に働いており、私同様大きな望みもあり、家族に対する価値観は私同様に素晴らしいことを発見しました。ですから、私たちより時に低い位置にいると思っている人々を同等だと認めるには、私たち自身を低く見ることによってではなく、他の人々を高く認めることによってなのです」

ジミー・カーター氏は第39代アメリカ大統領であった。彼は201710月に満93歳になるが、2017年7月には、妻ロザリンとの結婚71周年を祝ったばかりである。

写真:元アメリカ大統領ジミー・カーター氏と元ファーストレディのロザリン夫人は、カナダ、エドモントンの『人類の住まい』の仕事を手伝っている/photo: Habitat for Humanity

 

新しいより簡素な世界の青写真——選集

Blueprint for a new and simpler world ──a compilation

 

「新しいより簡素な世界の青写真」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻および第2巻と『シェア・インターナショナル誌』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 

わたしは、あなたがたを新しい御国へ連れていく。わたしの周りに陣営を固め、あなたがたを待っているあの栄光を示させて下さい。未来の時の骨組は、今や築かれている。未来の青写真は、より明確になってくる。あの未来にあなたがたをお連れしよう、そしてあの機構の輝ける光の中に包まれなさい。わたしの祝福はあなたがたすべてと共にある。

(『いのちの水を運ぶ者』第48信、p.147)

 

未来の青写真は降りつつあり、人類種族の敏感なマインド(識心)はこの新しいビジョンに反応している。世界の歴史の中で、今存在するような機会が人類に提供された時はかつてなかった。過去の混乱から秩序がつくられる。無知の暗闇の中に新しい光が輝く。初めて人間は同胞と共に神の法の規則(ルール)を確立し、本源との正しい関係に入る。

(『覚者は語る』—未来— p.119)

 

今日世界を取り巻く諸問題の解答を自分たちの裡に持ち、能力と見識を備えた男女の出現を、世界はもうすぐ目撃するであろう。彼らは、すべての人間の幸せを心に抱いている。時が至れば、世界の社会構造をより霊的な線に沿って再組織する仕事にいつでも取り組める用意がある。それは、もうすぐ起こるだろう。

覚者方が、それぞれの役割に沿って彼らを訓練し、必要なエネルギーの刺激を供給されるだろう。

彼らの名前はほとんど知られていないが、世界問題に対する彼らの影響は大きいだろう。変化への動きを開始し、それが勢いをつけて世界を一変させるであろう。

(『世界教師と覚者方の降臨』p.45)

 

わたしの覚者たちは、彼らのグループを通して、新しい形態と機構を開発している。それは、あなたがた自身である聖なる存在を、よりよく顕すことを可能にさせる。かくして大計画は完成される。この偉大なる霊の冒険に参加しなさい、我が友よ、そして、あなたがたの受け継ぐ遺産を示させてください。そこへ導かせてください。

(『いのちの水を運ぶ者』第41信、p.131)

 

世界は古いものと新しいものとの間を、過去と未来の間をさまよっており、人々はその結果を示す徴を固唾を飲みながら待つ。徴はそこに、すべての者が見ることができるようにたくさんあるのだが、彼らは、それらの中に切望する希望を見ることを拒否する。したがって、彼らの幸せと平静さは減少する。

未来を恐れることはない。なぜならそれは、もし人間がその意志を持つなら、想像するよりもさらに偉大で、より美しいものであり、人間の最高の夢よりもさらに素晴らしいものであるから。不確かさや耐えがたい悲しみ、喪失や変化の痛みは、生まれ出ようと苦闘している新しいより良い世界の産みの苦しみにすぎない。

(『覚者は語る』—生得の権利が待っている—

  1. 551〜552)

 

我々が分かち合いの原則を受け入れる時(各国の政府は世界世論によってそれを強いられるだろう)、各国は必要分以外の余剰を世界への信託として移管することを要請されるだろう。各国はその資源と必要の明細目録を作ることを要請される。これらの統計はコンピューターに入れられ、この目的のために設置される国際連合の機関が、この情報に基づいて世界資源の合理的な再分配の計画を作る。このようにして先進国と後進国との間により良いバランスが達成される。再分配のプログラムは、実施に2〜3年かかると見積もられている。この企画のための計画と青写真は高度なイニシエートたち──相当な業績を持つ経済学者、金融財界人、産業人──によって、既にかなり以前に作られており、その実施を求める人類の要請を待つのみである。

