読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

Q マイトレーヤと覚者方(全部で63名)は、しばしば非常に高度なユーモアのセンスを披露されますか。

A はい、そのとおりです。私の師である覚者はしばしば私を笑い転げさせます。彼はすごいユーモアのセンスをお持ちで、とてつもない人です。覚者方を見るとき、人々は欠点のない人を見るでしょう。彼らは人間ですが、欠点を持たず、感傷を持たず、完全な無条件の愛に満ちているところまで進化されています。それは彼らの存在の本性です。

Q ジュワル・クール覚者は、癌は人類に内在すると言われました。癌から守られるために人類の発展において何が起こらなければならないのでしょうか。

A 人類の偏極が高次のレベルに移ることが必要です。「偏極」という言葉が意味するのは、意識の支配的な焦点と、その人が活動し生活にアプローチするレベルのことです。

Q 肉体について言えば、輸血についてのあなたの見解はどういうものですか。

A 例えば、健康に関する限り、多くのクリスチャン・サイエンスの信者は輸血を受け入れないでしょう。これは肉体の機能についての誤解によるものだと思います。ある意味で、それは肉体が人間であることを受け入れています。私にとって、肉体はその人ではありません。肉体は単に、特定の生涯の間に真の人間である霊的存在──魂──が住まうものに過ぎず、死とともに撤退し、新しい肉体を更新して形成し、再び転生するためのものです。ですから肉体は生命のすべてではなく、あらゆる犠牲を払ってでも保持されるべきものではありません。他方で、それは薬や外科処置によって作用を及ぼし得るメカニズムであり、現代の外科や医学の効率性がなければ、世界はもっとひどい場所になっていたと思います。(ラジオKZUM-FMの番組「説明不能な現象を探究する」でのスコット・コバーン氏によるインタビュー、米国ネブラスカ州リンカーン、1993年6月19日)

アメリカの運命と役割――選集

The destiny and role of America ── a compilation

「アメリカの運命と役割」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、アリス・ベイリーを通してのジュワル・クール覚者の言葉(『光線とイニシエーション』と『ハイラーキーの出現』)ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻と第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 世界は本当にアメリカの魂の特質が顕現するのを待っている。そうなるとき、アメリカは世界全体としての必要を真剣に考えるだろう。マイトレーヤの教えの影響の下に、初めて、その見解を広げるだろう。マイトレーヤがアメリカの魂の様相を喚起し、アメリカが豊かに保持する資源を分かち合うように鼓舞するだろう。その結果は、世界規模での新しいマーシャル・プランである。それはこの国の国民としてのあなたたちの前に掲げ得る最も望ましいことの一つである。アメリカは偉大な国家である。ひどいこともやってきたが、それは他の諸国も同様である。アメリカは若い国家であり、したがって時には手に負えなくなることも予期される。しかし非常に強力で、非常に大きく、非常に金持ちなので、世界に途方もない影響を持つのである。その影響は、その国民の知性と創意の自然な流出である。

(『多様性の中の和合』)

 アメリカのみではなく世界中で、人々は変化の必要とその可能性に目覚めつつある。政治家や経済学者たちは現状を景気の“下降期”とか“後退”と呼ぶ。本当には、われわれは古い秩序の最後のよろめきのステップを目撃しているのである。規制されない競争と貪欲は人間にとって最も安全な道ではないことを、そのような物質主義教理は軽率な者たちに対して“すべり易い坂道”をつくり、そして究極的に、今日のような世界的危機をつくり出すということを、大勢の人々が認識しつつある。……
 諸国の民衆にとって変化への機は熟している。彼らは変化とより意味深い人生を求める。マイトレーヤは人間に本質的なものを思い出させるだろう──それなしには人間の未来はない。すなわち、正義と平和である。そしてその両方への唯一の道は、分かち合いを通してである。

(『覚者は語る(2)』── マイトレーヤの最初のインタビュー ──より)

 あなたがたがわたしを見るとき、神の本質が光と愛と意志であることを知るようになる。これらの聖なる様相があなたを通して反映されるように。そうなるとき、わたしはあなたを通して働くであろう。わたしはあなたを必要とする。あなたがた、すべてを必要とする。人間に信と喜びを回復させ、地球上の貧しい人々に、必要な資源を解き放ち、均衡を取り戻すために、この世界を再建する仕事を、わたしと分かち合ってくれるすべての人々を必要とする。わたしの役割は、あなたがたに方法を示すことである。あなたがたの役割は、行動し、わたしの計画を実施することである。わたしはあなたがたを信頼することができることを、頼むことができることを知っている。わたしの愛がすべての者を包む。

(『いのちの水を運ぶ者』第76信より)