(『マイトレーヤの使命 第㈵巻』p.122)

 

前進するために、人は古きものに対して死なねばならない。いつの時代もそうであった。だから、我が友よ、この転換の時に、古き機構を放棄しなければならない。そしてただ同胞愛の中で、すべての人は分かち合わねばならない。

(『いのちの水を運ぶ者』第118信、p.354)

 

……人類はそれまで知り得なかった新しい摂理の時代を迎えるであろう。マイトレーヤが言われたような、「誰も窮乏することのない簡素な生活、同じ日が二度と繰り返されることなく、同胞愛の喜びがすべての人間を通して顕される」、そのような日々を迎えるであろう。

そのような生活を創造するために、多くの努力が必要である。偉大な方たちの指導のもとに、すべては人類自身によってつくり上げられねばならない。新しい文明の創造を妨げるものは、すべて捨て去られねばならない。そしてより適切な形態を築くためのステージが整えられねばならない。ここに人類が、真の創造力と再生力を発揮する機会がある。人間は神を内在するのであり、間もなくその神性は世界の霊的変容となって顕されるであろう。

(『覚者は語る』—マイトレーヤの召集— p.127)

 

私がユートピアを信じないのは、進化というものは創造的な過程であり、静的ではないからです。その完全性の青写真はありますが、完全性そのものは静的ではありません。進化は原因と結果の法則の下で進行し、その法を通して顕現します。それが根本であり、われわれの責任の土台です。なぜなら、私たちの抱くすべての思考と行動が原因を始動させるからです。破壊的な人々は彼ら自身に破壊をもたらし、同時に、一時的に彼らの周りの人々にも破壊をもたらします。

人類が自分たちをひとつと見なすようになるにつれて、そして内的な一体性を顕示する機構──政治的、経済的、社会的、科学的──を創造するにつれて、それはますますコントロールされるでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.361〜362)

 

わたしの到来は、古い秩序の終わりを意味する。もはや人類の目的にそわない、役に立たないものはすべて、捨て去られる。これを嘆く者は多いであろうが、しかしなされねばならない。我が友よ、子供たちよ、人類には、まことにすばらしい未来があることを示すために、わたしはここに居る。いつの日か、人は、虹色にかざられ、神の栄光に輝きながら、己の神性を顕して立つであろう。わたしはこれを約束する。

(『いのちの水を運ぶ者』第4信、p.29〜30)

 

簡素化とは、実際に、最も充実した人生を楽しむための必要最低限のものを用いることです。最も充実した人生は、術として生きることができます。しかしそれは簡素化を必要とします。そのようにして、私たちは新しい時代に正しく入っていくのです──生きる術が人類によって真剣に考慮され、認知され、発展させられるとき、無害と犠牲の法則がそれをコントロールするとき、より一層の質の簡素化が現れるでしょう。“荒野の体験”が簡素化の必要性を人類に示すでしょう。恐らく今日のアメリカのように生活が複雑になればなるほど、未来の簡素化を受け入れるのが困難でしょう。しかし、簡素化の中には大きな幸福があるため、未来はより幸福な時代になるでしょう。

(『生きる術』p.117)

 

わたしの覚者たちも、各々の拠点地で仕事をしている。彼らを通して大計画は進められる。わたしの仕事は、その大計画を統合し、分裂を最小限にすることである。多くの愛されてきたものが捨て去られねばならない。古い形にしがみついていてはならない。役に立たなくなった機構を放棄し、新しい、より単純な世界を創造していく人間の能力に、多くのことがかかっている。これをよく記憶しておきなさい。忘れてはならない──わたしは、すべてのものを変えるためにやってくるのだということを。

(『いのちの水を運ぶ者』第74信、p.218)

 

マイトレーヤと共に世界にやって来られる霊的ハイアラキーの覚者方は、温室効果や大気汚染、核放射能の影響でさえも中和できるテクノロジーを持っておられます。私たちは核分裂の方法によるエネルギー創造をやめなければなりません。私は人類が昔の牧歌的な時代に戻ることを主張しているのではありません。私たちは、これまでに発明されたあらゆるテクノロジーと共に、豊かな、バランスの取れた、現代的な生活様式を送ることができるでしょう。今の私たちには想像し始めることだにできないテクノロジーの青写真が与えられるでしょう。それは最先端の科学者の頭をも混乱させるでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.214)

 