 アメリカ合衆国(魂2光線、パーソナリティー6光線)は、魂のレベルからは、世界の和合と平和に深い、真摯な願望を持つ。しかし、アメリカはあまりにも若い国であり、大きく、強力であり、グラマーに満ちたパーソナリティーのコントロールの下にある。彼らの理想は和合と平和であり、それを世界に表示していると想像している。すべての国が、経済、政治、宗教においてアメリカの先導に見習うとき、必然的に平和はその結果として起こると信じるのである。その姿勢で、アメリカは世界を支配しようとして、平和の名の下に繰り返し戦争をしてきた(朝鮮、ベトナム、イラク、アフガニスタン)。アメリカがこのグラマーを克服して、第2光線の魂の影響が世界の諸事に顕されることを、世界は待っている。
 これが起こるとき(おそらくキリストによる大宣言の前ではないだろうが)、アメリカの魂の和合への生来の願望が行動へと活気づけられるだろう。そして総体への奉仕というアイディアが現在の支配への欲求に取って代わるだろう。世界の壮大な再建設が、数え切れない多くの個人によって始められるだろう。奉仕への欲求が、今のアメリカのあらゆることにおける優越感に取って代わるだろう。そして本当の平和の時代が訪れるだろう。

(『覚者は語る(2)』──「和合」についてのさらなる考察──より)

 わたしにあなた方を助ける機会を与えてください。そのためにわたしはここに来たのである。もしあなた方がわたしを受け入れてくれるなら、あなた方をあなた方の運命へと導こう、この世の始めから定められている、その運命へと。すべてはあなた方にかかっている。あなた方がそれを可能にする歩みを踏み出さなければならない。兄弟姉妹たちよ、わたしたちは自分たちをひとつと見なければならない、そしてすべての者のために共に働かなければならない。わたしたちは表面的にどう見えようと、別々な存在ではない。わたしたちはひとつのグループであり、わたしはその一員である。わたしはそのために、わたしのいのちのすべての瞬間を捧(ささ)げている。……
【フランスのパリで、ラジオ番組「Ici & Maintenant(今ここで)」でのインタビューの終わりにベンジャミン・クレームがマイトレーヤから受け取ったメッセージ】

(シェア・インターナショナル誌2010年5月号より、
『覚者は語る(2)』収録)

 第6光線の理想主義がアメリカの生活を支配しています。アメリカはそのパーソナリティーの器を通して生きています。それが今日の現実です。欲望原理が極端に強力であり、アメリカの人々を通して表現されています。富、お金、支配への欲望、そして最高で最大であること、勝つことへの欲望です。これはすべてパーソナリティーの欲望です。アメリカの(国家の魂を支配する)第2光線の志向は全く違ったものです。それは世界に奉仕し、世界を助け、より良い場所にしようとすることです。しかし、それにはほとんど機会が与えられていません。なぜならパーソナリティーがあまりに強力で、すべてに浸透しており、魂の様相はあのマーシャル・プラン〔第二次世界大戦後のヨーロッパの復興を目指して行われたアメリカ合衆国の経済支援、「ヨーロッパ復興計画」〕のときのように、たまに表現されるにすぎないからです。

(『生きる術』)

 マイトレーヤの教えがアメリカ合衆国の理想主義的魂を目覚めさせ、喚起させるだろう。そしてアメリカの最良の市民たちを、彼らがいつも心(ハート)に抱いてきた光に向けさせるだろう。彼らは世界中の兄弟姉妹たちと協調して、マイトレーヤに鼓舞されて、一致して、待っている世界に正義を、したがって平和をもたらすだろう。

(『覚者は語る(1)』──待っている世界 ──より)

 もうすぐ、あなたがたは、具体的事実としてわたしを見るであろう。あなたがたはわたしの存在を知るだろう。もしあなたがたの反応が、わたしの希望する通りであるならば、我々は出会い、友達として一緒に働くであろう。わたしの意図は、人類の窮地を乗り越える答えを、あなたがたの前に提示し、すべての人間にとって、未来は信じ難い約束をはらむことを示すことである。あなたがたの神性を解き放ち、生得の権利を受け継ぐための道を、わたしの兄弟である覚者たちと共に、あなたがたに示す。わたしの計画は、人類を真なる価値に、その真なる可能性に目覚めさせ、すべての人の裡〔ルビ:うち〕に聖なる神の子が宿ることを示すことである。

(『いのちの水を運ぶ者』第24信より)

質問:いま現在、米国が対処すべき重要な問題は何ですか。

覚者:現在の時点で、米国の主要な任務はその魂を見つけることであり、そしてそれと共に、支配することではなく、世界に奉仕することの必要を見いだすことである。今日、米国はそのパーソナリティー表現に集注しているので、真の奉仕がその政策にほとんど顕示されていない。分離主義、利己主義、貪欲〔ルビ:どんよく〕があの偉大な国の行動の多くをまだ条件づけている。ソ連の消滅がこれらのグラマー(錯覚)をさらに大きくした。米国にとっての前進の道はその多様な資源と才能とエネルギーを世界共同体のために供し、諸国家を新しい、生存可能な世界の創造へリードすることである。世界はそのような目的の成就を待つ。しかしながら、この非常に望まれる行動はキリストの出現とその受け入れを待つようになるのかもしれない。

(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

今は、アメリカのみがスーパーパワー(超大国)なので、異なった世界を創造していく責任があるのです。アメリカは国家の魂の様相である第2光線が示顕するときのみそれを果たすことができるでしょう。
 それは誰を通して示顕することができるのか。弟子たちやイニシエートたちを通してのみ示顕することができます。なぜなら彼らがその国の魂の様相に表現を与える人々ですから。アメリカが経済的な意味でつくり出したグローバリゼーション(世界化)に沿う世界的規模の協力についてのアイディアを、教えを、鼓舞させる想念を前面に押し出していくのはイニシエートと弟子たちにかかっています。その政治的な対応物をつくり出すだけ十分な善意と信頼がまだ国家間に存在しません。ですから市場フォース(エネルギー)に沿った競争精神、すなわち人生のあらゆる面の商業化(それは市場エネルギーの一部です)が支配しています。……
 人類の霊的危機は今日、政治と、特に経済の分野を通して集中しており、そこで解決されねばなりません。ということは、魂の様相、霊的な様相が持ち込まれねばなりません。

(『協力の術』)

 そこに西欧世界の過失がある。これらの“成功した”国々はその富と支配力を主に歴史に負うており、また世界経済を強引な“市場のフォース”を通して彼ら自身に有利なように操る彼らの能力に負うのである。世界の哀れな極貧の者たちは、今や自分たちの分け前を要求する。もしわれわれがこの単純な正義への当然の権利に対処し改善しなければ、世界に平和はないだろう。テロリズムは嵩じて、戦争に発展し、それは地球上の人間の未来を脅かすだろう。
 あなた方の兄たちであるわたしたちは、まさにこの世界の未来が脅威にさらされているのを傍〔ルビ:かたわ〕らに立って眺めていることはできない。アメリカは世界に提供できる多くの良いものを持つ偉大なる国である。アメリカは今、奉仕し、平和と正義の中に生き、そして調和と協力の中ですべての国々と一緒にこの世界をつくり直すために共に働くことを請い願うアメリカの魂に目覚めなければならない。

(『覚者は語る(2)』──アメリカの選択──より)

 アメリカは愛そうという意志を表現している。その意志は、大きく異なる要素を吸収しながらも、すべての人に平等な機会を与える能力に示されている。……使われる方法は緩やかな調整ではなく、迅速な同化という方法である。この国においてはまた、民衆がハイラーキーの影響に非常に敏感である。

(アリス・ベイリーを通してジュワル・クール覚者、『ハイラーキーの出現(上)』AABライブラリー)

 人事に、国事に、人間関係の中に、愛と正義が必要であることを彼らに語る。そしてこの崇高なる愛と正義なしには、すべての人間が滅びることを示す。わたしの望みは──いや、我が兄弟よ、わたしの知るところでは──人類はわたしの召集に応えるであろう。そうなることを、わたしは知っている。人間の裡に聖なる存在の宿ることを、わたしは知っている。愛と正義が勝利すべきであるというのは、その裡なる存在の計画によるものである。そうであるから、結果は保証されている。

(『いのちの水を運ぶ者』第77信より)

 アメリカは偉大な国であり、さらに偉大な国になるでしょうが、悲しいことに、その運命を逸脱しており、自分の理解していないフォースを弄んでいます。アメリカは若く、強く、極端に傲慢な国です。それは若者、特に強い若者の傲慢さです。より年長の、賢明な国家がアメリカの行動に反対の声を上げるべき時です。
 最良の方法は、分かち合いを受け入れるよう促すことです。分かち合いと正義は世界に均衡とバランスをもたらすでしょう。

(『多様性の中の和合』)

 私たちが待望しているのは、アリス・ベイリーを通してジュワル・クール覚者が述べたように、アメリカの魂の第2光線の愛の顕現です。アメリカの魂の様相が示顕するとき、それは世界から競争を除去するでしょう。これまではアメリカのパーソナリティーの面──貪欲で強引で重苦しく、法規を敷くのがうまくて、非常に競争的な第6光線のエネルギー ──が主に示顕してきました。

(『協力の術』)

 ジュワル・クール覚者はアリス・ベイリーを通して、問題と可能性について次のように説明している。「アメリカでの衝突は、ほとんど無責任と放縦にまで登り詰めた自由への愛と、世界奉仕と非分離性をもたらす人道主義的なイデオロギーの成長の間にある。……
 この理想主義の若々しい解釈は、アメリカのすべてのものが他のどこよりもよいというアメリカ国民の完全な信念、全世界の人々に向かって、どうすべきでどうすべきではないかを積極的に述べる気持ち、あらゆる支配に対する反抗、その先入観や偏見に同調するどのような情報も無思慮に受け入れる姿勢に見ることができる。アメリカ人の理想主義の成熟した様相は、真、善、美に対する、そして活発な人道主義と、リアリティーに対する祈願的な霊的取り組みを表現することへの国民の素早い反応につながっている」

(アリス・ベイリー『光線とイニシエーション(下)』AABライブラリー)

 マイトレーヤがもっと受け入れられるようになり、世界の世論が活気づけられるとき、変化に抵抗する人々は少数派になるでしょう。何百万もの善意のアメリカ人は変化と正義のためにマイトレーヤの側に立つでしょう。世界の飢えたる人々を救うために新たなマーシャル・プランのような活動が生み出されるでしょう。以前には決して結集されなかったような巨大で劇的な援助活動が国連機関を通して組織化され、配分されるでしょう。これは世界の世論とアメリカの世論に非常に深遠な影響を与えるでしょう。