マイトレーヤと彼のグループの導きを得て、人々は新しい機構の単純さを好むようになり、そしてその中に深い満足感と結合力を見いだすだろう。彼らは、それがもたらす競争と緊張の剥奪された世界に安心するだろう。共に協力のうちに仕事をしながら、自分たちが行うことすべての中に深遠な幸福と充実感を見いだすだろう。

マイトレーヤは彼の援助と助言を決して出し惜しみされないだろうし、あなた方の兄たちである覚者たちもまた、新しい文明の建設を鼓舞するための努力を惜しまないだろう。来るべき大殿堂を優美に飾るだろう驚嘆すべき事物は、すべての人間を喜ばせ、驚かせるだろう。その建設に一人ひとりが果たすべき役割を持ち、すべての人間がその達成に最善を尽くすだろう。そのようになるだろう。

(『覚者は語る(㈼)』—運命の歯車の回転—p.111)

 

世界における本当の変化は、意識の本当の転換は、政治経済前線で行われている。政治的、経済的変化を通してこそ、すべての人間に内在する霊性の反映を可能ならしめる制度が再建されるだろう。精神生活の道はすべての人間が歩むことのできる広く多様なものであることを、マイトレーヤが示されるだろう。人間生活のあらゆる努力のなかに、あらゆる分野のなかに、神についての認識と知識が感じられ、表現されるだろう。すべての者が一瞬一瞬のこの体験についての彼らの認識を、分かち合われた体験の結果として生み出される多彩な模様に対して貢献することができる。

(『マイトレーヤの使命 第㈵巻』p.121)

 

わたしが、あなたがたをわたしの心の中に迎え入れたように、我が愛しき兄弟姉妹たちよ、わたしを、あなたがたの心の中に迎え入れてください。そして一緒に働き、世界を創り直そう。あなたがたの社会の機構の中で、腐敗し役に立たなくなっているものすべてを、あなたがたの神性の顕現を阻むものすべてを、変えていこう。幼き者たちのために、共に道を示し、彼らのためにこの世界をしっかりと保持しよう。

(『いのちの水を運ぶ者』第50信、p.151)

 

変化のための青写真が何百万もの人々の想像力を引き付け、間もなく世界の注目を集めるだろう。結束し、そして勇敢であるとき、彼らは無敵であることを、人々は理解した。この変化への運動を止めることのできるものは何もない。それは未来の、そして大計画の概念を包含する。マイトレーヤはそれに声を与えたのであり、それが今や世界の民衆の声である。

(『覚者は語る(㈼)』—和合への道—p.210)

 

わたしの出現の手順は進んでいる。わたしの拠点地に住むあなたの兄弟たちは、彼らの中に素朴な神の男が、兄弟の中の兄弟が、彼らのための代弁者がいることをまもなく知るであろう。その男は世界の諸国の前に、すべての人間の必要を提示するであろう。平和なる世界を、資源の公正なる分かち合いを、笑いと喜びを、神の原型の上に築かれる新しい世界の創造を、すべての人間が求めているのだということを提示するであろう。

(『いのちの水を運ぶ者』第103信、p.309) 囲み記事: 将来の青写真

──覚者より、ベンジャミン・クレーム筆記

1999年10 月 人類はマイトレーヤを完全な視界のうちに見るとき、敬服するものを多く見いだすだろう──彼の気品と歓喜、彼の慎み深い叡知とすべてを包含する愛、彼が持てるもの、および彼であるところのものすべてをあらゆるステーション[*]の人々に喜んで分かち合う用意など。彼の謙虚さは人々を非常に驚かせ、彼の計り知れない広大で深遠な知識は、人間に自分たち自身の不足を見せつけるだろう。かくして、人類は彼に導きを求め、彼の関心を確信して、かつてそうであったように再び熱心な探求者や学徒となるだろう。そのようになるだろう。かくして、偉大なる主は人間に将来の青写真を提示するだろう。その将来が人間にもたらすあまりの素晴らしさを、今日理解できるものはほとんどいない。

誰も不足するもののない未来を想像しなさい。すべての人間の才能と創造性が彼らの聖なる起源を実証する未来、戦争が人間の思考の中に座をもたない未来、善意がその慈悲深い網をすべての人間の心(ハートとマインド)に投げかける未来を想像しなさい。

(電気の)光ではなく(神の)光そのものによって灯され、今日のような悲惨さや欠乏はどこにも見つけられない都市を想像しなさい。光のみによって動かされる速くて音のしない交通機関、遠く宇宙世界や星々でさえもわれわれの手の届く範囲にまでもたらされるような未来を想像しなさい。