(『大いなる接近』)

質問 米国には、この国の魂のエネルギーが顕現するかどうかを左右することができるイニシエートはどのくらいおりますか。(1998/5)

 およそ3,000人位です。つまり、第2、第3、第4段階のイニシエートたちです。あまり多くはありませんが、仕事を行うには十分です。彼らの一人、アブラハム・リンカーンであった第4段階のイニシエートはワシントンDCに住んでいます。彼は政府の下級職に就いている官僚です。彼は公に認知されることがないにしても前面に出てきて、力と洞察力と過去の経験をそのグループに提供するようになるでしょう。

(『協力の術』)

2023年1月号目次

 

覚者より
人間の役割
ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

視点
ブラジルでのルーラ政権復帰に安堵のため息をつくアマゾン
エイミー・グッドマン、デニス・モイニハン

新しい世界経済
ジェフリー・D・サックス

脱成長とコミュニズムの出会い:
『人新世の「資本論」 』 斎藤幸平著
田中純による書評

「私たちは今、かつてないほど平和を必要としている」
ブレット・ウィルキンス

未来への青写真 ユートピア思考 (第二部)
コルネ・クワテル

時代の徴
奇跡が世界中に溢れる、 他

意識の拡大
アート・ユリアーンス

すべての人のためのベーシックインカム
霊的な法令? ? 第一部
アンネ・マリエ・クヴェルネヴィック、アンジャ・アスケランド

マイトレーヤの優先順位
自由市場 「何かが間違っている」

編集長への手紙
同じ体験に関連する4通の手紙

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

2023年の表紙の絵
「均衡」

 

人間の役割

──覚者より
 ベンジャミン・クレーム筆記

 早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう。今日の方式──森林と土壌の略奪、やせた土地の過度な耕作、多種の動物や魚類の貪欲で無謀な捕獲、これらは永遠に消え去るだろう。
 自然の恩賜に対するこの不浄な戦いに、直ちに停止の号令がかけられねばならない。人はもはや大地と水を毒することを許してはならない。それは人間と動物を同様に脅かすものである。運動および空気と日光に浴する基本的権利を抑制するような飼育の方式に携わることは、もはや適切でない。実験のための数え切れない生物のむごい利用の仕方は、より健全な方法の研究と知識に道を譲らねばならない。
 今日、多くの人々がこれらの問題に関心を寄せ、変えることを呼びかけている。人間の心は正しい方向へ動いており、何ものもこの勢いを止めることはできない。しかしながら、世界の生態均衡を維持するためには、直ちに非常に大きな変化が必要である。
 地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである。
 今日、自然の法則の研究に巨大な額の金が費やされている。同時に、莫大な資源が浪費され、誤用されている。これらの資源が自然の均衡を安定させるために向けられたならば、新しい世界が出現するだろう。人間に長い間、隠されていた秘密を、人間自身が所有することになろう。いままで人間の詮索好きなマインド(識心)に閉ざされていた知識の領域に入ることになろう。自然はその神秘をついに明かし、そして人間は大計画の管理者としての正当な座を占めて、創造主とのパートナーシップ(提携関係)を始めるだろう。
 人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない智恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である。
 人類種族にとって幸いなことに、人間は孤立した存在ではない。人間生活の舞台の背後から、覚者たちの一団が、神の属性のすべてを賦与された者たちが、今、登場しつつある。彼らから長老の智恵が流れ、人間を道に沿って導き案内するだろう。彼らのインスピレーション(鼓舞)を受けて、人は自分の足どりを見直し、もう一度新たに始めるだろう。彼らの賢明な後見のもとに、人は神へと登り始める、潜在するのだが表現されていないあの神性を顕し示すために。
 このようにして、人間は早晩、覚者となり、同じように神の大目的の奉仕人になるだろう。そうすると、人類から、大計画を進行させるためにすべてのものを共に育む普遍的な智恵の流れが注ぎ出すだろう。

(シェア・インターナショナル誌1985年12月号)

今月号の内容概説

 この合併号(日本語版は1月号と2月号に分けて発行)の目次は、シェア・インターナショナル誌が、読者を未来へ連れて行くための「早送り」ボタンを押したかのような印象を与える。
 「ブラジルでのルーラ政権復帰に安堵のため息をつくアマゾン」は、広大な熱帯雨林を回復するための即座の変化を示唆している。これは惑星の肺を救うための、正しい方向における緊急に必要な一歩である。
 「私たちは今、かつてないほど平和を必要としている」という平和への訴えかけは、今こそ平和が必要だという緊急の叫びである──人類を救うために。
 「人間の役割」は、人類の将来の仕事についての覚者の助言であり描写である──人類自身と地球を救うために。
 「未来の青写真」は、持続可能な明日についての実行可能なビジョンである──すべてのもののために。
 「アメリカの運命と役割」は、マイトレーヤと覚者方の導きや教えに正しく反応できるように、アメリカの当面の、そして将来の任務を描写している──人類のために。
 「ユニバーサル・ベーシックインカム」は、霊的な運動である──万人のための社会的正義をできるだけ早く実現するために。
 「脱成長とコミュニズムの出会い」は、資本主義の終焉と自然界へのその影響を描いている──経済的正義が確立されることを期待して。
 「意識の拡大」は、魂との接触を通して私たちの本性を深く感得することにより、いつの日か死の恐怖がなくなり、遍在しかつ超越する神と整列することになると説明している──神の大計画の成就のために。
 こうした不確かな時代にあって、休暇シーズンはずっと昔のことのように思えるかもしれない。しかし、ますます多くの人が立ち止まって、11月には何に感謝を捧げていたかを熟考し、イエスの誕生を記念するクリスマスの意義について考え、私たちが2025年に近づくにつれて、この新年に対して希望を抱き、計画を立てたはずである。2025年は重要な年である。各世紀の最初の25年の終わりに、すべての覚者方が特別な秘密会議のために集まり、過去を評価し、現状を検討し、未来のために計画を立てるからである。
 新世界にイエスが姿を現した場面がベッティ・ストックバウアー氏の書評「主はアメリカを歩めり」で明らかにされており、過去と現在と未来、そして私たちのこの時点は、いっそう鮮明に見えてくる。多くの読者が知っているとおり、イエス覚者は、いま現代世界にいる覚者方の一人であり、マイトレーヤと密接に働いている。「……イエス覚者が主要な役割を果たすだろう。彼の任務はキリスト教のグループを、より実りの多い線に沿って再建させることであり、教育と治療のセンターとしての彼らの役割に向かって準備させることである。これについてイエス覚者はキリストと密接に働くだろう。しかしマイトレーヤの使命は、人間の生活のすべてを包含するだろう。マイトレーヤのエネルギーとインスピレーションはすべての分野を刺激し、人類は彼を本来の姿である世界教師(ワールド・ティーチャー)として知るだろう。彼の指導のもとに、人類は世界をより正しい霊的な線に沿ってつくり直し、このようにして達成の山頂へと登り始めるだろう」(ベンジャミン・クレームの師、「マイトレーヤの使命」より、1985年)〔この記事は1989年発行のシェア・インターナショナル「特別情報号」にも掲載〕
 この合併号では、現在と今後数十年間の世界のウェルビーイング(幸福)におけるアメリカ合衆国の決定的に重要な役割と運命についても注目している。「マイトレーヤの教えがアメリカ合衆国の理想主義的魂を目覚めさせ、喚起させるだろう。そしてアメリカの最良の市民たちを、彼らがいつも心(ハート)に抱いてきた光に向けさせるだろう。彼らは世界中の兄弟姉妹たちと協調して、マイトレーヤに鼓舞されて、一致して、待っている世界に正義を、したがって平和をもたらすだろう」(ベンジャミン・クレームの師、「待っている世界」より)[2003年]
 シェア・インターナショナル誌は、2023年が読者にとって心を鼓舞させるような、インスピレーションを受ける年になることを願っている。私たち人類が共に、自分たちの役割を果たし、最高の志向を現実のものにすることができますように。

2023年の表紙の絵

「均衡」

 「画家が求めるのは調和であり、作曲家が求めるのも調和です。画家や作曲家によっては、その芸術はそれほど調和があるようには感じられないかもしれませんが、彼自身は、絵画や音楽の中で創造したものが彼にとって調和があり、生命があり、その本性の法則に従い、完成し、もう一筆加えたり、音を追加したりすれば、それが損なわれ、均衡が乱されてしまうというところまで追求するのです。常に均衡を求めます。意識的に求めてはいないかもしれませんが、良い画家や作曲家であれば、無意識的に求めます。この直観の感覚が、色や形を適用する中で彼を導きます。なぜなら他に誰もいないからです。彼を導くものは彼の直観しかありません。直観に従うならば、彼は完全性を目指し、その完全性は和合です。一見していかにバランスを欠いているように見えても、彼は均衡を生み出さなければなりません。すべてを静的な状況に置くことで和合を生み出すことはできません。静的でない状況を生み出し、それに均衡をもたらすことによって和合を生み出すことができます。その均衡が絵画や音楽作品の生命であり、あなたが働いている共同体の生命です。

 人生のあらゆる側面に均衡を生み出すことができるとき、人類は正しい人間関係が生まれていることを知るでしょう。正しい人間関係は無害と均衡です。均衡とはバランスを取ることです。人生には多くの要素があり、絵画や彫刻と同じように、あなたはそれらを統合しなければなりません。死んだバランスではなく、最終的には均衡が生み出されるような方法でそれを創造しなければなりません。このようにしてあなたは生きた仕組みをつくり出すのです。色彩の調和が欲しければ、すべてを一つの色で描くこともできます。しかし多くの色、多くの面、多くの音に表現を与えたいならば、一生懸命働き、それらすべてに均衡状態をもたらすために、直観を用いなければなりません。均衡は静的なものではありません。人生に均衡があるときに真の人生と言えます。均衡がないとき、破壊的か静的であり、それは死にかけています。静的な人生が静的であるのは一瞬の間だけです。現状維持とは過去の一瞬ですが、すでにその瞬間は終わっています。だから現状維持というようなものはありません。存在するのは常に動きであり、その動きは安定を求めています。それは和合を求めており、言い換えればそれは均衡です」