そのような未来が、分かち合う勇気をもつ男女を待っている。そのような未来が、自由を愛する勇敢な者たちを待っている。そのような輝かしき未来が、人生の意味と目的を理解することを切望する者たちを待っている。……

 

[*]あらゆるステーション=物理的な場所や各人の立っている段階や分野などを網羅する言葉である。

編集長への手紙

編集長殿

201749日に、私は米国ウィスコンシン州マディソンでの、ウェルネス・エキスポに出した再臨のブースで活動していました。20代後半の二人連れがブースにやって来て、私たちは会話を始めました。

私が彼らに、彼らと同じ年齢の人や同世代になる一団の人々は、今現在の世界の状況にどのように対処しているのか尋ねました。若いミレニアム世代の人たちが、経済や環境、現在の政治の状態のせいで、非常な不確かさに直面していると私は認識しているのです。

その若い男性は、「私たちは起こっているすべてのことをよく見ています。そして私たちがどのように反応したいのかも分かっています」と言いました。私は彼らに「若い世代に対して、私の世代が世界を放置してきた状況について、私は罪悪感を覚えていると言わずにいられません」と言いました。

その若者は即座に返事をして「あなたの罪悪感は当然のこととは言えないし、必要でもなく、また助けにもなりません」と言いました。さらに続けて「世界の状態というのは、あなたの世代のみのせいではありません。あなたの世代、その前の世代、またその前の世代、さらにその前の世代のせいなのです。人類の歴史全体が、今日の私たちのあり様をもたらしたのです。私たちは皆共にこの中に存在し、皆で共にここを通り抜けていかなければならないでしょう。あなたの肩から罪悪感の重荷を取り払いましょう」と言ってくれたのです。彼はまた「私たちはこの時に世界にいることを残念には思っていません」とも言っていました。彼の友人も賛同してうなずいていました。

この出会いは私にとってとても有益で、私は本当に肩から罪悪感が取り去られた解放感を感じています。

エレン・ターガセン

米国、ウィスコンシン州マディソン

 

共に

 

編集長殿

2016年のペンテコステの翌日に、アムステルダムのインフォメーションセンターは、マイトレーヤの代弁者(ベンジャミン・クレームの師によって確認された。本誌20169月号「ペンテコステの訪問」参照)の訪問を受けました。それ以来、彼はセンターの中にひょいと入ってくるだけだったり、二言三言陽気な励ましの言葉をかけたり、講演のまさに終わりにやって来て講演者の目の前の席に座ったりすることで、何度もその存在に浴する栄を私たちに与えてくださいました。そのような機会に、彼は話し合いの中で生き生きとした参加者となり、しばしば話に加えて適切で常に役立つコメントを差し挟み、それは混乱させたり、注意をそらしたりするようなものにはなりませんでした。彼は同意してうなずき、講演者を励まし、どれほど間近にマイトレーヤの完全に公の出現が起こるかについての発言を支持し、賛同してくれているように思えました。彼は温かく愛情溢れ、愛すべきいたずら心のあるユーモアのセンスを持っているのです。

彼は繰り返し私たちを訪問してくれて、ごく最近にも彼はやって来て、例えばちょうどベンジャミン・クレームのリトグラフ展をセンターで開いた時には(20176月下旬)、彼がそこにいた人々に愛情溢れた温かなハグをして、戻ってくると約束して、それから1週間後くらいに、再びほんの少し立ち寄って、連帯や興味、思いやりを示すために来たかのように、私たちが大丈夫か尋ねてくれたり、握手をしたり、背中を軽くたたいたり(!)、ひどく疲れているメンバーたちを気遣ってくれたりしました。彼は口に出されなかった私たち数人の思考を、一言一句言い当てて、私たちの関心事を知っていて、他の人が知り得ない事実を知っているという具体的な証拠を見せてくれました。

723日に、親切で支援してくれるマイトレーヤの代弁者が再びセンターにやって来て、講演の始まった1分後に到着し、その後ディスカッションに参加して有益でユーモラスで適切なコメントをしてくれました。誰かが世界の状態についての不安を話した時、グループのメンバーが善の勝利について、「素晴らしい肯定的な結果が保証されている」ことを話しましたが、後で代弁者の方がそのメンバーに話しかけて、「善良な人々の勝利が保証されているのです」と繰り返していました。別のメンバーで、すでにマイトレーヤのフレンドリーな代弁者に数回会っている人が彼に再び会えてうれしいことと、来てくれたことへ感謝を伝えた時、その代弁者の方はただ天の方を指差して、まるで「私はただ上から行くように頼まれたことをしているだけです」と言っているかのようでした。他に代弁者の方が語ったことで、講演に関係していたのは、マイトレーヤがいつ世界中で完全に認知されるようになるかということについてで、「それはすべてタイミングの問題です」と彼は言いました。