(シェア・インターナショナル誌2006年1月号。ベンジャミン・クレーム
『生きる術』も参照)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

同じ体験に関連する4通の手紙

(1)『分かち合いが世界を救う』展示会(ヴィルブージ)

 パリから南東に100キロ足らずの場所に位置しているヴィルブージで、2022年9月18日、私はパルタージュ・アンテルナスィヨナル(仏語版シェア・インターナショナル誌)の裏表紙から作成した展示写真を掛ける仕事を担当していました。写真を保管用の箱から取り出していた時、手がヒリヒリと熱くなるような心地良いエネルギーが目に見えて、感じることもできたのです。それは圧力調理器で蓋を開けると、蒸気が出てくるときのような感じでした。写真からも同じように感じられました。壁に掛けていくのは大変でしたが、展示のために用意されたヨガ・ルームで写真を掛け続けていました。展示はそこで1カ月続けなければなりませんでした。写真に触れるたびに、白い光がひらめくのが見えて、泣けてきてしまいました。私が『ウェルネス・サロン』に戻ってから、私たちは入り口のひさしに2枚の写真を展示しました。
 昼食から戻ると、私たちの会場のエネルギーがすっかり変化したことに気づきました。そして写真に触れるたびに、そのエネルギーが見えて涙が流れました。けれども、こうしたことが続くことは全く予想外だったのです。後になっても、グループのメンバーと設営のことや、似たような物事を話すたびに、そのメンバーが誰であれ、話しかけては止められていたのは、私が泣き出し続けていたからでした。そうしたことが非常に頻繁に私に起こり、手紙を書いている現在に至るまで続いています。つまり、展示でマイトレーヤのエネルギーによる体験をしてから30日経ってもそうなのです。
 結果として私は他のメンバーたちに自分の体験について話をして、キーワードになる言葉が心の中で印象に残っていることも伝えました。私が表現しようとしている体験を言葉に置き換えるのは、私にとっては非常に難しいことでした。グループと接触するといつでも、『分かち合い』という言葉が頭から離れませんでした。
 こうした時間を別にすると、私の人生はごく普通なのです。分かち合いが私たちの『外的人生』においてだけでなく、グループの内的人生についてのものであると分かったことを、私は他の人々に繰り返し伝えました。そうした人生の二つの様相は分離していないのです。
 しばしばグループのメンバーたちの中に『休止期間』という感覚があるように思っていました。今こそ分かち合いをグループの中でも外でも、私たちの思考、言葉や行動において実践する時が来たことを伝えようとしました。私に個人的な問題があるにもかかわらず、より多くの展示会をやっていくべきだと考え続けていました。この考えがより強くなって、活動的なメンバーが11月に不在の時に、展示会を行うという提案をした夜もそうした思いでした。私には今やるべきだという感覚がありました。そのため私の気持ちを分かち合い続けて、グループの良識に訴えました。私たちは個人的な問題のためにマイトレーヤの手のエネルギーを求めるけれども、マイトレーヤによって祝福された展示会のエネルギーを喚起してはいないと伝えました。集団的な善のためのエネルギーであるにもかかわらず、私たちはそれを喚起していない、と。『分かち合い』という言葉はグループ内でも外でも、今の状況に非常にふさわしいのです。人々には分かち合う用意がない、適切な時ではないというような意見をしばしば耳にしてきましたが、この体験の後はそういった意見を受け流すことはしないつもりです。なぜなら今のように、まさにこの時だという時は、決してなかったと感じているからです。
 もちろん、分かち合いは常に今日的な意味のあるものですが、どうして今すぐなのかを私に尋ねないでください。答えることはできませんから。それでもあの体験以来私は知ったのです。月刊誌の裏表紙に基づいた『分かち合いが世界を救う』写真展の展示をすることによって、様々なエネルギーによる体験もあって、この伝達手段をもっと頻繁に使用することを、私たちは求められていると確信するようになりました。『分かち合いが世界を救う』という事実に対してハートをオープンにする目的を持って、分かち合いを私たち自身の中にももたらすことを目指すのです。
 私たちはパルタージュ・アンテルナスィヨナル誌のたくさんの読者なのです。

M.A.
フランス、パリ

(2)『分かち合いが世界を救う』エピソード2

 私たちはパリで2022年10月31日から11月7日の期間、仮店舗に展示して『分かち合いが世界を救う』という写真展を催しました。11月1日にその店舗で私が読書していると、すぐにでも眼科医に診てもらいに行くべきだと思いついたのは、だんだんと濃くなっていく白い霧が見えるようになったためでした。
 私が思ったのは、自分の視覚の問題が実際には、自分に見えているエネルギーなのだということでした。それは続いて起こったことによって明らかになりました。突然、頭の中で「マイトレーヤがおられる、ドアを通って来られる!」とはっきりと聞こえたのです。見上げると通行人がいましたが、マイトレーヤではありませんでした。そうではなく、はっきりとしたエーテル体の光の人影が、ドアを通り抜けていくのが見えていました(それは剣の祭りで踊っている姿の時のマイトレーヤのようでした)。突然、ハート・センターと頭頂に強力なエネルギーを感じました。
 寒くなってきても、〔来場者が展示会に入りやすいように〕店舗のドアをできるだけ大きく開けておくようにしていましたが、まるで鍵をかけたかのように閉じてしまいました。起こり得ないのですが、まるでドアの鍵が開けられたようなカチッという音が聞こえました。この体験の後は、寒くても毎日ドアを開け放していました。
 2022年9月18日に体験したシェア・インターナショナル写真展(1の手紙参照)の困難を思い出したくありませんが、そうしたことは起こりませんでした。けれども、私たちが設営をした次の日にエーテル体の人影がドアを通った時、私はハートに痛みを感じて、それはまるで貧富の増大する格差[によって引き起こされているか]のようでした。1分後に一人の来場者が入ってきて、写真を見ておらず、引用文も読んでいないうちに『ありがとう』と言ったのです。この『普通の』男性は何かを感じたに違いありませんでした。彼が入って来た時、彼は、なぜ自分が戻ってきたのか不思議に思っているように見えました。エネルギーが波のように押し寄せてきて、写真展の会場を流れていました。

M.A.
フランス、パリ

(3)啓発された分かち合い

 2022年11月1日の午後に、パリで開かれた写真展のイベントとして、分かち合いをテーマに講演をするため出かけました。準備をする時間がほとんどなかったので、私は少し不安でした。驚くべきことに、講演が進むにつれて、アイディアは自発的に明確な順序で沸き起こってきました。それはまるで話している間に、自分自身が思考しているのをはっきりと見つめているかのようでした。これほど準備のない状態でこれほどリラックスできたことは、これまでに一度もなかったのです。私は助けられて、マイトレーヤのエネルギーがもたらされたと確信しています。それを理解したのは、このイベントを計画したグループメンバーが、彼女の朝の体験について話してくれた時でした。『分かち合いが世界を救う』と題された写真展がエネルギーで活気づけられ、祝福されていることを私は確信しています。

フランソワーズ M.
フランス、パリ

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

Q .私たちは自分で覚者方に接触することはできますか。

A いいえ、覚者に接触することはできません。何らかの理由があれば覚者があなたに接触します。まず最初に、メンタル偏極というものを達成しなければなりません。あなたの意識の偏極は高位のメンタル界になければなりません。なぜなら彼らは魂のレベルで働くからです。しかし、もしあなたが世界への奉仕に適合し、十分に客観的になり、オープンで利他的な方法で働く用意があれば、彼らはあなたに接触するかもしれません。
 接触を受けた人々は時の初めから存在します。すべての偉大な芸術家、思想家、詩人、作家、音楽家、偉大な政治家、科学の発見者たち、彼らは皆、覚者方の弟子です。彼らは覚者方の監督の下で働き、私が行っているように、内的に、主観的に魂のレベルで与えられたものに反応しています。このようにして、彼らは覚者方の仕事をこの世で実行してきました。このようにして、私たちの文明と文化は長年発展してきました。

Q では、覚者や教師方が出てこられるとき、彼らが与えるメッセージは和合ということですか。

A それは和合でしょう。マイトレーヤは、絶対的に最初の、必要不可欠なステップは、人類が自らを一つと見なすことであると言われます。私たちは一つの神の下での人類の兄弟姉妹です。

Q あなたは商業主義について言及しました。私たちの真の敵は「マディソン・アベニュー」の商業主義なのですか。

A マイトレーヤは、私たちの真の敵は貪欲であると言われます。市場のフォースは人間の貪欲の表現です。実際にそれは一つの主要な罪──分離という罪──の表現です。その一つの罪から他のすべての罪が派生します。私たちは「別々」ではありません。それは神話です。私たちが分離しているというのは完全な幻想です。なぜなら魂の界では私たちは本質的に魂であり、この肉体のパーソナリティーに転生した魂だからです。魂の界では分離した魂というものはありません。それは存在しません。それぞれの魂は一つの偉大なオーバーソウル(超魂)の個別化した部分です。それが内的なリアリティです。私たちが分離しているという見かけは幻想であり、いつの日か私たち各人が目覚めなければなりません。私たちが転生しているのはそのためです。それが転生のプロセスが意味することです。
 覚者方はそれを認識しています。彼らはグループ意識しか持ちません。パーソナリティーを持たず、分離した人格意識を全く持ちません。彼らはこの惑星の中心である神の愛の顕現です。和合の感覚を持っているので、その愛が顕現されるのです。

Q マイトレーヤは、出てくるよう招待されれば用意ができているでしょう、とあなたは言われました。それはおそらく、テッド・ターナー氏がこのことに注目するための呼びかけになるのではないかと思います。もしCNNがそれを取り上げれば、私たちは用意ができるに違いありません。