8月6日に、私たちはインフォメーションセンターでのリトグラフ展の中で、講演をしました。マイトレーヤの代弁者の方が再び現れて、いつものように講演が始まってからちょうど1分後でした。どうしてかいつも空席があり、最後の席に彼は座りました。普段通りに彼はかなりたくさん話すことがあり、簡素さの必要性や、自身と内なる高位我との絶え間ない接触を保つことの必要性を語っていました。さらに参加者に話しかけることも恒例になっていて、明らかに的を射たコメントやアドバイスを伝えていました。

講演の終わりに、講演者が聴衆に、18枚のリトグラフの中で心惹かれる1枚の前で、何かの期待もお願いも要求もすることなく、静かに数分間座るように呼びかけました。私たちはこのようにして約7分間静かに座り、その後ゆっくりと一緒に戻っていき、非常にはっきりとした祝福とエネルギーと感謝の感覚を持って、静かに午後の講演を閉会しました。

代弁者の方が言った最後の言葉は、その日の最後の言葉でしたが、ちょうど私たち皆が立ち上がって帰ろうとした時のことで、「共に」でした。

グループメンバー一同

シェア・オランダ、シェア・インターナショナル

インフォメーションセンター

オランダ、アムステルダム

 

 

読者質問欄

 

Q これはどうして希望のメッセージであり希望の時なのですか。(2007年パリ講演会)

A 今は人類の歴史上最も興味深い時期の一つであり、途方もない出来事が起こっています。すべてが変化している今の時代に転生し生きていることは栄誉なことです。地上のすべてのものは深遠な変容、変化を通過しています。もちろん、多くの人々にとっては、今は彼らの人生の中で最も恐ろしい時代でしょう。困難と危険、あらゆる脅威(あらゆる種類の戦争、災害、環境破壊)の時代に見えます。ですからどうやって私は希望を持つことができるでしょうか。多くの異なった物事が人生では同時に起こります。一方では、世界は災害を経験し、同時に世界は良い方向へ変化しています。どちらも真実ですが、人々はたいてい一元的にしか物を見ません。恐ろしいので脅威の方を見る傾向があります。

 

Q 多くの地域での戦争や戦争の脅威の中にどうやって肯定的な物事を見ればいいのでしょうか。それを肯定的な光の中で見ることはできないのではないですか。

A それらが真の災害であり人類のためにならないことは本当です。しかし、それらは衰退する文明、死にゆく時代の最後の苦しみです。ある時代が死ぬときに何が起こるでしょうか。それはあらゆる生命の終わりではありません。それは単に時代の終わりであり、私たちは変化の時代に生きています。混乱は、古いものと新しいもの(新しいエネルギー)の衝突から生まれています。これは宇宙的な出来事であり、それをコントロールすることはできません。新しい公正な文明を創造するためには変化は不可欠です。幸運にも、世界の古い分割は終わりに近づいており、新しいエネルギーが統合を生み出し、多様な人々やアイディアを融合しています。私たちは最大の多様性と共に和合を目指すべきです。すべての人々の基本的な願いは、他者との和合、融合を見いだすことです。私たちはそれを期待しています。

 

Q 9・11のテロは、霊的ハイアラキーの仕事にどんな影響を与えましたか。

A 9・11のテロによって世界の進歩的な肯定的な変化はある程度中断してきましたが、破壊が起こる中で変容も同時に続いています。人々は世界を平面のように見なし、戦争、紛争、戦争の脅威、小さな国家を虐める大きな国家だけを見る傾向があります。彼らはあらゆる破壊的な力の作用を見ますが、同時に、反対方向への動きや波や流れを見ません。人々は血気盛んなのでそれらを見ませんが、覚者方は流れを見て、私たちが想像するよりも世界がより良い方向に徐々に変容している雰囲気を知っています。

 

Q しかしこれはどのくらい具合よく起こっているのでしょうか。

A 変化は完全ではありませんが、よく進展しています。まだ多くの危険が存在しますが、潮流は変わりました。現在(2007年)から光の勢力は上昇します。

 

Q クリシュナムルティについて何か言うことはありますか。(2005年パリ講演会)

A ジッドゥ・クリシュナムルティは1895年にインドで生まれ、1986年にアメリカで亡くなりました。

 

Q 彼はマイトレーヤの器だったのですか。

A 彼は人生の大半をマイトレーヤにオーバーシャドウされていました。

 

Q なぜ彼の教えはあなたの言っていることと大きく異なっているのですか。彼は決して覚者方について言及しませんでした。

A 彼が覚者方について知らなかったからではありません。彼は知っていました。彼はマイトレーヤについてとてもよく知っていました。彼は自分がマイトレーヤにオーバーシャドウされていることを知っていました。彼は覚者方について知っていました。彼自身が非常に進歩した弟子であり、人生の終わりには第四段階のイニシエートでした。覚者は第五段階のイニシエートですから、彼は覚者にとても近いところにいました。覚者方について何も聞かずに完璧な人生を送ることはできます。

クリシュナムルティが覚者方について言及しなかった理由は、覚者について人々が持つあらゆるグラマーやイリュージョンに気づいていたからです。人々はいつも、覚者が彼らがあれこれすることを援助するかどうか、彼らの目的を成し遂げるために覚者の援助を得られるかどうかを私に尋ねます。人々は覚者方に依存し、まるで覚者方が彼らのものであるかのようです! 覚者方はとてつもなく忙しいにもかかわらず、人々は彼らが人々の従者であり、呼び出しにいつでも応じるかのように彼らの欲求から考えます。それは真実ではありませんし、真実であるべきではありません。覚者方が無条件の愛を表現するということは、私たちが彼らから何でも欲するものを求める権利があるということではありません。

クリシュナムルティは、もし彼が覚者方について語ると、単にグラマーとイリュージョンと人々が彼ら自身よりも覚者方に対する依存心を増大させるだけになることを十分に知っていました。もしあなた方が、人類がどれほど多くのものを覚者方に負っているか、彼らの人類に対する不眠不休の指導と守護を知ったならば驚くでしょう。毎秒ごとに、過ぎゆくあらゆる瞬間に、覚者はどこかで世界の誰かを救っています——事故から、溺死から、災害から、火山の噴火や地震から——常にです。彼らはいつもそこにいます。彼らは常に最初にそこにいて、可能ならばどこでも救助し、援助しています。これは常に、毎瞬ごとに起きています。

しかし人々はそれを人格化します。彼らは、覚者方は彼らのためにいると考えます。なぜなら覚者方のことを聞いたからです。彼らは、覚者方は私たち個人の生活の中で私たちを助けるための方法を求めていると思っています。彼らはそのような個人的なやり方では働きません。彼らは人類のために働きます。彼らは進化の大計画のために働きます。彼らの仕事は、進化の大計画を、人類を通じて実現することです。この惑星のロゴス、この惑星に魂を入れた偉大な天人は、地球上のあらゆるものにとっての進化の大計画をお持ちです。そして覚者方は大計画を知り、地球の進化を促進するためにその中で働きます。私たち個人のために行動するのではありません。そうなさるかもしれませんが、そうするよう頼むことはできません。

マイトレーヤはこのような会合に彼のエネルギーを注ぎ、部屋を彼のエネルギーで満たしますが、質問されることはとても小さく、偏狭で、取るに足りないことです。今起こっているのは、何十万年もの中で世界で最も重要なことなのです! 霊的ハイアラキーが9万8千年ぶりに日常世界に帰還されるのです。それは途方もないことです!

 

2017年8月号目次

 

-覚者より
商業至上主義の呪い
■ベンジャミン・クレーム筆記

民衆は目覚める-選集
The people awaken - a compilation
民衆は目覚める

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(1)
ベンジャミン・クレームの初期の絵画
ジェーン・イングランド

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(2)
ベンジャミン・クレームー時代に先んじた秘教画家
フィリス・パワー

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(3)
ベンジャミン・クレームの芸術における抽象と統合
マーク・グレゴリー

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(4)
「美のために天界をくまなく探す」一人類への奉仕
フエリシティー・エリオツト

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(5)
ベンジャミン・クレーム美術館
オルガ&スコット・チャンピオン

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(6)
時間の外で生き、働く
ジル・フライ

編集長への手紙
大切なメッセージ 他

読者質問欄
回答ベンジャミン・クレーム

 

 

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。