A 二つのことが起こりました。CNNはすでに彼にインタビューを行いました。四つの30分インタビューの一部として、約30分のインタビューです。他の三つのインタビューは原理主義的な神学者たちが相手であり、その目的はマイトレーヤとその神学者たちの見解や論理とを比較することだったと思います。しかし私の理解するところでは、マイトレーヤとの体験があまりにすさまじかったので、そのインタビューを一度も放送していません。
 CNNからロンドンに来てインタビューに参加した技術者の一人が、マイトレーヤの信奉者のようにそこに残りました。彼は非常に感銘を受けたのです。やがて彼は他の人々を集め、直接マイトレーヤと2時間から3時間のインタビューを行いました。私はそれを見ていません。それから彼らはこの国の主要ネットワークを巡り、その主要ネットワークのうちの一つが半年間の放映権を握りました。半年が経っても、彼らは放映しませんでした。契約を更新し、保管したまま放送しないことを欲しました。ですからインタビューは存在します。

(ベンジャミン・クレームのラジオ・インタビュー、1991年6月22日、ミシガン州デトロイト、「Phenomenews in the Air」より)

2022年12月号目次

 

覚者より
暗闇の終わり
ベンジャミン・クレーム筆記

今月号の内容概説

視点
オックスファム:
一人の億万長者は平均的な人の100万倍もの排出物を出してる
ジェシカ・コーベット

豊富なエネルギー
カルステン・ファン・アスドンク氏へのインタビュー
ニールス・ボス

世界情勢
平和活動家たちがノーベル平和賞を共同受賞

20カ国以上の主要メディアが大規模な石油の超過利潤税を求める
ジェイク・ジョンソン

未来への青写真 ユートピア思考(第一部)
コルネ・クワテル

新しい時代の徴、 なぜ今なのか―選集
Signs of the new time, why now ? – a compilation

時代の徴
世界中の光の現象、他

ヴァネッサ・ナカテさんが、 致命的な化石燃料を永続させる世界のリーダーたちを糾弾する-抜粋
ケニー・スタンシル

神の王国
アート・ユリアーンス

マイトレーヤの優先順位
「エルダーズ」からG20への厳しい警告

編集長への手紙
クリスマスと新年の光 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

暗闇の終わり

──覚者より
  ベンジャミン・クレーム筆記

 この地球ほど分割と不調和が蔓延している惑星はどこにもない。われわれの太陽系の中で、これほど競争の中に浸かりきって、協力の恩恵に無知な惑星は他にない。そのような愚行の結果、すなわち不安とあらゆる種類の病気、隣り合わせにある富と貧困、不安定と戦争、が見られるところは他にない。

 なぜそうでなければならないのか。なぜこの最も豊かで肥沃な世界の住民は、その所有権をめぐって争わねばならないのか。

 その答えは、ある程度は地球の資源の非常な豊かさにある。地球は最も密度の高い物質世界であり、長い間、人間はその物質的な富の奴隷になっており、その富をコントロールするために戦い、競争してきたのである。このことが人間王国(およびそれと共に動物王国)を絶滅の瀬戸際にまで追い詰めたのである。核爆弾の開発によって、人間は自分自身の存在そのものを危機に陥れた。

 何にもましてこの事実が、マイトレーヤに彼のグループと共に日常世界に戻る決意を促したのである、少なくとも予定されていた時期よりも千年も早く。彼の目標は人間を説きつけて、瀬戸際から引き戻すことであり、彼らの権力への渇望が、貪欲と競争が、いかに危険で破壊的であるかを示すことである。

 マイトレーヤは人間に、より容易な方法を、協力と正義と信頼の方法を示すだろう。

 この惑星全体に広まる現在の物質主義の不正を、心(ハート)のうちで拒絶する人々が今日たくさんいる。彼らは正義と平和を願い、それらの達成のために行進しデモをする。ますます多くの世界の民衆が一緒になるとき、強力な男たちの行動を変えるだけの力を持つことを認識し始めている。かくして、マイトレーヤは民衆を信頼し、彼らの要求に声を与える。かくして、彼は民衆の行進に参加し、彼の声を彼らの声に加えられる。

 全般的な貪欲のただ中に、幾つかの国々において、政治家や他の人々の中に良心の目覚めがある。極貧の国々の負債が帳消しにされ、そして非常に多くの人々のひどい貧苦に対する新しいアプローチがとられつつある。20年にわたる労苦の成果が実り始めている。マイトレーヤの慈悲心に富むエネルギーがその魔法のような働きをしており、新しい精神が力を強めつつある。

 かくして、数え切れない長い時代の心的態度と習慣は、マイトレーヤと彼のグループによって統御される新しい抑止され得ないエネルギーの前に崩れ始めている。人間は恐れる必要はない。まさに、至るところにいる従順なる者、貧しき者、無力なる者、労苦する者は地球を受け継ぐだろう。人間は協力と奉仕の素晴らしさを学び、そして権力の要塞は一つずつ陥落するだろう。分かち合いと一体性への新しい衝動が人々の心(マインド)を捉えるにつれて、権力と富の帝国は消えていくだろう。そのようになるだろう。かくして、人間は正気を取り戻し、再び(本源に向かって)登り始めるだろう。  

(シェア・インターナショナル誌2005年7、8月号)

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。